先に結論
- 書くのは「小規模企業共済等掛金控除」の枠の「個人型年金加入者掛金」の行。 その年に払う掛金の合計を書き、払込証明書を添える
- 給与天引き(事業主払込・iDeCo+・マッチング拠出)なら書かない。 勤務先が毎月の給与で計算済みで、証明書も届かない
- 令和8年分の証明書は、ハガキが10月23日発送。 10月以降に始めた人は11月25日・12月22日・翌年1月22日の追加発行
- なくしたら運営管理機関に再発行を頼む。 受け付けから2週間程度かかる
- 間に合わなければ確定申告で取り戻せる。 還付の申告は翌年1月から5年間出せる

iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は、全額が所得から差し引かれます。ただし、申告しないと税金は戻りません。 会社員は、年末調整で出す「給与所得者の保険料控除申告書」で申告します。
この記事では、申告書のどの行に何を書くか、自分は書く人なのか、証明書が見当たらないときにどうするかを順に書きます。 申告書の全体の書き方は保険料控除申告書の記入例にまとめています。ここではiDeCoの欄だけを深く見ます。
最初に、自分が「書く人」かを確かめる
iDeCoの掛金の払い方は2つあります。どちらで払っているかで、年末調整でやることが変わります。
| 払い方 | 掛金の出どころ | 年末調整で書くか | 払込証明書 |
|---|---|---|---|
| 個人払込 | 自分名義の預金口座から引き落とし | 書く | 国民年金基金連合会から届く |
| 事業主払込 | 給与から天引き | 書かない | 発行されない |
出典:iDeCo公式サイト「よくあるご質問」
事業主払込の人は、勤務先が毎月の給与計算でiDeCoの掛金を差し引いて、源泉徴収の税額を出しています。 iDeCo公式サイトは、このとき払込証明書は発行されないと案内しています。 国税庁の記載例も、給与から差し引かれた掛金は記載しませんと書いています。
申告書に書かない掛金
- iDeCoを事業主払込(給与天引き)で払っている
- 勤務先のiDeCo+(イデコプラス)で、掛金を勤務先がまとめて納めている。iDeCo公式サイトは「控除処理は事業主が行うため、加入者本人の手続きは不要」としている
- 企業型DC(企業型確定拠出年金)のマッチング拠出など、給与から差し引かれている掛金
自分がどちらか分からないときは、給与明細を見ます。iDeCoの掛金が控除の欄に載っていれば事業主払込です。 10月下旬に連合会からハガキが届いたかどうかも手がかりになります。

妻のiDeCoの掛金を、わたしの年末調整で申告できる?

