家族の国民年金・国保を払ったら年末調整で控除できる|社会保険料控除

家族の国民年金・国保を払ったら年末調整で控除できる|社会保険料控除のイメージ税金と控除

先に結論

  • 家族の国民年金・国民健康保険を払った人は、払った全額を自分の社会保険料控除にできる。 学生の子、無職の配偶者、同居の親などの分。条件は「生計を一にする」ことで、家族の所得の上限はない
  • 国民年金は控除証明書が要る。 証明書は家族本人あてに届くので、受け取って自分の申告書に付ける。令和8年分は書面が10月23日から順次
  • 国保は証明書が要らない。 その年に払った金額を書く
  • 書くのは保険料控除申告書の社会保険料控除の欄。保険料を負担する人の氏名には家族の名前を書く
  • 2年前納は「払った年に全額」か「年ごとに分ける」かを選べる。追納した分は、払った年の控除になる
家族の国民年金・国保を払ったときに社会保険料控除を受けるまでの5つの手順

給与から天引きされる健康保険料や厚生年金保険料も、社会保険料控除の対象です。 ただ、天引きの分は勤務先が把握しているので、自分で書くことはありません。

自分で書かないと控除されないのは、天引き以外で払った保険料です。 その中に「家族の分」が入ります。 大学生の子の国民年金保険料を親が払っている家庭では、毎年この欄を書くかどうかで税金が変わります。

家族の分を払っても、自分の控除になる

国税庁のタックスアンサーNo.1130は、社会保険料控除をこう説明しています。

納税者が自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができます。

控除できる金額は、その年に実際に払った金額の全額です。上限はありません。

「生計を一にする」は、同居でなくてもよい

「生計を一にする」は、財布が同じという意味です。国税庁は、同居していることは要件ではないとしています。 勤務や修学の都合で別居していても、生活費や学資金を常に送金していれば、生計を一にするものとして扱われます(No.1180のQ&A)。 一人暮らしの大学生に仕送りをしている親は、これに当たります。

家族の所得は問われない

扶養控除には、家族の合計所得金額が62万円以下(給与だけなら年収136万円以下)という条件があります。 社会保険料控除の要件には、この所得の条件がありません。 No.1130が求めているのは、生計を一にする親族の保険料を自分が払ったことです。 アルバイトの収入が多く、扶養控除の対象から外れた子でも、親が子の国民年金保険料を払えば、親の社会保険料控除になります。

みぞれ
みぞれ

子の国民年金を払ったけど、子が自分で申告することもできるの?

しぐれ
しぐれ

控除になるのはお金を出した人です。同じ保険料を親と子の両方で控除することはできません。誰の口座や財布から払ったかを、先に確かめてください。

対象になる家族の保険料

家族よくある保険料証明書
20歳以上の学生の子国民年金保険料要る(子あてに届く)
自営業・無職の配偶者(第1号被保険者)国民年金保険料、国民健康保険料国民年金は要る。国保は要らない
退職して国保に入った家族国民健康保険料(税)要らない
同居の親(後期高齢者医療)口座振替で払った後期高齢者医療の保険料要らない

国民健康保険の保険料は、国民健康保険法第76条で、市区町村が世帯主から徴収すると定められています(国民健康保険税の形で課す市区町村もあります)。 世帯主が家族の分も含めて払っていれば、その全額が世帯主の控除になります。

学生の子の国民年金を親が払う例

20歳になると、学生でも国民年金の第1号被保険者になり、保険料の納付書が届きます。 令和8年度(2026年4月〜2027年3月分)の保険料は月17,920円、令和7年度の月分は17,510円です(日本年金機構)。

たとえば、2026年中に子の保険料を12か月分(令和7年度の月分が3か月、令和8年度の月分が9か月)払ったとします。

  • 17,510円×3か月+17,920円×9か月=21万3,810円
  • これを親の保険料控除申告書の社会保険料控除の欄に書く
  • 所得税と住民税の税率が合わせて20%の人なら、税金はおよそ4万3千円減る(税率を20%と置いた目安。実際は税率で変わる)

学生納付特例を使うか、親が払うか

学生には、保険料の納付を後回しにできる学生納付特例があります。 承認された期間は年金の受給資格期間には入りますが、追納しないと年金額には反映されません(日本年金機構)。 追納できるのは10年以内で、承認を受けた年度の翌年度から3年度目以降は、当時の保険料に加算額が上乗せされます。

