先に結論
- 国民年金基金連合会と信託銀行の手数料は、5社とも同じです。 掛金を出している人は月171円(105円+66円)。2027年1月の引落しからは、連合会の分が月120円になり月186円です
- 運営管理手数料は、並べた5社とも0円でした(2026年10月24日時点)
- 違いが出るのは商品の数と種類、問い合わせの受付時間、申込みの方法(ウェブで完結するか、郵送か)です
- 元本確保型(定期預金)は、5社とも1つ以上あります
- 金融機関はあとから変えられます。ただし移るときに手数料(4,400円など)がかかり、手続きのあいだは運用されません

この記事は、特定の金融機関や商品をすすめるものではありません。 iDeCoの口座を開く先を、同じ項目で比べるための整理です。 並べたのはネット証券の主な5社で、紹介料は受け取っていません(広告リンクはありません)。 iDeCoの口座は、銀行・信用金庫・労働金庫・保険会社・ゆうちょ銀行などでも開けます。
iDeCoの制度そのもの(掛金の上限、2026年12月の改正、受け取り方)は「iDeCo改正は2026年12月から」にまとめています。
iDeCoの口座は、どこで開けるのか
iDeCoの口座を開く先を、制度の言葉で「運営管理機関」といいます。商品をそろえ、加入者の記録を管理する金融機関です。 iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)の運営管理機関一覧には、次のような金融機関が載っています。
- 都市銀行・地方銀行・信用金庫・労働金庫
- 証券会社
- 生命保険会社・損害保険会社
- ゆうちょ銀行
窓口で相談しながら手続きしたい人は、店頭での案内があるかを各機関に確かめます。 iDeCo公式サイトの各機関の資料には「店頭でのご案内」の欄があり、可か不可かが書かれています。

どこで開いても、iDeCoの中身は同じなの?

掛金の上限や税金の扱いは、どこで開いても同じです。違うのは、選べる商品と手数料と窓口です。そこを比べます。
5社を同じ項目で並べる
2026年10月24日に、各社の公式ページとiDeCo公式サイトの各社の資料で確かめた内容です。
| 項目 | SBI証券 | 松井証券 | マネックス証券 | 三菱UFJ eスマート証券 | 楽天証券 |
|---|---|---|---|---|---|
| 運営管理手数料 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 商品の数(各社の表示) | 37本(一覧を当方で数えた数。2026年8月10日時点) | 40種類(法令上の数え方では31商品) | 29本(2026年2月現在) | 27商品(2026年3月16日更新の資料) | 39商品(2026年4月1日更新の資料) |
| 元本確保型(定期預金) | あり | あり | あり | あり | あり |
| 問い合わせの受付時間 | 平日・土日 8:00〜17:00(祝日・年末年始を除く。土日は新規加入の問い合わせのみ) | 平日 8:30〜17:00 | 平日 9:00〜20:00、土曜 9:00〜17:00(祝日を除く) | 平日 9:00〜18:00、土曜 9:00〜17:00(日祝・年末年始などを除く) | 平日 8:30〜17:00、土日 9:00〜17:00(祝日・年末年始を除く) |
| 加入の申込み | 電子申込み(同社の資料) | ウェブで申込書を請求し、記入して郵送 | ウェブ申込み(同社の総合口座がある人など)か郵送 | オンライン(本人確認書類をアップロード) | ウェブで完結(任意加入被保険者などは郵送) |
| 他の金融機関へ移るときの手数料 | 4,400円 | 4,400円 | 4,400円 | 4,180円+440円 | 4,400円 |
順番は五十音順で、優劣ではありません。
(出典:iDeCo公式サイト「運営管理機関一覧」と各社の資料、各社のiDeCoの公式ページ。いずれも2026年10月24日に確認)
表を読むときの注意が3つあります。
- 商品の数は、数え方がそろっていません。 松井証券は、ターゲットイヤー型(決めた年に向けて中身を安定型に移していく投資信託)のシリーズを1本と数える法令上の数え方だと31商品と書いています。SBI証券の37本は、同社の一覧にある商品を当方で数えた数で、ターゲットイヤー型4本を含みます
- 三菱UFJ eスマート証券の新しい申込みは「MUFGのiDeCo」です。 運営管理機関は三菱UFJ銀行で、申込みの画面は三菱UFJ銀行に移ります。同社のもとの「カブコムのiDeCo」は新規受付を終えています
- SBI証券の申込み方法は、iDeCo公式サイトにある2022年6月更新の資料によります。 最新の案内は同社の公式サイトで確かめてください
手数料は、どこが同じでどこが違うか
iDeCoの手数料は、払う先が3つあります。
| 払う先 | いつ | 額(5社とも同じ) |
|---|---|---|
| 国民年金基金連合会 | 加入するとき(初回のみ) | 2,829円 |
| 国民年金基金連合会 | 掛金を納めるたび | 105円(2027年1月26日の引落しから月額120円) |
| 信託銀行(事務委託先金融機関) | 毎月 | 66円 |
| 運営管理機関 | 毎月 | 金融機関ごとに違う(並べた5社は0円) |
(出典:各社の手数料のページ・資料、国民年金基金連合会「iDeCo加入者に係る手数料を見直します」)
掛金を出している人が毎月払うのは、105円+66円=171円です。松井証券・マネックス証券・三菱UFJ eスマート証券の手数料のページにも171円と書かれています。 2027年1月26日の引落し分からは、連合会の分が105円から月額120円になります。合計は186円です(120円+66円で計算)。
掛金を止めて運用だけを続ける人(運用指図者)も、信託銀行の月66円はかかり続けます。 受け取るときは1回ごとに440円、払い過ぎた掛金が戻るとき(還付)は1,048円と440円がかかります。

