頭金はいくら入れる?手元に残すお金から逆算する|頭金なしの実勢と金利の差

頭金はいくら入れる?手元に残すお金から逆算する|頭金なしの実勢と金利の差のイメージ家と住宅ローン

先に結論

  • 頭金を入れると借入額と利息が減ります。土地と建物で5,300万円・35年の当方計算では、頭金300万円で利息が約250万円減ります
  • フラット35は、借入額が建設費・購入価額の9割を超えるかどうかで金利が違います(2026年10月の最も多い金利で年3.940%と3.830%)。9割以下にすると、同じ借入額でも35年で約130万円の利息の差です
  • 住宅ローン控除は年末残高の0.7%なので、残高が借入限度額を超えている間は、頭金を入れても控除は減りません
  • 一方で、頭金は一度払うと戻りません。 諸費用、引っ越し・家具、入居後の税金、急な出費のお金が残らないと、高い金利で借り直すことになります
  • フラット35利用者の3割は頭金なし、中央値は124万円です。決め方は「いくら入れるか」ではなく、「いくら残すか」を先に決めて、残りを頭金にする順番です

住宅ローンの頭金は、多いほど安心だと言われます。 たしかに借入額は減ります。ただ、頭金に入れたお金は家の代金になり、あとから取り出せません。

ここでは、頭金を入れたときに何がどれだけ変わるかを、住宅金融支援機構と国税庁の公表資料と、当サイトの計算で示します。 そのうえで、手元に残すお金から逆算して頭金を決める手順を書きます。

頭金を入れると変わる3つのこと

頭金(ローンを使わずに貯金から払う代金)を入れると、次の3つが変わります。

変わるものどう変わるか確かめた先
借入額と利息借入が減り、35年間の利息も減る当方計算(元利均等)
金利(フラット35)借入額が建設費・購入価額の9割以下なら、9割超より低い金利住宅金融支援機構
住宅ローン控除年末残高が借入限度額を下回ると、その分だけ控除が減る国税庁 No.1211-1

逆に、頭金を入れると減るものが1つあります。手元の現金です。 この記事は、この4つを順に数字で見ていきます。

実際の頭金:3割はゼロ、真ん中の人で124万円

まず、ほかの人がどれだけ入れているかです。住宅金融支援機構の「2025年度フラット35利用者調査」では、手持金(購入資金に充てた自己資金)は次のとおりでした。

住宅の種類手持金「なし」中央値平均
注文住宅(土地は持っている)12.5%463万円840万円
土地付注文住宅21.2%119万円481万円
建売住宅37.6%14万円429万円
全体29.9%124万円551万円

(同調査の集計表 手持金の表・第1表から作成。全国)

平均の551万円は、まとまった額を入れる一部の人に引き上げられた数字です。 真ん中の人は124万円で、3割の人は頭金なしで買っています。 ここでいう手持金は購入資金に充てたお金で、手元に残した貯金は入っていません。 中古やマンションを含む区分ごとの表は、住宅ローンは年収の何倍?にあります。

フラット35は「9割」で金利が変わる

頭金の割合が制度として金利に効く場面として確かめられたのは、フラット35の融資率です。

融資率は、フラット35の借入額を、住宅の建設費(土地も借入れで買うなら土地の売買金額を足した額)または購入価額で割ったものです。 この融資率が9割以下か、9割を超えるかで、借入金利が違います。

フラット35(借入期間21年以上35年以下)金利の範囲最も多い金利
融資率9割以下年3.830%〜年5.840%年3.830%
融資率9割超年3.940%〜年5.950%年3.940%

(住宅金融支援機構「最新の金利情報」2026年10月資金受取分。新機構団信付き。金利は毎月変わります)

つまり、代金の1割以上を頭金で入れると、最も多い金利で年0.11%低くなります。 あわせて、利用条件には「融資率が9割を超える場合は、返済の確実性等をより慎重に審査します」とあります。

9割の線で気をつけること

  • 利用条件には、金融機関によって融資率にかかわらず金利が同じ場合があるとも書かれています。申込先の金利表で確かめます
  • 融資率の分母は、請負契約書・売買契約書の金額です。フラット35は、登記費用や融資手数料などの諸費用の一部も借りられます。ただ、諸費用を借りると借入額だけが増えるので、融資率が上がる方向に働きます(定義からの当サイトの読みです。申込先で確かめてください)
  • 民間金融機関の住宅ローンで、頭金の割合が金利や審査にどう効くかは、金融機関ごとに違います

