住宅ローンは年収の何倍?世帯年収と借入額の実勢【2025年度フラット35】

住宅ローンは年収の何倍?世帯年収と借入額の実勢【2025年度フラット35】のイメージ家と住宅ローン

先に結論

  • 2025年度フラット35利用者調査では、家の価額は世帯年収の6.3倍(全国の中央値)。土地付注文住宅は7.6倍、中古は5.1倍
  • 借りた額(フラット35の融資金)だけで見ると、全国で年収の約4.7倍(平均どうしの比)。土地付注文住宅は約5.9倍
  • 手持金(頭金)が「なし」の人が29.9%。建売住宅では37.6%、中古戸建では43.9%
  • 返済負担率は全国の中央値で23.3%。審査の上限(年収400万円以上で35%)より、かなり下で借りている人が多い
  • ただし、これはフラット35を使った人の数字で、民間の変動金利型で借りた人は入っていない。そして「みんながこう借りている」は「自分が返せる額」ではない

「住宅ローンは年収の何倍まで」と調べると、5倍、7倍といった数字が出てきます。 ただ、その数字が何の何倍なのか(家の価額か、借りた額か)、誰の数字なのかで、意味が変わります。

ここでは住宅金融支援機構の「2025年度フラット35利用者調査」(2026年7月24日公表)の集計表から、住宅の種類ごとの実勢を数字で並べます。 国土交通省の「令和7年度住宅市場動向調査」(2026年7月17日公表)でも傾向を補います。

この記事の数字は、誰の数字か

先に、数字の性格を押さえておきます。ここを飛ばすと、表を読み違えます。

フラット35利用者の数字であって、住宅ローン全体の数字ではありません

  • 集計の対象は、2025年度(2025年4月〜2026年3月)にフラット35(買取型・保証型)を使った35,553件です。借換えは除かれています
  • フラット35は全期間固定金利の住宅ローンです。民間金融機関の変動金利型などで借りた人は入っていません
  • 国土交通省の住宅市場動向調査では、民間金融機関からの借入金の金利タイプは、どの住宅の種類でも「変動金利型」がもっとも多いと報告されています。住宅ローンを借りる人の多くは、この調査の外にいます
  • 数字はすべて借入を申し込んだ時点のものです。借りたあと家計がどうなったかは分かりません

「世帯年収」は、申込本人と収入合算者(一緒に返す配偶者など)の年収の合計です。 共働きで収入を合算した世帯は、2人分の年収で数えられています。

住宅の種類ごとの実勢

まず、住宅の種類(調査の言葉では「融資区分」)ごとに、年収・価額・お金の出どころを並べます。金額は全国の平均です。

住宅の種類件数世帯年収価額手持金融資金その他の借入月の返済額
注文住宅(土地は持っている)3,889719万円4,260万円840万円3,248万円174万円12.4万円
土地付注文住宅7,733742万円5,313万円481万円4,379万円453万円15.2万円
建売住宅8,345680万円4,215万円429万円3,486万円300万円12.6万円
マンション2,8231,041万円5,882万円1,379万円4,011万円492万円15.8万円
中古戸建7,296580万円2,783万円261万円2,402万円119万円9.1万円
中古マンション5,467745万円3,602万円591万円2,730万円281万円10.7万円
全体35,553716万円4,203万円551万円3,357万円295万円12.4万円

(住宅金融支援機構「2025年度フラット35利用者調査」集計表 第1表から作成。万円未満は四捨五入)

表の読み方

  • 価額は、注文住宅が「建設費」、土地付注文住宅が「所要資金」(建設費3,737.6万円+土地取得費1,575.3万円)、建売住宅・マンション・中古が「購入価額」です。項目名が違うものを同じ列に並べています
  • 融資金はフラット35で借りた額、その他の借入は民間金融機関や公的機関などフラット35以外から借りた額です
  • 手持金+融資金+その他の借入は、価額と一致します(注文住宅は、建設費に土地取得費の平均2.3万円を足した額と一致)
  • 登記・火災保険・ローンの手数料・引っ越しなどの諸費用が価額に含まれるかどうかは、調査に書かれていません

平均は一部の高い値に引っぱられます。中央値(真ん中の人の値)も並べておきます。

住宅の種類世帯年収の中央値価額の中央値
注文住宅603万円3,900万円
土地付注文住宅652万円4,884万円
建売住宅599万円3,890万円
マンション840万円5,315万円
中古戸建490万円2,400万円
中古マンション587万円2,880万円
全体600万円3,890万円

(同 第5表・第13表/第14表から作成。世帯年収は千円単位の値を万円にして四捨五入)

