先に結論
- 太陽光の損得は「浮いた電気代+売電収入−かかったお金」で決まる。動かすのは、設置費用・発電量・家で使う割合(自家消費)・電気の単価の4つ
- 国の委員会の想定どおり(5kW・1kWあたり28.9万円・年1,200kWh・自家消費30%・電気27.31円)に置くと、15年目にいったん元が取れ、20年目のパワコン交換でほぼ損得なしに戻る(当方の試算)
- 得になりやすい:昼も家で電気を使う(自家消費40〜50%)、設置費用が国の想定(25.5万円/kW)に近い、日当たりがよい
- 損になりやすい:昼は家を空ける(自家消費20%)、後から付けて費用が高い、雪や影で発電が少ない、パワコンが早く壊れる
- 5年目からは、売る電気は1kWhあたり8.3円、家で使えば約27円分の電気を買わずに済む。売るより使うほうが3倍ほど得になる
家を建てるとき、太陽光を載せるかどうかは多くの人が迷うところです。見積もりには「何年で元が取れます」と書いてあっても、その数字がどんな前提で出ているのかは見えにくいものです。
この記事では、国の委員会が売電価格を決めるときに置いた想定値と、国の補助事業で集めた発電量の実績を使って、どんな条件なら得で、どんな条件なら損かを数字で並べます。記事の下のシミュレーターに自分の家の数字を入れれば、元が取れる年と、損得の分かれ目が出ます。
蓄電池はこの記事では扱いません。太陽光と別に損得を考える必要があるためです。
太陽光の損得は、何で決まるか
太陽光で発電した電気は、2つに分かれます。
- 家で使う電気(自家消費):その分、電力会社から電気を買わずに済む。浮く額は「使った量×買う電気の単価」
- 余って売る電気(売電):電力会社が買い取る。収入は「売った量×売電単価」
ここから、点検やパワーコンディショナー(パワコン。パネルの電気を家で使える形に変える機械)の交換などの費用を引いたものが、その年の損得です。最初に払った設置費用を、この積み重ねで取り戻せた年が「元が取れる年」です。
売電の価格は、5年目から大きく下がる
10kW未満の住宅用の売電価格(調達価格)は、2025年10月から2027年度末までに認定を受ける場合、次のとおりです(資源エネルギー庁「買取価格・期間等」、調達価格等算定委員会の意見 別紙)。
| 期間 | 1kWhあたり |
|---|---|
| 1〜4年目 | 24円 |
| 5〜10年目 | 8.3円 |
| 11年目以降 | 固定価格の期間が終わる(卒FIT)。電力会社の買取メニューの価格 |
固定価格で買い取られる期間は10年です。最初の4年を高くしているのは、設置費用を早く取り戻せるようにするためで、資源エネルギー庁は「初期投資支援スキーム」と呼んでいます。
11年目からの価格は電力会社ごとに違います。国の委員会が2025年12月時点の買取メニューを調べたところ、平均は10.0円、中央値は9.5円でした。10円以上のメニューは、その会社から電気を買うことや蓄電池を付けることが条件になっている場合が比較的多い、とも書かれています。
売るより、家で使うほうが得
一方、家で使った電気は、その分だけ電気を買わずに済みます。国の委員会は、この「自家消費分の便益」を1kWhあたり27.31円と置いています(大手電力の家庭用の電気料金単価の10年平均に消費税を加えた値)。
つまり5年目からは、売れば8.3円、使えば約27円です。同じ1kWhでも3倍ほど違います。太陽光の損得で、家で使う割合がいちばん大きく効くのはこのためです。

家で使う割合って、どのくらいが普通なの?

