基準金利と適用金利の違い|「優遇幅」を見れば金利が上がったときの影響が分かる

基準金利と適用金利の違い|「優遇幅」を見れば金利が上がったときの影響が分かるのイメージ家と住宅ローン

先に結論

  • 住宅ローンの適用金利=基準金利-優遇幅。基準金利は銀行が決め、優遇幅は契約で決まります
  • 2026年10月1日、七十七銀行(3.125%→3.375%)やPayPay銀行(3.280%→3.530%)が変動の基準金利を上げました。借りている人の返済に出るのは、どちらも12月の返済日の翌日からです
  • 優遇幅がずっと同じ型なら、基準金利が上がった分だけ適用金利が上がります。残高3,000万円・残り30年なら、0.25%で毎月約3,500円の増加です(当サイトの計算)
  • 固定の期間中だけ優遇幅が大きい型では、期間が終わると優遇幅が小さくなり、基準金利の上昇に優遇幅の縮小が重なります
  • 自分の型は、金銭消費貸借契約書と商品説明書の「引下げ幅」と「引下げの期間」で分かります
残高3,000万円・残り30年で、基準金利の上昇と優遇幅の型ごとに毎月の返済がどう変わるかを比べた棒グラフ

住宅ローンの広告や金利表には、大きく書かれた金利と、小さく書かれた「店頭金利」「基準金利」が並んでいます。実際に払うのは、そのどちらでもなく、基準金利から自分の契約の優遇幅を引いた金利です。

2026年は、日本銀行が6月と9月に政策金利を引き上げ、それを受けて銀行が住宅ローンの基準金利を順に上げています。この記事では、基準金利・優遇幅・適用金利の関係を整理し、2026年10月に基準金利を上げた銀行の発表を例に、借りている人の返済にいつ、どれだけ出るのかを確かめます。最後に、自分の優遇幅を契約書のどこで見るかをまとめます。

適用金利=基準金利-優遇幅

用語中身誰が決めるか
基準金利金利の基になる数字。店頭金利、店頭表示金利とも呼ばれる銀行(市場の金利に合わせて改定)
優遇幅基準金利から引く幅。引下げ幅、金利引下げとも呼ばれる契約(借りるときに決まる)
適用金利実際に払う金利基準金利-優遇幅

PayPay銀行は、基準金利の改定の発表で「基準金利は、適用金利を算出する基となる金利」で、適用金利は基準金利から契約時の金利引下幅を差し引いて決めると説明しています。借りている人の引下幅は、借りた時期などによって違うとも書いています。

ある大手銀行の2026年10月1日現在の公表例では、変動金利の店頭金利は年3.375%で、完済まで年2.18%を引いた年1.195%が適用金利です。広告で目に入るのは1.195%のほうですが、金利が上がるときに動くのは3.375%のほうです。

みぞれ
みぞれ

優遇幅って、借りたあとに変わることもあるの?

しぐれ
しぐれ

借りるときに決まった幅は、契約の型どおりに動きます。ずっと同じ型もあれば、途中で小さくなる型もあります。新しく借りる人向けの優遇幅が毎月変わっても、すでに借りている人の幅はそれとは別です。

基準金利は、どこから動くのか

変動金利の基準金利は、短期プライムレート(銀行が優良な企業に短期で貸すときの金利)の動きに合わせて改定する銀行があります。七十七銀行も三菱UFJ銀行も、2026年の基準金利の改定を、短期プライムレートの引き上げに伴うものと説明しています。短期プライムレートは、日本銀行の政策金利に合わせて動きます。

2026年の動きは次のとおりです。

時期できごと
2026年6月16日日本銀行が短期の政策金利を年0.75%程度から1.0%程度に引き上げ
2026年9月1日ある大手銀行が、6月の短期プライムレートの引き上げを受けて変動の基準金利を見直し
2026年9月18日日本銀行が短期の政策金利を1.25%程度に引き上げ
2026年10月1日七十七銀行・PayPay銀行が変動の基準金利を引き上げ
2026年12月の返済日の翌日上の2行で、借りている人の新しい金利の適用が始まる

(日本銀行の公表文、各行の発表による)

政策金利が上がってから、借りている人の返済額に出るまでに半年ほどの時間差があります。銀行が基準金利を改定するまでの間と、改定後に借りている人の金利を見直す基準日(年2回が多い)を待つ間があるためです。

