10年固定が終わるとき|選び直しの通知・金利の上がり方・借り換えとの比べ方

10年固定が終わるとき|選び直しの通知・金利の上がり方・借り換えとの比べ方のイメージ家と住宅ローン

先に結論

  • 10年固定が終わるとき、手続きをしなければ変動金利に切り替わります。返済額はその時点の金利で計算し直され、125%ルールのような上限はありません
  • 案内は終了の1〜2か月前に届きます(銀行による)。固定を選び直す期限は終了日の数営業日前です
  • 2016年10月と2026年10月の、ある大手銀行の店頭金利は、変動 2.475%→3.375%、10年固定 3.00%→6.60% でした
  • 固定の期間中だけ優遇幅が大きい契約では、終了後に優遇幅が小さくなります。仮に終了後の引下げが1.55%なら、3,000万円・35年で借りた人の11年目からの毎月は、変動で約8,700円、10年固定を選び直すと約4.6万円増えます(当サイトの計算)
  • 選び直す前に、新しく借りる人向けの金利と比べます。差が大きければ、費用を引いても借り換えのほうが少なく済むことがあります
3,000万円・35年で当初10年固定1.0%の人が、11年目からの選び方ごとに毎月の返済がどう変わるかを比べた棒グラフ

10年固定で住宅ローンを借りた人には、10年目の終わりに、銀行から「固定金利期間が終わります」という案内が届きます。 2016年に借りた人なら、その時期は2026年です。日本銀行が2016年2月にマイナス金利(日銀当座預金の一部に年▲0.1%)を始めた年で、住宅ローンの金利がとても低かった時期でした。いまは政策金利が年1.25%程度(2026年9月18日の決定)まで上がっています。

この記事では、固定期間が終わると何が起きるのかを、銀行の公式の説明で確かめます。そのうえで、2016年ごろとの金利の違いと、選び直しと借り換えの比べ方を書きます。

固定期間が終わると、何が起きるか

案内が届く

銀行の説明の例案内が届く時期固定を選び直す期限
三菱UFJ信託銀行終了の1か月前に「固定金利期間終了のご案内」ネットは終了日の2か月前から4営業日前の23:59まで。郵送は5営業日前必着(手数料あり)
三井住友銀行満了の約2か月前に封書ネットは満了日の2営業日前の15:00まで

(各行の公式ページによる。商品や契約の時期によって扱いが違う場合がある)

三菱UFJ信託銀行は、受付期間が過ぎたあとは金利コースを変え直す(取り消す)ことはできないと説明しています。

手続きしないと、変動金利になる

どちらの銀行も、申出がなければ、固定の期間が終わったときに変動金利に切り替わると説明しています。

変動に切り替わったあとでも、固定を選び直せる銀行があります。三井住友銀行は満了後に変動になっても再び固定に切り替えられると説明し、りそな銀行も、固定の期間が終わった人が固定を設定し直せるとしています。

ただし、固定の期間より残りの返済期間が短い場合や、延滞がある場合は選べないという条件を置く銀行があります。

返済額は計算し直され、上限はない

三井住友銀行は、固定の期間が終わったときは、見直し後の金利・残りの元金・残りの期間で返済額を計算し直し、増減に限度はないと説明しています。

変動金利には、返済額を5年間変えない「5年ルール」や、前回の1.25倍までに抑える「125%ルール」を置く銀行があります。固定期間の終了時には、これが働きません。金利が上がっていれば、終了の翌月から返済額がそのまま増えます。 変動金利のルールの中身は、金利が上がったら返済はいくら増える?に書いています。

優遇幅が変わる契約がある

住宅ローンの金利は、銀行が決める店頭金利(基準金利)から、契約で決めた優遇幅を引いた値です。

固定期間選択型には、固定の期間中だけ優遇幅を大きくし、終わったあとは小さくする型があります。ある大手銀行の2026年10月1日現在の公表例です。

コース優遇幅
最初から変動(完済まで同じ優遇)店頭金利から年2.18%引下げ(完済まで)
当初10年固定(最初に大きな優遇)固定の10年間は年3.75%(店頭6.53%)。終了後は店頭金利から年1.55%引下げ