実際、フラット35の利用者は9割の手前に集まっています。機構の融資額が価額の何%かを表した集計では、次のとおりです。

住宅の種類80%未満80〜85%85〜90%90%以上中央値
注文住宅38.2%5.0%36.0%20.8%88.3%
土地付注文住宅18.9%3.8%47.0%30.3%90.0%
建売住宅23.9%3.0%28.5%44.5%90.0%
全体26.8%3.9%31.2%38.2%90.0%

(同調査の集計表「機構買取・付保金の割合」の件数分布から当方で算出。ちょうど90%の人がどちらの階級に入るかは、表に書かれていません)

土地付注文住宅では、半数近くが85〜90%の幅にいます。 80〜85%の幅はどの種類でも数%しかないので、9割の線を意識して借入額を決めている人が多いことがうかがえます。

「頭金は2割」という目安について

「頭金は2割」という言い方をよく見かけますが、住宅金融支援機構と国税庁の資料の範囲では、2割を基準として定めたものは見当たりませんでした。 公的な制度で、頭金の割合がはっきり効くのは、ここで見たフラット35の「9割」の線です。

頭金ごとの利息の差

では、頭金でどれだけ変わるのか。土地1,600万円と建物3,700万円、あわせて5,300万円の家を、フラット35で35年・元利均等で借りる場合を、当サイトで計算しました。

頭金借入額融資率金利毎月の返済35年間の利息
なし5,300万円100%3.940%約23.3万円約4,476万円
300万円5,000万円94.3%3.940%約22.0万円約4,223万円
530万円4,770万円90.0%3.830%約20.6万円約3,897万円
1,060万円4,240万円80.0%3.830%約18.3万円約3,464万円

(2026年10月資金受取分の最も多い金利が35年間続くとした計算。ボーナス返済なし。金利の予想ではありません)

頭金を300万円から530万円に増やすと、利息は約326万円減ります。 このうち約132万円が、9割以下の金利になったことによる差です(4,770万円を3.940%で借りた場合の利息約4,029万円との差)。

毎月の返済も変わります。返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)も見ておきます。土地付注文住宅を買った人の平均世帯年収742万円で割ると、頭金なしで約37.6%、530万円で約33.4%です(当方計算の目安)。 フラット35の審査の基準は、年収400万円以上で35%以下です。金利が上がった局面では、頭金で借入額を下げないと基準に届かない場合が出てきます。

みぞれ
みぞれ

利息が数百万円も減るなら、頭金は多いほどいいってこと?

しぐれ
しぐれ

利息だけを見ればそうです。ただ、この表には頭金を払ったあとに手元にいくら残るかが入っていません。次の2つを見てから決めます。

住宅ローン控除は、思ったほど減らない場合が多い

「頭金を入れると住宅ローン控除が減るので、借りたほうが得」と言われることがあります。仕組みから確かめます。

住宅ローン控除の控除額は、年末残高等×0.7% です(国税庁 No.1211-1)。年末残高等は、借入限度額までで頭打ちになります。 2026年に入居する新築のZEH水準省エネ住宅なら、控除限度額は24.5万円(借入限度額3,500万円)です。子育て世帯・若者夫婦世帯は限度額が上乗せされます。住宅の種類ごとの限度額は、住宅ローン控除の借入限度額と控除期間にまとめています。

つまり、残高が借入限度額を超えている間は、頭金を入れても控除は1円も変わりません。 上の5,300万円の例では、頭金なしでも530万円でも、13年間ずっと残高が3,500万円を超えるので、控除の計算上の上限はどれも合計318.5万円です。

控除が減るのは、頭金で残高が限度額を下回るときです。注文住宅(土地は持っている)の建設費の中央値と同じ3,900万円の家(ZEH水準・借入限度額3,500万円)で、金利をそろえて比べました。

頭金借入額35年間の利息13年間の控除(計算上の上限)
なし3,900万円約3,187万円約306万円
400万円3,500万円約2,860万円約282万円
900万円3,000万円約2,451万円約242万円

(当方計算。金利3.83%・35年・元利均等で、頭金なしも同じ金利で計算。各年末の残高は12か月ごとの返済後の残高。控除は所得税・住民税の額で頭打ちになるので、実際に戻る額はこれより少ない場合があります)

頭金900万円で控除は約64万円減りますが、利息は約736万円減ります。 借入金利が控除率の0.7%を上回っている間は、頭金を入れて減る利息のほうが、減る控除より大きくなります。 控除の減り方と、借りたあとに繰上げ返済する場合の比べ方は、繰上げ返済と住宅ローン控除で詳しく扱っています。