全体の世帯年収は、平均716万円に対して中央値600万円です。 「平均年収716万円の人が借りている」と聞くと高く感じますが、真ん中の人は600万円です。

「年収の何倍」は、何を割るかで変わる

「年収の何倍」には2つの見方があります。

  • 家の価額が年収の何倍か(調査の「年収倍率」はこちら)
  • 借りた額が年収の何倍か(審査や返済に直接効くのはこちら)
住宅の種類年収倍率(価額÷年収)中央値同 平均融資金÷年収借入合計÷年収
注文住宅6.5倍6.9倍4.5倍4.8倍
土地付注文住宅7.6倍7.8倍5.9倍6.5倍
建売住宅6.6倍6.9倍5.1倍5.6倍
マンション6.5倍7.5倍3.9倍4.3倍
中古戸建5.1倍5.3倍4.1倍4.3倍
中古マンション5.1倍5.6倍3.7倍4.0倍
全体6.3倍6.6倍4.7倍5.1倍

(年収倍率は同調査の集計表の値。注文住宅は「建設費÷世帯年収」。融資金÷年収と借入合計〈融資金+その他の借入〉÷年収は、第1表の平均どうしを割って当方で計算)

右の2列は「平均どうしの比」です

調査は借入額の年収倍率を出していないため、平均の借入額を平均の世帯年収で割りました。 この割り方は、1人ずつ倍率を出して平均したものより低めに出ます。 同じ割り方で価額を割ると全体で5.9倍になり、調査の年収倍率の平均6.6倍より低いからです。 右の2列は、住宅の種類どうしを比べる目安として読んでください。

価額で見ても借入で見ても、いちばん倍率が高いのは土地付注文住宅です。 土地と建物を同時に買うため総額が大きく、手持金の割合が低い(後述)ことが重なっています。

マンションは、価額の倍率はほかと同じくらいでも、借入の倍率は低めです。 世帯年収が高く、手持金も多いためです。

7倍以上で買っている人は、どのくらいいるか

中央値だけでは、どこまで広がっているかが見えません。年収倍率(価額÷年収)の分布から、割合を出しました。

住宅の種類5倍未満7倍以上10倍以上
注文住宅26.4%43.0%10.3%
土地付注文住宅11.0%61.0%13.0%
建売住宅21.3%43.2%7.1%
マンション29.7%43.8%18.5%
中古戸建47.8%20.6%3.0%
中古マンション49.2%25.4%8.1%
全体30.0%39.7%9.0%

(同調査の年収倍率の表の件数分布から当方で算出。「7倍以上」は7.0倍以上)

土地付注文住宅では、6割が年収の7倍以上の家を買っています。 この区分では、7倍以上が多数派です。

ただし、多数派であることは、無理がないことを意味しません。 次の手持金と返済負担率をあわせて見ます。

世帯年収で見ると、どの層が使っているか

「世帯年収 住宅ローン」で調べる人は、自分の年収帯の人がいくら借りているかを知りたいはずです。 ところが、公表されている集計表には、世帯年収の階級ごとに借入額や倍率を出した表がありません(公表されている7つのファイルを確認した範囲)。 そのため「年収600万円の人は◯万円借りている」という表は、この調査からは作れません。

出せるのは、住宅の種類ごとに、どの年収帯の人が使っているかです。

住宅の種類400万円未満400〜600万円600〜800万円800〜1,000万円1,000万円以上
注文住宅13.9%35.1%23.7%12.6%14.7%
土地付注文住宅5.0%36.2%28.3%15.5%14.9%
建売住宅10.7%39.6%26.2%12.3%11.3%
マンション6.6%18.6%21.7%16.8%36.3%
中古戸建31.9%33.5%17.9%8.0%8.7%
中古マンション24.1%27.2%18.3%11.7%18.6%
全体15.9%33.5%23.1%12.4%15.0%

(同調査 第5表の件数分布から当方で算出。世帯年収は本人と収入合算者の合計)

全体では、世帯年収400〜600万円の層がもっとも多く、3人に1人です。 新築の戸建(注文・土地付注文・建売)でも同じです。 マンションは1,000万円以上が36.3%、中古戸建は400万円未満が31.9%と、住宅の種類で利用者の年収がはっきり分かれます。

手持金(頭金):3割の人はゼロで買っている

住宅の種類手持金「なし」なし+100万円未満中央値平均価額に占める割合(平均)
注文住宅12.5%27.8%463万円840万円19.7%
土地付注文住宅21.2%47.7%119万円481万円9.1%
建売住宅37.6%56.8%14万円429万円10.2%
マンション16.2%25.5%804万円1,379万円23.5%
中古戸建43.9%62.1%4万円261万円9.4%
中古マンション31.2%42.7%201万円591万円16.4%
全体29.9%48.1%124万円551万円13.1%

