児童扶養手当はいくら?所得制限の目安と、一部支給の計算【令和8年度】

児童扶養手当はいくら?所得制限の目安と、一部支給の計算【令和8年度】のイメージ子育てとお金

先に結論

  • 児童扶養手当は、ひとり親家庭などに支給される手当です。すべての子が対象の児童手当とは別の制度で、両方を受け取れます
  • 令和8年4月分からの月額は、子1人で全部支給48,050円、一部支給48,040円〜11,340円。2人目以降は1人につき11,350円〜5,680円が加わります
  • 所得制限は受給する本人の所得で判定します。子1人なら所得107万円未満で全部支給、246万円未満で一部支給(収入の目安は190万円・385万円)
  • 一部支給の額は、所得が全部支給の線をいくら超えたかで決まります。母(父)が受給者なら、受け取った養育費の8割が所得に足されます
  • 申請した月の翌月分から支給され、さかのぼれません。支払いは奇数月の年6回、毎年8月に現況届が要ります
児童扶養手当の月額は令和8年4月分から、子1人の全部支給で48,050円、子2人で59,400円、一部支給の最低は11,340円

児童扶養手当は、父母の離婚や死別などで、父または母と暮らしていない子を育てる家庭に支給される手当です。 名前が似ている児童手当とは、対象も、所得制限も、支払月も違います。

この記事では、手当の額、所得制限の線、一部支給の額の計算を整理します。根拠は児童扶養手当法と施行令の条文です。 額は令和8年4月分からのもので、2026年10月17日時点の法令で確かめています。

児童手当とは別の制度

先に、2つの手当の違いを並べます。

児童扶養手当(この記事)児童手当
対象ひとり親家庭など子を育てるすべての家庭
子の年齢18歳になった後の最初の3月31日まで(一定の障害がある子は20歳未満)高校生年代まで
所得制限ある(受給者本人・同居の扶養義務者など)ない
支払月奇数月(1・3・5・7・9・11月)偶数月(2・4・6・8・10・12月)
額の改定物価に合わせて毎年4月法律で定めた額

(児童扶養手当法第3条・第5条の2・第7条・第9条、こども家庭庁の資料から作成)

両方を同時に受け取れます。 児童扶養手当法が支給を調整する相手は、公的年金給付と遺族補償などです(第13条の2)。児童手当はそこに入っていません。

児童手当の額・第3子の数え方・申請は、児童手当は所得制限なし・高校生年代までにまとめています。

受け取れるのは、どんな家庭か

児童扶養手当法第4条は、子が次のどれかに当たり、その子を母・父・養育者が育てている場合に手当を支給すると定めています。

  • 父母が離婚した
  • 父または母が亡くなった
  • 父または母が、政令で定める程度の障害の状態にある
  • 父または母の生死が明らかでない
  • そのほか政令で定める場合(1年以上の遺棄、裁判所のDV保護命令、1年以上の拘禁、婚姻によらずに生まれた子など)

父子家庭も対象です(平成22年8月から)。 父母に代わって祖父母などが子を育てている場合は、その「養育者」が受け取ります。

法律の「婚姻」には、届出をしていない事実上の婚姻も含まれます

児童扶養手当法第3条第3項は、「婚姻」「配偶者」に、届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含めています。 そのため、受給中に事実上の婚姻関係になると、手当の要件に当たらなくなることがあります。 個別の状況がこれに当たるかどうかは、市区町村の窓口で確かめてください。

手当の額(令和8年4月分から)

全部支給一部支給
子1人目(本体)48,050円48,040円〜11,340円
2人目以降の加算(1人につき)11,350円11,340円〜5,680円

(児童扶養手当法施行令第2条の2、沖縄県の案内から作成。月額)

令和7年度(令和8年3月分まで)は、全部支給が46,690円、加算が11,030円でした。 3人目以降も、2人目と同じ額が加算されます。 令和6年11月分から、3人目以降の加算が2人目と同額に引き上げられました。

子2人で全部支給なら、48,050円+11,350円=月59,400円です。

額は、物価に合わせて毎年4月に変わる

法律に書かれた額は月41,100円ですが、実際の額はこれと違います。 児童扶養手当法第5条の2が、前年の全国消費者物価指数の変動に合わせて、翌年4月から額を改定すると定めているためです(物価スライド)。

改定後の額は政令で決まり、令和8年4月以降の月分は48,050円・11,350円と読み替えると施行令に書かれています。 令和9年4月からの額は、2026年の物価の動きを受けて、2027年3月ごろまでに決まります。