国の想定は30%(売るのが70%)です。2025年に付けた家の実績の平均は、売る割合64.8%なので、使う割合は約35%でした。昼に家にいる時間が長い家、エアコンや給湯を昼に動かせる家ほど高くなります。
国の想定どおりだと、20年でほぼ損得なし
まず、国の委員会の資料に出てくる値をそのまま置いて計算します。シミュレーターの初期値も、この数字です。
| 項目 | 置いた値 | 出どころ |
|---|---|---|
| 設置容量 | 5kW | パワコン・点検の相場を聞き取ったときの設備の大きさ |
| 設置費用 | 1kWあたり28.9万円(5kWで144.5万円) | 新築で2025年に付けた住宅用の平均 |
| 年間の発電量 | 1kWあたり1,200kWh | 国の想定の設備利用率13.7%(8,760時間×13.7%) |
| 自家消費の割合 | 30% | 国の想定(余剰売電比率70%) |
| 買う電気の単価 | 27.31円/kWh | 国の想定(自家消費分の便益) |
| 売電単価 | 1〜4年目24円・5〜10年目8.3円・11年目以降10.0円 | 調達価格と、卒FIT後の国の想定 |
| パワコン交換 | 20年目に38.4万円 | 「20年間で一度は交換」「38.4万円程度が一般的な相場」 |
| 点検 | 4年ごとに3.8万円 | 「3〜5年ごとに1回」「約3.8万円」。国の換算(20年で5回)に合わせた |
| 比べる年数 | 20年 | 国が売電価格を決めるときの運転年数の想定 |
1年目は、発電6,000kWhのうち1,800kWhを家で使って約4.9万円の電気代が浮き、残り4,200kWhを24円で売って約10.1万円の収入になります。5年目からは売電収入が約3.5万円に下がり、11年目からは10.0円で約4.2万円です。
累計の動きはこうなります(当方の試算)。
| 時点 | 累計の損得 |
|---|---|
| 設置したとき | −144.5万円 |
| 4年目の終わり | −88.3万円 |
| 10年目の終わり | −41.7万円 |
| 15年目の終わり | +0.1万円(いったん元が取れる) |
| 19年目の終わり | +32.7万円 |
| 20年目の終わり | −0.3万円(パワコン交換38.4万円と点検でマイナスに戻る) |
国の想定どおりの家で、新築の平均の値段で付けると、20年でほぼ損得なしです。21年目からはまた積み上がり、25年で見ると+41.4万円になります(21年目から元が取れた状態が続く)。
この結果から言えるのは、「太陽光は得か損か」に一つの答えはなく、その家の条件が平均より良いか悪いかで決まるということです。

国の想定は、売電価格を決めるための平均的な置き方です。自分の家の数字ではありません。とくに家で使う割合と電気の単価は、家ごとに大きく違います。
条件を変えたときの例
国の想定から1つか2つ条件を変えると、結果はこう動きます(当方の試算。書いていない条件は上の表と同じ)。
| 例 | 変えた条件 | 元が取れる年 | 20年の損得 |
|---|---|---|---|
| 国の想定どおり | ― | 20年では取れない(15年目にいったんプラス) | −0.3万円 |
| 家で使う割合が多い | 自家消費40% | 14年目 | +17.7万円 |
| 家で使う割合がもっと多い | 自家消費50% | 13年目 | +35.7万円 |
| 安く付けられた | 1kWあたり25.5万円(国の想定) | 14年目 | +16.7万円 |
| 得になりやすい家 | 25.5万円/kW・年1,300kWh・自家消費50% | 10年目 | +72.5万円 |
| 損になりやすい家 | 30.1万円/kW(後付けの平均)・年1,032kWh(新潟県の実績)・自家消費20%・パワコン交換12年目 | 取れない | −50.1万円(25年でも−19.1万円) |
| 借入で付けた | 全額を金利2%・10年で借入、自家消費40% | 16年目 | +2.6万円(現金なら+17.7万円。利息15.1万円の差) |
得になりやすい条件
- 昼に家で電気を使う。 自家消費が30%から50%になるだけで、20年の損得は約36万円よくなる
- 設置費用が安い。 国の想定の25.5万円/kWは、2025年に付けた家の安いほうから3割ほどの水準です(国の委員会の意見)。平均(28.9万円)との差は5kWで17万円
- 日当たりがよく、発電量が多い。 屋根が南向きで影がかからない家
損になりやすい条件
- 昼は家を空ける。 自家消費が20%だと、多くの電気を8.3円や10円で売ることになる
