源泉徴収票の見方|どこを見れば手取りと税額が分かるか

源泉徴収票の見方|どこを見れば手取りと税額が分かるかのイメージ 税金と控除

結論(4行)

  • まず見るべきは 「支払金額」「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の合計額」「源泉徴収税額」 の4つ
  • 支払金額=額面。ここから控除を引いた後の金額が課税の対象になる
  • 源泉徴収税額=すでに納めた所得税。ここに書かれた額で1年分の所得税は精算済み
  • マイナンバーは本人交付用の源泉徴収票には載らない

年末調整が終わると、勤務先から源泉徴収票が渡されます。数字とカタカナの欄がびっしり並んでいて、 何を見ればいいのか分かりにくい書類です。ですが、日常的に確認する欄は多くありません。 国税庁が定める様式の定義にもとづいて、見るべき順番で解説します。

まず見る4つの欄

最初に見るべき欄

  1. 支払金額 — その年に支払われた給与・賞与の総額(額面)
  2. 給与所得控除後の金額(調整控除後) — 支払金額から給与所得控除を引いた金額
  3. 所得控除の額の合計額 — 社会保険料控除・基礎控除・扶養控除などの合計
  4. 源泉徴収税額 — 1年分の所得税として、すでに納め終わった金額

この4つは、源泉徴収票のいちばん上の段に横並びで印字されています。

①支払金額:これは「額面」であって手取りではない

支払金額は、その年に支払われた給与・賞与の総額です。国税庁の記載要領では 「その年中に支払の確定した給与等の金額」と定義されています。

ここには社会保険料も所得税もまだ引かれていません。「支払金額=手取り」ではないことに 注意してください。

②給与所得控除後の金額(調整控除後):課税の土台になる金額

支払金額から給与所得控除(会社員のための概算経費のようなもの)を引いた金額です。 年末調整を受けた人だけに記載されます。

「(調整控除後)」とあるのは、所得金額調整控除(給与収入850万円超で23歳未満の扶養親族が いる場合などに適用)の適用がある場合、その分を引いた後の金額であることを示しています。

この欄が空欄の場合

年の途中で退職して年末調整を受けていない場合や、2か所以上から給与をもらっていて 年末調整の対象外だった場合は、この欄が空欄になります。この場合、確定申告が必要になることが あります。

③所得控除の額の合計額:あなたが使った控除の合計

給与所得控除後の金額から、さらに差し引かれた所得控除の合計額です。

含まれる控除の例

  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除(iDeCoなど)
  • 生命保険料控除・地震保険料控除
  • 配偶者控除・配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 基礎控除

控除の中身を個別に確認したい場合は、下段の「社会保険料等の金額」「生命保険料の控除額」 「地震保険料の控除額」といった内訳欄を見てください。それぞれの計算方法は 保険料控除申告書の書き方で解説しています。

令和8年分は、この欄に基礎控除の引き上げ分が入っています

令和8年度税制改正で、基礎控除は最大104万円(本則62万円+特例42万円)に引き上げられました。 年収の壁は178万円へで解説した引き上げ分は、ここでは表に出てこず、 「所得控除の額の合計額」の中に合算されて含まれます。単独の欄として表示されるわけではありません。

④源泉徴収税額:もう納め終わった所得税

給与所得控除後の金額から所得控除の額の合計額を引いた金額(課税所得)に税率を掛けて 計算した、1年分の所得税です。年末調整によって過不足が精算された後の、確定した金額です。

「源泉徴収」という言葉から「まだ引かれる予定の税金」だと誤解されがちですが、逆です。 この欄に書かれた金額で、その年の所得税の納税は完了しています。

令和8年分は、この金額が「12月までの天引き額×12」と一致しません

令和8年度税制改正の影響で、令和8年11月までの毎月の源泉徴収は引き上げ前の控除額のまま計算され、 12月の年末調整でまとめて精算されています。そのため、毎月の給与明細の天引き額を単純に12倍しても、 この「源泉徴収税額」欄の金額とは一致しません。 詳しい仕組みは 令和8年12月の給与だけ手取りが増える理由で解説しています。

