結論(4行)
- 住民税非課税世帯は、均等割・所得割の両方が非課税になる世帯を指す
- 基準は 扶養親族の人数 と、お住まいの地域の 級地区分 で決まる
- 単身・扶養なしの目安は、年収およそ100万円以下(自治体により多少前後する)
- 非課税になると、国保料の軽減や保育料の軽減など、他の支援にも連動する
- 令和9年度分から、単身者の非課税ラインが110万円→119万円に上がる
「住民税非課税世帯」という言葉は、給付金のニュースなどでよく見かけます。 どのくらいの年収なら該当するのか、国が示す計算式と、ある自治体の早見表で確認します。
均等割と所得割、両方が非課税になる世帯
住民税は、定額負担の均等割と、所得に応じた所得割の2つでできています。
非課税の2段階
- 均等割非課税 — 均等割(定額部分)がかからない。基準がより厳しい
- 所得割非課税 — 所得割(所得に応じた部分)がかからない。均等割は課税されることがある
一般に「住民税非課税世帯」という場合は、均等割・所得割の両方が非課税になる世帯を指します。
計算式
非課税になる合計所得金額の基準
- 均等割の基準 = 基本額 ×(本人+同一生計配偶者+扶養親族の合計数)+ 加算額
(扶養親族等がいる場合のみ)
- 所得割の基準 = 35万円 ×(本人+同一生計配偶者+扶養親族の合計数)+ 10万円
+ 32万円(扶養親族等がいる場合のみ)
ここで重要なのは、所得割の基準額(35万円)は全国共通ですが、均等割の基準額は お住まいの地域の「級地区分」によって変わるということです。生活保護基準にもとづく 1級地・2級地・3級地の区分に応じて、基本額・加算額に0.8〜1.0の率が掛けられます。
同じ扶養人数でも、住んでいる場所によって均等割の非課税ラインが変わります。
年収の目安(大阪府泉佐野市の早見表を例に)
級地区分によって金額が変わるため、正確には自分の市区町村の早見表を確認する必要がありますが、 目安をつかむために、ある自治体(大阪府泉佐野市)の早見表を例として示します。
| 扶養親族の人数 | 均等割非課税(年収) | 所得割非課税(年収) |
|---|---|---|
| 扶養なし(単身) | 97万円以下 | 100万円以下 |
| 1人 | 148万円以下 | 170.4万円以下 |
| 2人 | 190.4万円以下 | 221.6万円以下 |
| 3人 | 236万円以下 | 271.6万円以下 |
| 4人 | 281.6万円以下 | 321.6万円以下 |
| ひとり親(本人が該当) | 204.4万円以下 | — |
この表は一例です
均等割の基準額は級地区分によって変わるため、この表の数字がそのまま全国共通に 当てはまるわけではありません。 お住まいの市区町村のホームページで「住民税 非課税基準」 を検索し、自分の地域の早見表で確認してください。所得割の基準(35万円ベース)は 全国共通なので、この表のとおりです。
令和9年度分から、非課税ラインが上がる
ここが今年の一番の変化です。総務省の資料には、次の内容が示されています(表形式の資料を 文章として整理したものです)。
| 項目 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 給与所得控除の最低保障額 | 65万円 | 74万円 |
| 基本額等(基礎控除相当) | 45万円 | 45万円(変更なし) |
| 非課税ライン(単身者) | 110万円 | 119万円 |
適用は令和9年度分の個人住民税から。出典:総務省「令和8年度地方税制改正(案)について」
何が変わるか
- 単身・扶養なしの人の 所得割非課税ラインが、給与収入110万円以下から119万円以下に上がる
- 根拠は基礎控除相当額(45万円・据え置き)+給与所得控除の最低保障額(65万円→74万円)
- 適用は 令和9年度分の個人住民税から(令和8年度分にはまだ反映されない)
非課税ラインが上がるということは、これまで課税対象だった人の一部が、新たに非課税世帯に 該当するようになるということです。給付金の対象範囲や、国保料・保育料の軽減対象にも 波及する可能性があります。ただし適用は令和9年度分からなので、今年度(令和8年度)の 住民税にはまだ反映されません。
前年の所得で決まる
住民税は、前年(1月〜12月)の所得をもとに、その年度分が計算されます。
今年の収入が減っても、すぐには反映されません
年の途中で失業・退職して収入が減っても、今年度の住民税は前年の所得で計算されたままです。 非課税世帯になるとしても、それは翌年度からです。逆に、今年から収入が増えた人が 「今年はまだ非課税のはず」と思っていても、実際は前年の所得次第です。
非課税世帯になると連動する主な支援
住民税の課税状況は、他の制度の判定基準としても使われています。
連動する可能性がある主な支援
- 国民健康保険料の軽減(均等割・平等割の軽減)
- 高額療養費の自己負担限度額(住民税非課税の区分は上限額が低く設定される)
- 保育料(住民税額を基準に決まる自治体が多い)
- 給付金(住民税非課税世帯を対象にした給付が実施されることがある)
高額療養費の記事でも触れたとおり、医療・介護・教育など 複数の制度が住民税の課税状況を基準にしています。非課税かどうかは、思っている以上に 広い範囲に影響します。
まとめ
- 住民税非課税世帯は均等割・所得割の両方が非課税になる世帯
- 基準は扶養人数と地域の級地区分で決まる。所得割の基準(35万円)は全国共通
- 単身・扶養なしの目安は年収およそ100万円以下(自治体により前後する)
- 住民税は前年所得ベース。今年の収入減はすぐには反映されない
- 非課税世帯になると、国保料・高額療養費・保育料など他の支援にも連動する
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出典
本記事は2026年9月6日時点で公表されている内容に基づいています。正確な基準は、お住まいの市区町村の窓口またはホームページでご確認ください。
よくある質問
住民税非課税世帯かどうかは、どこで確認できますか?
最も確実なのは、お住まいの市区町村の窓口や公式ホームページで「非課税基準」を確認することです。基準額(特に均等割)は地域の級地区分によって異なります。
「均等割非課税」と「所得割非課税」はどう違いますか?
均等割は定額の負担、所得割は所得に応じた負担です。一般的に「住民税非課税世帯」という場合は、均等割・所得割の両方が非課税になる、より基準の厳しいほうを指します。所得割だけ非課税で均等割は課税される、という中間の状態もあります。
年の途中で失業して収入が減りました。今年から非課税世帯になりますか?
なりません。住民税は前年の所得をもとに計算されるため、今年の収入が減っても、今年度の住民税(前年所得ベース)にはすぐには反映されません。反映されるのは翌年度からです。
非課税世帯になると何が変わりますか?
住民税がかからないだけでなく、国民健康保険料の軽減、高額療養費の自己負担限度額の引き下げ、保育料の軽減など、住民税の課税状況を基準にした複数の支援に連動して該当することがあります。