5社とも運営管理手数料が0円なら、手数料では差がつかないってこと?

毎月の手数料では差がつきません。差が出るのは、商品を持っているあいだにかかる信託報酬(投資信託の運用の費用)です。これは商品ごとに違うので、使いたい商品の数字を各社の商品一覧で見比べます。
運営管理手数料は、金融機関ごとに決まっています。5社以外を考えるときは、iDeCo公式サイトの運営管理機関一覧から、機関ごとの資料(手数料表と商品一覧)を開いて比べます。
どんな人が、どの項目を見比べるか
5社のどこが合うかは、人によって見る項目が違います。
項目ごとの見比べ方
- 電話で相談しながら進めたい人は、問い合わせの受付時間を比べる。平日の夜や土曜に電話できるかは、会社ごとに違う
- 書類のやりとりを減らしたい人は、申込みがウェブで終わるかを比べる。ウェブ申込みには「その会社の証券口座がある」などの条件がつくことがある
- 元本確保型を使いたい人は、5社とも定期預金がある。ただし定期預金でも、毎月の手数料の分だけ残高は減る
- すでにその会社で証券口座やNISAを使っている人は、同じ会社の画面でiDeCoの残高も見られるかを確かめる
- 特定の地域や種類の投資信託を使いたい人は、各社の商品一覧で、その種類があるかと信託報酬を比べる
商品の選び方(何を買うか)は、この記事では扱いません。
口座を開く前に、確かめておくこと
金融機関を選ぶ前に、次の3つを先に確かめておくと手続きが止まりません。
- 自分の掛金の上限。 国民年金の種別(会社員・自営業・専業主婦など)と、勤務先の企業年金で変わります。上限の出し方は「iDeCo改正は2026年12月から」に書いています
- 掛金の払い方。 口座振替(個人払込)か、給与天引き(事業主払込)か。事業主払込にするときは、勤務先が書く証明書が要ります
- 基礎年金番号。 申込書に書きます。年金手帳や基礎年金番号通知書で確かめます
申込みから加入までは時間がかかります。たとえば松井証券は、書類を受け付けてから国民年金基金連合会の審査が終わるまで約1〜2か月と案内しています。
原則60歳まで引き出せない
iDeCoのお金は、原則として60歳まで引き出せません。運用の結果によっては、受け取る額が掛金の合計を下回ることがあります(元本割れ)。 口座を開く前に、60歳まで動かさないお金で払えるかを先に考えてください。
あとから金融機関を変えるとき
iDeCoの金融機関は、あとから変えられます。これを「運営管理機関の変更」といいます。
変えるときの注意は次のとおりです。
- 移る前の金融機関に手数料がかかります。 並べた5社では4,400円、三菱UFJ eスマート証券(MUFGのiDeCo)は4,180円と440円です
- 持っている商品は、いったん現金にして移ります。 手続きのあいだは運用されない期間があります
- 申込みは、移る先の金融機関に出します

変えられるなら、とりあえずどこかで始めてもいい?