所得制限の線(2024年11月の引き上げ後)

所得制限は、受給する本人の前年の所得と、扶養している子などの人数で決まります。

扶養する子などの数全部支給(所得)一部支給(所得)全部支給(収入の目安)一部支給(収入の目安)
0人69万円未満208万円未満142万円334.3万円
1人107万円未満246万円未満190万円385万円
2人145万円未満284万円未満244.3万円432.5万円
3人183万円未満322万円未満298.6万円480万円
4人221万円未満360万円未満352.9万円527.5万円
5人259万円未満398万円未満401.3万円575万円

(所得は児童扶養手当法施行令第2条の4、収入の目安はこども家庭庁「令和6年11月1日から…所得限度額と第3子以降の加算額が引き上げられます」から作成)

一部支給の線以上になると、その年の11月から翌年10月までは支給されません。

判定に使うのは「所得」の欄です

「収入の目安」は、こども家庭庁が給与収入に直して示した参考の数字です。条文にあるのは所得の額だけです。 給与所得控除の額は年によって変わるので、同じ年収でも判定の年で所得が変わります。自分の所得の出し方は、次の節で説明します。

2024年11月分から、この線が引き上げられました。子1人の場合、収入の目安で全部支給は160万円から190万円に、一部支給は365万円から385万円に上がっています。

高校生年代の子がいると、線がさらに上がる

人数1人あたり38万円上がるのが基本ですが、扶養している人によって上がり方が違います(施行令第2条の4)。

扶養している人1人あたりの上乗せ
子など(下の2つ以外)38万円
16〜18歳の子などの特定扶養親族等53万円(38万円より15万円多い)
70歳以上の同一生計配偶者・老人扶養親族48万円

たとえば子1人が高校生年代なら、全部支給の線は69万円+53万円=122万円、一部支給の線は208万円+53万円=261万円です。

同居する親きょうだいの所得でも止まる

受給者本人だけでなく、同居して生計を同じくする扶養義務者の所得にも線があります(児童扶養手当法第10条)。扶養義務者は、受給者の父母・きょうだいなどです。 扶養している人が0人なら236万円、1人増えるごとに38万円上がり、この線以上だと手当の全部が止まります。

実家に戻って親と暮らす場合は、自分の所得だけでなく、親の所得も判定に入ります。

手当の「所得」の出し方

手当の所得は、住民税の所得をもとに、児童扶養手当独自の調整を加えて出します(施行令第3条・第4条)。

手当の所得の計算

  1. 住民税の総所得金額などを出す(給与なら、年収から給与所得控除を引いた給与所得)
  2. 給与所得または公的年金等の所得があれば、そこから10万円を引く
  3. 母(父)が受給者なら、受け取った養育費の8割を足す
  4. 社会保険料の分として、一律8万円を引く
  5. 障害者控除(27万円)や医療費控除など、住民税で受けた一部の控除の額を引く

受給者が母(父)の場合、ひとり親控除と寡婦控除は引きません(施行令第4条第2項)。 税金ではひとり親控除が使えても、手当の所得の計算では差し引かれないということです。 ひとり親控除・寡婦控除の条件と額は、ひとり親控除と寡婦控除の違いで説明しています。

みぞれ
みぞれ

いつの所得で判定されるの?

しぐれ
しぐれ

11月から翌年10月までの手当を、前年1年間の所得で決めます。1〜9月に申請したときは、その前の年(前々年)の所得で見ると沖縄県は案内しています。

養育費は8割が所得に足される

児童扶養手当法第9条第2項は、母が受給者で、子が父から養育費を受け取ったときは、母が受け取ったものとみなして所得を計算すると定めています。 父が受給者で、子が母から受け取った場合も同じです。

足す額は、受け取った養育費の100分の80です(施行令第2条の4第5項・第4条第1項)。 養育費は税金の申告には出てこないお金なので、住民税の所得とは別に、手当の手続きで受け取った額を申告します。 どの書類で申告するかは、市区町村の窓口で確かめてください。

一部支給の計算式

一部支給の額は、所得が全部支給の線をいくら超えたかに、係数を掛けて決まります(施行令第2条の4第3項・第4項)。

令和8年4月分からの計算式

  • 本体の額 = 48,050円 −((所得 − 全部支給の線)× 0.0264029 + 10円)
  • 2人目以降の加算(1人につき) = 11,350円 −((所得 − 全部支給の線)× 0.0040719 + 10円)
  • かっこの中の掛け算の結果は、5円未満を切り捨て、5円以上を10円に切り上げてから10円を足す

