相続税はかかる?基礎控除「3,000万円+600万円×法定相続人」と、家がある家族の目安

相続税はかかる?基礎控除「3,000万円+600万円×法定相続人」と、家がある家族の目安のイメージ税金と控除

先に結論

  • 相続税は、遺産の合計(借入金や葬式費用を引いたあと)が基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数を超えたときだけかかる。配偶者と子2人なら4,800万円
  • 法定相続人は相続放棄した人も数える。養子は、実子がいれば1人まで、いなければ2人まで
  • 自宅は時価ではなく、土地は路線価(ない地域は固定資産税評価額×倍率)、建物は固定資産税評価額で評価する
  • 自宅の土地は、配偶者や同居の家族などが取得すれば330㎡まで評価額が80%減る(小規模宅地等の特例)。配偶者は1億6,000万円か法定相続分まで相続税がかからない(配偶者の税額軽減)
  • ただし、どちらも申告して初めて使える。特例を使って税額が0円になっても、特例の前に基礎控除を超えていれば10か月以内の申告が要る
  • この記事は仕組みと目安の整理で、相続税の申告の代わりにはならない。個別の判断は税理士か税務署へ

親が持ち家に住んでいる、あるいは自分たちが家を建てた。 そうなると「うちは相続税がかかるのか」が気になります。

結論から言うと、相続税がかかるかどうかは基礎控除の式1つでおおよそ分かります。 ただ、家がある家族は家をいくらと数えるかで結果が大きく動きます。 しかも、家に使える特例は申告しないと使えません。ここが「かからないと思って何もしなかった」が起きやすいところです。

国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)と相続税法・租税特別措置法の条文で確かめた内容を、順に並べます。

相続税がかかるのは「正味の遺産額」が基礎控除を超えたときだけ

家族の木のそばの水おけで、桜文鳥のしぐれが、水面がおけの線より下にあることを白文鳥のみぞれに示している

相続税の対象は、亡くなった人(被相続人)から相続や遺贈で受け取った財産です。その合計が基礎控除額を超えたときに、超えた部分にだけかかります(国税庁No.4102、相続税法第15条)。

基礎控除と比べる「正味の遺産額」は、次のように出します(国税庁No.4102)。

足すもの引くもの
遺産の総額(土地・建物・預貯金・有価証券など)非課税財産(死亡保険金の非課税枠など)
相続時精算課税で生前にもらった財産借入金などの債務
亡くなる前の一定期間に暦年課税でもらった贈与葬式費用

基礎控除の式は次のとおりです。

基礎控除額は、3,000万円+(600万円×法定相続人の数(注3))の算式で計算します。

出典:国税庁 No.4102

正味の遺産額が基礎控除額以下なら、相続税はかからず、申告も原則として要りません(国税庁No.4205)。 「原則として」と書いたのは、自宅の土地の特例などを使って基礎控除の内側に入れた場合は申告が要るからです(後の「税額0円でも申告が要る場合」で書きます)。

生前の贈与と死亡保険金は、別の記事で

  • 亡くなる前の贈与は、暦年課税なら加算の期間(2026年12月31日までの相続は相続開始前3年以内)、相続時精算課税なら期間に関係なく、相続財産に足し戻します。住宅取得等資金の非課税の特例を受けた分は足し戻しません(国税庁No.4161)。住宅資金の援助を受けた人は、相続時精算課税と暦年贈与はどっち?で詳しく書いています
  • 亡くなった人が保険料を負担していた死亡保険金は相続税の対象で、相続人が受け取ると500万円×法定相続人の数までが非課税です(国税庁No.4114)。保険金の税金は死亡保険金の税金の記事に分けています

法定相続人の数え方

基礎控除の「法定相続人の数」は、民法で決まる相続人の数です。 実際に遺産を受け取った人の数ではありません。

誰が法定相続人になるか

配偶者は常に相続人です。配偶者以外は、次の順位で、上の順位の人がいないときだけ相続人になります(国税庁No.4132)。

順位誰か法定相続分(配偶者がいる場合)
第1順位子(子が先に亡くなっていれば孫)配偶者2分の1、子全員で2分の1
第2順位父母(父母がいなければ祖父母)配偶者3分の2、父母全員で3分の1
第3順位兄弟姉妹(先に亡くなっていればその子)配偶者4分の3、兄弟姉妹全員で4分の1

