結論(3行)
- 扶養親族に該当する所得要件が、令和8年度税制改正で 58万円以下 → 62万円以下 に引き上げられた
- 給与収入だけの家族なら、目安は 年収136万円以下
- 年齢と同居の有無で控除額が変わる。特定扶養親族(19〜22歳)は63万円と最も大きい
年末調整の書き方2026で触れたとおり、年末調整で最初に書く書類が 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」です。基礎控除申告書などとは別の書類で、 扶養している家族の情報を書きます。
扶養親族の所得要件が変わった
扶養控除の対象になるには、扶養している親族の合計所得金額が一定額以下である必要があります。
| 年分 | 所得要件 | 給与収入換算の目安 |
|---|---|---|
| 令和6年分まで | 48万円以下 | 103万円以下 |
| 令和7年分 | 58万円以下 | 123万円以下 |
| 令和8年分 | 62万円以下 | 136万円以下 |
「62万円」は私が更新した数字です
国税庁のタックスアンサー(No.1180など)は、2026年9月6日時点でまだ「58万円以下」という 令和7年度改正時点の表記のままになっています。62万円への引き上げは財務省の税制改正大綱で 確認していますが、タックスアンサー本体にはまだ反映されていません。 年末調整の直前には、 国税庁の最新のページか勤務先の案内で確認してください。
去年「年収130万円くらいだから扶養には入れられない」と言われた家族がいる場合、 今年は基準が136万円まで上がっているので、対象になる可能性があります。確認し直してください。
控除額は年齢と同居の有無で変わる
所得要件(62万円)を満たしたうえで、扶養親族の年齢と同居の状況によって控除額が変わります。 この金額自体は今回の改正で変わっていません。
| 区分 | 年齢の目安 | 控除額 |
|---|---|---|
| 一般の控除対象扶養親族 | 16歳以上(下記以外) | 38万円 |
| 特定扶養親族 | 19歳以上23歳未満 | 63万円 |
| 老人扶養親族(同居老親等以外) | 70歳以上 | 48万円 |
| 老人扶養親族(同居老親等) | 70歳以上・同居 | 58万円 |
年齢はすべてその年の12月31日時点で判定します。
特定扶養親族と特定親族特別控除の違い
どちらも19〜23歳未満が対象ですが、範囲が違います。
- 特定扶養親族(この記事の対象):親族の合計所得金額が62万円以下。控除額は63万円で固定
- 特定親族特別控除:親族の合計所得金額が62万円超123万円以下。所得に応じて控除額が段階的に減る
大学生年代の子がアルバイトなどで62万円をわずかに超えた場合、扶養控除ではなく特定親族特別控除の 対象になります。こちらは基礎控除申告書・配偶者控除等申告書の書き方 で解説しています。
同居老親等とは
老人扶養親族のうち、納税者本人または配偶者の直系尊属(父母・祖父母など)で、 普段同居している人が「同居老親等」です。仕送りだけで別居している親は、 「同居老親等以外」(48万円)になります。
記入例
Bさん(会社員)のケース
- 19歳の大学生の子(アルバイト収入あり、年収80万円)
- 72歳の同居の母(収入なし)
記入内容
- 子:年収80万円 → 給与所得控除を引いた合計所得金額はおよそ15万円 → 62万円以下なので扶養親族に該当。
年齢19歳(12月31日時点)なので 特定扶養親族・控除額63万円 を記入
- 母:収入なし → 扶養親族に該当。70歳以上・同居なので 同居老親等・控除額58万円 を記入
このケースの扶養控除の合計は 63万円+58万円=121万円 になります。
よくある間違い
記入時の注意点
- 年の途中で誕生日を迎えた家族:12月31日時点の年齢で区分を判定する。19歳になった年の年末調整から特定扶養親族として書ける
- 別居の親への仕送り:「生計を一にしている」なら扶養親族にはなるが、「同居老親等」(58万円)ではなく「同居老親等以外」(48万円)になる
- 共働き世帯での二重計上:同じ子を夫婦それぞれの申告書に重複して書かない。扶養に入れるのはどちらか一方
- 年収の見込み違い:所得要件(62万円以下)はあくまで見込みでの判定。実際の年収が見込みを超えて要件を外れた場合、扶養控除は使えない
まとめ
- 扶養親族の所得要件は令和8年分から62万円以下(給与収入136万円以下が目安)
- 控除額は年齢・同居の有無で決まる。特定扶養親族(19〜22歳)が63万円で最大
- 62万円を超えた19〜23歳未満の子は、特定親族特別控除(別の申告書)の対象になる可能性がある
- 年齢の判定はその年の12月31日時点
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出典
本記事は2026年9月6日時点で公表されている内容に基づいています。給与収入換算額は私の試算です。個別の判断は所轄の税務署にご確認ください。
よくある質問
去年「扶養親族に該当しない」と言われた家族が、今年は対象になることはありますか?
あります。扶養親族に該当するための合計所得金額の上限が、令和8年度税制改正で58万円以下から62万円以下に引き上げられました。給与収入だけの人なら年収136万円以下が新しい基準です。去年123万円前後で対象外だった家族は、今年は対象になる可能性があります。
扶養控除等申告書と、基礎控除申告書はどう違いますか?
扶養控除等申告書は扶養親族(主に子や親)の人数と情報を書く書類です。基礎控除申告書は自分自身の所得を、配偶者控除等申告書は配偶者の所得を申告する書類で、こちらは別の記事で解説しています。
扶養親族の年齢はいつの時点で判定しますか?
その年の12月31日時点の年齢で判定します。年の途中で誕生日を迎えて年齢の区分が変わる場合は、12月31日時点の年齢に合わせてください。
別居している親でも扶養控除の対象になりますか?
なります。生計を一にしていれば同居は要件ではありません。ただし「同居老親等」(控除額58万円)に該当するには実際に同居している必要があり、仕送りのみで別居している場合は「同居老親等以外」(控除額48万円)になります。