(三菱UFJ銀行「住宅ローン金利」2026年10月1日現在。新しく借りる人向けの条件)

この例では、10年固定を選んだ人は、11年目から最初から変動を選んだ人より0.63%高い金利になります。

2016年に借りた人の終了後の優遇幅は、いまの新規の条件とは違います。金銭消費貸借契約書か、借りたときの商品説明書に書いてあります。優遇幅の型と契約書の見方は、基準金利と適用金利の違いにまとめています。

みぞれ
みぞれ

固定が終わったら、借りたときと同じ優遇が続くと思ってた。

しぐれ
しぐれ

契約によっては、そうなりません。金利そのものが上がったうえに、引かれる幅が小さくなると、上がり方は二重になります。案内が届く前に、契約書の優遇幅の欄を見ておいてください。

2016年ごろと、いまの金利の違い

三井住友銀行は、住宅ローンの店頭金利の推移を公表しています。2016年と2026年の同じ月を並べます。

店頭金利2016年10月2026年10月差
変動金利型2.475%3.375%+0.90%
固定金利特約 10年3.00%6.60%+3.60%

(三井住友銀行「住宅ローン 金利水準推移(新規)」。2018年10月までは「三井住友住宅ローン」、2018年11月からは「WEB申込専用住宅ローン」の店頭金利で、商品が違う。実際に借りる金利は、ここから優遇幅を引いた値)

同じ表では、変動の店頭金利は2016年から2024年9月まで2.475%のまま動いていません。その後、2024年10月に2.625%、2025年4月に2.875%、2026年3月に3.125%、2026年9月に3.375%と上がっています。

10年固定の店頭金利は、変動よりずっと大きく上がっています。 固定の金利は、長い期間の市場金利に連動するためです。2016年に10年固定で借りた人が、終了時にもう一度10年固定を選ぶと、この上がり方をそのまま受けます。

11年目からの返済は、いくら増えるか

試算の前提

  • 2016年に3,000万円を35年・元利均等・ボーナス返済なしで借り、当初10年固定の金利を仮に年1.0%とした(当時の実際の金利ではない)
  • 10年後の残高は約2,247万円、残りは25年
  • 11年目からの金利は、2026年10月のある大手銀行の店頭金利(変動3.375%・10年固定6.53%)から、仮に終了後の引下げを1.55%として計算した
  • 借り換えの金利は仮の数字。金額はすべて当サイトの計算で、金利の予想ではない
11年目からの選び方金利毎月の返済当初10年との差残り25年の総返済
(当初10年)1.0%84,686円――
何もしない(変動)1.825%93,340円+8,654円約2,800万円
変動で、その後に店頭金利が1%上がった場合2.825%104,524円+19,838円約3,136万円
10年固定を選び直す4.98%131,099円+46,413円約3,933万円
借り換えて変動(仮)1.25%87,253円+2,567円約2,618万円
借り換えて10年固定(仮)3.75%115,528円+30,842円約3,466万円

(当サイトの計算。残り25年の総返済は、その金利が25年続いた場合。10年固定を選び直す場合も、比べやすいように25年続いたとして計算した)

10年固定を選び直すと、毎月の返済は約4.6万円増えます。 終了後の優遇幅が小さい契約では、同じ10年固定でも、新しく借りる人向けの金利(この例の3.75%)より高くなります。

何もしないで変動にした場合は、毎月約8,700円の増加です。 ただし、変動はこの先の見直しで上がることがあります。店頭金利がさらに1%上がると、当初より約2万円の増加になります。

借り換えと比べる手順

選び直す前に確かめること

  1. 契約書で、固定期間の終了日と終了後の優遇幅を確かめる
  2. 案内に書かれた、終了後の金利(変動・固定の選び直し)を確かめる
  3. 同じ銀行と、ほかの金融機関の新しく借りる人向けの金利を確かめる
  4. 金利の差で減る利息から、借り換えの費用を引く
  5. 借り換えには審査があり、団信の入り直しと住宅ローン控除の条件も確かめる

上の例で、何もしない場合(1.825%)と借り換えて変動(1.25%)を比べると、残り25年の総返済の差は約182万円です。借り換えの費用を仮に70万円とすると、差は約112万円になります(当サイトの計算)。