内縁関係の人は相続人に含まれません(国税庁No.4132)。

相続放棄した人も数える

相続を放棄した人は、民法の上では初めから相続人でなかったことになります。 ところが相続税の基礎控除を計算するときは、放棄がなかったものとして数えます。

(注1) 法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。

出典:国税庁 No.4152

子2人のうち1人が放棄しても、配偶者がいれば法定相続人は3人のまま、基礎控除は4,800万円のままです。

養子は1人か2人まで

養子も民法上は子なので相続人になります。ただし基礎控除の計算に入れる養子の数には上限があります(国税庁No.4170、相続税法第15条第2項)。

  • 亡くなった人に実子がいる場合:養子は1人まで
  • 亡くなった人に実子がいない場合:養子は2人まで

次の人は実子と同じ扱いで、上限に数えません(国税庁No.4170)。

  • 特別養子縁組で養子になった人
  • 配偶者の実の子で、亡くなった人の養子になった人(いわゆる連れ子養子)
  • 子が先に亡くなったため、代わりに相続人になった孫など(代襲相続人)

養子を増やして相続税の負担を不当に減らす結果になると認められる場合は、上限の範囲内でも数えないことがあります(国税庁No.4170)。

みぞれ
みぞれ

孫を養子にしておけば、基礎控除が増えるの?

しぐれ
しぐれ

数に入るかどうかと、税が軽くなるかどうかは別の話です。養子になった孫が財産を受け取ると、別の決まりがかかります。

亡くなった人の子が生きているのに、孫が養子として財産を受け取った場合は、その孫の相続税額に2割が加算されます(国税庁No.4152「各人の納付税額の計算」)。

家族構成ごとの基礎控除の早見表

上の数え方で、よくある家族構成を並べると次のとおりです(基礎控除額は当方計算)。

亡くなった人の家族法定相続人人数基礎控除額
配偶者と子1人配偶者・子2人4,200万円
配偶者と子2人配偶者・子2人3人4,800万円
配偶者と子3人配偶者・子3人4人5,400万円
子1人(配偶者は先に死亡)子1人3,600万円
子2人(配偶者は先に死亡)子2人2人4,200万円
子2人のうち1人が相続放棄(配偶者あり)配偶者・子2人(放棄した子も数える)3人4,800万円
配偶者と、実子1人・養子2人配偶者・実子1人・養子1人3人4,800万円
子がいない夫婦で、父母が健在配偶者・父母3人4,800万円
子も父母もいない夫婦で、兄弟姉妹2人配偶者・兄弟姉妹2人3人4,800万円
子も父母も兄弟姉妹もいない配偶者1人3,600万円

人数が1人増えるごとに600万円増えます。 同じ家族でも、配偶者が先に亡くなった後の相続(いわゆる二次相続)では人数が1人減るので、基礎控除も600万円減ります。

自宅はいくらで数えるか

家がある家族の目安を出すうえで、いちばん動くのがここです。 相続税では、財産を取得した時の時価で評価するのが原則です(相続税法第22条)。 土地と建物は、国税庁が定めた評価のしかたで出します(国税庁No.4602)。

土地:路線価か、固定資産税評価額×倍率

土地の評価には2つの方法があります(国税庁No.4602)。

方法使う地域計算のしかた
路線価方式路線価が定められている地域(主に市街地)路線価(道路に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価額)×奥行などの補正率×面積
倍率方式路線価が定められていない地域固定資産税評価額×国税庁が定めた倍率

路線価と倍率は、国税庁の路線価図・評価倍率表で調べられます。路線価図の数字は千円単位です(例:「200」なら1㎡あたり20万円)。 土地の固定資産税評価額は、市区町村役場(東京23区は都税事務所)で確かめられます(国税庁No.4602)。

目安の出し方の例です。路線価20万円の道路に面した200㎡の土地なら、補正率を1.0として 20万円×200㎡=4,000万円 です。 実際には、奥行の長さや角地かどうかで補正率が変わります(国税庁No.4604)。

建物:固定資産税評価額のまま

家屋は、固定資産税評価額に1.0をかけた金額で評価します。つまり固定資産税評価額と同じです(国税庁No.4602)。 建築費や、売ったときの値段ではありません。

分譲マンションは計算が違います

マンションは、敷地全体の評価額に敷地権の割合をかけた土地部分と、固定資産税評価額による建物部分を足して評価します。 2024年1月1日以後に相続した分譲マンションは、さらに「区分所有補正率」をかける場合があります(国税庁No.4602、詳しくはNo.4667)。

みぞれ
みぞれ

親の家は古いし、土地もそんなに広くないから、関係ないよね?

