こどもNISAと学資保険・子ども名義の預金の違い|払い出し・元本・贈与税

こどもNISAと学資保険・子ども名義の預金の違い|払い出し・元本・贈与税のイメージ子育てとお金

先に結論

  • 引き出せる時期:こどもNISAは原則、高校3年生の学年の12月まで引き出せません(12歳以降は子どものための使いみちと子どもの同意で可。2026年3月の法律で決定済み)。学資保険は契約で決めた時期に受け取ります。子ども名義の預金に、制度上の制限はありません
  • 元本:こどもNISAは保証なし。学資保険は、受け取る総額が払い込んだ保険料を下回ることがあります。預金は預金保険で1金融機関ごとに元本1,000万円までと利息が守られます
  • 利益の税:こどもNISAは非課税。預金の利子は20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%)。学資保険は、保険料を払った人と受取人が同じなら一時所得、違えば贈与税です
  • 贈与税:こどもNISAと子ども名義の預金は、お金が子どもに移るので贈与の考え方がかかわります。1年110万円が基礎控除です
  • 名義だけでは子どものお金になりません。 親が出して親が管理していた子ども名義の預金を、国税庁は親の財産として扱う例に挙げています
子ども名義にお金を置く前に、誰のお金か、あげる・もらうの合意、誰が管理しているか、その年にもらった合計、いつ引き出せるかの5つを確かめる

子どもの教育費を貯める先は、いくつもあります。2027年1月からは、0〜17歳が使えるNISA(通称こどもNISA)が加わります。 この記事は、こどもNISA・学資保険・子ども名義の預金の3つを、引き出せる時期・元本・税・贈与税の4つの点で並べます。

材料は、国税庁のタックスアンサー、金融庁と財務省のこどもNISAの資料、預金保険機構、生命保険文化センターの説明です。 どれを選ぶかをすすめる記事ではありません。特定の保険・投資信託・金融機関の名前も出しません。

3つを同じ項目で並べる

こどもNISA学資保険(こども保険)子ども名義の預金
名義子ども契約者は親など(子どもは被保険者)子ども
始められる時期2027年1月から保険会社の商品によるいつでも
引き出せる時期原則、高校3年生の学年の12月まで不可。12歳以降は条件つき契約で決めた時期に祝金・満期保険金制度上の制限なし
元本保証なし。損はなかったものとみなされる受取総額が払込保険料の総額を下回ることがある預金保険で1金融機関ごとに元本1,000万円までと利息を保護
利益の税非課税負担者=受取人なら一時所得、違えば贈与税利子に20.315%(源泉分離課税)
入れられる額年60万円・合計600万円契約で決めた保険料上限なし
金融機関の変更未成年のあいだは不可契約の変更・解約は保険会社の決まりによる自由

(金融庁「NISAを知る」、国税庁 No.1535・No.1310・No.1755、預金保険機構「保護の範囲」、生命保険文化センター「こども保険」から作成)

ここからは、項目ごとに中身を見ます。

引き出せる時期

こどもNISAは、原則18歳の年まで止まる

こどもNISAのお金は、原則として「その年3月31日に18歳である年」の前年12月31日まで引き出せません。学年でいうと、高校3年生の学年の12月までです。

12歳以降(その年3月31日に12歳である年から。学年でいうと小学6年生の1月から)は、次の条件で引き出せます。

  1. 使いみちが子どものため(入学金・授業料などの教育費、生活費)
  2. 子どもが引き出しに同意したことを示す書面をつける
  3. 親権者等が申出書を金融機関に出す

12歳以降の扱いは、2026年3月31日に成立した法律で決まっています。 予定ではありません。 まだ公表されていないのは、申出書の様式と、子どもの同意を示す書面の形です(2026年10月24日時点)。

