先に結論
- 2027年1月から、0〜17歳の子どももNISA口座を開けます。2026年3月31日に成立した法律で決まりました。「こどもNISA」は通称で、法律や金融庁の資料にこの言葉は出てきません
- 使えるのはつみたて投資枠だけ。年60万円、合計600万円まで。成長投資枠は使えません
- 金融機関は変えられません。 最初に口座を開いたところで続けます
- 引き出しは、原則として高校3年生の学年の12月まで止まります。 12歳以降は、子どものための使いみちで子どもが同意したときだけ、親権者の申し出で引き出せます
- 条件に反して引き出すと、それまでの利益に20%(所得税15%・住民税5%)が源泉徴収されます
- 18歳になると、手続きなしで大人のつみたて投資枠へ自動で移ります
- 口座は子ども本人の名義で、入れたお金は子どもの財産です。贈与の扱いは、新しい制度に向けた説明がまだ出ていません
子ども名義で使えるNISAが、2027年1月に始まります。「こどもNISA」とも呼ばれますが、法律や金融庁の資料の言葉ではありません。 2023年で終わったジュニアNISAと似ていますが、枠の大きさ、引き出せる時期、18歳以降の扱いが違います。
この記事の材料は、財務省の法律案要綱と税制改正の大綱、金融庁のNISA特設サイトです。決まっていることとまだ公表されていないことを分けて整理します。 使うかどうか、何を買うかをすすめる記事ではありません。特定の金融機関や商品は出しません。
何が、いつ決まったのか
流れは次のとおりです。
| 時期 | 段階 | 中身 |
|---|---|---|
| 2025年12月 | 令和8年度税制改正の大綱(閣議決定) | 方針として、口座を開ける年齢の下限をなくし、0〜17歳の枠を設けると示した |
| 2026年2月20日 | 法律案を国会に提出 | 所得税法等の一部を改正する法律案 |
| 2026年3月31日 | 法律が成立・公布 | 所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)。同じ日に政令も公布 |
| 2027年1月1日 | 口座を開けるようになる | 法律で、未成年の勘定を設ける口座は「令和九年一月一日以後」に開けるとされた |
大綱は方針で、決まったのは法律が成立した2026年3月31日です。 法律の中の名前は「未成年者特定累積投資勘定」です。金融庁は「未成年者のつみたて投資枠」と書いています。
金融庁のNISA特設サイトには、次のように書かれています。
2027年1月から、NISA(少額投資非課税制度)の「つみたて投資枠」の年齢要件が撤廃され、
(金融庁 NISA特設ウェブサイト「NISAを知る」)
枠は年60万円、合計600万円
大人のNISAと並べると、違いがはっきりします。
| 未成年(0〜17歳) | 大人(18歳以上) | |
|---|---|---|
| 使える枠 | つみたて投資枠だけ | つみたて投資枠と成長投資枠 |
| 年間の上限 | 60万円 | つみたて120万円・成長240万円 |
| 合計の上限(非課税保有限度額) | 600万円 | 1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで) |
| 買えるもの | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託(大人のつみたて投資枠と同じ) | つみたて投資枠は同じ。成長投資枠は上場株式・投資信託など |
| 買い方 | 契約に基づく定期・継続的な積み立て | つみたて投資枠は同じ。成長投資枠は制限なし |
| 金融機関の変更 | できない | 年単位でできる |
| 引き出し | 原則できない(12歳以降は条件つき) | 制限なし |
(財務省「NISAのつみたて投資枠の拡充(令和8年度改正)」、金融庁「NISAを知る」から作成)
金融庁の特設サイトの言葉をそのまま引きます。
未成年者の年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円です。
(金融庁 NISA特設ウェブサイト「NISAを知る」)
年60万円は、月にならすと5万円です。毎年上限まで入れると、10年で600万円に届きます。 合計の600万円は、法律の文言では購入した額(購入の代価)で数えます。値上がりして時価が600万円を超えても、それだけで枠を超えたことにはなりません。
「その年1月1日に18歳未満」の年と、生まれた年
未成年の枠を使えるのは、その年の1月1日に18歳未満である年と、生まれた年です(大綱)。 2027年に生まれた子は、生まれた年から使えます。
18歳の誕生日を迎える年でも、1月1日の時点で17歳なら、その年はまだ未成年の枠(年60万円)です。翌年から大人の枠になります。
金融機関は最初に選んだところで続ける
大人のNISAは年単位で金融機関を変えられます。未成年の枠は変えられません。 法律でも、最初の金融機関の口座以外には未成年の勘定を設けられないとされています。

あとで手数料や使い勝手を見て、別のところに移すことはできないの?