ここで控除の行き先が分かれます。

払い方社会保険料控除を受ける人
在学中に親が毎月(または前納で)払う払った年の親
学生納付特例を受け、就職後に子が自分で追納する追納した年の子
子が就職して生計が別になった後に、親が追納分を払う親の控除にはならない(払った時点で生計を一にしていないため)

最後の行は、国税庁のQ&Aの考え方です。 生計を一にしているかどうかは、保険料を払った時点で判定します。 4月に子が引っ越して生計が別になった例では、親が1〜3月に払った分だけが親の控除になるとされています。

どの払い方を選ぶかは、家計と、子の将来の年金をどう考えるかで変わります。この記事では、控除の行き先が違うことだけを示します。 免除・猶予の制度は国民年金保険料の免除・納付猶予の申請にまとめています。

国民年金は控除証明書が要る。届くのは家族本人あて

年末調整で証明書の添付が要るのは、国民年金の保険料と国民年金基金の掛金だけです。 金額にかかわらず要ります(国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」)。

日本年金機構によると、控除証明書は保険料を納めた被保険者本人あてに送られます。 子の分を親が払っていても、証明書は子のところへ届きます。家族の分は、納めた人が自分の保険料とあわせて申告できると案内されています。

令和8年分の証明書が届く時期

納めた時期電子データ(マイナポータル)書面(郵送)
2026年1月1日〜9月30日に納めた人10月16日から10月下旬にかけて順次10月23日から11月上旬にかけて順次
10月1日〜12月31日にだけ納めた人2027年1月下旬から順次2027年2月上旬

出典:日本年金機構「令和8年分社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の発行について」(2026年10月9日更新)

電子データで受け取る設定をしている人には、書面は郵送されません。 一人暮らしの子のマイナポータルに届いていることがあるので、子に確かめてください。

10月以降に払った分は、領収証書を添える

証明書に載るのは、1〜9月に納めた額(納付済額)と、12月までに納める見込みの額です。 証明日のあとに追加で払った分は、証明書の額に合算して申告でき、その分の領収証書を添えます(日本年金機構)。 スマートフォンの決済などで領収証書がない人は、ねんきんネットなどで直近の納付を反映した証明書の再発行を申請できます。届くまで1週間程度です。

国税庁は、証明書類の交付を請求中で確認できないときでも、翌年1月末日までに出すことを条件に控除して年末調整をしてよいとしています。 勤務先に相談してください。間に合わなければ確定申告で控除を受けます。

国保は証明書が要らない

国民健康保険料(税)、後期高齢者医療の保険料、介護保険料は、年末調整で証明書を付ける必要がありません。 その年に実際に払った金額を書きます。納付通知書や口座の記録で、1月から12月に払った額を足してください。

年金からの天引きは、天引きされた本人の控除です。 国税庁のQ&Aでは、扶養している妻の年金から介護保険料が特別徴収されている場合、夫の控除にはならないとしています。 後期高齢者医療の保険料は、年金天引きの代わりに口座振替を選ぶと、口座の名義人の控除になります。 親の分を子の口座から振り替えている場合は、子の控除になります(親と生計を一にしている場合に限ります)。

申告書のどの欄に書くか

会社員は、年末調整で出す「給与所得者の保険料控除申告書」の社会保険料控除の欄に書きます。1行に1つの保険料です。

欄子の国民年金を払った例配偶者の国保を払った例
社会保険の種類国民年金国民健康保険
保険料支払先の名称日本年金機構○○市
保険料を負担することになっている人の氏名子の氏名配偶者の氏名
あなたが本年中に支払った保険料の金額213,810円本年中に払った額

欄の全体と、ハガキの納付済額・見込額・合計額のどれを写すかは、保険料控除申告書の記入例にまとめています。

年末調整の前に確かめること

チェックは、このブラウザの中だけに残ります(送ったり保存したりはしません)。

前納したとき・追納したとき

2年前納は、払った年に全額か、年ごとに分けるか

国民年金保険料の2年前納は、令和8年度の場合、納付書・クレジットカードで418,510円、口座振替で417,150円です(日本年金機構)。 国税庁は、前納した2年分の全額を払った年の控除にしてよいとし、各年分に相当する額をそれぞれの年に控除する方法も選べるとしています。