条件に反して引き出すと、それまでの利益に20%(所得税15%・住民税5%)が源泉徴収されます(大綱)。

学資保険は、契約で決めた時期に受け取る

生命保険文化センターの説明では、学資保険(こども保険)は、子どもの入学・進学に合わせて祝金や満期保険金を受け取る仕組みです。18歳から22歳まで毎年祝金を受け取る型もあります。 満期は、子どもの年齢で15歳・17歳・18歳・20歳・22歳などがあり、保険会社によって違います。

受け取る時期は、契約のときに決まります。途中でやめる(解約する)場合に戻る額は、契約ごとに決まっています。

子ども名義の預金に、制度上の制限はない

預金は、いつでも引き出せます。子どもが小さいうちは、親権者が子どもに代わって手続きします。 ただし、親が自分のために引き出して使うと、そのお金が誰のものかが問われます(下の「名義預金」の節)。

みぞれ
みぞれ

いつでも出せる預金のほうが、使いやすいんじゃないの?

しぐれ
しぐれ

使いやすさと、置いておけるかどうかは別の話です。こどもNISAは出せないことが前提の仕組みなので、入学金など使う時期が決まっている分をどこに置くかは、時期から逆算して決めます。

元本

元本はどうなるか
こどもNISA投資信託なので保証されない。値下がりして入れた額を下回ることがある。NISA口座の損はなかったものとみなされ、ほかの口座の利益と相殺できない(国税庁 No.1535)
学資保険生命保険文化センターは「祝金や満期保険金の受取総額が払い込んだ保険料総額を下回ることがあります」と説明している
子ども名義の預金利息のつく預金は、1金融機関ごとに預金者1人あたり元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護される。利息のつかない決済用預金は全額(預金保険機構)

学資保険には、親などの契約者が亡くなると、その後の保険料の払込みが免除されるものが一般的です(生命保険文化センター)。こどもNISAと預金には、この仕組みはありません。 保険は、貯める機能と保障の機能を合わせた商品です。どちらの機能に保険料を払っているのかは、契約ごとに違います。

利益にかかる税

利益の扱い
こどもNISA売った利益・分配金は非課税(条件に反して引き出したときは20%)
子ども名義の預金利子に所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%。受け取るときに差し引かれて終わる(源泉分離課税、国税庁 No.1310)
学資保険(保険料を払った人=受取人)一時金なら一時所得。受け取った総額から払い込んだ保険料と特別控除50万円を引き、その2分の1が課税の対象(国税庁 No.1755)
学資保険(保険料を払った人≠受取人)贈与税の対象(国税庁 No.1755・No.4417)

親が契約者として保険料を払い、親が満期保険金を受け取る形なら、贈与税ではなく、親の一時所得になります。 受取人を子どもにしていると、保険料を払っていない子どもが受け取るので、親から子への贈与とされます。

なお、預金の利子の税率は、令和9年分から内訳が変わります(防衛特別所得税の創設と復興特別所得税の引き下げ)。合計の税率は変わりません(国税庁 No.1310)。

贈与税の考え方

お金が子どもに移れば、贈与になる

こどもNISAも子ども名義の預金も、口座は子ども本人の名義です。親や祖父母のお金を入れると、お金の持ち主が子どもに移ります。 これは贈与です。

民法は、贈与を次のように定めています。

贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。

(民法第549条)

あげる側の意思と、もらう側の受諾がそろって成り立ちます。子どもが小さいうちは、親権者が子どもに代わって受け取ります。

1年110万円と、教育費の非課税

  • 贈与税は、もらった人ごとに、1年間(1月〜12月)にもらった財産の合計から110万円を引いた残りにかかります(国税庁 No.4402)
  • 親など扶養義務者からもらう生活費や教育費は、通常必要な範囲なら贈与税がかかりません。ただし、必要な都度、直接充てる場合に限られます(国税庁 No.4405)

したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかることになります。

(国税庁 タックスアンサー No.4405)

こどもNISAに入れるお金や、子ども名義で預けておくお金は、「都度、直接充てる」にはあたりません。1年110万円の基礎控除の中で考えることになります。 年60万円のこどもNISAだけなら110万円より少ない額です。祖父母からの援助など、同じ年に子どもがもらったほかの財産と合わせて数えます。

