先に結論
- 建売住宅の諸費用は、注文住宅(土地も買う場合)と項目の多くが同じです。税率・報酬・ローンの費用の決まり方は注文住宅の諸費用の記事と共通です
- 違うのは主に6つです。契約書の印紙が1通で済みます。仲介手数料は取引態様(売主・代理・媒介)で決まり、税抜価格で計算します。建物の登記は保存(0.15%)か移転(0.3%)かで税率が変わります。ほかに土地の不動産取得税の減額の要件、固定資産税の精算(契約で決まる)、つなぎ融資が通常いらないことです
- いちばん金額が動くのは、注文住宅と同じく仲介手数料とローンの手数料・保証料です。計算例(価格4,200万円)では、諸費用は約46万〜269万円でした
- 印紙税・登録免許税・不動産取得税の軽減の多くは2027年3月31日まで。延長されるかどうかは2026年12月の税制改正大綱で示されます
建売住宅は、土地と建物をまとめて1つの価格で買います。注文住宅のように土地と建物を別々に契約しないぶん、諸費用の中身も少し変わります。
この記事は、建売住宅(新築の分譲戸建て)を買うときの諸費用のうち、注文住宅と違うところだけを取り上げます。印紙税・登録免許税・不動産取得税の税率や、登記の報酬、ローンの手数料の決まり方は、注文住宅の諸費用はいくら?に一覧と計算ツールがあります。ここでは数字をその記事とそろえ、違いの部分は国税庁の資料と宅地建物取引業法・地方税法の条文を根拠にしています。
注文住宅と建売住宅で、諸費用が違うところ
先に、違いを1つの表にまとめます。注文住宅は「土地も買って建てる」場合と比べています。
| 項目 | 注文住宅(土地も買う) | 建売住宅 |
|---|---|---|
| 契約書の印紙税 | 土地の売買契約書と建物の請負契約書の2通 | 土地と建物の売買契約書の1通 |
| 印紙税の記載金額 | 契約ごとの金額 | 建物の消費税額が区分して書かれていれば、消費税を除いた額 |
| 仲介手数料 | 土地を仲介で買うときに、土地代にかかる | 取引態様が「媒介」なら土地と建物の税抜価格にかかる。「売主」なら0円 |
| 建物の登記 | 施主が表題登記を頼み、所有権の保存登記(0.15%) | 表題登記の名義しだいで、保存登記(0.15%)か移転登記(0.3%) |
| 建物表題登記の費用 | 施主が負担 | 売主の側で手配され、誰が負担するかは契約で決まる |
| 土地の不動産取得税の減額 | 土地を取得してから3年以内に新築 | 新築から1年以内に家と土地を取得 |
| 固定資産税の精算 | 土地を買うとき | 土地と、前年中に完成していれば建物も |
| つなぎ融資 | 完成前の支払いのために要ることが多い | 引渡しのときに残金を払うので、通常いらない |
| フラット35の物件検査 | 施主側で申請 | 事業主等(売主側)が申請 |
(各行の根拠は、このあとの節に書いています)
注文住宅と同じものは、ローンの契約書の印紙税、土地の所有権移転登記と抵当権設定登記の登録免許税、司法書士の報酬、ローンの事務手数料・保証料、火災保険・地震保険です。金額の決まり方は注文住宅の諸費用の記事を見てください。
「建築条件付き土地」は注文住宅に近い
土地を売買契約で買い、建物は決められた会社と請負契約を結ぶ形(いわゆる売建・建築条件付き土地)は、契約書が2通になり、仲介手数料も土地の分だけになります。諸費用の考え方は注文住宅と同じです。この記事でいう建売住宅は、土地と建物をまとめて1つの売買契約で買う場合です。
印紙税:売買契約書は1通、消費税の書き方で額が変わる
建売住宅の売買契約書は、土地と建物の譲渡を1通にまとめた「不動産の譲渡に関する契約書」(第1号文書)です。2027年3月31日までに作成された契約書は、軽減された税額になります(国税庁 No.7108)。
| 契約書に書かれた金額 | 売買契約書(軽減後) |
|---|---|
| 1,000万円超〜5,000万円以下 | 1万円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 3万円 |
(国税庁 タックスアンサー No.7108 から抜粋。令和8年4月1日現在法令等)
