奨学金が返せないときの減額返還と返還期限猶予|年収の目安と延滞の影響

先に結論

  • 日本学生支援機構の奨学金が苦しいとき、使える制度は大きく減額返還と返還期限猶予の2つです。どちらも願い出と審査が要り、1年ごとに申請し直します
  • 減額返還は、月の返還額を2分の1・3分の1・4分の1・3分の2に減らす制度です。年収の目安は給与で400万円以下(子2人なら500万円、3人以上なら600万円)。通算15年まで。延滞していると使えません
  • 返還期限猶予は、返還を一時止める制度です。経済困難の目安は給与で年収300万円以下、通算10年まで。産休・育休、傷病、災害などは年数の制限がありません
  • どちらも返す総額は減りません。 返還の終わりが後ろに延びます。利子つきの第二種奨学金でも、利子は増えません
  • 延滞すると延滞金(いまの率は年3%)がかかり、3か月以上で個人信用情報機関に登録されます。消えるのは返し終えてから5年後です
  • 勤め先が機構に直接送る代理返還は、所得税が非課税になり得ます

奨学金を返している人にとって、返還は20年近く続く固定費です。転職、病気、出産、家の購入。途中で家計が変わることを前提に、制度が用意されています。

ただ、どの制度も自分から願い出ないと始まりません。 延滞してからでは使える制度が減ります。この記事では、日本学生支援機構と文部科学省、国税庁の資料をもとに、制度の中身と順番を並べます。2026年10月17日時点で公表されている内容です。

返すのが苦しいときの制度は、減額と猶予の2つ

機構が「返還が難しくなった場合」として案内している制度は、次のとおりです。

制度何が変わるか期間の上限延滞中に使えるか
減額返還月の返還額を2分の1〜4分の1などに減らす通算15年(180か月)使えない(延滞を解消してから)
返還期限猶予(一般猶予)返還を止める通算10年(事由によっては制限なし)使える(延滞している場合の手続きがある)
返還免除返還の全部または一部が免除される―本人の死亡・精神または身体の障害の場合だけ

(日本学生支援機構「返還が難しくなった場合」「減額返還制度の概要」「返還を待ってもらう(返還期限猶予)」)

このほか、2017年4月以降に無利子の第一種奨学金を借りた人は、所得に応じて月額が決まる所得連動返還方式を選べます。こちらは後の節で書きます。

機構は、猶予のページでも、少しずつでも残額が減っていく減額返還を先に勧めています(日本学生支援機構「奨学金の返還について」)。

みぞれ
みぞれ

減額と猶予、どっちを選べばいいの?

しぐれ
しぐれ

少しでも返せるなら減額、まったく返せないなら猶予、という分け方が基本です。どちらを選んでも、まず延滞を作らないことを優先します。

減額返還:月の返還額を減らして、期間を延ばす

減額返還は、災害・傷病・その他の経済的な理由で、約束どおりの月額では返せないものの、減らせば返せる人のための制度です(日本学生支援機構「減額返還制度の概要」)。

年収の目安は400万円以下。子どもの数で上がる

所得の種類収入・所得の目安扶養する子が2人扶養する子が3人以上
給与所得者(年間収入金額)400万円以下500万円以下600万円以下
給与以外の所得がある人(年間所得金額)300万円以下400万円以下500万円以下

(日本学生支援機構「減額返還制度の収入・所得金額の目安」)

あわせて、本人の被扶養者1人につき38万円を収入・所得から差し引いて審査します。機構の例では、年収430万円の給与所得者で被扶養者が1人なら、430万円−38万円=392万円で、400万円以下になります。

この基準は2024年4月に引き上げられました。 それまでは給与所得者で年収325万円以下でした。子どもの数による上乗せと、4分の1・3分の2の選択肢も、このとき加わっています(日本学生支援機構のお知らせ、文部科学省の令和6年3月29日の通知)。文部科学省は、出産・子育てなどのライフイベントに応じて柔軟に返せるようにするための改正と説明しています。

子どもがいる人の計算は、窓口で確かめる

機構のページには、「子2人で500万円以下」という目安と、「被扶養者1人につき38万円を控除」という扱いが並んで書かれています。両方をどう組み合わせて審査するかの計算例は載っていません。子どもを扶養している人は、願い出る前に奨学金相談センターで確かめます。

