変動金利と固定金利の選び方|2026年の金利で総返済額を比べる

変動金利と固定金利の選び方|2026年の金利で総返済額を比べるのイメージ家と住宅ローン

先に結論

  • 住宅ローンの金利タイプは変動・固定期間選択(10年固定など)・全期間固定の3つ。違いは「金利がいつ決まるか」です
  • 2026年10月の公表金利を参考に、4,000万円・35年で試算しました。10年固定(年3.75%)と全期間固定のフラット35(年3.83%)は、毎月の返済の差が約1,900円しかありません
  • 変動(年1.2%)は、毎月の返済は約11.7万円で、全期間固定より約5.6万円少なく始まります。ただし金利が上がる筋書きによって、総返済は4,901万〜6,240万円と開きます
  • 10年固定は、11年目以降の金利が分からない点では変動と同じです。11年目以降の金利が約3.9%を超えると、総返済は全期間固定を上回ります
  • 選ぶ順番は「どれが安いか」より先に「上がったときに家計で払えるか」。払えない額なら、固定の比重を上げます
4,000万円・35年の総返済額を、変動・10年固定・全期間固定と金利の筋書きごとに比べた横棒グラフ

住宅ローンを借りるときに、最初に迷うのが金利タイプです。 2026年は日本銀行が6月と9月に政策金利を引き上げ、9月18日の決定で短期の政策金利は年1.25%程度になりました。変動金利も固定金利も、1年前より上がっています。

この記事では、3つの金利タイプの仕組みを整理し、2026年10月の公表金利を参考にした仮の金利で35年間の総返済額を比べます。変動は、金利が上がる筋書きもあわせて計算します。最後に、家計の条件ごとの向き不向きをまとめます。

金利が上がったときに毎月の返済がいくら増えるかは、住宅ローンの金利が上がったら返済はいくら増える?で、借入額と期間ごとに表にしています。こちらの記事は、どの金利タイプを選ぶかに絞ります。

金利タイプは3つ。違いは「金利がいつ決まるか」

変動金利型固定期間選択型全期間固定型
金利が決まるとき年2回などの見直しのたび固定の期間(2年・3年・5年・10年など)が終わるたび借りたとき(最後まで)
毎月の返済額見直しで変わる(5年ルールなどがある商品もある)固定の期間中は変わらない。終わると、その時点の金利で計算し直す最後まで変わらない
2026年10月の金利の例年1%台10年固定で年3%台後半フラット35で年3.83%
主な代表例銀行の変動金利銀行の10年固定などフラット35、銀行の全期間固定

(金利の例は、住宅金融支援機構の金利情報と、銀行が公表している2026年10月1日現在の金利による)

変動金利型

金利は、銀行が決める基準金利(店頭金利ともいいます)から、契約で決めた優遇幅を引いた値です。基準金利は、短期プライムレートなどの短い期間の金利に連動するのが一般的で、日本銀行の政策金利が上がると、それを追って上がります。

多くの銀行は年2回(4月1日と10月1日など)金利を見直します。元利均等返済では、返済額を5年間変えない「5年ルール」と、見直しても前回の1.25倍までにする「125%ルール」を置く銀行があります。ルールがあっても利息は減らないことは、金利が上がったら返済はいくら増える?に書いています。

基準金利と優遇幅の関係は、基準金利と適用金利の違いで詳しく扱っています。

固定期間選択型(10年固定など)

借りてから一定の期間だけ金利を固定する型です。銀行の説明では、固定の期間が終わると変動金利になり、その時点の金利で固定を選び直すこともできます。

ある大手銀行は、固定の期間が終わったときの返済額の見直しには上限がない(125%ルールのような上限がない)と説明しています。10年間は返済額が決まっていても、11年目からの返済額は、10年後の金利次第です。

期間が終わるときの手続きは、10年固定が終わるときにまとめています。

全期間固定型(フラット35など)

借りたときに、最後までの金利が決まる型です。代表がフラット35で、2026年10月に資金を受け取る場合、借入期間21〜35年・融資率9割以下で、取扱金融機関がもっとも多く提供していた金利は年3.83%でした(住宅金融支援機構の金利情報)。借入期間20年以下のフラット20は年3.51%です。

銀行にも全期間固定の商品があります。同じ大手銀行の公表例では、31〜35年で年4.35%と、フラット35より高い水準でした。全期間固定は、商品によって金利の差が大きくなります。

みぞれ
みぞれ

10年固定とフラット35って、そんなに金利が近いの?

