先に結論
- 19〜22歳の子の年収が136万円を超えると、親の控除は扶養控除(特定扶養親族63万円)から特定親族特別控除に切り替わります(2026年分から。2025年分は123万円)
- 159万円までは63万円のまま。 そこから段階的に減り、197万円を超えるとゼロです
- 控除額は子の所得だけで決まります。 親の所得による制限はありません
- 年末調整では、基礎控除申告書と同じ1枚の「特定親族特別控除申告書」の部分に書きます。子の所得が100万円以下(年収174万円以下)なら、扶養控除等申告書のB欄で「特定親族」にチェックもします
- 子の年収は、1〜12月に支払われる給与の見込みの合計で考えます。12月の給与が決まる前に見積もるので、ずれたら直します

大学生の子のアルバイト代が増えると、「親の扶養から外れて税金が一気に増える」と言われてきました。 2025年分からは、19〜22歳の子に限って、親の控除が少しずつ減る仕組みに変わっています。それが特定親族特別控除です。
この記事は、2026年(令和8年分)の所得税と、2026年12月の年末調整の決まりで書いています。数字の出どころは、国税庁のタックスアンサーNo.1177と「令和8年4月源泉所得税の改正のあらまし」です。
自分の場合は、ここから読む
- 子の年収で、控除がいくらになるか知りたい → 控除額の表
- 扶養控除とどこで切り替わるか知りたい → 扶養控除との切り替わり
- 年末調整の書類の書き方を知りたい → 年末調整の書類
- 子の年収の見込みの立て方を知りたい → 年収の見込みの立て方
- 子の健康保険の扶養も気になる → 税と健康保険は別の線
特定親族特別控除とは
19歳以上23歳未満の子などの所得が、扶養控除の基準を少し超えたときに、親が受けられる控除です。令和7年度税制改正でできました。
国税庁は次のように説明しています。
納税者に、生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族等で、合計所得金額が一定金額以下の控除対象扶養親族に該当しない者(以下「特定親族」といいます。)がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。
(国税庁 タックスアンサー No.1177)
対象になる「特定親族」は、その年の12月31日の時点で、次のすべてに当てはまる人です(No.1177から要約)。
| 条件 | 中身 |
|---|---|
| 続柄 | 配偶者以外の親族(6親等内の血族・3親等内の姻族)、または里子 |
| 生計 | 親と生計を一にしている。仕送りで別に暮らしている学生も含まれる |
| 年齢 | 19歳以上23歳未満。2026年分は平成16年1月2日〜平成20年1月1日生まれ |
| 所得 | 合計所得金額が62万円超123万円以下(給与だけなら年収136万円超197万円以下) |
| そのほか | 青色・白色の事業専従者でない。子自身がこの控除を受けていない |
学生かどうかは条件に入っていません。 19〜22歳で働いている子も、所得がこの範囲なら対象です。
親の所得による制限はない
配偶者特別控除は、控除を受ける人の所得が900万円を超えると額が下がり、1,000万円を超えるとなくなります。 特定親族特別控除には、この段階がありません。 国税庁のあらましの表でも、特定親族特別控除額の列は親の所得で分かれていません。控除額は子の所得だけで決まります。
子の所得ごとの控除額(2026年分)
| 子の合計所得金額 | 子が給与だけの場合の年収 | 親の控除 |
|---|---|---|
| 62万円以下 | 136万円以下 | 扶養控除(特定扶養親族)63万円 |
| 62万円超 85万円以下 | 136万円超 159万円以下 | 特定親族特別控除 63万円 |
| 85万円超 90万円以下 | 159万円超 164万円以下 | 61万円 |
| 90万円超 95万円以下 | 164万円超 169万円以下 | 51万円 |
| 95万円超 100万円以下 | 169万円超 174万円以下 | 41万円 |
| 100万円超 105万円以下 | 174万円超 179万円以下 | 31万円 |
| 105万円超 110万円以下 | 179万円超 184万円以下 | 21万円 |
| 110万円超 115万円以下 | 184万円超 189万円以下 | 11万円 |
| 115万円超 120万円以下 | 189万円超 194万円以下 | 6万円 |
| 120万円超 123万円以下 | 194万円超 197万円以下 | 3万円 |
| 123万円超 | 197万円超 | 0円 |
(国税庁 タックスアンサーNo.1177、「令和8年4月源泉所得税の改正のあらまし」2頁から作成)
年収の列は、給与所得控除の最低保障額74万円を足した額です。これは令和8年分・令和9年分の額で、国税庁のタックスアンサーNo.1410に載っています。

年収150万円の大学生なら、親の控除はいくら?

