マンションの修繕積立金・管理費はいくら?実勢と値上がりの仕組み

マンションの修繕積立金・管理費はいくら?実勢と値上がりの仕組みのイメージ家と住宅ローン

先に結論

  • 1戸あたり月の平均は、修繕積立金13,054円、管理費11,503円。合わせて約2.5万円(国土交通省「令和5年度マンション総合調査」。駐車場使用料などからの充当を除く)
  • 平成30年度の調査と比べて、修繕積立金は約16%、管理費は約6%増えた
  • 新しいマンションほど修繕積立金が安い。 2020年以降に完成したマンションは9,666円。最初を安くして段階的に上げる計画が多いからで、計画当初の平均149円/㎡が、最終的には254円/㎡になる
  • 国の目安は、長期修繕計画の期間全体の平均で252〜338円/㎡・月(建物の規模による)。70㎡なら月1.8〜2.4万円が平均的な水準
  • 住宅ローンの審査の返済負担率には、管理費・修繕積立金は例として挙がっていない。家計では、返済に足して毎月の住居費で比べる

マンションを検討すると、広告や物件資料に「管理費◯円・修繕積立金◯円」と書かれています。 ただ、その金額は今の額です。修繕積立金は、何年後にいくらになるかが計画で決まっていることが多く、計画そのものも見直されます。

ここでは国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」(令和6年6月公表)で実勢を、「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改定)で目安と上がり方を確かめます。 そのうえで、住宅ローンの返済と足して比べる方法と、購入前に確かめる書類を並べます。

管理費と修繕積立金は、何に使うお金か

マンションの外壁・屋根・エレベーターなどの共用部分は、購入者(区分所有者)全員でつくる管理組合が、維持管理と修繕を行います。 その費用として、区分所有者は管理費と修繕積立金を管理組合に納めます(国土交通省「マンション標準管理規約(単棟型)」25条)。

管理費修繕積立金
使い道通常の管理。管理員の人件費、共用設備の保守・運転、共用部分の火災保険料、清掃、経常的な補修、管理会社への委託費など特別の管理。一定年数ごとの計画的な修繕(外壁・屋上防水・給排水管など)、不測の事故による修繕、共用部分の改良など
額の決め方共用部分の持分(おおむね専有面積の割合)で割り振る同じ。長期修繕計画で必要額を出して決める
変わるとき人件費・委託費・物価が変わったとき長期修繕計画の見直し、段階増額の計画どおりの引き上げ

(マンション標準管理規約〈単棟型〉25条・27条・28条から作成)

標準管理規約では、修繕積立金は管理費と分けて経理し、決められた用途でしか取り崩せないとしています(28条)。 駐車場使用料などは、駐車場の管理費用に充てた残りを修繕積立金に積み立てる形です(29条)。 管理費等の額や長期修繕計画を変えるには、総会の決議が要ります(48条)。

標準管理規約は「ひな形」です

マンション標準管理規約は、国土交通省が示す管理規約のひな形です。実際の規約はマンションごとに違います。買うマンションの規約で、同じ項目を確かめます。

実勢:1戸あたり月いくらか

令和5年度マンション総合調査(調査は令和5年10月〜令和6年1月、管理組合向けの有効回収1,589件)の平均です。

令和5年度平成30年度増え方
修繕積立金(充当を除く)13,054円11,243円約16%増
修繕積立金の総額(充当を含む)13,378円12,268円約9%増
管理費(充当を除く)11,503円10,862円約6%増
管理費の総額(充当を含む)17,103円15,956円約7%増

(国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果〔概要編〕」「平成30年度マンション総合調査結果〔概要編〕」から作成。増え方は当方計算)

「充当を除く」「充当を含む」の違い

管理組合には、区分所有者が毎月納める管理費・修繕積立金のほかに、駐車場使用料などの収入があります。その一部を管理費や修繕積立金に回すことを「充当」と呼んでいます。