未成年のあいだは移せません。最初に口座を開くところを、18歳まで続ける前提で選ぶことになります。
引き出しは原則18歳の年まで止まる
ここがいちばん大事な点です。入れたお金は、原則として子どもが18歳近くになるまで出せません。
いつまで止まるのか
法律では、「その年3月31日に18歳である年」の前年12月31日まで引き出せないとされています。 学年に置きかえると、高校3年生の学年の12月までです。その翌月の1月からは、引き出しの制限がなくなります(当方が生年月日の例で確かめた読み替えです。4月1日生まれを含め、学年と一致します)。
12歳以降は、条件つきで引き出せる
「その年3月31日に12歳である年」以後は、条件を満たせば引き出せます。学年でいうと小学6年生の1月からです。
条件は次の3つです(大綱・法律案要綱・金融庁資料)。
- 使いみちが子どものためであること。大綱は「学校等の入学金又は授業料その他の当該居住者等の教育費又は生活費」と書いています
- 子どもが引き出しに同意したことを示す書面をつけること
- 親権者等(口座管理者)が、申出書を金融機関に出すこと
金融庁の資料の注記は、次のとおりです。
※ 資金の使途が子のためのものであり、子が払出しに同意したことを示す書面とともに、親権者等(口座管理者)が申出書を金融機関に提出する。
(金融庁「令和8(2026)年度税制改正について」)
12歳より前は、災害などに限られる
12歳の前(学年でいうと小学6年生の12月まで)は、災害で住まいが全壊したときなどのやむを得ない場合だけです。大綱では、税務署長の確認を受けた場合とされています。 この場合は、口座の中身を全部引き出すことになります。

「入学金に使いたい」は、12歳以降なら条件に入ります。でも、家計が苦しくなったから親の生活費に回す、という使い方はできません。使いみちは子どものためのものに限られます。
売ったお金も、口座の外には出せない
未成年の口座で投資信託を売ったお金や分配金は、同じ金融機関の「特定課税未成年者口座」(預金口座など)で管理されます。 このお金も、未成年の口座での買い付けに使う場合を除いて、同じ制限がかかります。
条件に反して引き出すと、利益に課税される
制限に反して引き出したり、口座を廃止したりすると、その日に売却などがあったものとして扱われます。そして利益に20%(所得税15%・個人住民税5%)が源泉徴収されます(大綱)。 対象になる利益は、口座を開いてからそれまでの譲渡益・含み益と分配金です。
損が出ていた場合も、その損はなかったものとみなされます。 ほかの口座の利益と相殺はできません。 ここは大人のNISAと同じ考え方です。NISA口座の損失は、ないものとみなされます(国税庁No.1535)。
18歳になったら、大人のNISAへ自動で移る
18歳になったあと、改めて口座を開き直す手続きは要りません。
金融庁の解説(「アクセスFSA」2026年2月号)によると、口座名義人である子どもが18歳に達すると、成人後のつみたて投資枠へ自動的に移ります。特段の手続きは要らない仕組みです。
移ったあとは、大人と同じ年間の上限(つみたて120万円・成長240万円)と、合計1,800万円の枠になります。非課税で持てる期間に期限はありません。 ただし、未成年のときに買った分が1,800万円の枠の中でどう数えられるかは、確かめた資料に書かれていませんでした(下の「まだ公表されていないこと」)。
口座は子どもの名義。入れるお金の扱い
口座を開くのは子ども本人
法律では、口座を開くのも、引き出しの書類を出すのも「居住者等」、つまり子ども本人です。実際の手続きは、親権者などの口座管理者が子どもに代わって行います。 金融庁の資料も「未成年者名義」「口座名義人であるこども」と書いています。
口座の中の投資信託やお金は、子どもの財産です。 12歳以降の引き出しで「子どものための使いみち」と「子どもの同意」が求められるのも、この考え方に沿っています。
親や祖父母が出すお金と贈与税
親や祖父母のお金を子どもの口座に入れれば、お金が子どもに移ることになります。 新しい制度について、国税庁や金融庁が贈与税の扱いを個別に説明した資料は、2026年10月17日時点で見当たりません。 ここでは、いまある国税庁の一般的な説明だけを示します。
