先に結論
- iDeCoは、金融機関から加入申出書を取り寄せて返送し、国民年金基金連合会の審査を経て始まる。 一部の金融機関はスマートフォンやパソコンで申し込める
- 審査は1〜2か月ほどと案内している金融機関がある。書類に不備があると、さらにかかる
- 加入日は、金融機関が書類を受け付けた日。 掛金はその月の分から、翌月26日に引き落とされる。月の中旬以降に出すと、初回は翌々月に2か月分になることがある
- 勤め先の事業主の証明書は、2024年12月から給与天引きにする人だけ。 自分の口座から払うなら要らない
- そのかわり、企業年金の加入状況を自分で書く。 間違えると加入が認められない
- 国民年金保険料が未納の月は、iDeCoの掛金を出せない

iDeCo(個人型確定拠出年金)に入る手続きは、口座を開く金融機関(運営管理機関)を通じて行います。 書類を出してから最初の掛金が引き落とされるまで、1〜3か月ほどの幅があります。
この記事は、申込みから初回の引き落としまでの流れ、そろえるもの、勤め先にお願いすることを、厚生労働省と国民年金基金連合会(iDeCo公式サイト)の資料(2026年10月24日に確認)で整理します。 特定の金融機関や運用商品をすすめる記事ではありません。金融機関の比べ方は「iDeCoの口座はどこで開く?」に書いています。
申込みから初回の引き落としまで
iDeCo公式サイトの「加入手続きについて」とよくあるご質問をもとに、流れを6つに分けます。
| 段階 | すること | 目安 |
|---|---|---|
| 1 | 自分の加入区分と掛金の上限を確かめる | ― |
| 2 | 金融機関から加入申出書を取り寄せる(またはネットで申し込む) | 金融機関による |
| 3 | 書いて、添付書類と一緒に返送する | 受け付けた日が加入日 |
| 4 | 国民年金基金連合会が審査する | 1〜2か月ほど(金融機関の案内) |
| 5 | 加入確認通知書・口座開設のお知らせが届く | 審査のあと |
| 6 | 初回の掛金が引き落とされる | 加入した月の翌月26日(または翌々月) |
出典:iDeCo公式サイト「加入手続きについて」「よくあるご質問」、松井証券・マネックス証券のiDeCoの案内
書類は金融機関から取り寄せる
加入の申出は、金融機関を通じて、加入申出書を国民年金基金連合会に出す形で行います(iDeCo公式サイト よくあるご質問)。 書面で出すときは、申出書も金融機関から取り寄せます。金融機関は1人1社だけ選びます。
一部の金融機関では、スマートフォンやパソコンで申し込めます(電子申請)。 ただし、給与天引き(事業主払込)を選ぶ人や、その金融機関の証券口座を持っていない人は、ネットで申し込めず書面になる金融機関もあります。申込みの方法は、金融機関ごとに確かめてください。
審査にかかる日数
国民年金基金連合会は、申出書の内容を、日本年金機構の登録情報と、企業年金の加入者の情報(企業年金プラットフォーム)と照らし合わせます。 その結果、加入できなかった人には「加入者資格不該当通知書」が届きます(iDeCo公式サイト よくあるご質問)。
審査の日数を、全部の金融機関に共通して示した公式の資料はありません。金融機関の案内の例は次のとおりです。
| 金融機関 | 案内している日数 |
|---|---|
| 松井証券 | 書類の受入れから手続完了まで1〜2か月程度(不備があるとそれ以上) |
| マネックス証券 | 返送・申込みから手続きの完了まで1〜2か月ほど |
出典:各社のiDeCoの新規加入の案内(2026年10月24日に確認)。ほかの金融機関も、同じく国民年金基金連合会の審査を経る
届く通知
審査が終わると、国民年金基金連合会から「個人型年金加入確認通知書」が届きます。 これとは別に、記録を管理する会社(記録関連運営管理機関)から、口座開設のお知らせや、残高を見るサイトのパスワードの通知が届きます(マネックス証券の案内)。 加入確認通知書には、問い合わせ先の連絡先も書かれています。