しぐれ
しぐれ

住宅地の土地は、建物より評価額が大きくなりやすいところです。古い家でも、土地の路線価と面積は一度かけ算しておくと、目安がずれません。

小規模宅地等の特例:自宅の土地は330㎡まで80%減

亡くなった人が住んでいた家の土地は、決まった家族が取得すると、330㎡までの部分の評価額が80%減ります(国税庁No.4124、租税特別措置法第69条の4)。 条文では「価額に百分の二十を乗じて計算した金額」とされています。つまり評価額が5分の1になります。

先ほどの4,000万円の土地(200㎡)なら、200㎡が330㎡以内なので全部が対象になり、800万円で数えます。

誰が取得すれば使えるか

自宅の土地(特定居住用宅地等)で使えるのは、次の人が取得した場合です(国税庁No.4124)。

取得した人要件
配偶者要件なし
同居していた親族亡くなった直前から相続税の申告期限まで住み続け、土地を申告期限まで持ち続ける
同居していなかった親族次のすべてを満たす:亡くなった人に配偶者がいない/同居していた相続人がいない/相続開始前3年以内に、自分・自分の配偶者・3親等内の親族・特別の関係がある法人が持つ国内の家に住んだことがない/いま住んでいる家を過去に一度も持ったことがない/土地を申告期限まで持ち続ける(ほか、国外に住む日本国籍のない人でないこと)

同居していなかった親族の要件は、持ち家のない子を想定したもので、俗に「家なき子」と呼ばれます。持ち家に住んでいる子が取得しても使えません。

ほかに、次の点も押さえておきます(国税庁No.4124)。

  • 亡くなった人と生計を一にしていた親族が住んでいた土地も、配偶者か、その親族が住み続けて持ち続ければ対象になる
  • 要介護認定などを受けて老人ホームなどに入っていた場合は、入る直前まで住んでいた家の土地を対象にできる(入った後に、事業に使ったり、ほかの人が新たに住んだりしていないこと)
  • 住んでいた土地が2つ以上あるときは、主に住んでいた1つだけ
  • 相続時精算課税で生前にもらった土地には使えない

申告書に書き、申告期限までに分ける

この特例は、相続税の申告書に適用を受ける旨を書き、小規模宅地等の計算の明細書や遺産分割協議書の写しなどを付けた場合に限って使えます(国税庁No.4124、租税特別措置法第69条の4第7項)。

また、対象になりうる土地などを取得した人が2人以上いるときは、どの土地に使うかを全員が同意し、原則として申告期限までに遺産を分けている必要があります(国税庁No.4124)。

分け方がまとまらないまま申告期限が来たら、法定相続分で分けたものとして、特例を使わずに申告と納税をします。 その申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を付けておけば、3年以内に分けたあとで特例を使い直せます(国税庁No.4208・No.4158)。

配偶者の税額軽減:1億6,000万円か法定相続分まで

配偶者が遺産分割や遺贈で実際に取得した正味の遺産額が、次のどちらか多い金額までなら、配偶者には相続税がかかりません(国税庁No.4158、相続税法第19条の2)。

  • 1億6,000万円
  • 配偶者の法定相続分相当額

この軽減も、小規模宅地等の特例と同じ条件がついています(国税庁No.4158、相続税法第19条の2第2項・第3項)。

  • 申告書に軽減の明細を書き、戸籍謄本や遺産分割協議書の写し(相続人全員の印鑑証明書つき)などを付けて出す
  • 申告期限までに分けていない財産は対象にならない(3年以内の分割見込書を付けて、3年以内に分ければ対象になる)

配偶者が多く取るほど、次の相続で子の負担が増えることがあります

配偶者の税額軽減は、配偶者自身が亡くなったときの相続(二次相続)には使えません。そのときは配偶者がいないので、基礎控除も1人分(600万円)減ります。 一次相続で配偶者が取得して持ち続けた財産は、二次相続の遺産になります。どう分けるのがよいかは、財産の額と家族構成で変わります。分け方を決める前に、税理士か税務署に相談してください。