注文住宅で土地も買う場合は、土地の売買契約書と建物の請負契約書で、たとえば1万円+1万円の2通分です。建売住宅は1通分で済みます。 ローンの契約書(金銭消費貸借契約書)の印紙税は、どちらも同じで、借入1,000万円超5,000万円以下なら2万円です(国税庁 No.7140)。
建物の消費税が区分して書かれていれば、その分は数えない
建売住宅の価格には、建物の部分にだけ消費税が入っています。土地の譲渡は消費税の非課税取引です(国税庁 No.6201)。
国税庁は、不動産の譲渡に関する契約書に消費税額等が区分して書かれているときは、その消費税額等を印紙税の記載金額に含めないとしています(No.7124)。税込価格と税抜価格の両方が書かれている場合も同じです。一方で「消費税込み」とだけ書かれていると、税込の額が記載金額になります。
たとえば価格5,300万円(うち建物の消費税300万円)の場合です。
| 契約書の書き方 | 記載金額 | 印紙税 |
|---|---|---|
| 「売買代金5,300万円(うち消費税額等300万円)」 | 5,000万円 | 1万円 |
| 「売買代金5,300万円(税込)」 | 5,300万円 | 3万円 |
(当方計算。国税庁 No.7108・No.7124 による)
境目の5,000万円をまたぐときだけ差が出ます。契約書の案を受け取ったら、消費税額が区分して書かれているかを見ておくとよいところです。印紙税は作成した契約書1通ごとにかかります。売主と買主が1通ずつ持つなら2通分で、どちらがどの1通分を負担するかは契約で決めます。
仲介手数料:広告の「取引態様」で決まる
建売住宅の諸費用で、いちばん大きく動くのが仲介手数料です。かかるかどうかは、誰から買うかで決まります。
不動産会社(宅地建物取引業者)は、広告をするときに、自分が売主なのか、代理なのか、媒介(仲介)なのかを示さなければなりません(宅地建物取引業法第34条)。これを取引態様といい、物件の広告やチラシに「取引態様:売主」などと書かれています。
| 取引態様 | 買主が払う仲介手数料 |
|---|---|
| 売主(不動産会社が自分で売る) | かからない |
| 代理(売主の代わりに売る) | 告示は、代理の依頼者(売主)から受ける報酬を媒介の上限の2倍以内とし、買主からも受けるときは合計で2倍以内としている。買主に請求があるかは契約前に確かめる |
| 媒介(仲介) | 上限は(税抜価格×3%+6万円)×1.1 |
(宅地建物取引業法第34条・第46条、報酬告示 第2・第3)
同じ建売住宅でも、取引態様が違えば100万円以上の差になります。 広告で取引態様を見て、媒介なら仲介手数料を諸費用に入れておきます。
仲介手数料は、税抜価格で計算する
報酬の上限を決めている告示は、「当該売買に係る消費税等相当額を含まないもの」を代金の額として計算すると定めています(報酬告示 第2)。建売住宅は建物に消費税が入っているので、税込の総額ではなく、建物の消費税を引いた額で計算します。
価格4,200万円(土地2,000万円・建物2,200万円、うち消費税200万円)の場合です。
| 計算のもと | 上限額 |
|---|---|
| 税抜価格 4,000万円 | (4,000万円×3%+6万円)×1.1=138.6万円 |
| (誤り)税込価格 4,200万円 | (4,200万円×3%+6万円)×1.1=145.2万円 |
(当方計算)
差は6.6万円です。見積もりの仲介手数料が税込の総額で計算されていないかを確かめます。なお、これは上限で、これより低い額を取り決めることもできます(宅地建物取引業法第46条第2項は上限を超えることを禁じています)。
例外として、税抜価格が800万円以下の物件は、2024年7月からの特例で、この式を超えて最大33万円(30万円×1.1)まで受け取れることになっています(報酬告示 第7「低廉な空家等」の特例。買主から受ける場合も対象)。郊外の安い物件などで、見積もりの仲介手数料が式より高いときは、この特例によるものかを確かめます。
建物の登記:保存登記か移転登記かで、税率が倍になる
注文住宅では、完成した建物を施主が登記簿に載せ(建物表題登記)、そのうえで所有権の保存登記をします。建売住宅は、建物を建てたのが売主なので、ここが変わります。