所得が全部支給の線ちょうどなら、引かれるのは10円だけで、本体は48,040円です。 所得が一部支給の線の直前まで来ると、本体は11,340円、加算は5,680円まで下がります。 係数も物価スライドで毎年改定されるので、この式は令和8年4月分からのものです。

計算例(令和7年分の所得で判定する、令和8年11月〜令和9年10月分)

いずれも当サイトの計算です。給与だけの母が受給者で、給与所得は令和7年分の給与所得控除(国税庁タックスアンサーNo.1410)で出しています。

例1:給与収入250万円、子1人(10歳)、養育費が月3万円(年36万円)

手順計算金額
給与所得250万円 −(250万円×30%+8万円)167万円
10万円を引く167万円 − 10万円157万円
養育費の8割を足す157万円 + 36万円×0.8185.8万円
8万円を引く185.8万円 − 8万円177.8万円
判定子1人の線(107万円以上246万円未満)一部支給
引かれる額(177.8万円 − 107万円)× 0.0264029 = 18,693.2円 → 18,690円、+10円18,700円
手当48,050円 − 18,700円月29,350円

年額にすると352,200円です。 同じ人が養育費を受け取っていなければ、所得は149万円で、手当は月36,950円になります。 養育費の月3万円に対して、手当は月7,600円下がる計算です。

例2:給与収入300万円、子2人(10歳と7歳)、養育費なし

手順計算金額
手当の所得202万円(給与所得)− 10万円 − 8万円184万円
判定子2人の線(145万円以上284万円未満)一部支給
本体48,050円 −(39万円×0.0264029 = 10,297.1円 → 10,300円、+10円)37,740円
2人目の加算11,350円 −(39万円×0.0040719 = 1,588.0円 → 1,590円、+10円)9,750円
手当37,740円 + 9,750円月47,490円

例3:給与収入150万円、子1人、養育費なし

給与所得は150万円 − 65万円 = 85万円、手当の所得は85万円 − 10万円 − 8万円 = 67万円です。 子1人の全部支給の線107万円未満なので、全部支給の月48,050円になります。

令和9年11月分からは、給与所得の出し方が変わります

令和8年分の給与所得控除は、収入220万円までが74万円に上がりました(令和8年分・令和9年分)。 令和9年11月分からの手当は令和8年分の所得で判定するので、同じ年収でも所得が下がり、手当が増える場合があります。

いつ、どうやって受け取るか

申請した月の翌月分から。さかのぼれない

手当を受け取るには、住んでいる市区町村の窓口で認定の請求をして、都道府県知事や市長などの認定を受けます(児童扶養手当法第6条)。 支給は、請求した日の属する月の翌月分から始まります(第7条第1項)。

離婚などから時間がたってから請求しても、それより前の月の分はさかのぼって受け取れません。 災害などのやむを得ない理由で請求できなかった場合は、例外があります。理由がやんでから15日以内に請求すれば、請求できなくなった月の翌月分から支給されます(第7条第2項)。

支払いは奇数月の年6回

児童扶養手当法第7条第3項には、次のとおり書かれています。

手当は、毎年一月、三月、五月、七月、九月及び十一月の六期に、それぞれの前月までの分を支払う。

たとえば5月の振込は3月分と4月分です。 支払日は、沖縄県の案内では各支払月の11日(土日祝日なら直前の金融機関の営業日)です。住んでいる都道府県や市の案内で確かめてください。

手当は非課税です。児童扶養手当法第25条は、手当として受け取ったお金に税金などを課すことができないと定めています。

毎年8月に現況届

受給中の人は、毎年8月1日から31日までに現況届を出します(児童扶養手当法施行規則第4条)。 前年の所得が変わるので、11月分からの手当はこの届をもとに決め直されます。 正当な理由なく届を出さないと、手当の支払いが一時差し止められることがあります(児童扶養手当法第15条)。 手当を受ける権利は2年で時効により消える(第22条)ので、差し止められたまま放っておかないでください。

みぞれ
みぞれ

受け取り始めて何年かたつと、減るって聞いたけど?