年収は、所得証明書(課税証明書)に載った前年の額で見ます。給与所得者は「給与所得」ではなく「給与収入」の額です。いまの給与が下がっている場合は、直近3か月の給与明細の総支給額から年収を試算する扱いもあります(日本学生支援機構「収入・所得を確認する際の注意点」。返還期限猶予のページの説明です)。

何分の1にできるか、終わりはどれだけ延びるか

減らし方は2分の1・3分の1・4分の1・3分の2の4つから選びます。1回の願い出で適用されるのは12か月までで、続けるには期間が終わる前にもう一度願い出ます。通算の上限は15年(180か月)です(日本学生支援機構「減額返還制度の概要」)。

機構の返還例の図では、2分の1を12か月使うと、当初の6回分を12か月かけて返し、元の月額に戻るのが半年先になります。

月15,000円を返している人が12か月使った場合の例です(当方計算)。

選んだ割合12か月の月額12か月で返す額返還の終わりが延びる月数
3分の210,000円12万円4か月
2分の17,500円9万円6か月
3分の15,000円6万円8か月
4分の13,750円4.5万円9か月

(計算:12か月×割合が、12か月で返せる当初の回数。残りの回数ぶん終わりが延びる。実際の月額は1円単位で端数が出ます)

15年すべてを4分の1で使うと、返還の終わりは135か月(11年3か月)延びます。

減額返還で変わらないこと

  • 返す総額は減りません。 月の額を減らし、期間を延ばすだけです
  • 利子つきの第二種奨学金でも、利子の総額は変わりません
  • 機関保証の人は保証期間が延びますが、保証料の追加はありません

(日本学生支援機構「減額返還制度の概要」)

減額返還が使えない場合

次のどれかにあてはまると、減額返還は使えません。

  • 願い出と審査の時点で延滞している(延滞を解消すれば願い出られる)
  • 口座振替(リレー口座)に入っていない
  • 2017年4月以降に第一種奨学金を借りて、所得連動返還方式を選んでいる

年賦・半年賦で返している人は、月賦に変わり、減額返還が終わった後も月賦のままです。

減額返還の適用中に2回続けて口座から引き落とせなかった場合は、延滞が始まった時点にさかのぼって適用が取り消されます。当初の月額で延滞したものとして、延滞金も計算されます(日本学生支援機構「減額返還制度の概要」)。

返還期限猶予:返還を一時止める

返還期限猶予は、災害・傷病・経済困難・失業などで返せないときに、返還を先送りする制度です。承認された期間は返す必要がなく、その分だけ返還の終わりが延びます。元金や利子が免除されるわけではありません。 利子つきの第二種奨学金は、猶予期間中は利子がつきません(日本学生支援機構「返還を待ってもらう(返還期限猶予)」「奨学金の返還について」)。

一般猶予は通算10年。事由によっては制限なし

猶予の年数事由
制限なし傷病、災害(同じ原因なら原則5年まで)、生活保護受給中、産前休業・産後休業および育児休業、一部の大学校在学、海外派遣
すべて合わせて通算10年まで経済困難、失業中、新卒等、特別研究員、外国で研究中、海外居住、今年海外から帰国

(日本学生支援機構「一般猶予の申請事由と必要な証明書」)

経済困難の目安は、給与所得者で年間収入300万円以下、給与以外の所得がある人で年間所得200万円以下です。減額返還(400万円以下)より低い線です。子どもの数による上乗せはありません。ただし基準を超えていても、被扶養者1人38万円などの「特別な支出」を差し引いて審査する扱いがあります(日本学生支援機構「経済困難」「収入基準を超える場合に認められる控除」)。家賃・住宅ローン・光熱費や借入の返済は、この「特別な支出」に入りません。

猶予は1年ごとに願い出ます。 延滞していない人の提出時期は、猶予を始めたい月の3か月前から前々月末までです。審査中も口座振替の請求は止まらないので、承認の通知が届くまでは引き落としが続きます(日本学生支援機構「返還期限猶予制度の申請手続き」)。

産休・育休中は、年数の制限なく猶予できる

産前産後休業・育児休業で収入がない、または少ない場合は、「産前休業・産後休業および育児休業」を事由に猶予を願い出られます(日本学生支援機構「産前休業・産後休業および育児休業」)。