始められます。ただ、移すときに手数料と運用されない期間がかかります。最初に比べておけば、その手間は省けます。
住宅の営業担当の方へ
ライフプランの話の中で、iDeCoの口座をどこで開けばいいか聞かれることがあります。
聞かれたときに押さえておくこと
- 連合会と信託銀行の手数料はどこで開いても同じ。違うのは運営管理機関の手数料・商品・窓口
- 主なネット証券5社は運営管理手数料が0円(2026年10月24日時点)
- 銀行・信用金庫・保険会社・ゆうちょ銀行でも開ける。対面で相談したい人は店頭の案内があるところを選べる
- 特定の会社や商品は、営業担当からはすすめない。比べる項目を伝えるところまで
- 住宅ローン控除との兼ね合いは「iDeCoと住宅ローン控除の併用」
まとめ
- iDeCoの口座は、証券会社・銀行・信用金庫・保険会社・ゆうちょ銀行などで開ける
- 国民年金基金連合会と信託銀行の手数料は5社とも同じ。掛金を出す人は月171円、2027年1月の引落しから月186円
- 運営管理手数料は、並べた5社とも0円
- 違いが出るのは、商品の数と種類、問い合わせの受付時間、申込みの方法
- 金融機関はあとから変えられるが、移るときに手数料がかかり、運用されない期間がある
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出典
- iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)「運営管理機関一覧」(各機関の手数料と商品の資料)
- 国民年金基金連合会「iDeCo加入者に係る手数料を見直します」
- iDeCo公式サイト「iDeCoの加入資格・掛金・受取方法等」
- SBI証券「iDeCo(個人型確定拠出年金)」
- 松井証券「iDeCo」・手数料
- マネックス証券「iDeCo」・手数料
- 三菱UFJ eスマート証券「MUFGのiDeCo」・手数料
- 楽天証券「確定拠出年金(iDeCo)」
本記事は2026年10月24日時点で各社とiDeCo公式サイトが公表している内容にもとづく比較です。特定の金融機関・金融商品をすすめるものではなく、掲載順に優劣はありません。投資信託は元本が保証されません。手数料・商品・受付時間は変わることがあるため、申込みの前に各金融機関の公式サイトでご確認ください。掛金の上限や税金の扱いは、勤務先や所轄の税務署にご確認ください。
よくある質問
iDeCoの手数料は、金融機関によって違いますか?
国民年金基金連合会の手数料(加入時2,829円、掛金を納めるたびに105円)と信託銀行の手数料(月66円)は、この記事で並べた5社では同じでした。違うのは運営管理機関の手数料で、5社とも0円です。105円は2027年1月26日の引落し分から月額120円に見直されます。
iDeCoの口座は証券会社でしか開けませんか?
開けるのは証券会社だけではありません。iDeCo公式サイトの運営管理機関一覧には、都市銀行・地方銀行・信用金庫・労働金庫・生命保険会社・損害保険会社・ゆうちょ銀行なども載っています。
あとから金融機関を変えられますか?
変えられます(運営管理機関の変更)。ただし、移る前の金融機関に手数料がかかることがあり、この記事の5社では4,400円(三菱UFJ eスマート証券のMUFGのiDeCoは4,180円と440円)です。手続きのあいだは運用されない期間もあるため、最初に比べてから開くほうが手間が少なくなります。
商品の数が多いほうがいいのですか?
多いか少ないかより、自分が使いたい種類の商品(たとえば元本確保型の定期預金や、特定の地域の株式に投資する投資信託など)があるかで比べます。商品数の数え方は会社によって違います。