2026年10月に基準金利を上げた銀行の例

七十七銀行

2026年9月3日の発表です。6月の政策金利の引き上げに基づく短期プライムレートの引き上げなどに伴い、2026年10月1日から変動金利型住宅ローンの基準金利を3.125%から3.375%(+0.250%)に上げました。

新しい金利が使われるのは、2026年12月の約定返済日の翌日からです(ボーナス返済を併用している人は、12月以降で最初のボーナス返済日の翌日から)。

PayPay銀行

2026年9月30日の発表です。日本銀行の政策金利の引き上げに伴う市場金利の変動を踏まえ、2026年10月1日から住宅ローンの基準金利を年3.280%から年3.530%に上げました。

借りている人の金利の見直しは年2回で、基準日が10月1日の場合は12月の約定返済日の翌日から新しい金利になると説明しています。

9月に見直した銀行もある

基準金利を見直す時期は、銀行ごとに違います。ある大手銀行は、6月の短期プライムレートの引き上げを受けて2026年9月1日に変動の基準金利を見直しました。毎月見直す型は2026年11月の返済分から、年2回見直す型は2027年1月の返済分から新しい金利が反映されると案内しています。

三井住友銀行の店頭金利の推移の表でも、変動の店頭金利は2026年3月から8月の3.125%が、9月から3.375%になっています。

基準金利が上がっても、すぐ返済額が増えるとは限らない

変動金利・元利均等返済で「5年ルール・125%ルール」がある契約では、適用金利が上がっても、返済額は5年ごとの見直しまで変わりません。その間も利息は増え、元金の減りは遅くなっています。仕組みは金利が上がったら返済はいくら増える?に書いています。

優遇幅は2つの型がある

型優遇幅の動き銀行の説明の例
ずっと同じ型借りている間、同じ幅を引く「全期間一定金利引下げ」(三井住友信託銀行)、「ずーっと一律優遇コース」(三菱UFJ銀行。固定金利に変えても引下幅は変わらない)
途中で変わる型固定の期間中は大きく引き、期間が終わると小さくなる「当初期間金利引下げ」(三井住友信託銀行)、「最初に大きな優遇コース」(三菱UFJ銀行。10年固定の終了後は店頭金利から年1.55%)

(各行の公式ページによる)

三井住友信託銀行は、当初期間の引下げを選んだ場合、当初の固定期間が終わったあとも残りの期間に引下げがあり、その幅は当初の固定期間が2・3・5年か、10年以上かで違うと説明しています。また、借りている途中で2つの型を切り替えることはできないとしています。

型によって、金利が上がったときの影響が変わる

残高3,000万円・残り30年・元利均等で、基準金利が上がった場合の毎月の返済です。

場合適用金利毎月の返済いまとの差
ずっと同じ型(基準3.375%-2.18%)1.195%99,202円―
基準金利が0.25%上がる1.445%102,746円+3,544円
基準金利が0.5%上がる1.695%106,366円+7,164円
基準金利が1.0%上がる2.195%113,834円+14,632円
途中で変わる型の終了後(基準3.375%-1.55%)1.825%108,279円+9,077円
さらに基準金利が1.0%上がる2.825%123,667円+24,465円

(当サイトの計算。基準金利と優遇幅は、ある大手銀行の2026年10月1日現在の公表例。上がった金利がそのまま30年続いた場合で、5年・125%ルールは使っていない)

ずっと同じ型では、基準金利の上がり幅がそのまま適用金利の上がり幅です。 1,000万円あたりでいえば、0.25%の上昇で毎月約1,200円です。

途中で変わる型では、固定の期間が終わった時点で、優遇幅の差(この例で0.63%)が上乗せされます。 そこに基準金利の上昇が重なると、増え方は大きくなります。10年固定が終わるときの比べ方は、10年固定が終わるときにまとめています。

みぞれ
みぞれ

借りるときは、当初の金利が低いほうに目がいっちゃう。

しぐれ
しぐれ

当初の金利と一緒に、期間が終わったあとの優遇幅を並べてみてください。2つの型の差は、11年目からの金利の差として、その後の返済の全部にかかります。

契約書のどこを見るか

自分の優遇幅と型は、次の書類で確かめられます。

書類見るところ
金銭消費貸借契約証書(金利に関する特約書を含む)基準金利の名前(短期プライムレート連動など)、金利の見直しの基準日と適用の時期、引下げ幅と引下げの期間
借りたときの商品説明書金利コースの名前(全期間型か当初型か)、固定期間終了後の引下げ幅、5年・125%ルールの有無
返済予定表・ご返済のお知らせいまの適用金利、次の見直しで変わった金利と返済額
ネットバンキングの契約内容照会いまの適用金利。PayPay銀行は、借りている人の金利をここで確かめるよう案内している