区分所有者が自分で払う額に近いのは「充当を除く」のほうです。 物件資料の「管理費◯円・修繕積立金◯円」と比べるときは、こちらを使います。管理費の総額17,103円には、駐車場使用料などから回した分が入っています。

修繕積立金と管理費を合わせると、1戸あたり月約2.5万円(24,557円)です。 駐車場を借りるなら、その使用料が別にかかります。

管理費・修繕積立金を3か月以上滞納している住戸があるマンションは、30.1%でした(同調査)。

築年数で見ると、新しいマンションほど修繕積立金が安い

完成した年ごとの平均です。㎡あたりの額は、専有面積1㎡・1か月あたりです。

完成年管理費(円/戸・月)修繕積立金(円/戸・月)修繕積立金(円/㎡・月)
1974年(昭和49年)以前10,16912,845194
1975〜1979年9,06111,140182
1980〜1984年9,98411,241163
1985〜1989年11,48412,618203
1990〜1994年11,14113,519207
1995〜1999年10,56713,563180
2000〜2004年13,05915,102195
2005〜2009年12,17514,101175
2010〜2014年12,41012,058164
2015〜2019年11,90112,587176
2020年以降14,1229,666124
全体11,50313,054182

(国土交通省「令和5年度マンション総合調査」データ編 管理組合向け 27⑥・28⑥(7)・28⑥(8)から作成。すべて駐車場使用料などからの充当を除く額。平均は回答のあった組合の値で、円未満を四捨五入)

2020年以降に完成したマンションは、修繕積立金が全体より約3,400円安く、㎡あたりでは3分の2ほどです。 一方で管理費は、新しいマンションのほうが高めです。

新しいマンションの修繕積立金が安いのは、建物がまだ傷んでいないからだけではありません。次の節のとおり、最初を安くして、あとで上げる計画になっていることが多いためです。

国の目安:㎡あたり月いくらか

国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」は、長期修繕計画の事例366件を集めて、修繕積立金の目安を出しています。

建物事例の3分の2が入る幅平均70㎡なら(平均)
地上20階未満・建築延床面積5,000㎡未満235〜430円/㎡・月335円23,450円
地上20階未満・5,000㎡以上1万㎡未満170〜320円/㎡・月252円17,640円
地上20階未満・1万㎡以上2万㎡未満200〜330円/㎡・月271円18,970円
地上20階未満・2万㎡以上190〜325円/㎡・月255円17,850円
地上20階以上240〜410円/㎡・月338円23,660円

(国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」〈令和6年6月改定〉の表から作成。70㎡の額は当方計算。機械式駐車場の分は含まない)

この目安は「今の月額」ではなく「計画期間全体の平均」です

ガイドラインの目安は、長期修繕計画の期間(新築は30年以上)に必要な修繕費の総額を、その期間で均等に積み立てた場合の㎡あたりの月額です。

自分のマンションと比べるときは、長期修繕計画に書かれている数字から、期間全体の平均を出して比べます。 計算式は次のとおりです。

(計画当初の修繕積立金の残高+計画期間に集める修繕積立金の総額+駐車場使用料などからの繰入額の総額)÷ 総専有床面積 ÷ 計画期間の月数

段階的に上げる計画なら、今の月額だけを目安と比べると、実際より安く見えます。

ガイドラインは、目安の幅に入っていないからといって、ただちに不適切というわけではないとしています。外れている場合は、長期修繕計画の中身や積立方法を確かめる、という使い方です。

ほかに、次の点が書かれています。

  • 機械式駐車場があると、修繕費が大きく上乗せされます。 1台あたり月4,645〜7,210円(機種による)× 台数 ÷ 総専有床面積を、目安に足します。駐車場使用料を別の会計で管理して修繕費をまかなう場合は、足さなくてよいとされています
  • 超高層(地上20階以上)は高くなりやすい。 外壁の修繕に特殊な足場が要り、共用部分の割合も高いためです
  • 規模が大きいほど単価が下がる傾向があります。複雑な形の建物、内廊下・ラウンジ・プールなど共用施設の多い建物は高くなりやすい
  • 労務費は地域差があり、担い手不足などで上がることがあります。必要に応じて上昇分を考慮することも重要、と書かれています