初回の引き落としは、いつか
iDeCo公式サイトのよくあるご質問では、次のように説明されています。
- 加入日は、金融機関が加入申出書を受け付けた日(不備で書類が戻ってきたら、出し直して受け付けた日)
- 掛金は、加入した月の分から払う
- 毎月の掛金は、翌月26日(金融機関の休業日なら翌営業日)に口座から引き落とす
- 月の中旬以降に出すと、初回の引き落としが翌々月になることがある
| 申出書を出した日(例) | 初回の引き落とし | 引き落とされる掛金 |
|---|---|---|
| 2月7日 | 3月26日 | 2月分(1か月分) |
| 2月22日 | 4月26日 | 2月分と3月分(2か月分) |
出典:iDeCo公式サイト よくあるご質問(加入が認められた場合の例)
初回は2か月分になることがある
翌々月にまとめて引き落とされる場合は、口座に2か月分の掛金を入れておく必要があります。残高が足りずに引き落とせなかった月の掛金は、あとから払えません(追納できない)。
そろえるもの
申し込む前に手元に置くもの
- 基礎年金番号(基礎年金番号通知書、青色の年金手帳、マイナポータル・ねんきんネットで確かめられる)
- 本人名義の掛金の引き落とし口座(書面の場合は届出印も)
- 本人確認の書類(ネットで申し込む場合、画像をアップロードする金融機関がある)
- 掛金の額(月5,000円以上、1,000円単位で、自分の上限まで)
- 運用する商品の配分(決めていなければ、あとで選べる。下の「商品を選ばないと」を参照)
- 会社員・公務員は、勤め先の企業年金の加入状況
- 給与天引きにする人は、勤め先に書いてもらう証明書(K-109A)
専業主婦(主夫)・自営業の人は、掛金を本人名義の口座から払う方法(個人払込)だけです。会社員・公務員は、個人払込と給与天引き(事業主払込)のどちらかを選べます(iDeCo公式サイト「加入手続きについて」)。
自分の上限を先に出す
掛金の上限は、国民年金の種別と勤め先の企業年金で変わります。上限を超える額で申し込むと、加入が認められないことがあります。
| 区分 | 2026年12月分からの月の上限 |
|---|---|
| 会社員(企業年金なし) | 62,000円 |
| 会社員(企業年金あり)・公務員 | 62,000円−会社が出す額(公務員は54,000円) |
| 自営業・フリーランス | 75,000円(国民年金基金・付加年金と合わせて) |
| 専業主婦(主夫) | 23,000円 |
出典:厚生労働省「iDeCo拠出限度額の引き上げ」ほか(詳しくは関連記事)
2026年11月分までは改正前の上限(会社員で企業年金なしなら23,000円など)です。 2026年11月までに加入する人が12月分から改正後の上限まで掛けたいときは、申込みのときに書ける額と、あとで増額の届出が要るかを、申し込む金融機関に確かめてください。 増額の手続きは「iDeCoの掛金を12月分から増やす手続き」にまとめています。
区分ごとの詳しい上限は、会社員(企業年金あり)は「企業年金のある会社員のiDeCo上限」、自営業は「自営業のiDeCo上限は12月から月7.5万円」、専業主婦(主夫)は「専業主婦(主夫)のiDeCo」に書いています。
国民年金保険料の未納がないか
iDeCo公式サイトの「加入手続きについて」では、国民年金の保険料が未納の月は、その月のiDeCoの掛金を納付できないとされています。納付されていた場合は返されます。 国民年金の保険料の免除を受けている自営業などの人は、iDeCoに加入できません。
勤め先に書いてもらう書類は、2024年12月から変わった
以前は、会社員全員が事業主の証明書を出していた
2024年11月までは、会社員がiDeCoに入るとき、勤め先の企業年金の加入状況について、事業主に証明書を書いてもらう必要がありました。転職したときも同じでした。