しぐれ
しぐれ

2026年10月の公表金利で見ると、近いです。だから、10年固定を「固定だから安心」と考えて選ぶと、11年目の分からなさだけを引き受けることになりがちです。

2026年の金利で、総返済額を比べる

試算の前提

  • 借入額4,000万円・35年・元利均等返済・ボーナス返済なし
  • 金利は仮の数字です。2026年10月の公表金利を参考に、変動 年1.2%、10年固定 年3.75%、全期間固定 年3.83%(フラット35)と置きました
  • 金利が変わるたびに、その時点の残高と残りの期間で毎月の返済額を出し直しています(5年ルール・125%ルールは使っていません)
  • 10年固定の11年目以降は、変動に移り、その金利は変動の筋書きと同じと置きました
  • 金額は当サイトの計算です。金利の予想ではありません

変動金利の筋書きは、次の3つにしました。

筋書き1〜5年目6〜10年目11年目以降
据え置き1.2%1.2%1.2%
6年目から+1%1.2%2.2%2.2%
6年目+1%、11年目からさらに+1.5%1.2%2.2%3.7%

毎月の返済と総返済

金利タイプと筋書き1〜5年目の毎月6〜10年目の毎月11年目以降の毎月35年間の総返済
変動・据え置き116,681円116,681円116,681円約4,901万円
変動・6年目から+1%116,681円133,885円133,885円約5,520万円
変動・6年目+1%→11年目3.7%116,681円133,885円157,891円約6,240万円
10年固定→据え置き171,162円171,162円128,503円約5,909万円
10年固定→6年目から+1%の筋書き171,162円171,162円144,371円約6,385万円
10年固定→11年目3.7%の筋書き171,162円171,162円170,257円約7,162万円
全期間固定(フラット35)173,054円173,054円173,054円約7,268万円

(当サイトの計算。団信の上乗せ、融資手数料、保証料などの費用は含まない)

この表から読めることは3つあります。

1つ目。10年固定と全期間固定は、最初の10年の返済がほぼ同じです。 毎月の差は1,892円です。10年固定は、この差と引き換えに、11年目からの金利を10年後に決めることになります。

2つ目。10年固定の総返済が全期間固定を下回るのは、11年目以降の金利が約3.9%より低い場合です。 当サイトの計算では、11年目以降がずっと約3.90%なら総返済が並びます。

3つ目。変動は、毎月の返済が全期間固定より約5.6万円少なく始まります。 金利が上がると差は縮みますが、6年目から上がった金利がずっと続く場合で、総返済が全期間固定と並ぶのは約4.68%でした。そのときの毎月の返済は約18.2万円です。

10年固定の11年目は、表より高くなることがある

試算では、10年固定の11年目以降を「変動と同じ金利」と置きました。実際には、固定の期間が終わったあとの優遇幅が、最初から変動を選んだ人より小さい商品があります。ある大手銀行の公表例では、変動は完済まで基準金利から年2.18%引き下げ、10年固定は終了後に年1.55%の引き下げです。この差の0.63%を足すと、10年固定・据え置きの筋書きで11年目からの毎月は138,368円、総返済は約6,205万円になります(当サイトの計算)。

家計の条件で見る、向き不向き

どれが得になるかは、これからの金利で決まるので、借りる時点では分かりません。分かるのは、金利が上がったときに、自分の家計がどこまで耐えられるかです。その順で整理します。

変動金利型が合いやすい家計

変動を選ぶ前に確かめること

  • 金利が2.5%上がって、毎月の返済が約4.1万円増えても(試算の116,681円→157,891円)、家計で払えるか
  • 増えた分を払うための貯蓄を、手元に別に置けるか(繰上返済の資金にもなる)
  • 借入額が年収に比べて小さい、または返済期間が短い(金利の影響が小さい)
  • 年2回の金利の見直しと、返済額の通知を、自分で見続けられるか

変動の強みは、最初の返済が少ないぶん、残高を早く減らせることです。差額を貯めておけば、金利が上がったときの備えになります。逆に、差額を生活費に使ってしまうと、上がったときに打つ手がなくなります。

固定期間選択型(10年固定など)が合いやすい家計

10年固定を選ぶ前に確かめること

  • 10年以内に、教育費のピークや、収入が一時的に減る時期(育休など)が来るか
  • 10年後の残高(試算では約3,329万円)で、11年目の金利が上がっても払えるか
  • 固定の期間が終わる前に届く案内を見て、変動にするか固定を選び直すか、自分で決められるか
  • 終了後の優遇幅が、契約でいくらになっているか(契約書・商品説明書)

