iDeCoの金融機関を変える手順|手数料・お金を動かせない期間・かかる日数

iDeCoの金融機関を変える手順|手数料・お金を動かせない期間・かかる日数のイメージ年金と老後

先に結論

  • iDeCoの金融機関は、あとから変えられる。 新しい金融機関から「加入者等運営管理機関変更届(K-004)」を取り寄せ、書いて返送する。手続きは書面で、移す元に連絡する必要はない
  • 持っている商品は、いったんすべて売られて現金になる。 売られる時期は選べない。値動きで損が出ることがある
  • 終わるまで、書類を出してから2〜3か月ほどかかる。 そのあいだ、資産は運用されない
  • 手数料は移す元の金融機関に払う。 松井証券・楽天証券は4,400円、三菱UFJ eスマート証券は4,180円+440円。国民年金基金連合会の2,829円はかからない
  • 掛金の額と引き落とし口座は引き継がれる。 運用商品の選び方は、新しい金融機関で決め直す
iDeCoの金融機関を変えるときの5つの段階を、書類の取り寄せ、返送、旧金融機関での売却、新金融機関での受け入れ、商品の指定の順に示した図

iDeCo(個人型確定拠出年金)の口座を開いた金融機関は、制度の言葉で「運営管理機関」といいます。 口座を開いたあとでも、別の運営管理機関に移せます。 手数料の安いところに移したい、選べる商品を変えたい、という理由で移す人がいます。

この記事は、移すときの手順と、移すあいだに起きることを書きます。 国民年金基金連合会(iDeCo公式サイト)と、各金融機関の公式の案内(2026年10月24日に確認)で整理しました。 特定の金融機関や運用商品をすすめる記事ではありません。

手続きの流れ

iDeCo公式サイトでは、運営管理機関の変更は次のように案内されています。

  1. 移りたい先の金融機関から「加入者等運営管理機関変更届(K-004)」を取り寄せる
  2. 必要なことを書いて、移りたい先の金融機関に返送する
  3. 国民年金基金連合会と金融機関のあいだで、資産と記録が移される
  4. 新しい金融機関から、口座番号やパスワードの通知が届く
  5. 新しい金融機関で、運用する商品を選ぶ

出典:iDeCo公式サイト「よくあるご質問」、りそな銀行・松井証券の案内

今の金融機関に「やめます」と連絡する手続きはありません。 書類はすべて、移りたい先から取り寄せて、移りたい先に出します。 iDeCoの口座は1人1つなので、今の口座を残したまま、別の金融機関で新しく口座を開くことはできません。

りそな銀行の案内では、運営管理機関の変更は書面だけで、インターネットでの手続きはありません。

出す書類

書類出す人
加入者等運営管理機関変更届(K-004)全員
移換の配分指定書(名前は金融機関ごとに違う)移した資産で買う商品を先に決めておく人
加入者等氏名・住所変更届国民年金基金連合会に登録した氏名・住所から変わっている人
加入者掛金引落機関変更届と口座振替の依頼書氏名が変わり、自分の口座から掛金を払っている人など

出典:iDeCo公式サイト「よくあるご質問」、りそな銀行FAQ、松井証券 iDeCo 運営管理機関の変更の手続きの案内

りそな銀行の案内では、変更届に書いた氏名・住所が、国民年金基金連合会に登録されている氏名・住所と同じであることが条件です。 引っ越しや結婚のあとに住所や氏名の変更を届けていない人は、変更届と一緒に氏名・住所変更届を出します。

一度現金にされる:お金を動かせない期間

運営管理機関を変えるとき、今持っている投資信託や定期預金などは、そのままの形では移せません。 りそな銀行やSBI証券の案内では、手続きの途中でいったんすべて売られて現金になるとされています。

売られる時期は、自分では選べない

りそな銀行の案内では、売却のタイミングは選べず、値動きによっては損失が出る場合があるとされています。 株価が下がっている時期に売られれば、その値段で損が確定します。 移した先で同じような商品を買い直しても、売ってから買うまでのあいだの値上がりは取り戻せません。

値動きを避けたい人は、手続きを始める前に、定期預金などの元本確保型の商品に自分で預け替えておく方法があります。 ただし、りそな銀行の案内では、投資信託を売るときに信託財産留保額(解約のときに差し引かれるお金)や解約控除がかかることがあるとされています。 預け替えにもお金がかかる場合があるので、今の金融機関の商品の条件を確かめてから決めてください。

みぞれ
みぞれ

売ったあと、移った先ではすぐに運用されるの?