そのほかによく確認される欄

控除対象扶養親族の数

扶養控除の対象になっている家族の人数が、区分ごとに記載されます。

区分内容
特定特定扶養親族(19〜22歳)の人数
老人老人扶養親族(70歳以上)の人数。同居している場合はさらに内書きされる
その他上記以外の控除対象扶養親族の人数
16歳未満扶養控除の対象にはならないが、扶養している16歳未満の子の人数

扶養している家族の人数や名前に誤りがあると、控除額が変わってしまいます。 転職・結婚・出産などで家族構成が変わった年は、この欄を必ず確認してください。

住宅借入金等特別控除の額

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を年末調整で申告した場合、その年に控除された金額が 記載されます。2年目以降、年末調整でこの控除を受ける手続きは 基礎控除申告書・配偶者控除等申告書の書き方とは別の 書類(住宅借入金等特別控除申告書)で行います。

摘要欄

様式で決まった欄に書ききれない情報や、注記が必要な事項がここに記載されます。 たとえば配偶者の合計所得金額の見積額や、基礎控除の額が通常と異なる場合の金額などです。 空欄でも問題ありません。 該当する事項がある場合にだけ記載されます。

マイナンバー(個人番号)は記載されない

覚えておくとよいこと

勤務先があなた本人に交付する源泉徴収票には、個人番号(マイナンバー)は記載されません。 記載が必要なのは、勤務先が税務署・市区町村に提出する様式だけです。

「源泉徴収票にマイナンバーが書かれていて心配」という相談を見かけますが、 本人交付用の様式は最初から記載不要と定められています。もし記載されていたら、 様式を取り違えている可能性があるので勤務先に確認してください。

こんな時に源泉徴収票が必要になる

提出を求められる主な場面

  • 住宅ローンなど、金融機関での審査
  • 年の途中で転職した場合、前職分を新しい勤務先に提出して年末調整に反映してもらう
  • 医療費控除やふるさと納税(ワンストップ特例を使わなかった場合)などの確定申告
  • 配偶者の扶養に入る、あるいは扶養から外れる際の手続き

紛失した場合は、発行した勤務先(在職中・退職済みいずれも)に再発行を依頼できます。

まとめ

  • 支払金額は額面。手取りではない
  • 給与所得控除後の金額・所得控除の額の合計額を経て、源泉徴収税額(納税済みの所得税)が決まる
  • 家族構成が変わった年は「控除対象扶養親族の数」を必ず確認する
  • 本人交付用の源泉徴収票にマイナンバーは記載されない
  • 住宅ローンの審査や転職、確定申告で提出を求められることがある

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出典

本記事は2026年9月6日時点で公表されている様式にもとづいています。様式は年によって細部が変わることがあります。個別の記載内容についてはお勤め先の給与担当者にご確認ください。

よくある質問

源泉徴収票の「支払金額」と手取り額は同じですか?

違います。支払金額はその年に支払われた給与・賞与の総額(額面)です。ここから所得控除の額の合計額や源泉徴収税額、社会保険料などが差し引かれた残りが、実際の手取りに近い金額になります。

自分のマイナンバーは源泉徴収票に載っていますか?

勤務先から本人に渡される源泉徴収票には、個人番号(マイナンバー)は記載されません。記載が必要なのは税務署・市区町村に提出する用の様式のみです。

源泉徴収票はいつ、何のためにもらいますか?

年末調整が終わった後、多くの勤務先では12月から翌年1月頃に発行されます。年の途中で退職した場合は退職時に発行されます。住宅ローンの審査や転職先での前職分の年末調整、確定申告の際に必要になります。

「給与所得控除後の金額」欄が空欄なのはなぜですか?

年末調整を受けていない場合に空欄になります。年の途中で退職して年末調整を受けていない、あるいは2か所以上から給与を受けていて年末調整の対象外だった場合などが該当します。この場合は確定申告が必要になることがあります。

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