目安の元になった事例の時期

目安の算出に使った長期修繕計画は、2013年9月以降に管理組合の総会などで承認された計画です(ガイドライン資料編)。その後の工事費の上がり方が、どこまで反映されているかは書かれていません。

全体の今の修繕積立金は平均182円/㎡(2020年以降の完成は124円/㎡)で、目安の平均252〜338円/㎡より下にあります。 両者は比べ方が違う(今の月額と期間全体の平均)ので、そのまま差を「不足」とは言えません。それでも、今の額のまま30年積み立てる計画は少ないことは読み取れます。

修繕積立金は、なぜ上がるのか

上がる理由は、大きく2つあります。

最初から上げる計画になっている(段階増額積立方式)

修繕積立金の積み立て方には、2つの方式があります(ガイドライン)。

均等積立方式段階増額積立方式
しくみ計画期間に必要な額を、最初から均等に積み立てる最初の額を抑え、段階的に上げる
購入時の月額高め安め
気をつける点計画を見直せば、増額が必要になることもある計画どおりに上げようとしても、区分所有者の合意ができず、不足することがある
採用している割合40.5%47.1%

(国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」、採用割合は令和5年度マンション総合調査〈修繕積立金制度がある組合1,522件〉)

2020年以降に完成したマンションでは、62組合のうち53組合(85%)が段階増額積立方式です。 完成年が新しいほど、この方式が多くなっています。

同じ調査で、段階増額積立方式の計画の当初の額は平均149円/㎡、最終的な額は平均254円/㎡でした(段階増額積立方式で増額したことがある615組合の回答。額を答えた組合の平均)。平均どうしで比べて、約1.7倍です。

ガイドラインは「将来にわたって安定的な修繕積立金の積立てを確保する観点からは、均等積立方式が望ましい方式といえます」としています。 そのうえで令和6年6月の改定で、段階増額積立方式の上げ幅について次の考え方を加えました。

段階増額積立方式の上げ幅の考え方(令和6年6月改定)

  • 均等に積み立てた場合の月額を「基準額」とする
  • 計画の初期額は基準額の0.6倍以上
  • 計画の最終額は基準額の1.1倍以内

たとえば専有面積70㎡で、基準額を目安の平均252円/㎡とすると、月17,640円です(当方計算)。 この考え方に沿った計画なら、初期額は10,584円以上、最終額は19,404円以内になります。 ただし、これは「上げ幅を抑えるために早く上げ切る」ための考え方です。工事費の上昇などで計画を見直したときに、大幅に上げることを制限するものではない、とガイドラインに書かれています。

計画そのものが見直される

長期修繕計画作成ガイドラインは、長期修繕計画の期間を30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とし、5年程度ごとに調査・診断をして見直すとしています。 見直しの理由には、建物の劣化の状況や新しい材料・工法と並んで、物価・工事費・消費税率などの変動が挙がっています。

均等積立方式でも、見直しで必要額が増えれば上がります。 段階増額積立方式なら、当初に予定した増額に、さらに上乗せされることがあります(長期修繕計画作成ガイドライン)。

令和5年度マンション総合調査では、こうした状況が数字に出ています。

  • 長期修繕計画の計画に比べて、今の積立額が不足しているマンションは36.6%。不足が20%を超えるマンションは11.7%
  • 段階増額積立方式で直近に増額したとき、計画どおりの額まで増額できたのは59.4%。引き上げたが計画の額に届かなかったのが26.4%
  • 段階増額積立方式で増額した組合の、直近の引き上げ幅は、今の修繕積立金の総収入に対して平均36.8%
みぞれ
みぞれ

じゃあ、修繕積立金が安いマンションのほうが損なの?