しぐれ
しぐれ

配分の指定をしていなければ、現金のまま置かれます。 新しい金融機関では「未指図資産」と呼ばれ、自分で商品を選ぶまでずっと運用されません。通知が届いたら、まず商品を選んでください。

りそな銀行の案内では、変更届と一緒に配分を指定しておけば、移ってきたお金はその割合で商品が買われます。 松井証券も、移換の配分指定書を出さないと「配分指定なし」で加入となり、資産は現金のままになると案内しています。

手続きのあいだにできないこと

りそな銀行の案内では、変更の手続き中は運用商品の変更ができない場合があるとされています。 SBI証券のコラムでも、移換が終わるまでの期間は運用できないとされています。

かかる日数

出どころ書いてある日数
iDeCo公式サイト書類を出してから2〜3か月程度
りそな銀行FAQ1か月半〜2か月半程度
りそな銀行の変更のページ2〜3か月程度
松井証券1〜2か月程度(書類に不備があるとさらにかかる)
SBI証券のコラム変更届を出してから2〜3か月程度

日数に幅があるのは、加入者(掛金を出している人)か運用指図者(掛金を止めて運用だけしている人)か、申し込んだ時期、移す元の金融機関の売却の処理で変わるためです(りそな銀行FAQ)。 現金になっている日数そのものを示した公式の資料は、見つけられませんでした。 手続き全体で1〜3か月の幅と考えておくと、予定が立てやすくなります。

りそな銀行の案内では、毎月20日までに国民年金基金連合会での手続きが終わると、翌月の掛金から新しい金融機関の扱いになります。

手数料

運営管理機関を変えるときにかかるお金は、主に移す元の金融機関に払う手数料です。 iDeCo公式サイトは「運営管理機関により、手数料をご負担いただく場合があります」としています。

移す元に払う手数料(ネット証券の主な5社)

金融機関他の金融機関へ移すときの手数料(税込)確かめた資料(2026年10月24日)
SBI証券公式サイトで確認―
松井証券4,400円同社の手数料の案内
マネックス証券公式サイトで確認―
三菱UFJ eスマート証券4,180円(特定運営管理機関)+440円(事務委託先金融機関)同社の手数料の案内
楽天証券4,400円同社のプラン資料(2026年4月1日更新)

順番は五十音順で、優劣ではありません。手数料は、移す元の金融機関のものです。

iDeCoの口座は、銀行・対面の証券会社・ゆうちょ銀行・保険会社などでも開けます。 上の5社以外から移す人は、今の金融機関の手数料の一覧で「移換時」「運営管理機関変更」の欄を見てください。

かからないもの

りそな銀行の案内では、国民年金基金連合会に払う口座開設の手数料(2,829円)は、運営管理機関の変更ではかかりません。 2,829円がかかるのは、新しく加入するときと、企業型DCなどから資産を移すときです。

楽天証券のプラン資料では、他の運営管理機関から楽天証券に移ってくる人の、運営管理機関の手数料の欄は空欄(−)になっています。 受け入れる側の手数料の有無は、移りたい先の金融機関の手数料の一覧で確かめてください。

毎月の手数料で、元が取れるまで

毎月かかる手数料のうち、国民年金基金連合会の分(掛金を出す月に105円)と事務委託先金融機関の分(月66円)は、どの金融機関でも同じです。 違うのは運営管理機関に払う分だけです。国民年金基金連合会の分は、2027年1月26日の引き落とし分から月額120円になります。

移す手数料が元に戻るまでの月数は、次の式で出せます。

移す元に払う手数料 ÷ 毎月の運営管理機関の手数料の差 = 元が取れるまでの月数

たとえば移す手数料が4,400円で、運営管理機関の手数料の差が月400円なら、4,400÷400=11か月です。 この計算には、売ってから買い直すまでの値動きは入っていません。

引き継がれるもの、変わるもの

りそな銀行の案内では、運営管理機関を変えたときの扱いは次のとおりです。

引き継がれるもの変わるもの
掛金の額運営管理機関(口座の窓口)
掛金の引き落とし口座加入者口座番号とログインのパスワード(新しく通知される)
掛金の控除証明に関する拠出記録選べる運用商品の一覧
国民年金基金連合会に登録した氏名・住所掛金の配分の指定(決め直す)