(同調査の手持金の表と第1表から作成。割合は当方で算出)

全体の手持金は、平均551万円に対して中央値124万円です。 平均は、まとまった額を入れる一部の人に引き上げられています。 建売住宅と中古戸建は、中央値が数万〜十数万円で、半数以上が手持金100万円未満です。

ここでいう「手持金」は、購入資金に充てたお金です

貯金がゼロという意味ではありません。購入後の生活費などのために手元に残した貯金は、この数字に入っていません。 「なし」の中には、貯金が少ない人も、貯金を手元に残すことを選んだ人も入りえます。調査からは、どちらなのか区別できません。

返済負担率:審査の上限より下で借りている人が多い

総返済負担率は、毎月の予定返済額が世帯の月収の何割かを表します。住宅ローン以外の借入の返済も入ります。

住宅の種類中央値25%以上の割合30%以上の割合
注文住宅23.5%42.6%16.7%
土地付注文住宅27.1%61.7%33.3%
建売住宅24.3%46.6%18.8%
マンション21.3%36.3%17.3%
中古戸建20.6%29.7%7.4%
中古マンション19.5%28.4%8.8%
全体23.3%42.3%17.7%

(同調査の総返済負担率の表から作成。割合は件数分布から当方で算出)

フラット35の審査の基準は、総返済負担率が年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下です(【フラット35】ご利用条件)。 全体の中央値23.3%は、この上限よりかなり下にあります。

土地付注文住宅だけは、3人に1人が30%以上です。 倍率が高く、手持金が少なく、返済の割合も高い。3つが同じ区分に重なっています。 全体の分布と「上限まで借りない」理由は、「借りられる額」と「返せる額」は違うで詳しく書いています。

別の調査で見ても、返済は年収の2割前後

フラット35の偏りを補うため、国土交通省の「令和7年度住宅市場動向調査」も見ます。 こちらはフラット35に限らず、住宅を買った・建てた世帯へのアンケートです(2024年4月〜2025年3月に住み替えた世帯が対象)。

住宅の種類調査地域平均世帯年収返済負担率(平均)
注文住宅全国1,129万円18.1%
分譲戸建住宅三大都市圏879万円20.6%
分譲集合住宅三大都市圏981万円17.7%
既存(中古)戸建住宅三大都市圏703万円16.7%
既存(中古)集合住宅三大都市圏764万円17.0%

(国土交通省「令和7年度住宅市場動向調査」報告書 2.3.3・2.4.1、経年変化比較表から作成)

フラット35の調査とは、そのまま比べられません

  • 返済負担率の定義が違います。こちらは世帯年収に占める住宅ローンの年間支払額の割合です
  • 注文住宅以外は三大都市圏だけの調査です
  • アンケートの回収数が少なく(注文住宅で735件)、年度ごとの振れが大きいです。注文住宅の平均世帯年収は、前年度の907万円から1,129万円に動いています

数字の水準は違っても、返済が年収の2割前後に収まっている点は2つの調査で共通しています。

「みんなの倍率」と「自分が返せる額」は別の話

ここまでの数字は、他人の家計の結果です。自分の借入額を決める物差しにはなりません。理由は3つあります。

1つ目。同じ倍率でも、金利と期間で返済額が変わります。 年収600万円の世帯が4,200万円(年収の7倍)を35年・元利均等・ボーナス返済なしで借りると、次のとおりです(当方計算)。

金利毎月の返済返済負担率
1.5%約12.9万円約25.7%
2.0%約13.9万円約27.8%
3.0%約16.2万円約32.3%

(金利の予想ではありません。倍率が同じでも負担が変わることを示すための計算です)

2つ目。調査の数字は借りた時点のものです。 教育費が増える時期、修繕や固定資産税が重なる時期に家計がどうなるかは、この表に入っていません。

3つ目。平均や中央値は、家族の人数も、車の有無も、親からの援助の有無も違う人たちの真ん中です。 「真ん中の人と同じなら安心」という根拠にはなりません。

みぞれ
みぞれ

じゃあ、この表は何に使えばいいの?