しぐれ
しぐれ

安いこと自体より、「いつ、いくらに上がる計画か」が書類で分かるかが大事です。上がる予定が分かっていれば、住宅ローンと合わせて家計に組み込めます。分からないまま買うと、上がったときに初めて知ることになります。

住宅ローンの返済と足して比べる

住宅ローンの借入額を決めるとき、毎月の返済額だけで見ると、マンションの住居費を少なく見積もります。 管理費・修繕積立金・駐車場代は、返済が終わってもずっと続く支出です。

例として、4,000万円を35年・元利均等・ボーナス返済なしで借り、全国平均の管理費・修繕積立金がかかる場合の、当方の計算です。

金利1.5%金利2.0%
住宅ローンの返済122,474円132,505円
管理費(全国平均)11,503円11,503円
修繕積立金(全国平均)13,054円13,054円
駐車場代(仮に)10,000円10,000円
毎月の住居費157,031円167,062円
返済だけの年額が年収700万円に占める割合21.0%22.7%
住居費の年額が年収700万円に占める割合26.9%28.6%

(金利の予想ではありません。管理費・修繕積立金は令和5年度マンション総合調査の平均〈充当を除く〉。駐車場代は仮の値。固定資産税・保険料は入れていません)

管理費・修繕積立金・駐車場代で、毎月3.5万円近く上乗せになります。 年収に占める割合で見ると、返済だけの場合より約6ポイント高くなります。

さらに修繕積立金が段階的に上がる場合を考えます。先ほどの70㎡の例で、修繕積立金が10,584円から19,404円に上がると、1.5%の場合の毎月の住居費は154,561円から163,381円になります(当方計算)。返済額は変わらなくても、住居費は月約9,000円増えます。

フラット35でマンションを買った人の毎月の返済額は、2025年度の平均で15.8万円でした。年収・価額・手持金などの実勢は、住宅ローンは年収の何倍?にまとめています。ここに全国平均の管理費・修繕積立金を足すと、約18.3万円です(当方計算)。

審査の返済負担率には入るのか

【フラット35】の利用条件では、総返済負担率は「すべての借入れ」について、年収に占める年間合計返済額の割合で判定します。 対象の例として挙がっているのは、フラット35のほか、ほかの住宅ローン・自動車ローン・教育ローン・カードローン(分割払い・リボ払いを含む)などの借入金です。管理費・修繕積立金は、例に挙がっていません。

ほかの金融機関の審査で管理費・修繕積立金をどう扱うかは、公表されている範囲では確かめられませんでした。借入を申し込む金融機関に確かめてください。

審査に入らなくても、家計からは出ていきます

フラット35の総返済負担率の上限(年収400万円以上で35%)は、借入金の返済だけで見た上限です。マンションでは、その外に管理費・修繕積立金・駐車場代が毎月かかります。

上限まで借りると、住居費は年収の35%を超えます。 「借りられる額」と「返せる額」の違いは、住宅ローンは「借りられる額」と「返せる額」が違うに、返済負担率を20%・25%に抑えた場合の借入額が出る計算ツールつきで書いています。

金利が上がった場合の返済額の増え方は、金利が上がったら返済はいくら増える?にあります。マンションでは、金利の上昇と修繕積立金の引き上げが同じ時期に重なることもあります。

購入前に確かめる書類と項目

修繕積立金がいつ、いくらに上がるかは、物件資料の月額だけでは分かりません。次の4つの書類で確かめます。

重要事項説明書

マンション(区分所有建物)の売買では、宅地建物取引業者が、契約の前に次の事項を説明することが法令で決まっています(宅地建物取引業法35条1項6号、同法施行規則16条の2)。

重要事項説明書で見る項目(売買の場合)