150万円から74万円を引くと、所得は76万円です。「62万円超85万円以下」に入るので、親の控除は63万円。扶養控除だったときと同じ額です。
親の税金は、どのくらい増えるか
控除が減ると、親の課税所得が増えます。増える所得税は「減った控除額×親の税率」です。 親の所得税率が10%の場合で、子の年収が各区分の上限ちょうどのときを当サイトで計算しました(復興特別所得税は含めていません)。
| 子の年収 | 親の控除 | 63万円からの減り | 親の所得税の増え(税率10%) |
|---|---|---|---|
| 159万円 | 63万円 | 0円 | 0円 |
| 169万円 | 51万円 | 12万円 | 1.2万円 |
| 179万円 | 31万円 | 32万円 | 3.2万円 |
| 189万円 | 11万円 | 52万円 | 5.2万円 |
| 197万円 | 3万円 | 60万円 | 6.0万円 |
| 197万円超 | 0円 | 63万円 | 6.3万円 |
子の年収が159万円から197万円まで38万円増えるあいだに、親の所得税は6万円ほど増えます。子の収入の増え方のほうが大きく、世帯で見て税だけで逆転する形にはなっていません。 ただし子自身にも、年収178万円を超えると所得税がかかります。子の側の税金と健康保険は「大学生のアルバイト、年収いくらまで?」で整理しています。
住民税にも同じ名前の控除があります。額は所得税と違い、子の所得が95万円以下(年収169万円以下)までは45万円です。95万円を超えると、所得税と同じ41万円・31万円…と下がります(大和市の令和8年度の控除一覧。令和9年度分は、対象の下限が62万円超になると広島市が案内しています)。住民税の扱いは、お住まいの市区町村の案内で確かめてください。
扶養控除との切り替わり:136万円と100万円の2つの線
19〜22歳の子の所得を見るときの線は2つです。
| 子の年収(給与だけ) | 親の控除 | 扶養控除等申告書のB欄 | 年末調整で出す書類 |
|---|---|---|---|
| 136万円以下(所得62万円以下) | 扶養控除 63万円 | 書く。「特定扶養親族」にチェック | 扶養控除等申告書だけ |
| 136万円超 174万円以下(所得62万円超100万円以下) | 特定親族特別控除 | 書く。「特定親族」にチェック | 扶養控除等申告書と、特定親族特別控除申告書 |
| 174万円超 197万円以下(所得100万円超123万円以下) | 特定親族特別控除 | 書かない | 特定親族特別控除申告書だけ |
| 197万円超 | なし | 書かない | なし |
1つ目の線は136万円です。ここで扶養控除から特定親族特別控除に移ります。控除の額は159万円まで変わりません。
2つ目の線は174万円です。扶養控除等申告書のB欄(源泉控除対象親族)に書けるのは、特定親族のうち所得の見積額が100万円以下の人だけです。令和9年分の様式の裏面に、給与だけなら174万円以下と書かれています。 B欄に書くと、毎月の給与から引かれる所得税が、その分少なく計算されます。174万円を超える子は、毎月の計算には入らず、年末調整でまとめて控除されます。
特定親族は「扶養親族」ではない
令和9年分の扶養控除等申告書の様式には、「特定親族は、扶養親族には該当しません」と書かれています。そのため、子が障害者でも、親の障害者控除の対象にはなりません。
2026年分・2027年分の一般生命保険料控除には、「23歳未満の扶養親族」がいる人の上限を4万円から6万円に上げる特例があります(国税庁No.1140)。子が特定親族だけの年に、この特例が使えるかを示した国税庁の資料は、2026年10月25日時点で見つけられませんでした。保険料控除申告書を書く前に、勤務先に確かめてください。
年末調整の書類:どの申告書のどの欄か
2026年12月の年末調整(令和8年分)
使う書類は、勤務先から配られる「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」です。4つの申告書が1枚になっていて、その中の特定親族特別控除申告書の部分に書きます。
国税庁の令和8年分の記載例では、書くところが3つに分かれています。
| 記載例の番号 | 書くこと |
|---|---|
| ❶ 特定親族の氏名、個人番号など | 子の氏名・個人番号・続柄・生年月日・住所。勤務先によっては個人番号を書かなくてよい場合がある |
| ❷ 特定親族の本年中の合計所得金額の見積額の計算 | 子の給与の見込みの年収と、そこから出した所得(年収−74万円) |