新しい制度について、国税庁や金融庁が贈与税の扱いを個別に説明した資料は、2026年10月24日時点で見当たりません。 ここに書いたのは、いまある国税庁の一般的な説明です。

名義預金に気をつける

名義が子どもでも、親の財産とされることがある

国税庁は、相続税の申告で誤りやすい例として、次のような場面を挙げています。

  • 亡くなった父の金庫から、子ども名義の定期預金証書が見つかった
  • その定期預金は、父の収入から預け入れ、父が管理・運用していた
  • 子どもは、この預金について贈与を受けたことはない

国税庁の説明は、名義にかかわらず、亡くなった人が資金を出していたことなどから亡くなった人の財産と認められるものは相続税の対象になるというものです。家族名義の預貯金・株式・投資信託なども含まれます(国税庁「相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集」)。

つまり、名義を子どもにしただけでは、子どものお金になったとは限りません。 これがいわゆる「名義預金」です。

分かれ目になる点

国税庁の例から読み取れる分かれ目は、次のとおりです(当サイトの整理)。

子ども名義のお金で確かめること

チェックは、このブラウザの中だけに残ります(送ったり保存したりはしません)。

しぐれ
しぐれ

こどもNISAは、子どもが小さいうちは親権者が口座を管理する仕組みです。この管理が名義預金と同じように見られるのかは、2026年10月24日時点で国税庁の説明が見当たりません。誰のお金をいつ入れたかは、記録に残しておきます。

申込みのときに「資金の帰属に関する確認書」を求める金融機関もあります(「こどもNISAの事前申込」)。 相続時精算課税と暦年贈与の違いは「相続時精算課税と暦年贈与はどっち?」で書いています。

まとめ

  • こどもNISAは、原則高校3年生の学年の12月まで引き出せない。12歳以降は子どものための使いみちと子どもの同意で可(法律で決定済み、書類の様式は未公表)
  • 元本は、こどもNISAは保証なし、学資保険は受取総額が払込保険料を下回ることがある、預金は1金融機関ごとに元本1,000万円まで保護
  • 利益の税は、こどもNISAが非課税、預金の利子が20.315%、学資保険は一時所得か贈与税
  • こどもNISAと子ども名義の預金は、1年110万円の基礎控除の中で贈与として考える。教育費の非課税は「都度、直接」のときだけ
  • 名義だけでは子どものお金にならない。 誰が出し、誰が管理しているかが見られる

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出典

本記事は2026年10月24日時点の法令・公的資料にもとづく仕組みの説明で、特定の保険・金融商品・金融機関をすすめるものではありません。投資信託は元本が保証されません。保険の内容は契約ごとに違うため、契約中の保険は保険会社の書面でご確認ください。贈与税・相続税の個別の判断は所轄の税務署にご確認ください。

よくある質問

こどもNISAと学資保険の、いちばん大きな違いは何ですか?

元本と引き出せる時期です。こどもNISAは投資信託なので元本の保証がなく、原則として高校3年生の学年の12月まで引き出せません。学資保険は契約で決めた時期に祝金や満期保険金を受け取る仕組みで、受取総額が払い込んだ保険料の総額を下回ることもあります。

12歳からこどもNISAを引き出せるのは予定ですか?

2026年3月31日に成立した法律で決まっています。子どものための使いみちで、子どもの同意を示す書面をつけて親権者が申し出れば引き出せます。決まっていないのは、申出書の様式や同意の書面の形です。

子ども名義の預金なら、子どものお金になりますか?

名義だけでは決まりません。国税庁は、親の収入から預け入れて親が管理・運用していた子ども名義の定期預金を、親が亡くなったときに親の財産として相続税の対象になる例として挙げています。

学資保険の満期保険金に税金はかかりますか?

保険料を払った人と受取人が同じなら所得税(一時金なら一時所得)、違えば贈与税の対象です。一時所得は、受取総額から払込保険料と特別控除50万円を引き、その2分の1が課税の対象になります。