そこは取り違えやすいところです。iDeCoの掛金で所得が減るのは、加入している本人だけです。
第3号被保険者は、会社員・公務員に扶養されている配偶者です。 iDeCo公式サイトでは、第3号被保険者の掛金は本人名義の口座からの引き落としに限られ、配偶者が払うことはできないとされています。 控除の対象は加入者本人の掛金だけです。配偶者の申告書に書くことはできません。
申告書の書く場所:「個人型年金加入者掛金」の行
令和8年分の保険料控除申告書には「小規模企業共済等掛金控除」の枠があり、4つの行が並んでいます。
| 行の名前 | 何を書くか |
|---|---|
| 独立行政法人中小企業基盤整備機構の共済契約の掛金 | 小規模企業共済の掛金 |
| 確定拠出年金法に規定する企業型年金加入者掛金 | 企業型DCの掛金で、自分で直接払ったもの |
| 確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金 | iDeCoの掛金(個人払込) |
| 心身障害者扶養共済制度に関する契約の掛金 | 自治体の心身障害者扶養共済の掛金 |
| 合計(控除額) | 上の4行の合計。これがそのまま控除額 |
出典:国税庁「令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書」と記載例
国民年金基金連合会の案内でも、iDeCoの掛金は「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」の欄に合計金額を記入するとされています。 生命保険料控除の欄とは別の場所です。上限はなく、その年に払った掛金の全額が控除になります(国税庁 No.1135)。
書く金額は、ハガキの合計欄の数字
令和8年分の払込証明書には、1〜9月に払い込まれた金額と、10〜12月の払込予定金額を合わせた額が載ります。 この合計を、そのまま書き写します。
書き写す前に見るところ
- 証明書の年分が令和8年分になっているか
- 加入者の名前が自分か(家族の分ではないか)
- 載っている額が、10〜12月の予定額を含んだ合計か
添付するのは、ハガキの左上に「重要」と書かれたページ(一番右側)です。国民年金基金連合会は、ここを切り取って添えるよう案内しています。
電子データで出す方法もある
勤務先が電子の申告に対応していれば、マイナポータルを通して証明書のデータを取り込めます。 国民年金基金連合会の案内では、マイナンバーカードを持ち、「e-私書箱」のアカウントを作ることが前提です。 電子交付を申し込んでも、紙のハガキは従来どおり届きます。取り込みの手順は年末調整のマイナポータル連携にあります。
証明書が届く時期(令和8年分)
国民年金基金連合会は、2026年10月1日に令和8年分の発行の日程を公表しています。
| 発行 | ハガキの発送 | 電子データ | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| 一括発行 | 10月23日 | 10月21日から順次 | 1〜9月に払込があった人 |
| 追加発行① | 11月25日 | 11月20日 | 10月に初めて払込があった人、合計額が変わった人 |
| 追加発行② | 12月22日 | 12月18日 | 11月に初めて払込があった人、合計額が変わった人 |
| 追加発行③ | 2027年1月22日 | 2027年1月20日 | 12月に初めて払込があった人、12月28日に引き落とせなかった人など |
| 再発行 | 随時 | 対応していない | なくした人、追加発行より早く要る人 |
出典:国民年金基金連合会「令和8年分の小規模企業共済等掛金払込証明書の発行時期と対象となる方」(毎月定額で払う人の場合)
10月以降に始めた人は、10月のハガキが届かない
国民年金基金連合会のよくあるご質問では、初回の引き落としが10月26日なら、証明書は11月下旬の発行です。 勤務先の年末調整の締め切りが11月中だと、間に合わないことがあります。そのときは下の「間に合わないとき」に進みます。
証明書が見当たらないとき
ハガキが見当たらない理由は、大きく3つに分かれます。
なくした・捨ててしまった
口座のある運営管理機関(iDeCoを申し込んだ金融機関)に、再発行を頼みます。 国民年金基金連合会のよくあるご質問では、運営管理機関が受け付けてから2週間程度かかるとされています。 一括発行のあとは、その年の分を含めて過去5年分まで再発行できます。
再発行の証明書に載るのは、再発行した時点の払込実績と払込予定の額です。 e-私書箱を開設している人は、開設後の電子データを最大5年分、ダウンロードできます。
10月に入ってから住所を変えた人は、旧住所に送られていることがあります。 再発行の申請書に「住所変更提出済」と書き添えると、新しい住所に送られると案内されています。
そもそも今年は届いていない
届かない理由として案内されているもの
- 事業主払込(給与天引き)に切り替わっている。 この場合は書く必要がない
- 1〜9月に一度も引き落とされていない。 このときは証明書が発行されない
- 掛金の拠出が「一時停止」になっている。 勤務先の企業年金の登録と合わないときなどに起き、本人あてに通知が届く
国民年金基金連合会は、去年まで届いていたハガキが今年は届かない場合について、一時停止の可能性を挙げています。 運営管理機関に確かめてください。引き落とされなかった月の掛金は、あとから納めることができません。
引き落とせなかった月がある
10月26日の引き落としが残高不足でできなかった人には、11月下旬に直した証明書が追加発行されます。 12月28日の分が引き落とせなかったときは、注意が要ります。
国民年金基金連合会の案内では、10月の予定額入りの証明書で年末調整をした場合、確定申告で直すことになります。 実際に払った額より多く控除を受けたままになるためです。
年末調整に間に合わないとき
方法は2つあります。
勤務先に「あとから出す」と伝える
国税庁の「令和8年分 年末調整のしかた」には、小規模企業共済等掛金について次の扱いが書かれています。 翌年1月末日までに証明書を出すことを条件に、年末調整をすることができます。 期日までに出なければ、勤務先はその掛金を除いて計算をやり直し、足りない税額を徴収します。
この扱いをするかどうかは勤務先が決めます。締め切りの前に担当者に伝えてください。 保険料控除申告書を出し忘れた場合も、勤務先は源泉徴収票を渡す時まで計算をやり直せます(国税庁「年末調整Q&A」)。 やり直しの期限と流れは年末調整の間違いに後で気づいたらにまとめています。
自分で確定申告をする
年末調整に入れられなかった掛金は、翌年に自分で確定申告をすれば控除を受けられます。 確定申告書の「小規模企業共済等掛金控除」の欄に書き、証明書を添えるか提示します(国税庁 No.1135)。 税金を取り戻すための申告(還付申告)は、翌年1月1日から5年間出せます(国税庁 No.2030)。
国税庁 No.1135 には、もう1つ案内があります。対象は令和8年分以後の確定申告書を、令和9年1月1日以後に出すときです。 このときは、証明書の添付・提示に代えて、一定の事項を書いた明細書を添えることもできるとされています。 明細書に何を書くかは、令和8年分の確定申告の手引きで確かめてください。

確定申告って、iDeCoのためだけにするの?