厚生労働省の法令解釈通知(令和3年9月27日の一部改正)では、DBなどの企業年金の加入者の情報を、企業年金連合会の「企業年金プラットフォーム」を通じて国民年金基金連合会に知らせるしくみをつくることで、加入時・転職時の事業主証明書と、年1回の現況確認を廃止するとされています。DBとの情報連携は2024年(令和6年)12月からです。
いまは、給与天引きにする人だけ
| 掛金の払い方 | 勤め先に書いてもらうもの |
|---|---|
| 個人払込(自分の口座から引き落とし) | なし |
| 事業主払込(給与天引き) | 事業主払込(登録・納付方法変更等)に関する証明書(K-109A)。公務員などの共済組合員はK-109B |
出典:厚生労働省 法令解釈通知、iDeCo公式サイト「事業主の方へ」
iDeCo公式サイトの「事業主の方へ」では、従業員が給与天引きでiDeCoの掛金を納付する場合は、事業主の確認・証明が必要とされています。
勤め先が初めて給与天引きを扱うときは、時間がかかることがある
勤め先がiDeCoの給与天引きを初めて行う場合、事業主は証明書に会社の引き落とし口座を書いて「事業所登録」をし、国民年金基金連合会から後日「登録事業所番号」が通知されます(iDeCo公式サイト「事業主の方へ」)。 勤め先の担当者がこの手続きに慣れていないこともあるので、給与天引きにしたい人は、早めに相談してください。

証明書がいらないなら、会社には何も言わなくていいの?

自分の口座から払うなら、手続きの上では会社を通しません。ただ、企業年金の加入状況は自分で書くので、分からなければ会社に聞くことになります。年末調整で控除を受けるときも、勤め先に証明書を出します。
そのかわり、企業年金の加入状況を自分で書く
事業主の証明書がなくなったかわりに、加入申出書には勤め先の企業年金の加入状況を、自分で2桁のコードで書きます。
| コード | 勤め先の企業年金 |
|---|---|
| 00 | 他に企業年金制度なし |
| 01 | 企業型DCあり(DBなどとの併用を含む) |
| 02 | 確定給付型の企業年金(DBなど)のみ |
| 50 | 国家公務員共済 |
| 51 | 地方公務員共済 |
| 52 | 私学共済 |
| 53 | 企業型DCおよび私学共済 |
出典:国民年金基金連合会「企業年金制度等の加入状況コードをご確認ください」(令和6年12月1日現在)
国民年金基金連合会の案内では、書いた加入状況が確かめられない場合、新しく加入する人は「加入不該当」になります。 出向している人は、出向元の年金制度に入っている場合もあります。 自分がどれに当たるか分からないときは、勤め先に確かめてください。厚生労働省の通知では、事業主は従業員から企業年金の加入状況の照会があったときに適切に対応するとされています。
企業年金がある人は、会社が出している掛金の額によって上限が変わります。額の調べ方と勤め先への聞き方は「企業年金のある会社員のiDeCo上限」に書いています。
商品を選ばないと
iDeCo公式サイトの「はじめるまでの4つのポイント」では、加入するときに、金融機関が示す運用商品(3〜35商品)の中から自分で決める必要があるとされています。
申込みのときに決めていなくても、加入はできます。ただし、金融機関が「指定運用方法」(商品を選ばない人のために決めておく商品)を決めている場合は、最初の掛金の納付から3か月以上の期間と、2週間以上の猶予を過ぎても選ばないと、指定運用方法の商品が買われます。 指定運用方法の商品が自分に合っているかは、別の問題です。届いた通知を見て、自分で選んでください。
原則60歳まで引き出せず、元本割れもある
iDeCoのお金は、原則として60歳まで引き出せません。投資信託などを選んだ場合、運用の結果によっては、受け取る額が掛金の合計を下回ることがあります。 申し込む前に、60歳まで動かさないお金で払えるかを考えてください。
年末調整・確定申告とのつながり