  • 対象は、労働基準法の産前(出産予定日までの6週間)・産後(出産の翌日から8週間)の休業と、育児・介護休業法の育児休業の期間
  • 1回最大12か月。 休業が続く間は繰り返し願い出られ、通算10年には数えません
  • 休業証明書の期間に給与が出る期間が含まれる場合、その期間は経済困難の基準(年収300万円以下)に準じて審査します
  • 勤務先の休業証明書の原本が必要なため、スカラネット・パーソナルからは申請できません
  • 専業主婦(夫)や自営業の人は、この事由ではなく「経済困難」で申請します

ページが収入の基準で審査するとしているのは、休業証明書に記載された給与の出る期間です。育休中の家計全体の見通しは、育休中の住宅ローン返済で月ごとに計算しています。

失業したとき、卒業したばかりのとき

  • 失業中:離職した月とその翌月から6か月の間に、猶予の開始を希望する場合の事由です。雇用保険の受給資格者証や離職票のコピーで証明します。それより後は「経済困難」で申請します(日本学生支援機構「失業中」)
  • 新卒等:2025年12月以後に卒業・退学した人で、無職・未就職などで収入が少ない人の事由です。2026年3月卒業の人は、2027年6月までに申請すれば証明書が要りません(日本学生支援機構「新卒等」)

どちらも、経済困難と合わせて通算10年の中に数えます。

所得連動返還方式:所得で月額が決まる

2017年4月以降に第一種奨学金(無利子)を借りた人は、所得連動返還方式を選べます。前年の課税対象所得(課税総所得金額)から本人の子ども1人につき33万円を差し引き、9%をかけて12で割った額が月額です。毎年10月に見直され、翌年9月まで続きます。月額の最低は2,000円です(日本学生支援機構「返還月額の算出」)。子ども1人33万円の控除は、2024年度からの見直しで加わりました(文部科学省「こども未来戦略」の「加速化プラン」等に基づく高等教育費の負担軽減策)。

課税総所得金額は、年収ではなく、給与所得控除・社会保険料控除・基礎控除などを差し引いた後の額です。

例(当方計算):課税総所得金額が200万円の場合

子どもの数計算月額
0人200万円×9%÷1215,000円
2人(200万円−66万円)×9%÷1210,050円

機構は、年収300万円・子どもなしで月約8,600円、年収450万円で月約15,400円という例を示しています。

  • 返還の初年度は、定額で返す場合の月額の半分です。それも難しい場合は、申請すれば2,000円にできます(返還開始月の前々月末まで。延滞中や口座振替に入っていない場合は申請できません)
  • 所得が上がると月額も上がり、その分早く返し終わります
  • 所得連動返還方式を選んだ人は、減額返還は使えません。 返還期限猶予は使えます
  • 定額返還方式から変えるには願い出と審査が要り、人的保証の人は機関保証に変える必要があります

(日本学生支援機構「返還月額の算出」「最低返還月額申請」「奨学金の返還について」)

延滞すると:延滞金と個人信用情報

延滞金はいま年3%

約束の返還期日までに返さないと、延滞金がかかります。第二種奨学金と、2005年(平成17年)4月以降に採用された第一種奨学金の延滞金は、延滞している割賦金に対して、返還期日の翌日から返した日までの日数に応じて年3%です。第二種奨学金は、割賦金のうち利子を除いた額にかかります。年3%は口座振替で返している場合の2020年3月28日以降の分で、それ以前は年5%、2014年3月27日までは年10%でした(日本学生支援機構「延滞金」)。2005年3月以前に採用された第一種奨学金は、6か月ごとに率をかける別の計算です。

例(当方計算):月15,000円の割賦金を3回分ためて、それぞれ90日・60日・30日遅れて返した場合

15,000円×3%×(90日+60日+30日)÷365日=約222円

金額は大きくありません。延滞の影響が大きいのは、次の信用情報のほうです。

3か月以上で信用情報に載り、消えるのは完済の5年後

機構は全国銀行個人信用情報センターに加盟し、延滞した人に限って情報を登録しています(日本学生支援機構「個人信用情報機関への個人情報の登録について」)。

  • 延滞が3か月以上になると、登録の対象になります。返還を始めたばかりの人は、返還開始から6か月たった時点で3か月以上延滞していれば対象で、その後は毎月判定されます
  • 登録されると返還状況が毎月更新され、延滞を解消すると、解消したという情報が登録されます
  • 登録された情報が消えるのは、返還を終えてから5年後です
  • 機構は、登録されるとスマートフォンの分割払いやクレジットカードが使えなくなる、住宅ローンなどが組めなくなる場合があると案内しています