方法申告のしかた
払った年に全額を控除する年ごとに分かれた控除証明書(最大3年分3枚)を切り離さず、すべて申告書に付ける
各年に分けて控除するその年の分の1枚を切り離して付ける。残りは翌年以降に使うので保管する

出典:日本年金機構「令和8年分社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の発行について」

4月に払った2年前納は、2026年・2027年・2028年の3つの年にまたがります。 年ごとに分ける方法を選んだ人は、2027年・2028年の年末調整で使う証明書を、今年受け取った束の中から取っておくことになります。

1年以内の前納(6か月前納・1年前納)も、払った年に全額を控除して差し支えないとされています。

追納は、払った年の控除になる

過去の分をまとめて払った場合、国税庁は本年中に払ったものは、過去の年分の保険料でも本年分の控除の対象になるとしています。 学生納付特例や免除を受けた期間の追納も同じで、日本年金機構は、追納した保険料は社会保険料控除の対象だとしています。

子の過去分を親がまとめて払うときは、時点に注意

親の控除になるのは、払った時点で子と生計を一にしている場合です。子が就職して独立した後に払うと、親の控除になりません。

確定申告で控除を受ける人

年末調整に間に合わなかった人や、自営業の人は、確定申告で社会保険料控除を受けます。 国民年金の証明書の添付は確定申告でも要ります。令和8年分を2027年1月1日以後に申告するときは、証明書の代わりに一定の事項を書いた明細書を付ける方法も認められています(No.1130)。

家族の国民年金・国保の控除の締切(2026年分)

「まとめて」は iPhone・Outlook などのカレンダーに入ります。前日の朝9時に知らせが出ます。日付は記事を書いた時点の決まりです。

まとめ

  • 生計を一にする家族の国民年金・国保を払った人は、払った全額を自分の社会保険料控除にできる。家族の所得の上限はない
  • 控除になるのはお金を出した人。払った時点で生計を一にしているかで判定する
  • 国民年金は控除証明書が要り、家族本人あてに届く。令和8年分の書面は10月23日から順次。10月以降に払った分は領収証書か再発行の証明書を添える
  • 国保・後期高齢者医療・介護保険料は証明書が要らない。年金から天引きされた分は、天引きされた本人の控除
  • 申告書の社会保険料控除の欄に、家族の氏名と払った額を書く
  • 2年前納は、払った年に全額か年ごとに分けるかを選べる。追納は払った年の控除

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よくある質問

大学生の子の国民年金保険料を親が払ったら、親の控除になりますか?

なります。生計を一にする親族が負担すべき社会保険料を払った人は、その全額を自分の社会保険料控除にできます(国税庁No.1130)。仕送りをしている別居の学生も、生計を一にする親族に当たります。子の所得の上限は条件に入っていません。

子の分の控除証明書はどこに届きますか?

国民年金の控除証明書は、保険料を納めた被保険者本人あて、つまり子あてに届きます(日本年金機構)。別居している場合は、子から証明書を受け取って、親の保険料控除申告書に添付します。

国民健康保険料も証明書が要りますか?

要りません。年末調整で証明書の添付が要るのは、国民年金の保険料と国民年金基金の掛金だけです(国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」)。国保は、その年に払った金額を申告書に書きます。

2年前納した国民年金保険料は、いつ控除しますか?

払った年に全額を控除する方法と、各年分に相当する額をそれぞれの年に控除する方法のどちらかを選べます(国税庁No.1130のQ&A)。各年に分ける場合は、日本年金機構から届く年ごとの控除証明書を切り離して、その年の申告書に添付します。

10月以降に払った分の証明書が年末調整に間に合いません。

証明日以降に納めた分は、領収証書を添えて合算して申告できます。領収証書がなければ、ねんきんネットなどで直近の納付を反映した控除証明書の再発行を申請できます。国税庁は、証明書類を翌年1月末日までに出すことを条件に、控除して年末調整をしてよいとしています。

親の年金から天引きされている介護保険料は、子の控除にできますか?

できません。年金から天引き(特別徴収)された保険料を払ったのは年金を受け取っている親本人なので、親の控除になります(国税庁No.1130のQ&A)。後期高齢者医療の保険料を子の口座からの口座振替に変えた場合は、口座の名義人である子の控除になります。