| ❸ 特定親族特別控除の額 | ❷の所得を「控除額の計算」の表に当てはめた額 |
提出はその年の最後に給与を受け取る日の前日までです(国税庁A2-4)。令和8年分の様式は、2026年12月1日以後の年末調整で使います。
年の初めに「特定親族」と書いた子が、改正で特定扶養親族になる場合
2026年1月に出した扶養控除等申告書は、改正前の基準(所得58万円以下)で書かれています。 子の所得が58万円超62万円以下なら、改正後は特定扶養親族(扶養控除63万円)になります。国税庁のQ&A(Q2-4)は、この場合は異動があった旨を書いた扶養控除等申告書を出すよう案内しています。 「異動月日及び事由」欄には「令和8年12月1日 改正」などと書きます(同Q2-1)。令和8年分の様式の裏面は改正前の金額のことがあるので、裏面の数字で判定しないでください。
来年の分(令和9年分の扶養控除等申告書)
いま配られている令和9年分の扶養控除等申告書には、2027年の子の所得の見積額を書きます。 19〜22歳の区分は、平成17年1月2日〜平成21年1月1日生まれです。B欄の「特定扶養親族・特定親族」の列で、所得62万円以下なら「特定扶養親族」、62万円超100万円以下なら「特定親族」にチェックします。
欄の全体は「扶養控除等申告書の記入例」、基礎控除申告書の部分は「基礎控除申告書の書き方」で書いています。
夫婦の両方では受けられない
同じ子について、父と母の両方が特定親族特別控除を受けることはできません。国税庁の記載例には、2人以上の所得者の特定親族に当たる親族は、いずれか1人の特定親族にのみ該当するものとみなされるとあります。 共働きの場合は、どちらの申告書に書くかを夫婦で決めてから出します。
年末調整の前に確かめること
チェックは、このブラウザの中だけに残ります(送ったり保存したりはしません)。
子の年収の見込みの立て方
年末調整は12月の給与の前後に行うので、子の年収は見込みで書きます。
数えるのは、1〜12月に支払われる給与
- 支給日で数えます。 給与の収入の時期は、支給日が決まっていればその支給日です(国税庁No.2509)。12月に働いた分でも、支給日が翌年1月なら翌年の収入です
- アルバイト先が2つ以上あれば、全部を合計します。 国税庁No.1410は、源泉徴収票が2枚以上ある場合は支払金額の合計で表を当てはめるとしています
- 非課税の通勤手当は含めません。 電車・バスの通勤手当は、1か月15万円までの一定額が非課税です(国税庁No.2582)
- 年末に受け取る源泉徴収票の「支払金額」が、税の計算に使う年収です
見込みの出し方
子の年収の見込みを出す手順
チェックは、このブラウザの中だけに残ります(送ったり保存したりはしません)。
見込みがずれたとき
所得の判定は、その年の12月31日の現況と、1年間の実際の所得で行います。 年末調整のあとで子の年収が見込みと違うと分かったら、勤務先で年末調整をやり直してもらうか、親が確定申告で直します。手順は「年末調整の間違いに後で気づいたら」にまとめています。

子が12月に源泉徴収票を受け取るのは、親の年末調整より後になりがちです。子が自分の給与明細を見せてくれると、見込みの精度が上がります。
税と健康保険は別の線
特定親族特別控除は所得税(と住民税)の話です。子が親の健康保険の扶養に入れるかは、別の基準で決まります。
19歳以上23歳未満の子は、2025年10月1日以降の認定から、健康保険の扶養の基準が年間収入150万円未満です(日本年金機構「19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件が変わります」)。 税では159万円まで控除が63万円のままでも、健康保険の扶養は150万円で外れます。 外れると、子が自分で国民健康保険などに入り、保険料を払うことになります。
学生の目線での整理は「大学生のアルバイト、年収いくらまで?」に書いています。年収の壁の全体は「年収の壁一覧2026」にあります。
住宅の営業担当の方へ
子育て中の世帯の資金計画では、子のアルバイト収入と親の税金の関係を聞かれることがあります。
聞かれたときに押さえておくこと
- 19〜22歳の子は、年収136万円を超えても、親の控除は159万円まで63万円のまま
- 197万円を超えるとゼロ。親の所得税の増え方は「減った控除×税率」で、子の収入の増え方より小さい
- 親の所得による制限はない(配偶者特別控除とは違う)
- 健康保険の扶養は150万円未満が基準で、税とは別。こちらは超えると保険料がかかる
- 数字は令和8年分・令和9年分のもの。令和10年分からは給与所得控除の特例5万円がなくなり、年収への換算が変わる