- 後から付けて費用が高い。 既築の家に付けた場合の2025年の平均は約30.1万円/kW(国の委員会の資料の図の値)
- 雪や影、屋根の向きで発電が少ない。 都道府県の平均でも、1,011kWh(秋田県)から1,326kWh(山梨県)まで差がある
- パワコンが早く壊れる。 12年目に交換が来ると、元が取れる年が遅れる
- 借入で付ける。 利息の分だけ損得が下がる
住む地域で変わる:発電量と電気の単価
地域で変わるのは、日当たりによる発電量だけではありません。家で使った電気の価値を決める「買う電気の単価」も、電力会社の区域(エリア)ごとに違います。
家庭向け(低圧・電灯)の電気の、2025年度の1kWhあたりの平均単価は次のとおりです(電力・ガス取引監視等委員会「電力取引報」から当方が計算)。
| 電力エリア | 1kWhあたり | 主な都道府県 |
|---|---|---|
| 北海道 | 33.90円 | 北海道 |
| 東北 | 29.67円 | 青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島・新潟 |
| 東京 | 30.85円 | 茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨 |
| 中部 | 28.20円 | 長野・岐阜・静岡・愛知・三重 |
| 北陸 | 26.88円 | 富山・石川・福井 |
| 関西 | 26.21円 | 滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山 |
| 中国 | 27.07円 | 鳥取・島根・岡山・広島・山口 |
| 四国 | 27.40円 | 徳島・香川・愛媛・高知 |
| 九州 | 25.37円 | 福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島 |
| 沖縄 | 29.90円 | 沖縄 |
| 全国 | 28.71円 | ― |
全小売電気事業者(新電力を含む)の販売額を販売電力量で割り、消費税10%を加えた値です。販売額には燃料費調整額が入り、再エネ賦課金は入っていません。国の想定の27.31円も、賦課金を入れずに消費税を加えた単価です。全国の28.71円が27.31円より高いのは、国の想定が10年間の平均で、最近の単価のほうが高いためです。
この2つを県の値に変えると、結果はこう動きます(当方の試算。ほかの条件は国の想定どおり)。
| 例 | 発電量(1kWあたり) | 電気の単価 | 元が取れる年 | 20年の損得 |
|---|---|---|---|---|
| 国の想定どおり | 1,200kWh | 27.31円 | 20年では取れない(15年目にいったんプラス) | −0.3万円 |
| 北海道 | 1,146kWh | 33.90円 | 14年目 | +13.2万円 |
| 福岡県 | 1,237kWh | 25.37円 | 20年では取れない(16年目にいったんプラス) | −1.3万円 |
北海道は発電量が国の想定より少ないのに、電気の単価が高いので、家で使う30%の価値が大きくなり、得の側に寄ります。福岡県は発電量が多くても、電気の単価が安いので、ほぼ損得なしのままです。発電量と電気の単価は、両方を合わせて見る必要があります。
「元が取れる年」の見方:設置費用だけか、交換まで含めるか
太陽光の「何年で元が取れる」という数字は、何を費用に入れるかで変わります。例として、5kWを130万円(1kWあたり26万円)で付けた家を、次の条件で25年計算します。
- 年1,150kWh/kW発電し、出力が毎年0.5%ずつ(1年目の値に対して)下がる
- 買う電気は1kWhあたり31円(国の想定27.31円より高い、今の電気代に近い仮の単価)
- 売電は1〜4年目24円・5〜10年目8.3円、11年目から8円(国の想定10.0円より低く置いた仮の値)
- 12年目にパワコン交換38.4万円、25年目に撤去15万円(撤去は国の目安がないので仮の額)
- 点検は入れない
| 家で使う割合30% | 家で使う割合50% | |
|---|---|---|
| 設置費用だけで見て元が取れる年 | 13年目 | 11年目 |
| パワコン交換まで含めて元が取れる年 | 18年目 | 14年目 |
| 25年の損得(交換・撤去まで含む) | +44.2万円 | +98.9万円 |
| 点検(4年ごとに3.8万円)も入れると | 20年目・+21.4万円 | 15年目・+76.1万円 |
(当方の試算。130万円は新築の平均の28.9万円/kW〈5kWで約145万円〉より少し安く付けた場合)