計算例:家がある家族は、特例を使えるかで分かれる

ここからは概算の計算例です(当方計算)。 相続税の計算は、正味の遺産額から基礎控除を引き、残りを法定相続分で分けたと仮定して速算表の税率をかけ、合計します(国税庁No.4152・No.4155)。

相続税の速算表(法定相続分に応ずる取得金額に当てはめる)

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%―
1,000万円超3,000万円以下15%50万円
3,000万円超5,000万円以下20%200万円
5,000万円超1億円以下30%700万円
1億円超2億円以下40%1,700万円
2億円超3億円以下45%2,700万円
3億円超6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

出典:国税庁 No.4155

前提は次のとおりです。

財産評価額
自宅の土地(200㎡、路線価20万円、補正率1.0)4,000万円
自宅の建物(固定資産税評価額)500万円
預貯金・有価証券3,000万円
借入金と葬式費用−200万円
正味の遺産額(特例を使う前)7,300万円

生前の贈与や死亡保険金はないものとします。

例A:夫が亡くなり、妻と子2人が相続する

法定相続人は3人なので、基礎控除は4,800万円です。7,300万円はこれを超えるので、申告が要ります。

特例を使わない場合

計算
課税遺産総額7,300万円−4,800万円=2,500万円
妻(法定相続分2分の1)1,250万円×15%−50万円=137.5万円
子(4分の1ずつ)625万円×10%=62.5万円 ×2人
相続税の総額262.5万円

妻が自宅(土地・建物)を相続し、小規模宅地等の特例を使う場合

土地は4,000万円×20%=800万円で数えます。 正味の遺産額は 800万円+500万円+3,000万円−200万円=4,100万円で、基礎控除4,800万円以下です。相続税は0円です。

特例を使わず、配偶者の税額軽減だけを使う場合

妻が自宅(4,500万円分)、子2人が残り(2,800万円を1,400万円ずつ)を取得したとします。 総額262.5万円を、取得した割合で割り振ります。

割り振り軽減後
妻262.5万円×4,500/7,300=約161.8万円0円(1億6,000万円以下)
子262.5万円×1,400/7,300=約50.3万円 ×2人約50.3万円 ×2人

どの場合も、特例や軽減を使うには、10か月以内に申告書を出すことが前提です。

例B:同じ財産を、子2人が相続する(配偶者は先に死亡)

法定相続人は2人なので、基礎控除は4,200万円です。

小規模宅地等の特例を使えない場合(子が2人とも持ち家に住んでいる、など)

計算
課税遺産総額7,300万円−4,200万円=3,100万円
子(2分の1ずつ)1,550万円×15%−50万円=182.5万円 ×2人
相続税の総額365万円

同居していた子が自宅を取得し、申告期限まで住み続ける場合

土地は800万円で数え、正味の遺産額は4,100万円です。基礎控除4,200万円以下なので相続税は0円です。ただし申告は要ります。

例Aと例Bを比べると、同じ財産でも、配偶者がいるか、自宅を取得する子が要件を満たすかで、0円から365万円まで動きます。 数字は前提を単純にした概算です。実際の評価額・債務・贈与・保険金で変わります。

国税庁の相続税の申告要否判定コーナーに財産の額などを入れると、申告が要るかどうかのおおよその判定が出ます(国税庁No.4152の関連リンク)。

しぐれ
しぐれ

目安の数字を手元に置いてから税理士や税務署に相談すると、話が早く進みます。土地の路線価と面積、建物の固定資産税評価額、預貯金の残高の3つがあれば足ります。

税額0円でも申告が要る場合

ここがいちばん取りこぼしやすいところです。

小規模宅地等の特例を使って基礎控除の内側に入れた場合、申告が要ります。 申告が要るかどうかは、特例を使わない場合の金額で判定するためです(国税庁No.4205(注2))。

配偶者の税額軽減で税額が0円になる場合も、申告が要ります。 相続税法第27条は、申告が要るかどうかを判定するときに配偶者の税額軽減(第19条の2)を差し引かない書き方になっています。 そのうえで、軽減は申告書に明細を書いて出した場合に限って使えます(相続税法第19条の2第3項)。

状況申告
特例を使う前から、正味の遺産額が基礎控除以下原則として不要
特例を使う前は基礎控除を超え、小規模宅地等の特例で基礎控除以下になる要る
基礎控除を超え、配偶者の税額軽減で税額が0円になる要る