親からの援助を使うときの注意

住宅取得等資金の贈与の非課税などを使った場合、控除の計算では、取得の対価からその援助の額を引きます(国税庁 No.1211-1 の注記)。 援助を受けたうえで代金の満額を借り、援助のお金を手元に残す形にすると、控除の対象が「代金−援助額」で頭打ちになる場合があります。援助の制度そのものは、親からの住宅資金は1,000万円まで非課税にまとめています。

入れすぎると困ること

計算上は頭金が有利に見えても、入れすぎると困る場面があります。どれも、頭金が一度払うと戻らないお金であることから来ます。

1つ目。諸費用と引き渡し後の支払いが、そのあとに現金で来ます。 登記・印紙・ローンの手数料・保険料などの諸費用は、代金とは別に多くを現金で払います。引き渡しのあとも、引っ越し、家具・家電、不動産取得税(あとから都道府県の納税通知書が届く)、毎年の固定資産税が続きます。諸費用の一覧は注文住宅の諸費用はいくら?にあります。

2つ目。頭金を払う時期は、ローンのお金が出る前です。 注文住宅では、契約金・着工金・中間金を、住宅ローンの資金が出る前に払う場面があります。頭金をこの支払いに充てると、引き渡しまでの間に現金が一番少なくなります。時期の表は注文住宅の支払いはいつ、いくら?にあります。

3つ目。急な出費を、住宅ローンより高い金利で借りることになります。 車の買い替え、家電の故障、病気や休職、子どもの進学などは、家を買ったあとも起きます。手元の現金で払えないと、カードローンや教育ローンなど、住宅ローンより金利が高い借入れで埋めることになります。進学の時期と住宅ローンの重なりは、教育費と住宅ローンは両立できるかで計算しています。

しぐれ
しぐれ

頭金で利息を数百万円減らしても、手元が足りずに高い金利で借りれば、その差はすぐに縮みます。減らした借入を、別の借入で埋め戻す形にならないかを先に見ておきたいところです。

頭金と諸費用を払ったあと、手元にいくら残るか

土地と建物の価格、頭金、今の貯金、毎月の生活費を入れると、諸費用の目安と、頭金と諸費用を払ったあとに残る貯金、それが生活費の何か月分かが出ます。頭金の欄を変えて、残る額がどう動くかを見てください。

入力した数字は、このページの中だけで計算します。どこにも送信・保存しません。

土地
親の土地に建てる場合や、すでに買ってある場合は「土地はある」です
くわしく入れる(任意)

税の計算は2026年10月15日時点の法令によります。印紙税(契約書)と登録免許税(住宅用家屋)・不動産取得税(税率3%・宅地の2分の1)の軽減は、2027年3月31日までの措置です。登録免許税と不動産取得税の基になる「評価額」は、建物の価格や土地の売買価格ではありません。ここでは、建物は法務局の認定基準表(令和6年度・木造の居宅)の単価、土地は売買価格の7割と置いた目安です。認定長期優良住宅などの上乗せの軽減は入れていません。軽減を受けるには、床面積などの要件と申告・証明書の手続きが要ります。手数料・保証料・保険料は金融機関や保険会社で違うため、幅で出しています。

計算例:貯金700万円で、頭金を変えると

ツールの初期値(土地1,600万円・建物3,700万円・貯金700万円・生活費月25万円)のまま、頭金だけを変えた結果です(当方計算)。

頭金借入額諸費用の目安払ったあとに残る貯金生活費の何か月分
なし5,300万円約59万〜239万円約461万〜641万円18.4〜25.6か月
300万円5,000万円約55万〜228万円約172万〜345万円6.8〜13.8か月
530万円(融資率9割)4,770万円約55万〜223万円約−53万〜115万円多めにかかると残らない

(火災保険と、見積もりの「別途」の費用は入っていません。諸費用の幅の大半は、土地の仲介手数料の有無と、ローンの手数料・保証料の方式の違いです)

この家計で9割の線まで頭金を入れると、諸費用が多めにかかった場合に貯金が足りなくなります。 9割以下の金利で減る利息は35年で約132万円ですが、そのために手元の現金をほぼゼロにするかどうかは、利息の表だけでは決められません。

みぞれ
みぞれ

じゃあ、生活費の何か月分を残せばいいの?