令和10年分以後の変化は「178万円の壁は2年で終わる」で書いています。
まとめ
- 特定親族特別控除は、19〜22歳の子などの所得が62万円超123万円以下(年収136万円超197万円以下)のときに、親が受けられる控除
- 159万円までは63万円で、扶養控除と同じ額。そこから61万・51万・41万…と下がり、197万円を超えるとゼロ
- 親の所得による制限はない
- 年末調整では「特定親族特別控除申告書」の部分に書く。子の所得が100万円以下(年収174万円以下)なら、扶養控除等申告書のB欄で「特定親族」にもチェック
- 子の年収は、1〜12月に支払われる給与の合計(非課税の通勤手当を除く、掛け持ちは合計)で見込む
- 健康保険の扶養は150万円未満が基準で、税とは別に考える
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出典
- 国税庁 タックスアンサー No.1177 特定親族特別控除(令和8年4月1日現在法令等)
- 国税庁「令和8年4月源泉所得税の改正のあらまし」(2頁:所得要件の表、特定親族特別控除額の表)
- 国税庁「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A(令和8年5月)」(Q2-1・Q2-4)
- 国税庁「≪記載例≫令和8年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」
- 国税庁 A2-4 給与所得者の基礎控除、配偶者(特別)控除、特定親族特別控除及び所得金額調整控除の申告
- 国税庁「令和9年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」(裏面「4 扶養親族等の範囲」)
- 国税庁 タックスアンサー No.1180 扶養控除
- 国税庁 タックスアンサー No.1410 給与所得控除
- 国税庁 タックスアンサー No.1140 生命保険料控除
- 国税庁 タックスアンサー No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当
- 国税庁 タックスアンサー No.2509 給与所得の収入金額の収入すべき時期
- 日本年金機構「19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件が変わります」
- 広島市「令和9年度からの個人市民税・県民税の主な税制改正」
- 大和市「令和8年度 市・県民税(令和7年分 所得税)の所得控除」
本記事は2026年10月25日時点で公表されている国税庁・日本年金機構・自治体の資料にもとづく制度の説明です。金額は令和8年分・令和9年分の所得税のものです。個別の判断は勤務先または所轄の税務署に、住民税はお住まいの市区町村にご確認ください。
よくある質問
特定親族特別控除とは何ですか?
19歳以上23歳未満の子など、生計を一にする親族の合計所得金額が62万円を超えて扶養控除の対象から外れたときに、親が受けられる所得控除です。2026年(令和8年分)は、子の所得が62万円超123万円以下(給与だけなら年収136万円超197万円以下)が対象で、控除額は63万円から3万円まで段階的に減ります。
子のアルバイト年収が136万円を超えると、親の控除はいくら減りますか?
年収159万円までは減りません。扶養控除(特定扶養親族63万円)から特定親族特別控除(63万円)に名前が変わるだけです。159万円を超えると61万円、164万円超で51万円と下がり、197万円を超えるとゼロになります。
特定親族特別控除は、年末調整でどの書類に書きますか?
「基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」の、特定親族特別控除申告書の部分です。子の氏名・個人番号・合計所得金額の見積額を書き、控除額の表に当てはめた額を記入します。子の所得が100万円以下なら、扶養控除等申告書のB欄にも書いて「特定親族」にチェックします。
親の所得が高いと、特定親族特別控除は使えませんか?
使えます。配偶者特別控除と違い、控除を受ける親の所得による制限は国税庁の表にありません。控除額は子の合計所得金額だけで決まります。
子の年収の見込みが外れたら、どうなりますか?
判定はその年の12月31日の現況と、1年間の実際の所得で行います。年末調整のあとで違いが分かったら、勤務先で年末調整をやり直してもらうか(翌年1月末まで)、親が確定申告で直します。



