変動金利が上がったら返済はいつから増える?5年ルール・125%ルールと「返済のお知らせ」の見方

変動金利が上がったら返済はいつから増える?5年ルール・125%ルールと「返済のお知らせ」の見方のイメージ家と住宅ローン

先に結論

  • 2026年10月1日、変動金利の基準金利を0.25%上げた銀行がある。 年2回見直す型なら、2027年1月の返済分から利息が増える
  • 5年ルールがある銀行は、返済額が変わらない。 そのかわり利息の割合が増え、元金の減りが遅くなる
  • 5年ルールがない銀行は、返済額そのものが増える。 上限もない
  • 「5年目の見直し」の時期は、10月1日を何回迎えたかで決まる。 2022年の春に借りた人は、2027年1月が最初の見直しになる
  • 返済のお知らせで見るのは4つ。 金利の種類・適用金利・返済額・元金と利息の内訳
残高3,000万円・残り30年で金利が0.25%上がると、1か月目の利息は6,250円増え、返済額はルールなしなら3,484円増え、5年ルールなら変わらない

変動金利の住宅ローンは、金利が上がってもすぐに返済額が変わるとは限りません。 いつから、どのくらい変わるかは、金利の見直しの型と、5年ルールがあるかどうかの2つで決まります。

金利が1%上がると総額でいくら増えるか、変動と固定をどう考えるかは、住宅ローンの金利が上がったら返済はいくら増える?で計算しています。 この記事は、2026年10月の見直しを例に、「自分の返済はいつから変わるのか」と「通知のどこを見るか」に絞ります。

2026年10月、基準金利はどれだけ上がったか

日本銀行の政策金利の引き上げを受けて、銀行は住宅ローンの基準金利を見直しています。 2026年10月1日の見直しを、公表資料で見るとこうなります。

銀行の発表見直し前見直し後新しい金利の適用
PayPay銀行 基準金利年3.280%年3.530%12月の約定返済日の翌日から
七十七銀行 変動金利型住宅ローン基準金利3.125%3.375%12月の約定返済日の翌日から
三菱UFJ銀行 店頭表示金利(年2回型)3.125%3.375%12月の返済日の翌日から(2027年1月の返済分から)

出典:各銀行の発表(2026年9〜10月)。記事末尾の出典一覧

どの銀行も0.25%の引き上げです。実際に払う金利は、この基準金利から契約のときに決まった引き下げ幅を差し引いた値になります。 引き下げ幅は人によって違うので、自分の金利は返済のお知らせで確かめます。

9月18日の引き上げは、まだ反映されていない

三菱UFJ銀行は、2026年9月18日に短期プライムレートの引き上げを発表しました。 これに伴い、2026年12月1日にも基準金利を見直すと公表しています。 毎月見直す型は2027年2月の返済分から、年2回見直す型は次の基準日の2027年4月1日に見直し、7月の返済分から反映されます。

「いつから増えるか」は、見直しの型で決まる

変動金利の見直し方には、年2回見直す型と毎月見直す型があります。三菱UFJ銀行は両方を扱っていて、違いをこう説明しています。

年2回見直す型毎月見直す型
金利を見直す日(基準日)毎年4月1日・10月1日毎月1日
新しい金利が効き始める日6月・12月の返済日の翌日基準日の翌月の返済日の翌日
2026年秋の見直しの例10月1日に見直し → 2027年1月の返済分から9月1日に見直し → 2026年11月の返済分から
新しい返済のお知らせ11月上旬ごろ10月上旬ごろ

出典:三菱UFJ銀行「変動金利の基準金利見直しについて」

新しい金利は、返済日の翌日から効きます。12月の返済日の翌日から新しい金利なら、それが初めて返済に出てくるのは翌年1月の返済です。 三菱UFJ銀行も「2027年1月約定返済分より反映」と書いています。

PayPay銀行と七十七銀行も、借入中の人の新しい金利は12月の約定返済日の翌日からと案内しています。 4月1日の見直しなら、6月の返済日の翌日からです。

みぞれ
みぞれ

10月に上がったのに、払う額が変わるのは年明けなんだね。

しぐれ
しぐれ

そのあいだに通知が届きます。年2回見直す型なら、11月ごろの返済のお知らせに新しい金利が載ります。

5年ルールがある銀行:返済額は変わらず、中身が変わる

5年ルールは、変動金利・元利均等返済のときの決まりです。金利が上がっても、毎月の返済額を5年間変えません。 125%ルールは、5年後に返済額を見直すとき、新しい返済額を前回の1.25倍までに抑える決まりです。 仕組みそのものは金利が上がったら返済はいくら増える?でくわしく書いています。