不動産登記法は、新築した建物の所有権を取得した人は、1か月以内に表題登記を申請しなければならないとしています(第47条)。そして、所有権の保存登記ができるのは、原則として表題登記に所有者として載った人(表題部所有者)などに限られます(第74条)。
そのため、建売住宅の建物の登記は2つの流れに分かれます。
| 表題登記の名義 | 買主が受ける登記 | 登録免許税(住宅用家屋の軽減) |
|---|---|---|
| 買主 | 所有権の保存登記 | 評価額×0.15% |
| 売主(売主が保存登記まで済ませている) | 売主から買主への所有権の移転登記 | 評価額×0.3% |
(不動産登記法第47条・第74条、国税庁 No.7191。令和8年4月1日現在法令等。軽減は2027年3月31日まで)
国税庁 No.7191 は、保存登記の0.15%について「建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得」も対象に含めています。売買による移転登記の軽減税率は0.3%です。どちらも、床面積50㎡以上、取得後1年以内の登記、市区町村の住宅用家屋証明書の添付などが要件です。
延床100㎡の木造住宅で、建物の評価額を法務局の基準表の単価(令和6年度、木造居宅で97,000〜111,000円/㎡)から970万〜1,110万円と置くと、次のようになります。
| 登記 | 登録免許税 |
|---|---|
| 保存登記(0.15%) | 約1.5万〜1.7万円 |
| 移転登記(0.3%) | 約2.9万〜3.3万円 |
(当方計算。評価額の置き方は注文住宅の諸費用の記事と同じ)
差は1万数千円で、諸費用全体から見れば小さな額です。ただ、見積もりの登記の欄に「保存」と「移転」のどちらが書かれているかで、売主の手続きの進み方が分かります。マンション(区分建物)は、表題部所有者から買った人も保存登記ができる決まりがあり(第74条第2項)、戸建てとは扱いが違います。
建物表題登記の費用は、誰が負担するか
注文住宅の施主は、土地家屋調査士に表題登記を頼み、その報酬(業界団体のアンケートの平均91,740円・税抜)を払います。建売住宅は建物を建てたのが売主なので、表題登記は売主の側で手配されます(表題登記を申請する義務は、新築した建物の所有権を取得した人にあります)。その費用を価格に含めるか、買主に別に請求するかは売買契約で決まります。諸費用の見積もりに「表題登記」の項目があるかを確かめてください。
土地の所有権移転登記(評価額×1.5%、2029年3月31日まで)と、抵当権設定登記(借入額×0.1%)は、注文住宅で土地を買う場合と同じです。
不動産取得税:建売住宅は「新築から1年以内」が目安
建物の不動産取得税の計算は、注文住宅と同じです。地方税法は、1,200万円の控除の対象に「新築された住宅でまだ人の居住の用に供されたことのないものの購入」を含めています(第73条の14第1項)。延床が40㎡以上240㎡以下なら、評価額から1,200万円を引いて3%をかけます。評価額970万〜1,110万円なら、建物の不動産取得税は0円です。
違うのは、土地の減額の要件です。
| 土地の減額を受けられる主な場合 | |
|---|---|
| 注文住宅 | 土地を取得してから3年以内に住宅を新築(2031年3月31日までに取得した土地の特例。本来は2年) |
| 建売住宅 | 新築された住宅でまだ人が住んでいないものと、その土地を、住宅が新築された日から1年以内に取得 |
(地方税法第73条の24第1項第1号・第3号、附則第10条の3)
減額の額は注文住宅と同じで、税額から「45,000円」と「土地1㎡あたりの価格×1/2×住宅の床面積の2倍(200㎡まで)×3%」の多いほうを引きます。
価格4,200万円の計算例(土地2,000万円・130㎡、延床100㎡)で、土地の評価額を売買価格の7割の1,400万円と置くと、次のとおりです。
| 計算 | 金額 |
|---|---|
| 減額前の税額(1,400万円×1/2×3%) | 210,000円 |