(日本学生支援機構「個人信用情報機関への個人情報・個人信用情報の登録」)

延滞を解消しても、記録そのものは返し終えて5年たつまで残ります。延滞を解消した、という情報が加わる形です。

さらに延滞が続くと、一括請求と法的措置

督促に応じず、猶予などの手続きや連絡もないまま延滞を続けると、まだ期日が来ていない分も含めた残りの全額と利息・延滞金の一括返還を求められます。機関保証の人は保証機関(日本国際教育支援協会)が代わりに返済し(代位弁済)、その後は保証機関から一括で請求されます。人的保証の人は、裁判所への支払督促の申立てを経て、最終的には給与や財産の差押え(強制執行)に進みます(日本学生支援機構「督促」「機関保証」「人的保証」)。

延滞してからでは、使える制度が減る

  • 減額返還は、延滞していると願い出られません
  • 猶予は延滞中でも願い出られますが、延滞を始めた月から1年ごとに証明書が要ります。期間の証明書が出せない人向けの「延滞据置猶予」は、経済困難の目安が年収200万円以下(所得130万円以下)と低くなります
  • 猶予が承認されなかった場合、延滞していればその分に延滞金がかかります

(日本学生支援機構「収入基準を超える場合に認められる控除」「返還期限猶予の申請にあたっての留意点」)

住宅ローンを考えている人へ

住宅ローンとの関係で、一次情報で言えることは2つです。

  1. 延滞が3か月以上になると、個人信用情報機関に登録されます。 機構は、住宅ローンなどが組めなくなる場合があると案内しています。記録は完済の5年後まで残ります
  2. フラット35の総返済負担率は「すべての借入れ」の返済額で判定します。ご利用条件に挙がっている例(住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、カードローンなど)に奨学金は入っていません。「など」とあるので、含まないとも書かれていません。くわしくは住宅ローンは「借りられる額」と「返せる額」が違うに書いています

民間の金融機関が、奨学金を返している途中であること自体を審査でどう見るかは、公表された基準がありません。審査の基準とは別に、家計の面では奨学金の返済も毎月の固定費として入れて考えます。審査に落ちたときに信用情報を確かめる方法は、住宅ローンの審査に落ちたらにまとめています。

しぐれ
しぐれ

家を買う前の数年は、とくに延滞を避けたい時期です。返せない月が出そうなら、引き落とし日より前に減額か猶予を願い出ておくのが、延滞を作らないための手です。

勤め先の代理返還と、税の扱い

企業が従業員の奨学金の一部または全額を、従業員の代わりに機構へ直接送金する制度があります。機構は「企業等の奨学金返還支援(代理返還)制度」として受け付けていて、導入している企業は機構のサイトで地域・業種から検索できます(日本学生支援機構「企業等の奨学金返還支援(代理返還)制度」)。

機構の資料では、税と社会保険料の扱いを次のように説明しています。

項目扱い
所得税(従業員)企業が機構に直接送金すれば、給与と区分され奨学金の返還であることが明確になるため、非課税となり得る。役員などは課税対象になることがある
法人税(企業)給与として損金に算入。賃上げ促進税制の対象になり得る
社会保険料原則として、標準報酬月額のもとになる報酬に含めない。給与規程などで給与に代えて返還する場合は含める

(日本学生支援機構「企業等の奨学金返還支援(代理返還)への対応」)

所得税の根拠は、国税庁の質疑応答事例です。県が財団に直接送金する奨学金返還の支援金について、国税庁はこう回答しています。

奨学金の返済に充てるための給付は、その奨学金が学資に充てられており、かつ、その給付される金品がその奨学金の返済に充てられる限りにおいては、通常の給与に代えて給付されるなど給与課税を潜脱する目的で給付されるものを除き、これを非課税の学資金と取り扱っても、課税の適正性、公平性を損なうものではないと考えられます。

(国税庁 質疑応答事例「奨学金の返済に充てるための給付は「学資に充てるため給付される金品」に該当するか」。令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づくもの)