ここで知っておきたいのは、返済額が変わらなくても、利息はすぐに増えるということです。 金利が0.25%上がると、1か月目の利息はおよそ「残高×0.25%÷12」だけ増えます。

ローンの残高1か月目に増える利息
2,000万円4,167円
3,000万円6,250円
4,000万円8,333円

(当方計算。月利=年利÷12)

5年ルールがあると、毎月の返済額は同じままです。増えた利息の分だけ、元金の返済が減ります。 三菱UFJ銀行も、金利が上がると「返済額に占める利息の割合が増え、元金の返済が減少」すると説明しています。

5年目の見直しは「10月1日を何回迎えたか」で決まる

返済額を見直す時期は、借りた日から数えた5年ではありません。三菱UFJ銀行の説明では、次のとおりです。

返済額が見直される時期(三菱UFJ銀行の場合)

  • 10月1日を1回迎えるごとに、1年たったとみなす
  • 5回目の10月1日を基準とした金利で、返済額を計算し直す
  • 新しい返済額は、その翌年1月以降、最初の返済分から
  • 以後も5年ごとに見直す

たとえば2022年4月に借りた人は、10月1日を2022年・2023年・2024年・2025年・2026年と迎えます。 2026年10月1日が5回目なので、2027年1月の返済分から返済額が変わります。

三井住友信託銀行も、借入後5回目の10月1日を過ぎた翌年1月の返済分から、新しい返済額になると説明しています。 借りたときから変動金利で、元金の据え置きがない場合の説明です。 数え方は銀行ごとに違うことがあるので、契約書か銀行の説明で確かめてください。

どのくらい増えるか(試算)

3,000万円を35年・年0.5%で借りた場合で計算します。毎月の返済は77,876円です。 仮に、56回払うまでずっと0.5%で、5回目の見直しの時点で年1.25%になっていたと置きます。

金額
これまでの毎月の返済77,876円
見直し後の毎月の返済(残り364回)86,840円
増える額8,965円(約1.12倍)

(当方計算。元利均等・ボーナス返済なし。途中の金利がこれより高かった場合は、残高が多く残るので、新しい返済額はさらに増える)

この例は1.25倍に届かないので、125%ルールの上限はかかりません。 上限がかかるのは、金利が大きく上がって、計算し直した返済額が1.25倍を超えるときだけです。

利息が返済額を超えると「未払利息」になる

5年ルールで返済額を据え置いているあいだに金利が大きく上がると、利息だけで返済額を超えることがあります。 超えた分は未払利息として翌月以降に繰り延べられます(三菱UFJ銀行)。

上の例では、残高約2,630万円に対して毎月の返済が77,876円です。 金利が年3.55%ほどを超えると、1か月の利息が返済額を上回ります(当方計算)。 三井住友信託銀行の説明では、未払利息が出たときの返済は未払利息→その月の利息→元金の順に充てられます。

5年ルールがない銀行:返済額がすぐ増える

5年ルール・125%ルールは、どの住宅ローンにもあるわけではありません。 PayPay銀行は、どちらのルールも採用していないと説明しています。金利が上がると、その上がり幅に応じて毎月の返済額が増え、増える幅に上限はありません。 ソニー銀行も、5年ルール・125%ルールを導入していないと説明しています。

ルールがない場合に0.25%上がると、残り30年・年1.0%から1.25%になったときの返済額はこう変わります。

ローンの残高1.0%の返済1.25%の返済増える額
2,000万円64,328円66,650円2,322円
3,000万円96,492円99,976円3,484円
4,000万円128,656円133,301円4,645円

(当方計算。残り30年・元利均等・ボーナス返済なし)

増える返済額は、増える利息より小さく見えます。返済額を残りの期間で計算し直すため、利息の増加の一部が元金の返済の減少で吸収されるからです。 3,000万円の例では、利息は6,250円増え、返済額は3,484円増え、元金の返済は2,766円減ります。

ルールがある銀行でも、当てはまらない人

5年ルール・125%ルールが当てはまらない場合

  • 元金均等返済で借りている(楽天銀行・三菱UFJ銀行・三井住友信託銀行とも、元金均等にはルールがないと説明)
  • 元利均等でも、ルールを使わない契約を選んでいる(三井住友信託銀行)
  • 固定期間選択型で、固定の期間が終わったとき(三井住友信託銀行。その時点の金利で返済額が変わる)
みぞれ
みぞれ

うちはどっちなのか、どうやって分かるの?