出典:りそな銀行 よくあるご質問(運営管理機関変更)

掛金の拠出記録が引き継がれるので、年末調整や確定申告で使う控除証明書の扱いは変わりません。 一方で、個人別の運用の利回りは引き継がれず、移ったあとの実績として新しく計算されます。

移す前に確かめること

手続きを始める前に

  • 国民年金基金連合会に登録した氏名・住所が、今と同じか
  • 今持っている商品を売るときに、信託財産留保額や解約控除がかかるか
  • 移す元の手数料と、移りたい先の受け入れの手数料
  • 移りたい先で選べる商品と、毎月の運営管理機関の手数料
  • 企業型DCから資産を移す手続きを同時にしようとしていないか

りそな銀行の案内では、企業型DCからの移換と運営管理機関の変更は、同時に手続きできません。 転職で企業型DCの資産をiDeCoに移す時期と重なる人は、どちらを先にするかを金融機関に確かめてください。

2026年12月の掛金の変更と重なるとき

2026年12月分からiDeCoの掛金の上限が上がり、増やすには手続きが要ります。 増額の手続きは、そのとき口座のある金融機関に出します。 金融機関を変える手続きの途中で掛金の変更も出すと、どちらの金融機関に出すのかが分かりにくくなります。 両方を考えている人は、出す順番を今の金融機関と移りたい先の両方に確かめてください。 増額の締切はiDeCoの掛金を12月分から増やす手続きにまとめました。

まとめ

  • iDeCoの金融機関は変えられる。移りたい先から変更届(K-004)を取り寄せ、移りたい先に返送する
  • 持っている商品はいったんすべて売られて現金になる。売られる時期は選べず、損が出ることがある
  • 終わるまで書類提出から2〜3か月ほど。そのあいだは運用されない
  • 配分の指定をしていないと、移ったお金は現金のまま置かれる
  • 手数料は移す元に払う。松井証券・楽天証券は4,400円、三菱UFJ eスマート証券は4,180円+440円。連合会の2,829円はかからない
  • 掛金の額・引き落とし口座・拠出記録は引き継がれる。運用の利回りは引き継がれない

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出典

本記事は2026年10月24日時点で公表されている内容にもとづく手続きの説明です。各社の手数料は、その日に各社の公式の案内で確かめたもので、変わることがあります。特定の金融機関や運用商品をすすめるものではありません。手続きと手数料は、今の金融機関と移りたい先の金融機関の窓口にご確認ください。

よくある質問

iDeCoの金融機関は、あとから変えられますか?

変えられます。iDeCo公式サイトでは、変更先の新しい運営管理機関から「加入者等運営管理機関変更届(K-004)」を取り寄せ、記入して返送すると案内しています。iDeCoの口座は1人1つなので、今の口座を残したまま別の金融機関で口座を開くことはできません。

金融機関を変えると、どのくらい日数がかかりますか?

iDeCo公式サイトでは、資産と記録の移換の処理が終わるまで、書類を出してから2〜3か月程度かかるとされています。金融機関の案内では1〜2か月程度、1か月半〜2か月半程度などの幅があり、書類の不備があるとさらに延びます。

移すあいだ、持っている投資信託はどうなりますか?

いったんすべて売られて現金になります。売られる時期は自分では選べず、そのときの値段によっては損が出ることがあります。移った先では、配分の指定をしていなければ現金のまま置かれ、自分で商品を選ぶまで運用されません。

手数料はいくらかかりますか?

移す元の金融機関に払う手数料があり、金額は金融機関ごとに違います。松井証券と楽天証券は4,400円、三菱UFJ eスマート証券は4,180円と事務委託先金融機関の440円と公表しています。国民年金基金連合会の口座開設の手数料(2,829円)は、金融機関の変更ではかかりません。

掛金の額や引き落とし口座は、変更のときに出し直しますか?

りそな銀行の案内では、掛金額、掛金の引き落とし口座、掛金の控除証明に関する拠出記録、登録の氏名・住所は引き継がれます。運用商品の選び方(掛金の配分)は、新しい金融機関で決め直します。