- 贈与税は、もらった人ごとに、1年間(1月〜12月)にもらった財産の合計から110万円を引いた残りにかかります。110万円以下なら申告も要りません(国税庁No.4402)
- 親など扶養義務者からもらう生活費や教育費は、通常必要な範囲なら贈与税がかかりません。ただし、それは必要な都度、直接充てる場合に限られます
したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります。
(国税庁 タックスアンサー No.4405)
年60万円は、それだけなら110万円より少ない額です。ただ、祖父母からの援助など、同じ年に子どもがもらったほかの財産と合わせて110万円で考えます。 暦年贈与の110万円と、相続時精算課税との違いは「相続時精算課税と暦年贈与はどっち?」で詳しく書いています。

児童手当をそのまま子どもの口座に入れる場合も、同じ話になるの?

児童手当を受け取るのは親です。そこから子どもの口座に移すなら、お金の持ち主が変わる点は同じです。新しい制度での扱いは、国税庁の説明が出たら追記します。
児童手当の額や受け取り方は「児童手当は所得制限なし・高校生年代まで」にまとめています。
旧ジュニアNISAとの違い
ジュニアNISAは2016年に始まり、2023年で新しい口座の受付が終わりました。金融庁は、利用が少なかったことを理由に挙げています。
| ジュニアNISA(2016〜2023年) | 未成年のつみたて投資枠(2027年〜) | |
|---|---|---|
| 年間の上限 | 80万円 | 60万円 |
| 合計の上限 | 非課税投資総額は最大400万円(80万円×5年) | 600万円 |
| 買えるもの | 上場株式・投資信託など | つみたて投資枠の対象の投資信託だけ |
| 非課税で持てる期間 | 5年(続けるにはロールオーバーの手続きが要った。2023年までに買った分は、5年後に継続管理勘定へ移り18歳まで非課税) | 期限なし |
| 18歳までの引き出し | 災害などやむを得ない場合を除き、できなかった | 12歳以降は、子どものための使いみちと子どもの同意があれば可 |
(国税庁No.1535、国税庁「ジュニアNISAの手続に関するQ&A」、金融庁「アクセスFSA」2026年2月号から作成)
すでにジュニアNISAの口座がある場合は、いまは年齢や理由に関係なく、全額を非課税で引き出せます(一部だけの引き出しはできず、口座は廃止になります)。金融庁の「2023年までのNISA」に説明があります。
まだ公表されていないこと
2026年10月17日時点で、確かめた資料に書かれていなかった点です。分からないことは、分からないまま書いています。
| 項目 | いま分かっていること |
|---|---|
| 12歳以降の申出書の様式、子どもの同意を示す書面の形 | 法律と大綱は「書類を提出」とするだけ。具体的な書き方は未公表 |
| 未成年のあいだに売ったとき、600万円の枠が戻るか | 大人のNISAは、売った分の簿価が翌年以降に戻る。未成年の勘定に同じ扱いがあるかは、確かめた資料に書かれていない |
| 18歳以降、未成年のときの買付額が1,800万円の枠にどう入るか | 「自動的に移行」とあるだけで、数え方の説明は見当たらない |
| 子どもの口座に入れるお金の贈与税の扱い | 新しい制度に向けた国税庁の説明は見当たらない(上の一般的な説明のみ) |
| どの金融機関が扱うか | 当サイトでは扱わない |
金融庁の特設サイトの「よくある質問」や国税庁の手続きのQ&Aが更新されたら、この表を書き直します。
住宅の営業担当の方へ
ライフプランの相談で、教育資金の話から聞かれることがあります。
聞かれたときに押さえておくこと
- 始まりは2027年1月。決まったのは2026年3月31日の法律(大綱だけではない)
- 枠は年60万円・合計600万円、つみたて投資枠だけ、金融機関は変えられない
- 引き出しは原則高校3年生の学年の12月まで不可。12歳以降は子どものための使いみちと子どもの同意が要る。住宅資金や親の生活費には使えない
- 元本は保証されない。値下がりした時期に引き出すと、入れた額より少なく戻る
- 贈与税の扱いは、新しい制度に向けた説明が出ていない。個別の判断は税務署へ