10年固定は、「10年間だけ返済額を確定したい」理由がある家計に向きます。2026年10月の金利では、全期間固定との毎月の差が小さいので、11年目のリスクを取ってまで10年固定にする理由があるかを確かめます。

全期間固定型が合いやすい家計

全期間固定を選ぶ前に確かめること

  • 今の毎月の返済(試算で173,054円)を、返済負担率で無理なく払えるか
  • 金利が上がったときに払える余裕が小さい(貯蓄が少ない、収入が一本など)
  • 子どもの教育費が10年より後に重くなる
  • 金利の動きを見続けることに、手間や不安を感じる

全期間固定は、最初から高い返済額を払う代わりに、最後まで返済額が変わりません。今の返済額が家計に重いなら、全期間固定を選ぶ前に、借入額そのものを見直します。考え方は「借りられる額」と「返せる額」は違うに書いています。

フラット35は、子育て世帯や省エネ住宅などで、当初の金利が下がる制度があります。条件と下がる幅はフラット35子育てプラスにまとめています。

みぞれ
みぞれ

1つに決めきれないときは、どうすればいいの?

しぐれ
しぐれ

借入れを2本に分けて、片方を変動、もう片方を固定にする方法を扱う銀行もあります。上がったときの増え方が半分ほどになる代わりに、手数料や手続きが2本分かかることがあります。

客先で金利タイプの相談を受けたときの注意

住宅会社の営業担当の方が、お客様に金利タイプの話をするときに確かめてほしいことです。

金利タイプを説明する前に

  • 「これから金利はこうなる」という予想を言わない。筋書きごとの返済額を示す
  • 10年固定を「固定だから安心」と説明しない。11年目からの返済額は決まっていない
  • 2026年10月の公表金利では、10年固定と全期間固定の毎月の差が小さいことを数字で見せる
  • 変動を選ぶお客様には、金利が上がったときの毎月の返済と、その備えを一緒に確かめる
  • 金利・優遇幅・終了後の扱いは銀行・商品で違う。検討中の商品の説明書で確かめてもらう

まとめ

  • 金利タイプは変動・固定期間選択・全期間固定の3つ。違いは金利がいつ決まるか
  • 2026年10月の公表金利を参考にした試算(4,000万円・35年)では、10年固定(3.75%)と全期間固定(3.83%)の毎月の差は約1,900円
  • 変動(1.2%)は毎月約11.7万円で始まり、金利の筋書きによって総返済は4,901万〜6,240万円と開く
  • 10年固定の11年目以降の金利が約3.9%を超えると、総返済は全期間固定を上回る。終了後の優遇幅が小さい商品では、さらに高くなる
  • 選ぶ順番は「上がったときに家計で払えるか」から。払えないなら、固定の比重を上げるか、借入額を見直す

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出典

本記事は2026年10月24日時点で公表されている内容に基づいています。試算の金利は仮の数字で、金利の予想ではありません。特定の金融機関や商品をすすめるものではありません。金利・優遇幅・手数料は金融機関と商品ごとに違い、毎月変わります。個別の条件は、借入れを検討している金融機関の窓口にご確認ください。

よくある質問

住宅ローンの金利タイプには何がありますか?

変動金利型、固定期間選択型(10年固定など、一定の期間だけ金利を固定する型)、全期間固定型(フラット35など、借りたときに最後までの金利が決まる型)の3つです。

2026年10月の金利で、10年固定と全期間固定はどのくらい違いますか?

4,000万円・35年の試算で、10年固定を年3.75%、全期間固定(フラット35)を年3.83%と置くと、毎月の返済は171,162円と173,054円で、差は約1,900円です。10年固定は11年目以降の金利がその時点で決まるため、その後の返済額は分かりません。

変動金利はどのくらい上がると、全期間固定と総返済が並びますか?

4,000万円・35年で、変動を年1.2%、全期間固定を年3.83%と置き、6年目から変動の金利が上がってそのまま続く場合、約4.68%で総返済が並ぶ計算です。金利の予想ではなく、比べるための目安です。

変動と固定はどちらを選べばいいですか?

どちらが安くなるかは、これからの金利で決まるため、事前には分かりません。金利が上がって毎月の返済が増えたときに家計で払えるかを先に確かめ、払えないなら返済額が決まっている固定の比重を上げる、という順で考えます。