結論(4行)
- 国民年金保険料が払えない場合、全額免除・4分の3免除・半額免除・4分の1免除・納付猶予のいずれかを申請できる
- 免除区分に応じて、将来の年金額への反映割合が変わる(全額免除は2分の1、納付猶予は反映なし)
- 未納のまま放置すると年金額に反映されないだけでなく、障害・遺族年金を受け取れなくなる可能性もある
- 追納は10年以内なら可能。ただし3年度目以降は加算額が上乗せされる
国民年金保険料を払うのが経済的に難しいとき、そのまま未納にするのではなく、免除や納付猶予を 申請できます。 日本年金機構の資料にもとづいて、制度の仕組みを整理します。
免除は4段階、それぞれ年金額への反映が違う
免除の区分と年金額への反映(全額納付を8分の8とした場合)
- 全額免除:納付額0円 → 年金額への反映は 2分の1(8分の4)
- 4分の3免除:納付額4,480円(令和8年度) → 反映は 8分の5
- 半額免除:納付額8,960円(令和8年度) → 反映は 8分の6
- 4分の1免除:納付額13,440円(令和8年度) → 反映は 8分の7
全額免除でも、年金額がゼロになるわけではありません。 保険料の半分は国庫(税金)で 負担されている仕組みのため、全く納めなくても2分の1相当は将来の年金額に反映されます。
所得基準
免除の種類ごとに、承認される所得の基準が決まっています。
| 区分 | 所得基準(本人・配偶者・世帯主それぞれが対象) |
|---|---|
| 全額免除 | (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 |
| 4分の3免除 | 88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
| 半額免除 | 128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
| 4分の1免除 | 168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
本人だけでなく、配偶者・世帯主の所得もそれぞれ基準を満たす必要があります。 本人の所得が 低くても、同居する世帯主の所得が高ければ承認されない場合があります。
納付猶予制度:50歳未満が対象
納付猶予の条件
- 対象は 20歳以上50歳未満の方
- 所得基準は全額免除と同じ:(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円
- ただし 年金額には反映されません(追納しない限り)
納付猶予は、あくまで「支払いを待ってもらう」制度です。受給資格期間(10年)には算入されますが、 年金額を増やすには追納が必要という点が、免除とは違います。
学生は「学生納付特例制度」
20歳以上の学生は、本人の所得が一定以下であれば「学生納付特例制度」の対象になります。 納付猶予と同様、承認された期間は年金額に反映されません(追納しない限り)。
追納:10年以内、ただし3年度目以降は加算あり
追納のルール
- 追納できるのは、承認された月の前10年以内の期間
- 免除・納付猶予・学生納付特例の承認を受けた年度の翌年度から起算して3年度目以降に追納する場合、
当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされる
早く追納するほど、加算額がかからず有利です。 家計に余裕ができたタイミングで、 早めに追納を検討する価値があります。
未納のまま放置するリスク
免除・納付猶予を申請せずに未納のまま放置すると、次のようなリスクがあります。
未納のデメリット
- 老齢基礎年金の額にまったく反映されない
- 受給資格期間(10年)にも算入されない
- 障害基礎年金・遺族基礎年金の対象にならない可能性がある
一方、免除・納付猶予が承認されていれば、保険料を納めていなくても、これらの年金の 対象期間として扱われます。「払えないから未納」ではなく、「払えないから申請」が 選べる選択肢です。
申請は原則毎年度必要
免除・納付猶予の申請は、原則として毎年度必要です。ただし、全額免除または納付猶予の 承認を受けた方が翌年度以降も引き続き希望する場合は、継続して申請があったものとみなす 「継続審査」の対象になることがあります。
まとめ
- 免除は全額・4分の3・半額・4分の1の4段階。区分ごとに年金額への反映割合が違う
- 全額免除でも年金額の2分の1相当は反映される(国庫負担分)
- 納付猶予(20〜50歳未満)・学生納付特例は、年金額に反映されない(追納しない限り)
- 追納は10年以内。3年度目以降は加算額が上乗せされる
- 未納のまま放置するより、免除・納付猶予を申請したほうが年金額・受給資格期間の面で有利
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出典
本記事は2026年9月6日時点で公表されている内容に基づいています。個別の申請・所得基準の判定は、お住まいの市区町村の国民年金担当窓口または年金事務所にご確認ください。
よくある質問
保険料を未納のまま放置するのと、免除を申請するのでは何が違いますか?
未納のままだと老齢基礎年金の額にまったく反映されず、万一の際の障害基礎年金・遺族基礎年金を受け取れなくなる可能性もあります。免除・納付猶予が承認されれば、保険料を納めていなくても一定の要件を満たした期間として扱われ、障害・遺族年金の対象にもなります。
免除の申請は一度すれば、その後もずっと有効ですか?
原則として毎年度の申請が必要です。ただし全額免除または納付猶予の承認を受けた方が翌年度以降も引き続き希望する場合は、継続して申請があったものとみなす「継続審査」の対象になることがあります。
納付猶予は年金額に反映されますか?
反映されません。納付猶予はあくまで「猶予」であり、追納しない限り、その期間は年金額の計算に加算されません。ただし受給資格期間(10年)には算入されます。
追納するとどのくらいお得ですか?
追納した分は全額納付した場合と同じ扱いになり、将来の年金額が増えます。ただし承認された年度の翌年度から起算して3年度目以降に追納する場合は、当時の保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされます。早めの追納のほうが有利です。


