結論(3行)
- 令和8年分の年末調整は 申告書の様式が変わり、控除額も引き上げられている
- 変更が反映されるのは 12月の年末調整から。11月までの給与は変わらない
- やることは例年と同じ3ステップ。変わったのは「基準になる金額」だけ
年末調整のシーズンが近づくと、毎年「何を書けばいいんだっけ」となります。今年はそれに加えて、令和8年度税制改正で控除額そのものが変わりました。
この記事では、令和8年分で「何が変わって、何が変わっていないか」だけを短く確認できるようにしました。書類ごとの詳しい記入例は、すぐ下の地図からそれぞれの記事へ進めます。
配られる書類の地図|誰が書くかと記入例の記事
年末調整で提出する主な申告書は、次の3つです。国税庁の様式では、3つはそれぞれ別の用紙です。
配られる書類の地図(令和8年分の年末調整)
- 扶扶養控除等(異動)申告書扶養する家族がいない人も、上の段(氏名・住所など)を書いて出す。配られるのは、たいてい令和9年分の様式
- 基基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書自分の合計所得金額の見積額を書き、基礎控除の額を出す。配偶者や、19歳以上23歳未満の子など特定親族がいれば、その欄も書く
- 保保険料控除申告書生命保険・地震保険に入っている人、給与天引き以外で国民年金・国民健康保険などを払った人、iDeCoなどの掛金がある人
書類の名前を押すと、記入例つきの記事へ進みます
2番目の書類だけが、名前のとおり4つの申告を1枚で兼ねる様式です。ここが令和8年分から変更されています。
実際の様式(国税庁)
画像を押すと、記入例つきの記事へ進みます。