  • 通常の管理費用の額
  • 修繕積立金の規約の定めと、すでに積み立てられている額(マンション全体の積立総額)
  • 管理費・修繕積立金の滞納があれば、その額
  • 管理費・修繕積立金などを特定の人だけ減免する規約があれば、その内容
  • 駐車場・専用庭などを特定の人だけが使える規約(専用使用権)と、使用料の帰属先
  • 専有部分の用途・利用の制限(ペット、フローリング工事など)
  • 管理の委託先
  • 建物の維持修繕の実施状況の記録があれば、その内容

国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」は、積立額や管理費用の額について、できる限り直近の数値を、時点を明示して記載するとしています。 滞納については、マンション全体の修繕積立金と、買う住戸の分の両方が対象です。

前の持ち主の滞納は、買った人が請求されることがあります

区分所有法は、規約や集会の決議に基づいてほかの区分所有者に対して持つ債権(管理費・修繕積立金など)を、区分所有者の特定承継人(買った人など)に対しても行うことができると定めています(7条・8条)。標準管理規約26条にも同じ趣旨の定めがあります。

重要事項説明書の「滞納額」の欄が空欄か「なし」かを確かめ、ある場合は売買代金での清算の方法を契約前に決めておきます。

管理規約

重要事項説明書には規約の要点だけが書かれることがあります。規約そのものでは、次を見ます。

  • 管理費・修繕積立金の額の決め方(標準管理規約では総会の決議)
  • 駐車場使用料などを修繕積立金に回すかどうか
  • 修繕積立金を管理費と分けて経理しているか
  • 専有部分の使い方の制限

長期修繕計画

修繕積立金が何年後にいくらになるかは、ここに書かれています。 重要事項説明の法定の項目には入っていないので、見せてもらうよう頼みます。

長期修繕計画で見る項目

  • 計画期間が30年以上で、大規模修繕工事が2回含まれているか(長期修繕計画作成ガイドラインの考え方)
  • いつ作られ、いつ見直されたか。 5年程度ごとの見直しが目安
  • 積立方式。 段階増額なら、何年後にいくらに上がる計画か
  • 修繕工事費の累計と、修繕積立金の累計が、計画期間の途中で逆転していないか
  • 一時金の徴収や借入れを前提にしていないか
  • 期間全体の平均を出して、ガイドラインの目安(前の節の表)と比べる

総会の議事録

長期修繕計画は「予定」です。実際にその予定どおりに上げられているかは、総会の議事録で分かります。

  • 修繕積立金の値上げの議案が出たか、可決されたか、否決されたか
  • 大規模修繕工事の時期、工事費、資金が足りたか
  • 滞納への対応

書類はどうやって見せてもらうか

標準管理規約では、議事録・長期修繕計画書・会計帳簿などは、組合員か「利害関係人」の請求で閲覧できるとしています(49条・64条)。利害関係人には、組合員から媒介の依頼を受けた宅地建物取引業者が含まれ、購入を検討しているだけの人は含まれません(同コメント)。

中古マンションなら、売主側の仲介業者を通じて取り寄せてもらうのが現実的な頼み方です。新築なら、分譲会社が長期修繕計画と修繕積立金の考え方を説明することが、ガイドラインで重要とされています。

固定資産税との違い

管理費・修繕積立金と並んで、マンションを持つと毎年かかるのが固定資産税です。性格がまったく違うので、分けて考えます。

管理費・修繕積立金固定資産税・都市計画税
払う先管理組合市区町村(東京23区は都)
性格共用部分の管理・修繕の費用。区分所有者どうしで負担を分ける税金。土地と建物の評価額に税率をかける
払い方毎月年4回の納期(一括も可)
金額が変わるとき総会の決議(長期修繕計画の見直し、段階増額)3年ごとの評価替え、新築の減額が終わったとき
新築の特例なし地上3階以上の耐火・準耐火の新築住宅は、5年度分、税額の2分の1を減額(地方税法附則15条の6第2項)

新築マンションでは、固定資産税の減額が終わる6年度目に税額が上がる時期と、修繕積立金の段階的な引き上げの時期が近づくことがあります。 固定資産税の計算のしかた、減額の条件、評価替えとの重なり方は、新築の固定資産税はいくら?に書いています。