家の頭金と大人のNISAのどちらにお金を回すかは「頭金とNISA、どちらにお金を回すか」で整理しています。
まとめ
- 0〜17歳のNISA(通称こどもNISA)は2027年1月から。2026年3月31日成立の所得税法等の一部を改正する法律で決まった
- つみたて投資枠だけ、年60万円・合計600万円。金融機関は変えられない
- 引き出しは原則、高校3年生の学年の12月まで不可。12歳以降(小学6年生の1月から)は、子どものための使いみちと子どもの同意があれば、親権者の申し出で引き出せる
- 条件に反して引き出すと、利益に20%が源泉徴収され、損はなかったものとみなされる
- 18歳で、手続きなしに大人のつみたて投資枠へ移る
- 口座は子どもの名義で、中身は子どもの財産。贈与税の扱いは、新しい制度に向けた説明待ち
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出典
- 財務省「第221回国会における財務省関連法律」所得税法等の一部を改正する法律案(概要・法律案要綱)(成立日・公布日 令和8年3月31日)
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱」(3 金融・証券税制)
- 財務省「NISAのつみたて投資枠の拡充(令和8年度改正)(令和9年~)」
- 金融庁「令和8(2026)年度税制改正について-税制改正大綱における金融庁関係の主要項目-」(2025年12月)
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト「NISAを知る」
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト「2023年までのNISA」
- 金融庁「アクセスFSA」2026年2月号「『令和8年度税制改正の大綱』の概要」
- 国税庁 タックスアンサー No.1535 NISA制度(令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁「ジュニアNISAの手続に関するQ&A」(令和元年7月)
- 国税庁 タックスアンサー No.4402 贈与税がかかる場合(令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁 タックスアンサー No.4405 贈与税がかからない場合(令和8年4月1日現在法令等)
本記事は2026年10月17日時点で公表されている法律・大綱・省庁の資料にもとづく制度の説明です。特定の金融機関・金融商品をすすめるものではなく、投資信託は元本が保証されません。投資の判断はご自身で行ってください。口座の手続きは金融機関に、贈与税の扱いは所轄の税務署にご確認ください。
よくある質問
こどもNISAはいつから始まりますか?
0〜17歳の子どもがNISA口座を開けるのは2027年1月からです。2026年3月31日に成立した所得税法等の一部を改正する法律で決まりました。「こどもNISA」は通称で、金融庁は「未成年者のつみたて投資枠」と呼んでいます。
1年にいくらまで、合計でいくらまで入れられますか?
年60万円まで、合計600万円までです(購入した額で数えます)。毎年60万円ずつ入れると、10年で600万円に届きます。成長投資枠は使えず、つみたて投資枠の対象になる投資信託だけを積み立てで買います。
子どもが小さいうちにお金が必要になったら引き出せますか?
原則として、子どもが高校3年生の学年の12月までは引き出せません。12歳以降(学年でいうと小学6年生の1月から)は、教育費や生活費など子どものための使いみちで、子どもの同意を示す書面をつけて親権者が申し出れば引き出せます。それより前は、災害で住まいが全壊したときなどに限られます。
親のお金を子どもの口座に入れると、贈与税はかかりますか?
口座は子ども本人の名義で、入れたお金は子どもの財産になります。国税庁は、生活費や教育費の名目でもらったお金でも、預金や株式の買入資金に充てた場合は贈与税の対象になると説明しています。贈与税は、もらった人ごとに1年110万円までならかかりません。新しい制度に向けた国税庁の個別の説明は、2026年10月17日時点では見当たりません。