記入例:扶養控除等申告書の書き方


記入例:保険料控除申告書の書き方
自分はどの書類の、どこを書くのか

様式が変わったって言われても、どこを直せばいいのか分からないよ。

全部を読む必要はありません。自分に関係のある欄だけを先に見つけてしまえば、あとは去年と同じ作業です。
年末調整でいちばん多い迷いは「この紙、自分は書く必要があるのか」です。何枚も配られて、どれが自分に関係するのか分かりません。
下で選ぶと、記入する欄だけが出ます。
令和8年分(2026年)の様式を前提としています。会社によって配られる書類や記入方法が異なることがあります。最終的には勤務先の案内に従ってください。
変わったこと・変わっていないこと
令和8年分で変わったことは、次の5つです。
| 項目 | 令和8年分の変更 |
|---|---|
| 基礎控除 | 最大104万円に(本則62万円+特例42万円。合計所得489万円以下の場合) |
| 給与所得控除の最低保障額 | 74万円に(本則69万円+特例5万円) |
| 扶養親族・配偶者の所得要件 | 58万円以下 → 62万円以下に |
| 申告書の様式 | 基礎控除申告書・配偶者控除等申告書などを含む様式が前年分から変更 |
| 23歳未満の扶養親族がいる人の一般生命保険料控除 | 上限が4万円 → 6万円に(令和8年分・令和9年分。3区分の合計12万円は据え置き) |
変わっていないこと
- 年末調整という手続きの流れ自体:申告書を書いて提出するという基本は同じ
- 令和8年11月までの給与の源泉徴収額:新しい控除額はまだ反映されていない
- 住宅ローン控除・地震保険料控除など、他の控除の申告方法:従来どおり。生命保険料控除は、23歳未満の扶養親族がいる人だけ計算が変わる
控除額が変わった詳しい内訳は、年収の壁は178万円へにまとめています。「なぜ12月の給料だけ増えて見えるのか」は別記事で解説しています。
記入前に確認しておく3つの数字
書類を書く前に、次の3つを確認しておくと迷いません。
書く前の確認事項
- 自分の今年の合計所得金額(見込み) — 基礎控除申告書に使う
- 配偶者がいる場合、配偶者の今年の合計所得金額(見込み) — 配偶者控除等申告書に使う
- 19歳以上23歳未満の子など、特定親族に該当する人がいるか — 特定親族特別控除申告書に使う
給与収入だけの人であれば、年収から次の早見表で当てはめられます。さらに詳しい表は年収の壁を1枚の表でにあります。
| 年収の目安 | 何が起きるか |
|---|---|
| 136万円 | 配偶者控除・扶養控除の対象から外れる(配偶者は配偶者特別控除へ) |
| 178万円 | 本人に所得税がかかり始める |
この記事の先にあるもの
詳しくはこちら
- 控除額が変わった理由と内訳 → 年収の壁は178万円へ
- なぜ12月の給与だけ手取りが増えるのか → 令和8年12月の給与だけ手取りが増える理由
- 扶養控除等申告書の記入手順 → 【記入例つき】扶養控除等申告書の書き方
- 基礎控除・配偶者控除等申告書の記入手順 → 【記入例つき】基礎控除申告書・配偶者控除等申告書の書き方
- 保険料控除申告書の記入手順 → 【記入例つき】保険料控除申告書の書き方
- 年末調整が終わった後にもらう書類の見方 → 源泉徴収票の見方
- 住宅ローン控除を年末調整でやる方法 → 証明書方式と調書方式の解説はこちら
- 医療費控除は年末調整でできない → 医療費控除の対象になるもの・ならないもの完全リスト
- 年収の壁の全体像 → 年収の壁を1枚の表で
- 給与天引きの財形貯蓄はいま見直しの議論中 → 財形貯蓄の非課税枠550万円は32年動いていない
年末調整の時期を忘れないために
毎年11月ごろの書類の月や、源泉徴収票が渡される1月末を、スマホの通知やカレンダーで受け取れます。話題で「会社員の1年」を選んでください。
締切をスマホの通知で受け取る(無料)
選んだ話題の締切の前に、朝9時に通知が届きます(締切は2週間前と3日前、iDeCo の引き落としは3日前、支給日などは当日)。名前もメールアドレスも要りません。
やめるときは「通知をやめる」を押すか、届いた通知を長押しして「オフ」にします。こちらが預かるのは、通知の宛先(ブラウザごとの文字列)と選んだ話題だけで、誰なのかは分かりません。iPhone は、Safari でこのページを開き、共有ボタンから「ホーム画面に追加」をして、ホーム画面のアイコンから開いたときに使えます。
iPhone の人は、締切カレンダーの購読も使えます。
まとめ
- 控除額が上がり、申告書の様式も変わった。ただし年末調整の基本の流れは同じ
- まず自分と配偶者・特定親族の合計所得金額(見込み)を確認する
- 変更の反映は12月から。11月までの給与では何も起きない

様式は変わりましたが、やることの中身はほとんど去年と同じです。数字の見込みを3つ用意しておけば、あとは埋めるだけになります。
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出典
- 国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱」一 個人所得課税
- 国税庁「令和9年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」
- 国税庁「令和8年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」
- 国税庁「令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書」
本記事は2026年9月28日時点で公表されている内容に基づいています。申告書の様式・提出方法は勤務先の指示に従ってください。個別の判断は所轄の税務署にご確認ください。
よくある質問
年末調整の申告書はいつまでに提出すればいいですか?
勤務先が定める期限までです。多くの企業では11月中に提出を求められます。具体的な期限は勤務先の総務・人事担当にご確認ください。
申告書の様式が変わったと聞きましたが、去年の書式のまま出しても大丈夫ですか?
国税庁の手続案内(A2-4)では、令和8年分の基礎控除申告書などの様式は令和8年12月1日以後に行う年末調整で使うものとされ、それより前に年末調整をする場合は令和7年分の様式を補正して使うよう案内されています。控除額の区分が変わっているので、勤務先から配布される令和8年分の様式を使ってください。
何を準備すればいいですか?
本人および配偶者・扶養親族の年間の所得(見込み)を把握しておくことです。給与収入のみの場合は源泉徴収票や給与明細で年収を確認し、本記事内の年収換算表と照らし合わせてください。