客先でこの数字を使うときの注意

住宅会社・不動産会社の営業担当の方が、お客様に示すときに確かめてほしいことです。

数字を示す前に

  • どの調査の何年度かを言う(令和5年度マンション総合調査は5年ごとの調査)
  • 「充当を除く」額か「充当を含む」額かを言う。物件資料と比べるのは「充当を除く」額
  • ガイドラインの目安は計画期間全体の平均であって、今の月額ではない
  • 段階増額の計画なら、何年後にいくらになるかを、長期修繕計画で一緒に確かめる
  • 住宅ローンの返済額だけで比べず、管理費・修繕積立金・駐車場代を足した住居費で家計を見る

まとめ

  • 1戸あたり月の平均は、修繕積立金13,054円、管理費11,503円(令和5年度マンション総合調査、充当を除く)
  • 平成30年度と比べて、修繕積立金は約16%、管理費は約6%増えた
  • 2020年以降に完成したマンションの修繕積立金は9,666円(124円/㎡)と安い。段階増額積立方式が多く、計画当初149円/㎡が最終的に254円/㎡になる
  • ガイドラインの目安は、計画期間全体の平均で252〜338円/㎡・月(建物の規模による)。段階増額は初期額を基準額の0.6倍以上、最終額を1.1倍以内とする考え方
  • 長期修繕計画は5年程度ごとに見直され、均等積立方式でも上がることがある
  • フラット35の総返済負担率の例に、管理費・修繕積立金は挙がっていない。家計では返済に足して比べる
  • 購入前に、重要事項説明書・管理規約・長期修繕計画・総会の議事録で、今の額・滞納・上がる予定・実際に上げられているかを確かめる

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出典

本記事は2026年10月17日時点で公表されている内容に基づいています。マンション総合調査の数字は回答した管理組合の平均で、個々のマンションの額は規模・設備・築年数で大きく違います。個別のマンションの管理費・修繕積立金・長期修繕計画は、管理組合・管理会社・仲介する宅地建物取引業者に、住宅ローンの審査は金融機関の窓口にご確認ください。

よくある質問

マンションの修繕積立金は、平均で月いくらですか?

国土交通省の令和5年度マンション総合調査では、1戸あたり月13,054円です(駐車場使用料などからの充当を除く)。充当を含めた総額は13,378円です。築年数で差があり、2020年以降に完成したマンションは9,666円と、全体より低くなっています。

管理費は平均で月いくらですか?

同じ調査で、1戸あたり月11,503円です(駐車場使用料などからの充当を除く)。充当を含めた管理費の総額は17,103円です。平成30年度の調査(10,862円)から約6%増えています。

修繕積立金の目安は㎡あたりいくらですか?

国土交通省の修繕積立金ガイドラインでは、長期修繕計画の期間全体で平均した額の目安を示しています。地上20階未満で建築延床面積5,000㎡以上1万㎡未満なら平均252円/㎡・月(事例の3分の2が入る幅は170〜320円)、20階以上なら平均338円/㎡・月(240〜410円)です。機械式駐車場があれば、その分を加えます。

新築マンションの修繕積立金が安いのはなぜですか?

最初の額を低くして、5年ごとなどに段階的に上げる「段階増額積立方式」の計画が多いためです。令和5年度の調査では、段階増額積立方式の計画で、当初の額は平均149円/㎡、最終的な額は平均254円/㎡でした。ガイドラインは、当初を均等に積み立てた場合の0.6倍以上、最終を1.1倍以内とする考え方を示しています。

管理費・修繕積立金は住宅ローンの返済負担率に入りますか?

【フラット35】の利用条件では、総返済負担率は「すべての借入れ」の年間返済額で計算し、例として住宅ローン・自動車ローン・教育ローン・カードローンなどが挙がっています。管理費・修繕積立金は例に挙がっていません。審査の扱いは金融機関に確かめ、家計の計算では返済に足して見てください。