会社が「奨学金返済手当」として給与に上乗せして本人に払う形は、手当が実際に返済に充てられたかに疑義があるため、所得税を非課税とするのは難しいと機構の資料は書いています。本来の給与を減らして、その分を学資金として払う形も、給与として課税されます(国税庁 タックスアンサーNo.2588)。

就職・転職の段階で、勤め先にこの制度があるかを確かめておくと、返還の計画が変わります。都道府県・市区町村には、代理返還をしている企業に補助を出すところもあります(日本学生支援機構「地方公共団体による代理返還を実施している企業等への支援」)。

苦しくなったときの順番

返せないかもしれない、と思ったら

  1. スカラネット・パーソナルで、残高・残りの回数・返還方式(定額か所得連動か)・保証の種類を確かめる
  2. 前年の給与収入(年収)を所得証明書で見る。400万円以下(子2人500万円、3人以上600万円)なら減額返還、300万円以下なら猶予の目安に入る
  3. 産休・育休、病気、失業など事由がはっきりしているなら、その事由で猶予を考える。産休・育休・傷病は年数の制限がない
  4. 引き落とし日の前に願い出る。猶予は希望月の3か月前から前々月末まで。審査中も請求は止まらない
  5. 延滞してしまったら、早く解消するか、延滞している場合の猶予の手続きをとる。3か月以上で信用情報に載る

減額返還・猶予の願い出は、スカラネット・パーソナルから行えます(産休・育休の猶予を除く)。書面の場合は、機構の猶予減額受付窓口に郵送します。

まとめ

  • 減額返還は、月額を2分の1・3分の1・4分の1・3分の2に減らす。年収の目安は給与400万円以下(子2人500万円、3人以上600万円)。1回12か月、通算15年まで。延滞中は使えない
  • 返還期限猶予は、返還を止める。経済困難の目安は給与300万円以下。通算10年まで。産休・育休、傷病、災害、生活保護などは年数の制限なし
  • どちらも1年ごとの願い出と審査が要り、返す総額は減らない。第二種奨学金の利子は増えない
  • 所得連動返還方式は、(課税総所得金額−子1人33万円)×9%÷12で月額が決まる。2017年4月以降の第一種奨学金が対象。減額返還とは併用できない
  • 延滞金はいま年3%(第二種と、2005年4月以降採用の第一種)。3か月以上の延滞で信用情報に登録され、記録は完済の5年後まで残る
  • 勤め先が機構に直接送る代理返還は、所得税が非課税になり得る。手当として本人に払う形は別

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出典

本記事は2026年10月17日時点で公表されている資料に基づいています。減額返還・返還期限猶予の基準や必要な証明書は毎年見直されることがあり、審査は個別に行われます。手続きは日本学生支援機構の奨学金相談センターまたはスカラネット・パーソナルで、代理返還の税の扱いは勤務先と所轄の税務署でご確認ください。個別の判断は、それぞれの窓口でご確認ください。

よくある質問

奨学金の減額返還は、年収いくらまで使えますか?

給与所得者は年間収入400万円以下が目安です。本人が扶養する子が2人なら500万円以下、3人以上なら600万円以下です。給与以外の所得がある人は、年間所得300万円以下(子2人で400万円、3人以上で500万円)です。2024年4月に引き上げられました。

減額返還を使うと、返す総額は減りますか?

減りません。毎月の額を2分の1・3分の1・4分の1・3分の2に減らし、その分だけ返還の終わりが後ろに延びます。利子つきの第二種奨学金でも、利子の総額は変わりません。

育休中は奨学金の返還を止められますか?

産前産後休業・育児休業中で収入がないか少ない場合は、返還期限猶予を願い出られます。1回最大12か月で、休業が続く間は年数の制限なく繰り返せます。勤務先が出す休業証明書の原本が必要なので、スカラネット・パーソナルからは申請できず、郵送になります。

奨学金を延滞すると、住宅ローンに影響しますか?

延滞が3か月以上になると、日本学生支援機構は延滞の情報を個人信用情報機関に登録します。機構は、登録されると住宅ローンなどが組めなくなる場合があると案内しています。登録された情報は、返し終えてから5年後に消えます。

会社が奨学金を代わりに返してくれる場合、税金はかかりますか?

会社が日本学生支援機構に直接送金する代理返還なら、所得税は非課税になり得ると機構は案内しています。国税庁の質疑応答事例が根拠です。会社が手当として本人に払う形だと、非課税とするのは難しいとされています。