医療費控除やふるさと納税で申告する人は、同じ申告書でiDeCoの欄も書けます。スマホでも出せます。
スマホでの出し方はスマホで確定申告する手順、申告が要る人と要らない人の分かれ目は会社員の確定申告が必要な人・不要な人にあります。
自営業の人・住宅ローン控除がある人
自営業やフリーランスの人は年末調整がないので、確定申告でiDeCoの掛金を申告します。書く欄と証明書は会社員と同じです。
住宅ローン控除を受けている会社員は、iDeCoの所得控除で税金がどこまで減るかが人によって違います。 所得税がすでに0円に近い人の考え方は、iDeCoと住宅ローン控除の併用で計算しています。
準備のチェックリスト
年末調整で iDeCo の控除を受ける準備
チェックは、このブラウザの中だけに残ります(送ったり保存したりはしません)。
証明書の追加発行の日(令和8年分・10月以降に始めた人)
- 2026年11月25日iDeCo 払込証明書の追加発行(ハガキの発送)Googleカレンダーに追加
- 2026年12月22日iDeCo 払込証明書の追加発行(ハガキの発送)Googleカレンダーに追加
- 2027年1月22日iDeCo 払込証明書の追加発行(ハガキの発送)Googleカレンダーに追加
「まとめて」は iPhone・Outlook などのカレンダーに入ります。前日の朝9時に知らせが出ます。日付は記事を書いた時点の決まりです。
毎年の締切をまとめて入れたい人は、締切カレンダーを購読すると、翌年以降も自動で入ります。
締切をスマホの通知で受け取る(無料)
選んだ話題の締切の前に、朝9時に通知が届きます(締切は2週間前と3日前、iDeCo の引き落としは3日前、支給日などは当日)。名前もメールアドレスも要りません。
やめるときは「通知をやめる」を押すか、届いた通知を長押しして「オフ」にします。こちらが預かるのは、通知の宛先(ブラウザごとの文字列)と選んだ話題だけで、誰なのかは分かりません。iPhone は、Safari でこのページを開き、共有ボタンから「ホーム画面に追加」をして、ホーム画面のアイコンから開いたときに使えます。
まとめ
- iDeCoの掛金は、保険料控除申告書の「小規模企業共済等掛金控除」の枠の「個人型年金加入者掛金」の行に、年間の合計額を書く
- 給与天引き(事業主払込・iDeCo+・企業型DCのマッチング拠出)なら書かない。証明書も届かない
- 配偶者のiDeCoの掛金は、自分の申告書に書けない
- 令和8年分のハガキは10月23日発送。10月以降に始めた人は11月25日・12月22日・翌年1月22日の追加発行
- なくしたら運営管理機関に再発行を頼む。2週間程度かかる
- 12月28日の引き落としができなかったら、確定申告で直す
- 年末調整に間に合わなければ、勤務先に相談するか、翌年の確定申告で控除を受ける
払込証明書の数字を1行写すだけで、その年の掛金の全額が所得から差し引かれます。申告しないと、この控除は受けられません。
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出典
- 国税庁「令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書」
- 国税庁「令和8年分 給与所得者の保険料控除申告書の記載例」
- 国税庁 タックスアンサー No.1135「小規模企業共済等掛金控除」
- 国税庁 タックスアンサー No.2030「還付申告」
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」
- 国税庁「令和8年分 年末調整Q&A」
- 国民年金基金連合会「令和8年分の小規模企業共済等掛金払込証明書の発行時期と対象となる方」
- 国民年金基金連合会「控除証明書に関するよくあるご質問(令和8年版)」
- iDeCo公式サイト「よくあるご質問」
- iDeCo公式サイト「iDeCo+(イデコプラス)実施にあたっての注意事項」
本記事は2026年10月24日時点で公表されている内容にもとづく制度の説明です。証明書の発行日程は令和8年分のものです。特定の金融機関や運用商品をすすめるものではありません。証明書の再発行・掛金の払い方は口座のある運営管理機関に、年末調整の扱いは勤務先に、確定申告は所轄の税務署にご確認ください。
よくある質問
iDeCoの掛金は、保険料控除申告書のどこに書きますか?
「小規模企業共済等掛金控除」の枠の中の「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」の行に、その年に払う掛金の合計額を書きます。国民年金基金連合会のよくあるご質問でも、この欄に合計金額を書くよう案内されています。生命保険料控除の欄ではありません。
給与天引きでiDeCoを払っている場合も書きますか?
書きません。事業主払込(給与天引き)の場合は、勤務先が毎月の給与計算で掛金を差し引いて税額を計算しているため、払込証明書も発行されません。iDeCo+や企業型DCのマッチング拠出のように給与から差し引かれる掛金も、申告書には書きません。
払込証明書をなくしました。どうすればいいですか?
口座のある運営管理機関に再発行を頼みます。国民年金基金連合会の案内では、運営管理機関が受け付けてから届くまで2週間程度かかります。e-私書箱を開設している人は、電子データをダウンロードすることもできます。
年末調整に証明書が間に合わないときは?
勤務先が、翌年1月末日までに証明書を出すことを条件に年末調整をする扱いがあります。それもできなければ、翌年に自分で確定申告をして控除を受けます。還付を受けるための申告は、翌年1月1日から5年間出せます。
妻(夫)のiDeCoの掛金を、自分の年末調整に書けますか?
書けません。iDeCoの掛金は加入者本人の小規模企業共済等掛金控除の対象で、第3号被保険者の掛金は本人名義の口座からの引き落としに限られ、配偶者が払うことはできないとiDeCo公式サイトで案内されています。