しぐれ
しぐれ

ローン契約書と返済のお知らせに書いてあります。同じ銀行でも、契約によって違うことがあります。

「返済のお知らせ」で見る4つの欄

金利や返済額が変わるとき、銀行は変更後の最初の返済日の前に、返済のお知らせ(返済予定表)で知らせます(三菱UFJ銀行)。 PayPay銀行は、新しい金利の返済額をメールで案内し、ログイン後の返済予定明細でも確かめられるとしています。 呼び方や画面は銀行ごとに違いますが、見るところは同じです。

見る欄何が分かるか
金利の種類毎月見直す型か、年2回見直す型か。いつから効くかがここで決まる
適用される金利基準金利から引き下げ幅を引いた、実際に払う金利
毎回の返済額5年ルールがあれば変わらない。なければ増えている
元金と利息の内訳返済額が同じでも、利息が増えて元金が減っていれば、金利の上昇が効いている

三菱UFJ銀行は、金利の種類は「ご返済のお知らせ」で確かめられるとし、返済額とあわせて元金・利息の内訳も確認するよう案内しています。

返済額が変わっていないときほど、内訳を見る

  • 5年ルールがあると、金利が上がっても返済額は同じ。通知を見ても「変わっていない」と思いやすい
  • 内訳の利息が増え、元金が減っていれば、残高の減り方が遅くなっている
  • 利息が返済額に近づいていたら、未払利息が出る手前。銀行に今後の返済額の見込みを聞く

返済額が増えるときの手の打ち方(繰上げ返済、固定金利への切り替え、借り換え)は、残高と残りの期間しだいです。 住宅ローン控除の期間中に繰上げるときの考え方は、繰上げ返済と住宅ローン控除にまとめています。

まとめ

  • 2026年10月1日の見直しで、PayPay銀行・七十七銀行・三菱UFJ銀行(年2回型)の基準金利はいずれも0.25%上がった
  • 年2回見直す型は、10月1日の見直しが2027年1月の返済分から効く。毎月見直す型は基準日の翌月の返済日の翌日から
  • 5年ルールがあると返済額は変わらないが、利息は増え、元金の減りが遅くなる。0.25%なら、残高3,000万円で1か月目の利息が6,250円増える
  • 返済額の見直しは「5回目の10月1日」の翌年1月から。2022年の春に借りた人は2027年1月
  • 5年ルールがない銀行もある。その場合は返済額がすぐ増え、上限もない
  • 返済のお知らせでは、金利の種類・適用金利・返済額・元金と利息の内訳の4つを見る

金利が上がったかどうかは、ニュースより先に、自分の返済のお知らせの利息の欄に出ています。

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よくある質問

2026年10月に基準金利が上がりました。返済はいつから増えますか?

4月1日・10月1日の年2回見直す型なら、新しい金利は12月の返済日の翌日から適用され、2027年1月の返済分から利息が増えます。毎月見直す型は、基準日の翌月の返済日の翌日から適用されます。どちらの型かは、返済のお知らせ(返済予定表)やローン契約書で確かめられます。

5年ルールがあれば、金利が上がっても負担は増えませんか?

毎月の返済額は5年間変わりませんが、返済額のうち利息の割合が増え、元金の減りが遅くなります。残高が0.25%上がったとき、1か月目の利息は残高3,000万円で6,250円増えます。そのぶん元金の返済が減っています。

5年ルールがない銀行もありますか?

あります。PayPay銀行は5年間一定ルールも125%ルールも採用しておらず、金利が上がると返済額が増え、増える幅に上限はないと説明しています。ルールのある銀行でも、元金均等返済や、ルールを使わない契約を選んだ人には当てはまりません。

5年ルールの返済額の見直しはいつですか?

三菱UFJ銀行の説明では、10月1日を1回迎えるごとに1年とみなし、5回目の10月1日を基準とした利率で返済額を見直し、翌年1月以降最初の返済分から変わります。2022年の4月に借りた人なら、2026年10月1日が5回目で、2027年1月の返済分から返済額が変わります。

返済のお知らせでは、どこを見ればいいですか?

金利の種類(毎月型か年2回型か)、適用される金利、毎回の返済額、そのうちの元金と利息の内訳の4つです。返済額が同じでも、利息が増えて元金が減っていれば、金利の上昇がすでに効いています。