しぐれ
しぐれ

支給開始から5年(または要件に当たってから7年)たつと、手当の2分の1までが止まる決まりがあります(第13条の3)。

ただ、働いている・求職活動をしている・病気や障害で働けないなどの事情を届け出れば、止まりません。対象の人には市区町村から案内が届きます。

年金を受け取っている場合の調整

遺族年金や障害年金などの公的年金を受け取れる場合は、児童扶養手当との間で調整があります(児童扶養手当法第13条の2)。

受け取っている年金児童扶養手当の扱い
遺族年金・老齢年金・労災年金・遺族補償など年金の額が手当より低ければ、差額を手当として受け取れる
受給者本人の障害基礎年金など障害基礎年金の子の加算の部分と比べ、手当の方が高ければ差額を受け取れる

(児童扶養手当法第13条の2、こども家庭庁「「児童扶養手当」と「公的年金等」の両方を受給する場合は、手続きが必要です」「ひとり親のご家庭の方へ、大切なお知らせ(障害基礎年金等を受給しているひとり親のご家庭の皆さま)」から作成)

平成26年12月までは、公的年金を受け取れる人は児童扶養手当を受け取れませんでした。いまは差額を受け取れます。 障害基礎年金を受け取っているひとり親は、令和3年3月分から、比べる相手が年金の全額から子の加算の部分に変わりました。

年金を受け取れるようになったら、すぐに届け出る

こども家庭庁の案内では、公的年金をさかのぼって受け取った場合や、届け出が遅れた場合は、受け取った手当を返すことになる場合があるとされています。

遺族年金がいくら出るかは、遺族年金はいくら出るかで計算しています。

住まいの相談で、この手当を聞くとき

住宅会社の営業担当の方が、ひとり親のお客様と資金計画を立てるときに確かめておきたいことです。

確かめておくこと

  • 児童扶養手当を受け取っているか。年収が上がると、一部支給・支給停止に移るので、収入の見込みと合わせて考える
  • 実家の近くや二世帯で暮らす計画なら、同居する親の所得でも手当が止まりうる
  • 子が18歳になった後の最初の3月31日で手当は終わる。終わる時期を返済計画に入れる
  • フラット35では、児童扶養手当を年収に足せる(育休中・育休明けの住宅ローン審査)。ただし、いつまで続く収入かを家計の計画に入れる

離婚にともなって家やペアローンをどうするかは、離婚したらペアローンと住宅ローン控除はどうなる?にまとめています。 住民税が非課税になる線は、住民税非課税世帯とはで表にしています。

まとめ

  • 児童扶養手当は、ひとり親家庭などへの手当で、児童手当とは別の制度。両方を受け取れる
  • 令和8年4月分からの月額は、子1人で全部支給48,050円、一部支給48,040円〜11,340円。2人目以降は1人につき11,350円〜5,680円
  • 所得制限は受給者本人の前年の所得で判定。子1人なら107万円未満で全部支給、246万円未満で一部支給
  • 一部支給は、所得が全部支給の線を超えた額に0.0264029(加算は0.0040719)を掛けて計算する
  • 母(父)が受給者なら、養育費の8割が所得に足される。ひとり親控除・寡婦控除は引かない
  • 請求の翌月分から支給。奇数月の年6回、毎年8月に現況届
  • 額と係数は物価に合わせて毎年4月に変わる

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よくある質問

児童扶養手当は、子ども1人でいくらですか?

令和8年4月分からは、全部支給で月48,050円、一部支給で月48,040円〜11,340円です。2人目以降は1人につき、全部支給で11,350円、一部支給で11,340円〜5,680円が加わります。額は毎年4月に物価に合わせて改定されます。

児童扶養手当の所得制限はいくらですか?

受給する本人の所得で判定します。子1人なら、所得107万円未満で全部支給、107万円以上246万円未満で一部支給、246万円以上で支給されません。こども家庭庁は、収入に直した目安を全部支給190万円・一部支給385万円としています。子が1人増えるごとに線は38万円上がります。

養育費をもらうと、児童扶養手当は減りますか?

減ることがあります。母(父)が受給者の場合、子の父(母)から受け取った養育費の8割が、手当の所得に足されます。たとえば給与250万円・子1人で養育費が月3万円なら、手当は月36,950円から29,350円に下がります(当サイトの計算)。

児童手当と児童扶養手当は、両方もらえますか?

両方を受け取れます。児童扶養手当法が支給を調整する相手は公的年金給付や遺族補償などで、児童手当は入っていません。児童手当は所得制限がなく偶数月払い、児童扶養手当は所得制限があり奇数月払いです。

児童扶養手当は、いつ振り込まれますか?

1月・3月・5月・7月・9月・11月の年6回、それぞれ前月までの2か月分が振り込まれます。沖縄県の案内では、支払日は各支払月の11日(休日なら直前の営業日)です。申請した月の翌月分から支給され、さかのぼっては受け取れません。