掛金の所得控除は、申告して初めて受けられます。自分の口座から払う人には、国民年金基金連合会から毎年10月に「小規模企業共済等掛金払込証明書」が届きます。 iDeCo公式サイトのよくあるご質問では、初回の掛金の納付が10月以降の人は、証明書が納付月の翌月(11月〜翌年1月)に届くとされています。年末調整に間に合わなければ、確定申告で控除を受けます。
年の後半に申し込む人は、勤め先の年末調整の締切に証明書が間に合うかを見ておいてください。書き方と、間に合わないときの扱いは「iDeCoの年末調整」に書いています。
まとめ
- 金融機関から加入申出書を取り寄せて返送する。一部はネットで申し込める
- 審査は1〜2か月ほどと案内している金融機関がある。不備があるとさらにかかる
- 加入日は書類の受付日。掛金はその月の分から、翌月26日に引き落とし。中旬以降なら翌々月に2か月分のことがある
- そろえるもの:基礎年金番号、本人名義の口座、本人確認の書類、掛金の額、会社員は企業年金の加入状況
- 勤め先の証明書は2024年12月から給与天引き(K-109A)の人だけ
- 企業年金の加入状況は自分で2桁のコードで書く。確かめられないと加入不該当
- 国民年金保険料が未納の月は掛金を出せない
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出典
- iDeCo公式サイト「加入手続きについて」
- iDeCo公式サイト「iDeCoをはじめるまでの4つのポイント」
- iDeCo公式サイト「よくあるご質問」
- iDeCo公式サイト「事業主の方へ」
- 国民年金基金連合会「企業年金制度等の加入状況コードをご確認ください」
- 厚生労働省「確定拠出年金制度について」(法令解釈通知の一部改正、令和3年9月27日)
- 松井証券「iDeCo 新規加入の手続き」
- マネックス証券「iDeCo 新規加入のお申込み」
本記事は2026年10月24日時点で公表されている内容にもとづく手続きの説明です。審査の日数は金融機関の案内の例で、時期や書類の状態で変わります。日数の例に挙げた金融機関をすすめるものではなく、特定の金融機関や運用商品をすすめるものではありません。申込みの方法と書類は申し込む金融機関の窓口に、企業年金の加入状況は勤務先にご確認ください。
よくある質問
iDeCoは申し込んでから、どのくらいで始まりますか?
書類を出してから国民年金基金連合会の審査が終わるまで、1〜2か月ほどと案内している金融機関があります。加入日は金融機関が書類を受け付けた日で、掛金はその月の分から、翌月26日に引き落とされます。月の中旬以降に出した場合は、初回が翌々月に2か月分まとめての引き落としになることがあります。
会社員は、勤め先に証明書を書いてもらう必要がありますか?
掛金を自分の口座から払う(個人払込)なら要りません。2024年12月から、加入時の事業主の証明書が不要になりました。給与天引き(事業主払込)にする場合だけ、勤め先に「事業主払込(登録・納付方法変更等)に関する証明書(K-109A)」を書いてもらいます。
勤め先の企業年金の加入状況は、どう書けばいいですか?
加入申出書の「企業年金制度等の加入状況コード」の欄に、00(企業年金なし)、01(企業型DCあり)、02(確定給付型の企業年金のみ)などの2桁の数字を自分で書きます。国民年金基金連合会が企業年金の登録情報と照らし合わせ、確かめられないと加入できません。分からなければ勤め先に確かめます。
申込みに必要なものは何ですか?
基礎年金番号、本人名義の掛金の引き落とし口座、本人確認の書類、掛金の額、会社員なら勤め先の企業年金の加入状況です。基礎年金番号は、基礎年金番号通知書や年金手帳、マイナポータル・ねんきんネットで確かめられます。
運用する商品を選ばずに申し込むと、どうなりますか?
金融機関が「指定運用方法」を決めている場合は、最初の掛金の納付から3か月以上と、さらに2週間以上の猶予を過ぎても商品を選ばないと、指定運用方法の商品が買われます。指定運用方法の商品が自分に合っているかは、別に確かめる必要があります。