しぐれ
しぐれ

自分の計画が、同じ種類の家を買った人の中でどのあたりにいるかを確かめるのに使います。決めるのは、家計から出した「返せる額」のほうです。

たとえば土地付注文住宅で年収の10倍、手持金ゼロ、返済負担率30%台なら、倍率は同じ区分の上位13%に、返済負担率は上位3分の1に入ります。 それ自体が悪いわけではありませんが、なぜその水準で返せるのかを、家計の数字で説明できるかを確かめる合図になります。

年収・金利・返済期間を入れると、フラット35の基準で出した上限と、返済負担率を20%・25%に抑えた場合の借入額が並びます。

入力した数字は、このページの中だけで計算します。どこにも送信・保存しません。

配偶者などの収入
合算できるのは、本人の親・子などの直系親族または配偶者で、申込時の年齢が満70歳未満、本人と同居し、連帯債務者になる人などです 合算すると、その人の借入の返済も「ほかの借入」に入ります。その人の年収の50%を超えて合算した場合は、本人とその人のうち年齢の高いほうが返済期間の基準です。期間が短くなる場合があります
借入予定額で確かめる
毎月の返済を1万円増やすと

「借りられる額」は、フラット35の総返済負担率の基準(年収400万円未満30%以下、400万円以上35%以下。住宅金融支援機構【フラット35】ご利用条件、2026年4月1日現在の表記)に、入力した金利・期間を当てはめた目安です。審査に使う金利や年収の数え方は、金融機関やローンの種類で違います。審査に通るかどうかも、返済負担率だけでは決まりません。フラット35の借入額は100万円以上1億2,000万円以下で、建設費または購入価額以内です。返済方法は元利均等・ボーナス返済なしで計算しています。借入額は1万円未満を切り捨てています。

借入の上限と返せる額の違いは、「借りられる額」と「返せる額」は違うに書いています。 家の予算を建物・土地・外構・諸費用から積み上げる手順は、家づくりの予算は、希望から決めると足りなくなるにあります。 倍率を見るのは、予算を積み上げたあとで十分です。

客先でこの数字を使うときの注意

住宅会社の営業担当の方が、この記事の数字をお客様に示すときに確かめてほしいことです。

数字を示す前に

  • どの調査の、何年度の数字かを言う(例:「2025年度フラット35利用者調査」)
  • 何の何倍かを言う(価額÷年収か、借入額÷年収か)
  • 平均か中央値かを言う。年収も手持金も、平均は中央値より高く出る
  • フラット35の利用者だけの数字であることを添える
  • 「みなさんこのくらい借りています」で終わらせず、そのお客様の家計で返せるかを別に確かめる

まとめ

  • 2025年度フラット35利用者調査の年収倍率(価額÷世帯年収)は、全国の中央値で6.3倍。土地付注文住宅7.6倍、中古5.1倍
  • 借りた額だけで見ると、平均どうしの比で全国約4.7倍、土地付注文住宅約5.9倍
  • 手持金「なし」は全体の29.9%。建売住宅37.6%、中古戸建43.9%
  • 返済負担率の中央値は23.3%。土地付注文住宅は27.1%で、3人に1人が30%以上
  • 世帯年収の階級ごとの借入額は、この調査の集計表からは出せない
  • これらはフラット35利用者の、借りた時点の数字。自分の借入額は、家計から出した返せる額で決める

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出典

本記事は2026年10月14日時点で公表されている内容に基づいています。フラット35利用者調査はフラット35(買取型・保証型)の利用者を集計したもので、民間金融機関の住宅ローンだけを使った人は含まれていません。個別の借入可能額・返済計画は、金融機関の窓口にご確認ください。

よくある質問

住宅ローンは年収の何倍で借りている人が多いですか?

2025年度フラット35利用者調査では、所要資金(建設費や購入価額)が世帯年収の何倍かという年収倍率は、全国の中央値で6.3倍でした。土地付注文住宅は7.6倍、中古戸建と中古マンションは5.1倍です。借入額(フラット35の融資金)だけで見ると、平均どうしの比で全国4.7倍です。

年収の何倍までなら借りても大丈夫ですか?

倍率だけでは決まりません。同じ7倍でも、金利と返済期間で毎月の返済額が変わります。たとえば年収600万円で4,200万円を35年で借りると、金利1.5%なら返済負担率は約26%、3.0%なら約32%です。教育費や修繕費など家計の事情も家庭ごとに違うため、自分の家計から返せる額を出して決めます。

頭金なしで借りている人はどのくらいいますか?

フラット35利用者調査の2025年度全国では、手持金が「なし」の人が29.9%でした。建売住宅では37.6%、中古戸建では43.9%です。ただし、ここでいう手持金は購入資金に充てたお金で、手元に残した貯金は含まれていません。

この調査の数字は、住宅ローンを借りた人全体の数字ですか?

いいえ。フラット35(買取型・保証型)の利用者の集計で、民間金融機関の変動金利型などを使った人は含まれていません。国土交通省の住宅市場動向調査でも、民間金融機関からの借入では変動金利型がもっとも多いと報告されています。全体の傾向をつかむ材料として見てください。