期限までに申告しなかった場合や、少ない額で申告した場合は、本来の税金のほかに加算税や延滞税がかかる場合があります(国税庁No.4205)。

申告と納税の期限は10か月

相続税の申告と納税の期限は、亡くなったことを知った日(通常は亡くなった日)の翌日から10か月以内です(国税庁No.4205、相続税法第27条)。

  • 例:1月6日に亡くなった場合は、その年の11月6日(期限が土日祝日なら翌日)
  • 提出先は、亡くなった人の住所地の税務署(相続人の住所地ではない)
  • 遺産の分け方がまとまっていなくても、期限は延びない(国税庁No.4208)
  • 金銭で一度に納めるのが原則。延納・物納を希望するときは、申告期限までに申請する

亡くなった人の所得税の申告(準確定申告)は期限が別で、相続税より短くなっています。亡くなった後のほかの手続きは家族が亡くなったあとに受け取れるお金にまとめています。

住宅会社の営業担当の方へ|親の家の土地に建てる相談で

親の土地に家を建てる、二世帯住宅にする、親から資金援助を受ける。家づくりの相談は、相続と地続きです。客先で次の点が話に出たら、税理士か税務署につなぐ合図になります。

  • 親の正味の財産が、早見表の基礎控除を超えそうか(土地は路線価×面積で目安)
  • 自宅の土地を将来だれが取得するか。同居する子か、持ち家のある子かで、小規模宅地等の特例の使える・使えないが分かれる
  • 住宅資金の援助を相続時精算課税で受けるか。受けた分は期間に関係なく相続財産に足し戻す(相続時精算課税と暦年贈与はどっち?)

つなぐ先は、所轄の税務署の相談窓口か税理士です。この記事の早見表と計算例は、相談の前に目安をそろえるためのものです。

まとめ

  • 相続税は、正味の遺産額が3,000万円+600万円×法定相続人の数を超えたときだけかかる
  • 法定相続人は放棄した人も数え、養子は実子がいれば1人・いなければ2人まで
  • 自宅の土地は路線価(なければ固定資産税評価額×倍率)、建物は固定資産税評価額で評価する
  • 自宅の土地は、配偶者・同居の親族・要件を満たす別居の親族が取得すれば330㎡まで80%減
  • 配偶者は1億6,000万円か法定相続分まで相続税がかからない
  • 特例も軽減も申告して初めて使える。税額0円でも、特例の前に基礎控除を超えていれば10か月以内に申告
  • この記事の計算は概算です。相続税の申告の代わりにはなりません

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出典

本記事は2026年10月17日時点で公表されている法令と国税庁の資料(令和8年4月1日現在法令等)に基づいています。計算例は前提を単純にした概算で、相続税の申告の代わりにはなりません。財産の評価や特例の要件は個別の事情で変わります。個別の判断は、所轄の税務署か税理士にご確認ください。

よくある質問

相続税の基礎控除はいくらですか?

3,000万円+600万円×法定相続人の数です(国税庁No.4152)。配偶者と子2人なら法定相続人は3人で、4,800万円です。遺産の合計(借入金や葬式費用を引いたあと)がこの額以下なら、相続税はかからず、原則として申告も要りません。

相続放棄をした人がいると、基礎控除は減りますか?

減りません。法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の人数で数えます(国税庁No.4152)。

自宅の土地はいくらで計算しますか?

路線価が定められている地域は路線価を基に、定められていない地域は固定資産税評価額に倍率をかけて評価します。建物は固定資産税評価額のままです(国税庁No.4602)。売れる値段(時価)とは違います。

小規模宅地等の特例を使って相続税が0円になれば、申告はしなくてよいですか?

いいえ。申告が要るかどうかは特例を使う前の金額で判定するので、特例を使う前に基礎控除を超えていれば、10か月以内の申告が要ります。特例は、申告書に適用を受ける旨を書き、明細書などを付けて初めて使えます(国税庁No.4124・No.4205)。

配偶者が相続すれば相続税はかからないのですか?

配偶者が実際に取得した遺産が1億6,000万円か法定相続分相当額のどちらか多い額までなら、配偶者には相続税がかかりません(国税庁No.4158)。ただし申告が要件で、申告期限までに遺産を分けている必要があります。子が取得した分には相続税がかかることがあります。