| 減額(1,400万円÷130㎡×1/2×200㎡×3%) | 約323,000円 |
| 減額後の税額 | 0円(減額が税額を上回る) |
(当方計算)
式を見ると、敷地の面積が「延床面積の2倍(200㎡まで)」以下なら、減額が税額以上になり、土地の税は0円になります。フラット35利用者調査(2025年度)の建売住宅は、住宅面積の平均が100.4㎡、敷地面積の中央値が131.5㎡で、この範囲に入ります。敷地がそれより広いと、その分の税が残ります。
完成から1年を超えた「未入居」の物件
新築から1年を超えてから買う場合は、上の第3号ではなく、地方税法第73条の24第2項の扱い(既存住宅と同じ枠)になります。建物の扱いも含めて、物件のある都道府県の県税事務所(東京都は都税事務所)で確かめてください。 完成日は、建物の登記事項証明書の「原因及びその日付」の欄で分かります。
軽減の申告の要否と期限、通知が届く時期は都道府県で違います。くわしくは不動産取得税の通知が来たらにまとめています。
固定資産税の精算:法律ではなく、売買契約で決まる
建売住宅の決済では、「固定資産税の精算金」を売主に払うことがよくあります。これは税金ではありません。
固定資産税は、その年の1月1日時点の所有者に、1年分が課税されます(地方税法第343条・第359条)。年の途中で家を買っても、その年の固定資産税の納税義務者は売主のままです。そこで、引渡しの日から年末までの分を、買主が売主に払うという精算が行われています。全日本不動産協会は、これを売買実務で定着した慣習として説明しています。
固定資産税の精算で、契約書を見るところ
- 精算をするかどうか:法律の決まりではないので、契約書の条項で決まる
- 起算日:1月1日から数えるか、4月1日から数えるか
- 元になる年税額:その年の1月1日時点で課税された額。売主から課税明細書を見せてもらうと確かめられる
- 対象:土地だけか、建物も含むか
たとえば、起算日を1月1日、土地の年税額を6万円として、7月1日に引き渡すと、7月1日から12月31日までの184日分で、6万円×184/365=約3万円になります(当方計算。年税額は例として置いた額)。
新築の建売住宅では、建物がその年の1月1日に完成していなければ、その年度の建物の固定資産税はありません。 精算の対象は土地だけになります。前年中に完成していた物件は、建物の分も精算に入ることがあります。引渡しの翌年度からは買主に課税され、新築住宅の減額が入ります。いくらになるかは新築の固定資産税はいくら?で計算しています。
ローンの諸費用とつなぎ融資:つなぎ融資は通常いらない
注文住宅では、土地代金や着工金など、住宅ローンの資金が出る前の支払いがあります。その差を埋めるのがつなぎ融資で、利息と手数料が諸費用に加わります。
建売住宅は、契約時の手付金と、引渡しのときの残金という形が基本です。残金の支払いとローンの実行を同じ日に合わせられるので、つなぎ融資は通常いりません。 理由は注文住宅と建売・マンションで、お金の流れはどう違うかに書いています。
ただし手付金は、ローンの資金が出る前に自己資金で払います。売主が不動産会社なら手付は代金の2割までで、一定の額を超えると保全措置が要ります(宅地建物取引業法第39条・第41条・第41条の2)。手付金の決まりは注文住宅の支払いはいつ、いくら?の「土地の手付金で知っておくこと」と同じです。
ローンの事務手数料・保証料・団信・火災保険の決まり方は、注文住宅と変わりません。金額の幅と比べ方は注文住宅の諸費用の記事にあります。
フラット35の物件検査は、売主側が申請する
フラット35で新築住宅を買う場合、設計検査・中間現場検査・竣工現場検査は事業主等が検査機関に申請し、合格すると適合証明書が交付されます(住宅金融支援機構「新築住宅を購入する場合の手続」)。一方、ご利用条件では物件検査手数料は「お客さまの負担」とされています。建売住宅では、その手数料が価格に含まれているか、別に請求されるかを売主に確かめてください。フラット35を使う予定なら、物件がフラット35の基準に合わせて検査を受けているかも、契約前に聞いておくところです。
計算例:価格4,200万円の建売住宅