しぐれ
しぐれ

公的な決まりはありません。収入が安定しているか、共働きか、子どもの予定や車の買い替えが近いかで変わります。「この出費は家を買ったあとも現金で払う」と決めたものを書き出して足すのが、いちばん外れにくい出し方です。

頭金を決める順番

ここまでをまとめると、頭金は「いくら入れるか」から考えるより、「いくら残すか」を先に決めて、残りを頭金にするほうが決めやすくなります。当サイトでは、次の順番をすすめています。

頭金を決める手順

  • ☐ 諸費用の見積もりを出す(上のツール、または住宅会社・金融機関の見積もり)
  • ☐ 引き渡し後1年ほどに現金で出ていくものを書き出す(引っ越し、家具・家電、カーテン・照明、不動産取得税、固定資産税)
  • ☐ 生活費の何か月分を残すかを決める(収入の安定、子どもの予定、車の買い替えの時期で考える)
  • ☐ 今の貯金から上の3つを引いた額を、頭金の上限にする
  • ☐ その範囲で、フラット35なら9割の線に届くかを見る。届くなら金利の差を、届かないなら無理に寄せない
  • ☐ 借入額で返済負担率を確かめる。返せる額は住宅ローンは「借りられる額」と「返せる額」が違うの計算ツールで出せます

頭金の上限が小さくても、借入額を下げる方法は頭金だけではありません。建物・土地・外構の予算そのものを見直す手順は、家づくりの予算は、希望から決めると足りなくなるにあります。

客先で頭金の話をするときの注意

住宅会社の営業担当の方が、お客様と頭金の話をするときに確かめてほしいことです。

頭金を提案する前に

  • 「頭金は2割」「頭金ゼロでも大丈夫」と目安だけで話していないか。公的な基準として確かめられるのは、フラット35の9割の線です
  • 9割の線の話をするときに、その月の金利表と、申込先で9割超の金利が違うかを確かめたか
  • 「住宅ローン控除が減るから頭金は入れないほうが得」と言っていないか。残高が借入限度額を超えている間は控除は変わりません
  • 頭金と諸費用を払ったあとに、お客様の手元にいくら残るかを一緒に計算したか
  • 契約金・着工金など、ローンの資金が出る前の支払いを頭金から出す前提になっていないか

まとめ

  • 頭金を入れると借入額と利息が減る。5,300万円・35年の例では、頭金300万円で利息が約250万円減る(当方計算)
  • フラット35は融資率が9割以下か超かで金利が違う。2026年10月の最も多い金利で年3.830%と3.940%
  • フラット35利用者の手持金は、中央値124万円、「なし」が29.9%。土地付注文住宅では半数近くが融資率85〜90%の幅にいる
  • 住宅ローン控除は年末残高(借入限度額まで)の0.7%。残高が限度額を超えている間は、頭金を入れても控除は変わらない
  • 頭金は一度払うと戻らない。諸費用、引っ越し・家具、入居後の税金、急な出費のお金を先に残し、残りを頭金にする

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出典

本記事は2026年10月17日時点で公表されている内容に基づいています。フラット35の金利は毎月変わり、表の利息は当サイトの計算です。個別の借入条件・審査・税額は、金融機関の窓口と税務署にご確認ください。

よくある質問

住宅ローンの頭金は、みんないくら入れていますか?

2025年度フラット35利用者調査では、購入資金に充てた手持金の中央値は全国で124万円、平均は551万円でした。手持金が「なし」の人は29.9%です。土地付注文住宅の中央値は119万円、建売住宅は14万円です。

頭金なしでも住宅ローンは借りられますか?

フラット35の借入額の上限は建設費または購入価額以内なので、代金の全額を借りる形もあります。ただし借入額が建設費・購入価額の9割を超えると、9割以下より高い金利になり(2026年10月の最も多い金利で年3.830%と3.940%)、審査もより慎重になります。民間金融機関の扱いは申込先で確かめます。

頭金を入れると、住宅ローン控除が減って損になりませんか?

控除は年末残高(借入限度額まで)の0.7%なので、残高が借入限度額を超えている間は、頭金を入れても控除額は変わりません。限度額を下回る分だけ控除が減りますが、当サイトの試算(金利3.83%)では、減る控除より減る利息のほうがずっと大きくなりました。

頭金はいくらにすればいいですか?

貯金から、諸費用、引っ越しや家具、入居後1年ほどの税金、生活費の備えを先に差し引き、残った額を頭金の上限にします。頭金は、借入額と金利を少し下げる効果と、手元の現金を減らす効果の両方があるため、手元に残す額を先に決めると迷いが減ります。