家で使う割合50%の家は、11年目に設置費用を取り戻します。ところが12年目のパワコン交換で累計はいったんマイナスに戻り、交換費用まで取り戻すのは14年目です。30%の家は、交換がなければ13年目のところが18年目になります。点検の費用まで入れると、さらに1〜2年遅くなります。
見積もりの「元が取れる年」を見るときは、パワコン交換と点検の費用が入っているか、売電単価を11年目以降いくらで置いているかを確かめてください。
損得の分かれ目
国の想定どおりの条件(20年)で、ほかの条件はそのままにして1つだけ動かしたとき、損得がゼロになる値は次のとおりです(当方の試算)。
| 動かす条件 | 損得がゼロになる値 | 得になる側 |
|---|---|---|
| 自家消費の割合 | 約30.2% | これより高い |
| 買う電気の単価 | 約27.4円/kWh | これより高い |
| 設置費用 | 1kWあたり約28.8万円 | これより安い |
国の想定どおりの家は、ちょうど分かれ目の上にいます。言いかえると、この3つのうちどれか1つでも平均より有利なら得の側に、不利なら損の側に寄ります。
自分の家の分かれ目は、下のシミュレーターで出せます。
太陽光の損得シミュレーター
使い方は次の3つです。
- まず、いちばん上でお住まいの都道府県を選ぶ。 その県の「1kWあたりの年間の発電量」と「買う電気の単価」が下の欄に入ります(選ばなければ国の想定の値のまま)
- 入った値は、自分の家の数字に書き換えられる。 見積もりの発電シミュレーションや、検針票から出した電気の単価があれば、そちらを入れてください。書き換えた欄は、県を選び直すまで手で入れた値で計算します
- 設置容量・設置費用・家で使う割合・売電単価・パワコンと点検の費用・比べる年数を確かめる
年ごとの表と累計のグラフ、元が取れる年、損得の分かれ目が出ます。「くわしく」を開くと、借入・電気の単価の上がり方・発電量の減り方・撤去の費用も入れられます。
入力した数字は、このページの中だけで計算します。どこにも送信・保存しません。
選ぶと、その県の「1kWあたりの年間の発電量」と「買う電気の単価」を下の欄に入れます。入れたあとも、欄の数字は自由に書き換えられます。選ばなければ、国の想定の値で計算します。
発電量は、国のZEH補助事業を受けた戸建住宅の県ごとの平均(環境共創イニシアチブ、2025年12月公表)。電気の単価は、県の大部分が入る電力エリアの、家庭向け(低圧・電灯)の2025年度の平均単価に消費税10%を加えた値です(電力・ガス取引監視等委員会「電力取引報」の販売額÷販売電力量。再エネ賦課金は国の想定と同じく入れていません)。県境に近い地域では、県の大部分と違うエリアになることがあります(例:静岡県の富士川より東は東京エリア)。
くわしく入れる(任意:借入・電気代の上がり方・撤去など)
2026年10月19日時点の資源エネルギー庁・調達価格等算定委員会・環境共創イニシアチブ・電力・ガス取引監視等委員会の公表資料によります。発電量・自家消費の割合・電気の単価は家ごとに違い、天候でも年ごとに変わります。お金の時間の価値(今の1万円と20年後の1万円の差)、売電収入にかかる税金、蓄電池、屋根の修理や塗り替えのときの脱着費用は入れていません。設置を決めるときは、見積もりの発電シミュレーションと、電力会社の卒FIT後の買取メニューで確かめてください。

家で使う割合が分からなければ、30%と50%の両方で計算してみてください。その間に答えがあります。電気の単価は、県を選んで入る値はエリアの平均です。今の検針票で「電気代の合計÷使った量」を出すと、自分の家の値になります(再エネ賦課金も含んだ値です)。
計算の前提と出どころ
| 項目 | 初期値 | 出どころ |
|---|---|---|
| 設置費用 | 28.9万円/kW | 調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」p.29(新築・2025年設置の平均。中央値は29.4万円) |
| 国の想定の設置費用 | 25.5万円/kW | 同 別紙 p.1。2025年設置の上位30%の水準(同 p.30) |
| 既築の設置費用 | 約30.1万円/kW | 第110回 調達価格等算定委員会 資料1 スライド82の図の値 |
| 年間の発電量 | 1,200kWh/kW | 国の想定の設備利用率13.7%(同 別紙 p.1)。2025年の実績の平均は14.1%(約1,235kWh/kW) |
| 都道府県の発電量 | 1,011〜1,326kWh/kW | 環境共創イニシアチブ「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業 調査発表会2025」付録①(国のZEH補助事業を受けた戸建住宅の実績の平均) |