ここまでの違いを入れて、当サイトで計算しました。価格4,200万円(土地2,000万円・建物2,200万円、うち消費税200万円)、延床100㎡、敷地130㎡、頭金200万円、借入4,000万円の場合です。建物は買主が保存登記をする流れで、表題登記の費用は売主が負担するとしています。
| 費用 | 少なめ | 多め |
|---|---|---|
| 印紙税(売買契約書・ローンの契約書の2通) | 3万円 | 3万円 |
| 登録免許税(土地の移転21万円・建物の保存・抵当権4万円) | 26.5万円 | 26.7万円 |
| 司法書士の報酬(保存・抵当権・移転) | 12.8万円 | 12.8万円 |
| 不動産取得税(建物・土地とも0円) | 0円 | 0円 |
| 仲介手数料 | 0円(取引態様が売主) | 138.6万円(媒介) |
| ローンの事務手数料・保証料 | 3.3万円 | 88万円 |
| 合計 | 約46万円 | 約269万円 |
(当方計算。火災保険・地震保険、固定資産税の精算、手付金は入っていません)
差の約223万円は、仲介手数料とローンの手数料・保証料でほぼ全部です。 税金と登記の報酬は、どちらでもほとんど変わりません。
この例から、条件が変わると次のように動きます。
- 建物が移転登記になると:登録免許税が約1.5万〜1.7万円増える
- 表題登記の費用を買主が負担すると:アンケートの平均で約10万円(91,740円・税抜)増える
- 価格が5,000万円をまたぎ、契約書に消費税額が区分して書かれていないと:印紙税が1万円から3万円になる場合がある
司法書士の報酬は日本司法書士会連合会のアンケート(2024年3月実施、税込)の設例の平均、ローンの手数料・保証料の幅は金融機関の公表資料によるもので、注文住宅の諸費用の記事の計算ツールと同じ置き方です。

建売なら、諸費用は注文住宅より安くなるの?

契約書が1通になる、つなぎ融資がいらない、という分は減ります。ただ、仲介で買えば仲介手数料が土地と建物の両方にかかるので、合計では逆になることもあります。まず広告の取引態様を見てください。
契約の前に確かめること
住宅会社・不動産会社の担当の方が、建売住宅のお客様に諸費用を示すときにも使える一覧です。
建売住宅の諸費用で確かめること
- 取引態様は売主・代理・媒介のどれか。代理なら買主の負担があるか
- 仲介手数料は税抜価格で計算されているか
- 売買契約書に消費税額が区分して書かれているか
- 建物の登記は保存か移転か。表題登記の費用は誰が負担するか
- 住宅が新築されてから1年以内か(土地の不動産取得税の減額の要件)
- 固定資産税の精算の有無・起算日・元になる年税額
- フラット35を使うなら、物件検査の手数料が価格に含まれているか
- 外構・カーテン・照明・地盤の補強などが価格に含まれているか(売買契約書・重要事項説明書の物件の範囲)
予算全体の組み立てと、頭金にいくら回すかは、家づくりの予算は、希望から決めると足りなくなると頭金はいくら入れる?に書いています。
2027年3月末に期限が来る軽減
この記事の税額は、期限つきの軽減を前提にしています。
| 軽減 | 期限 |
|---|---|
| 不動産売買契約書の印紙税の軽減 | 2027年3月31日までに作成 |
| 登録免許税:住宅用家屋の保存登記0.15%・売買による移転登記0.3%・抵当権設定0.1% | 2027年3月31日まで |
| 不動産取得税:税率3%(本則4%)、宅地の課税標準2分の1 | 2027年3月31日までの取得 |
| 登録免許税:土地の売買による移転登記1.5% | 2029年3月31日まで |
(国税庁 No.7108・No.7191、地方税法附則)
2027年3月31日が期限のものが延長されるかどうかは、2026年12月の令和9年度税制改正大綱で示されます。 決まったら、この記事の数字を直します。
まとめ
- 建売住宅の諸費用は、注文住宅(土地も買う場合)と項目の多くが同じ。違いは印紙・仲介手数料・建物の登記・土地の不動産取得税・固定資産税の精算・つなぎ融資
- 売買契約書は1通。建物の消費税額が区分して書かれていれば、印紙税の記載金額から除く
- 仲介手数料は取引態様で決まる。売主から直接なら0円、媒介なら上限は(税抜価格×3%+6万円)×1.1