契約書を開いたら確かめること

  • 基準金利は何に連動しているか(短期プライムレートなど)
  • 引下げ幅は何%か。「全期間」か「当初◯年間」か
  • 当初の期間が終わったあとの引下げ幅は何%か
  • 金利の見直しの基準日(4月1日・10月1日など)と、新しい金利が使われ始める時期
  • 優遇を受ける条件(給与振込など、利用条件を定めている銀行がある)

いまの基準金利は、銀行の金利のページで公表されています。いまの基準金利から自分の引下げ幅を引けば、いまの適用金利と同じになるかを確かめると、契約の読み違いに気づけます。

客先で金利の説明をするときの注意

住宅会社の営業担当の方が、お客様に金利の話をするときに確かめてほしいことです。

金利を説明する前に

  • 広告の金利は適用金利。金利が上がるときに動くのは基準金利だと伝える
  • 優遇幅がずっと同じ型か、途中で変わる型かを、商品説明書で確かめてもらう
  • 当初の金利だけでなく、固定の期間が終わったあとの引下げ幅も比べてもらう
  • 基準金利の改定から返済額に出るまでには数か月の時間差があることを添える
  • 特定の銀行の優遇幅をすすめない。数字は検討中の金融機関の説明書で確かめてもらう

まとめ

  • 適用金利=基準金利-優遇幅。基準金利は銀行が決め、優遇幅は契約で決まる
  • 2026年10月1日、七十七銀行(3.125%→3.375%)とPayPay銀行(3.280%→3.530%)が変動の基準金利を上げた。借りている人への反映は12月の返済日の翌日から
  • 優遇幅がずっと同じ型なら、基準金利の上がり幅がそのまま適用金利に出る(残高3,000万円・残り30年で0.25%につき毎月約3,500円)
  • 固定の期間中だけ優遇幅が大きい型では、期間の終了時に優遇幅の縮小が上乗せされる
  • 自分の型は、契約書と商品説明書の「引下げ幅」と「引下げの期間」で確かめる

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出典

本記事は2026年10月24日時点で各銀行・日本銀行が公表している内容に基づいています。銀行名は、基準金利の改定や優遇幅の型を公式に確かめられた例として挙げたもので、特定の金融機関や商品をすすめるものではありません。試算は当サイトの計算で、金利の予想ではありません。ご自身の契約の基準金利・優遇幅・見直しの時期は、借入先の金融機関の窓口にご確認ください。

よくある質問

基準金利と適用金利の違いは何ですか?

基準金利は、銀行が決める金利の基になる数字で、店頭金利とも呼ばれます。適用金利は、実際に払う金利で、基準金利から契約で決めた優遇幅(引下げ幅)を引いて決まります。

基準金利が上がると、適用金利も上がりますか?

変動金利の場合、優遇幅が借りている間ずっと同じ契約なら、基準金利が上がった分だけ適用金利も上がります。上がる時期は銀行ごとに決まっていて、年2回の基準日の数か月後の返済から反映されるのが一般的です。

優遇幅は、借りている間ずっと同じですか?

契約によります。借りている間ずっと同じ幅を引く型と、固定の期間中だけ大きく引き、期間が終わると小さくする型があります。借りている途中で型を切り替えられない銀行もあります。

自分の優遇幅はどこで分かりますか?

金銭消費貸借契約書(金利に関する特約を含む)か、借りたときの商品説明書に、基準金利の名前、引下げ幅、引下げの期間が書かれています。返済予定表やネットバンキングの契約内容照会では、いまの適用金利が分かります。

2026年10月に基準金利を上げた銀行はありますか?

あります。七十七銀行は2026年10月1日に変動金利型住宅ローンの基準金利を3.125%から3.375%へ、PayPay銀行は同じ日に年3.280%から年3.530%へ引き上げると発表しました。どちらも、借りている人の返済への反映は12月の約定返済日の翌日からです。