| 自家消費の割合 | 30% | 国の想定の余剰売電比率70%(同 別紙 p.1)。2025年の実績の平均は64.8%(同 p.31) |
| 買う電気の単価 | 27.31円/kWh | 国の想定の「自家消費分の便益」(同 別紙 p.1) |
| 都道府県を選んだときの電気の単価 | 25.37〜33.90円/kWh | 電力・ガス取引監視等委員会「電力取引報」の集計結果。県の大部分が入る電力エリアの、全小売電気事業者の低圧・電灯の販売額÷販売電力量(2025年4月分〜2026年3月分の合計)に消費税10%。販売額に再エネ賦課金と消費税は含まれない(同 記載要領) |
| 売電単価 | 24円・8.3円 | 資源エネルギー庁「買取価格・期間等」、同 別紙 p.1 |
| 卒FIT後の売電単価 | 10.0円/kWh | 国の想定(同 別紙 p.1)。2025年12月時点の買取メニューの平均10.0円・中央値9.5円(同 p.32) |
| パワコン交換 | 38.4万円・20年目 | 同 p.31 注5(5kWの設備。太陽光発電協会への聞き取り。「20年間で一度は交換」) |
| 点検 | 3.8万円・4年ごと | 同 p.31 注5(「3〜5年ごとに1回程度」「約3.8万円」) |
| 撤去 | 入れない | 10kW未満は、国の売電価格の計算に廃棄費用を入れていない(廃棄費用WG 第1回 資料3) |
計算のしかたは次のとおりです。
- その年の発電量=設置容量×1kWあたりの発電量(減り方を入れたときは、1年目の値×〔1−減り方×経過年数〕)
- 浮いた電気代=発電量×自家消費の割合×買う電気の単価
- 売電収入=発電量×(1−自家消費の割合)×その年の売電単価
- その年の損得=浮いた電気代+売電収入−その年の費用(点検・パワコン交換・撤去・借入の返済など)
- 累計は、設置したときに払うお金(設置費用−補助金−借入額)をマイナスから始めて足していく
- 元が取れる年は、その年から比べる年数の終わりまで、累計がマイナスに戻らない最初の年
- 借入は元利均等・毎月払い・金利一定
お金の時間の価値(今の1万円と20年後の1万円の差)、売電収入にかかる税金は入れていません。
都道府県の発電量の値について
環境共創イニシアチブ(国のZEH補助事業の執行団体)が、補助を受けた戸建住宅の事業者アンケートをもとに、都道府県ごとに「パネル1kWあたりの年間発電量」の平均を出した値です。集計した戸数が少ない県(沖縄県3戸、島根県12戸など)は、ばらつきが大きくなります。同じ県でも、屋根の向き・傾き・影で上下します。見積もりの発電シミュレーションがあれば、その値を使ってください。
都道府県を選んだときの電気の単価について
電力・ガス取引監視等委員会が電気事業者から毎月集めている「電力取引報」の集計結果から、エリアごとの家庭向け(低圧・電灯)の販売額を販売電力量で割り、消費税10%を加えた値です。期間は2025年度(2025年4月分〜2026年3月分)の12か月です。
- 県の大部分が入るエリアの値を使っています。 県境に近い地域では違うエリアになることがあります(例:静岡県の富士川より東は東京エリア)
- 再エネ賦課金は入れていません。 国の想定(27.31円)と同じ扱いです。ただ、家で使った電気には賦課金(2026年度は1kWhあたり4.18円)もかからないので、その分まで含めて見るなら、単価に足してください
- 家ごとの契約で単価は違います。 契約の種類や使う量で、1kWhあたりの単価は家ごとに変わります。検針票から出した値があれば、そちらを使ってください
- 月ごとに見ると、2026年2〜3月分の単価は前後の月より3〜4円ほど低くなっています。国の電気料金の支援による値引きが販売額に入っているかどうかは、公表資料からは確かめられませんでした
注意すること
計算に入っていないこと・確かめること
- 蓄電池は別に考える。 蓄電池を付けると家で使う割合は上がるが、蓄電池の費用と寿命が加わる。この計算は太陽光だけ
- 屋根の向き・傾き・影で発電量は変わる。 北向きの面や、隣の建物・電柱の影がかかる面は発電が落ちる。積雪地は冬に発電しない期間がある
- 固定価格の期間は10年。 11年目からの売電価格は、そのときの電力会社の買取メニューで決まる。会社によって違い、条件付きのメニューもある
- パワコンの交換の時期は家ごとに違う。 国の聞き取りは「20年間で一度」。早く壊れれば、元が取れる年は遅れる
- 撤去・処分の費用は国の目安がない。 屋根の上の住宅用は、家を壊すときに一緒に処分される想定になっている。外すときは見積もりで確かめる