借り換えの費用(登録免許税・司法書士報酬・事務手数料・保証料)と、借り換えたあとの住宅ローン控除の条件は、住宅ローンの借り換えはいつ考える?に詳しく書いています。残りの期間が短くなるほど、減る利息は小さくなります。

期限を過ぎると、選び直しの時期を逃すことがある

  • 固定を選び直す期限は、終了日の数営業日前です。案内が届いてから考え始めると、比べる時間が足りません
  • 借り換えには審査と手続きの時間がかかります。終了日に間に合わなくても、いったん変動になってから借り換える方法はありますが、その間の金利は変動です
  • 案内が郵送されない銀行もあります。ネットバンキングのお知らせも確かめます
みぞれ
みぞれ

借り換えたら、新しく10年固定にできるんだよね?

しぐれ
しぐれ

できます。ただ、新しい10年固定もまた10年後に終わります。そのときの優遇幅の型まで、借り換え先の商品説明書で確かめておくと、同じことを繰り返さずに済みます。

客先で、固定期間の終了について聞かれたときの注意

住宅会社の営業担当の方が、返済中のお客様やご家族から相談を受けたときに確かめてほしいことです。

固定期間の終了の話をする前に

  • 終了後の金利は店頭金利と契約の優遇幅で決まる。優遇幅は契約書で確かめてもらう
  • 終了時の返済額の見直しには125%ルールのような上限がないと伝える
  • 何もしなければ変動になる。選び直しの期限は終了日の数営業日前
  • 選び直しの金利と、新しく借りる人向けの金利を並べて比べるよう伝える
  • 借り換えをすすめる場合は、費用・審査・団信・住宅ローン控除まで含めて話す

まとめ

  • 10年固定が終わると、手続きしなければ変動になり、返済額はその時点の金利で計算し直される。上限はない
  • 案内は終了の1〜2か月前、選び直しの期限は終了日の数営業日前(銀行による)
  • 2016年10月と2026年10月で、ある大手銀行の店頭金利は変動が+0.90%、10年固定が+3.60%
  • 固定の期間中だけ優遇幅が大きい契約では、終了後の優遇幅が小さくなる。契約書で確かめる
  • 選び直しの金利と新規の金利を比べ、差が大きければ費用を引いて借り換えも検討する

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出典

本記事は2026年10月24日時点で各銀行が公表している内容に基づいています。銀行名は、公式の説明を確かめた出典として挙げたもので、特定の金融機関や商品をすすめるものではありません。試算の金利は仮の数字で、金利の予想ではありません。固定期間の終了時の扱い・優遇幅・期限は、契約の時期や商品によって違います。ご自身の契約内容は、借入先の金融機関の窓口にご確認ください。

よくある質問

10年固定が終わるとき、何もしないとどうなりますか?

銀行の説明では、申出がなければ固定の期間が終わったときに変動金利に切り替わります。返済額は、その時点の金利・残高・残りの期間で計算し直されます。

固定期間が終わる案内はいつ届きますか?

銀行によって違います。終了の1か月前に案内を送る銀行、約2か月前に封書で案内する銀行があります。手続きの期限も、終了日の2営業日前や4営業日前など銀行ごとに決まっています。

固定期間が終わったときも125%ルールはありますか?

ありません。銀行の説明では、固定金利特約期間の終了時の返済額の見直しには、増減の限度がありません。金利が上がっていれば、終了の翌月から返済額がそのまま増えます。

固定期間が終わったら、優遇幅は変わりますか?

契約によります。固定の期間中だけ優遇幅が大きく、終了後は小さくなる型があります。ある大手銀行の2026年10月の公表例では、10年固定の終了後は店頭金利から年1.55%の引下げで、最初から変動を選んだ場合の年2.18%より小さくなっています。自分の契約の数字は、金銭消費貸借契約書や借入時の商品説明書で確かめます。

固定を選び直すのと、借り換えるのはどちらがよいですか?

選び直した場合の金利と、新しく借りる人向けの金利を比べ、借り換えの費用を引いて判断します。終了後の優遇幅が小さい契約では、同じ10年固定でも、新規の金利より高くなることがあります。借り換えには審査があり、団信の入り直しや住宅ローン控除の条件も関わります。