- 建物の登記は、表題登記の名義で保存(0.15%)か移転(0.3%)かが決まる
- 土地の不動産取得税の減額は、新築から1年以内に家と土地を取得するのが要件
- 固定資産税の精算は法律ではなく慣習で、売買契約で決まる
- 残金とローンの実行を同じ日に合わせられるので、つなぎ融資は通常いらない
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出典
- 国税庁 タックスアンサーNo.7108「不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」
- 国税庁 タックスアンサーNo.7124「消費税額等が区分記載された契約書等の記載金額」
- 国税庁 タックスアンサーNo.7140「印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」
- 国税庁 タックスアンサーNo.7191「登録免許税の税額表」
- 国税庁 タックスアンサーNo.6201「非課税となる取引」
- e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」(第34条・第39条・第41条・第41条の2・第46条)
- e-Gov法令検索「不動産登記法」(第47条・第74条)
- e-Gov法令検索「地方税法」(第73条の14・第73条の24・第343条・第359条)
- 宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(大阪府の掲載)
- 住宅金融支援機構【フラット35】新築住宅を購入する場合の手続
- 住宅金融支援機構【フラット35】ご利用条件
- 住宅金融支援機構「2025年度フラット35利用者調査」
- 公益社団法人全日本不動産協会「賃貸不動産の売買における固定資産税精算金の取扱い」
本記事は2026年10月17日時点で公表されている法令と資料に基づいています。税額は評価額と要件によって変わり、仲介手数料は上限の範囲で取り決められ、ローンの手数料・保証料は金融機関によって異なります。個別の税額は、所管の税務署・都道府県税事務所にご確認ください。登記の費用は依頼する司法書士・土地家屋調査士に、仲介手数料や精算金は売主・不動産会社にご確認ください。
よくある質問
建売住宅の諸費用は、価格の何%くらいですか?
決まった割合はありません。当サイトの計算例(価格4,200万円・借入4,000万円)では、火災保険・地震保険と固定資産税の精算を除いて約46万〜269万円、価格の1.1〜6.4%でした。幅の大半は、仲介手数料がかかるかどうかと、ローンの手数料・保証料の方式で決まります。
建売住宅でも仲介手数料はかかりますか?
広告の「取引態様」が「売主」なら、売主から直接買うので仲介手数料はかかりません。「媒介(仲介)」なら、上限は(税抜価格×3%+6万円)×1.1です(800万円以下の物件は、2024年7月からの特例で最大33万円)。「代理」は、報酬を代理の依頼者である売主から受ける形ですが、告示は買主からも受ける場合を定めている(売主と買主の合計で上限の2倍以内)ので、買主の負担があるかを契約前に確かめます。
仲介手数料は、税込の価格で計算しますか?
いいえ。報酬告示は、消費税等相当額を含まない代金の額で計算すると定めています。建売住宅は建物部分に消費税がかかり土地にはかからないので、税込の総額から建物の消費税を引いた額で計算します。
建売住宅の建物の登録免許税は、注文住宅と同じですか?
買主が所有権の保存登記をするなら、注文住宅と同じ0.15%です。売主が先に保存登記をしていて買主が移転登記を受けるなら0.3%になります。どちらになるかは表題登記の名義で決まるので、見積もりの登記の欄が「保存」か「移転」かを確かめます。
固定資産税の精算は、払わなければいけないものですか?
法律で決まった支払いではありません。固定資産税は1月1日の所有者に1年分かかり、引渡し後の分を買主が売主に払う精算は売買の慣習です。払うかどうか、起算日、計算方法は売買契約で決まるので、契約書の条項を確かめます。