- 屋根の修理や塗り替えのときに、パネルを外して付け直す費用がかかる場合がある。この計算には入れていない
施工会社の見積もりを取るには
シミュレーターで分かれ目を出したら、次は自分の家の見積もりで、設置費用と発電量の予想を確かめます。見積もりの発電シミュレーションの前提(屋根の向き、影、パネルの出力の低下)と、パワコン交換や点検の費用の扱いを、会社ごとに聞いて並べるのが基本です。
見積もりを取る方法は、自分で施工会社を探して直接頼むほか、施工会社を紹介してもらう方法もあります。紹介してもらう方法の一つが次のサービスです。
広告を含みます
施工会社の見積もりを取る方法の一つです。自分で施工会社を探して直接頼んでも、同じように見積もりは取れます。
-
ソーラーパートナーズ
広告
住宅用太陽光の施工会社を紹介してもらい、見積もりを取る
太陽光を付けた家が受けられる補助金は、自治体ごとに違います。国の住宅の省エネの補助金の全体は住宅の省エネ関連補助金にまとめています。なお、住宅ローン控除の「ZEH水準省エネ住宅」は断熱と省エネの等級で決まり、太陽光は条件に入っていません(省エネ基準とZEH水準で住宅ローン控除はどう違う?)。
まとめ
- 太陽光の損得は、浮いた電気代+売電収入−かかったお金。設置費用・発電量・家で使う割合・電気の単価で決まる
- 国の委員会の想定どおりに置くと、20年でほぼ損得なし。家の条件が平均より良いか悪いかで、得にも損にもなる
- 5年目からは、売るより家で使うほうが1kWhあたり3倍ほど得。家で使う割合がいちばん効く
- 「元が取れる年」は、パワコン交換と点検を入れるかで数年変わる。見積もりの前提を確かめる
- 自分の家の数字は、シミュレーターで分かれ目まで出せる
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出典
- 資源エネルギー庁「なっとく!再生可能エネルギー」買取価格・期間等(2026年度以降)
- 調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(2026年2月5日)
- 第110回 調達価格等算定委員会(2026年1月7日)資料1「太陽光発電について」
- 環境共創イニシアチブ「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業 調査発表会2025」
- 環境省 東北地方環境事務所「雪国における太陽光発電」
- 資源エネルギー庁 太陽光発電設備の廃棄等費用の確保に関するWG 第1回 資料3
- 電力・ガス取引監視等委員会「電力取引の状況(電力取引報結果)」
- 電力・ガス取引監視等委員会「電力取引報」に係る記載要領(2026年6月改正版)
- 経済産業省「2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」(2026年3月19日)
本記事は2026年10月19日時点で公表されている資料に基づいています。試算は前提を置いた目安で、実際の発電量・電気の使い方・費用は家ごとに違います。設置の判断は、見積もりの発電シミュレーションと、電力会社の買取メニューの確認のうえで行ってください。売電の価格と認定の手続きは資源エネルギー庁に、補助金はお住まいの自治体にご確認ください。
よくある質問
住宅用の太陽光発電は、何年で元が取れますか?
条件で大きく変わります。国の委員会の想定どおり(1kWあたり28.9万円・年1,200kWh・家で使う割合30%・電気27.31円/kWh)で20年目にパワコンを交換すると、15年目にいったん元が取れ、20年目の交換でほぼ損得なしに戻ります。家で使う割合が50%なら13年目、設置費用が25.5万円/kWなら14年目です(当方の試算)。
太陽光で得をしやすいのは、どんな家ですか?
昼に家で電気を多く使う家、設置費用が平均より安い家、日当たりがよく発電量が多い家です。5年目からは売る電気が1kWhあたり8.3円なのに対し、家で使えば電気代の単価(国の想定で27.31円)分の電気を買わずに済むので、家で使う割合が損得をいちばん大きく動かします。
売電の価格はいくらですか?
10kW未満の住宅用で、2025年10月から2027年度までに認定を受ける場合、1〜4年目は1kWhあたり24円、5〜10年目は8.3円です。固定価格で買い取られるのは10年間で、11年目からは電力会社の買取メニューの価格になります(資源エネルギー庁)。
卒FIT後の売電価格はいくらになりますか?
電力会社ごとに違います。国の委員会が2025年12月時点の買取メニューを調べた結果は、平均10.0円、中央値9.5円でした。電気の契約や蓄電池の有無が条件になるメニューもあります。

