中古住宅を買ってリフォームするお金|住宅ローン控除と補助金

中古住宅を買ってリフォームするお金|住宅ローン控除と補助金のイメージ家と住宅ローン

先に結論

  • 中古住宅(既存住宅)でも住宅ローン控除は使えます。 2026年以後の入居なら、認定住宅・ZEH水準は3,500万円・13年、省エネ基準適合は2,000万円・13年、それ以外は2,000万円・10年が借入限度額と控除期間です(子育て世帯等は上乗せあり)
  • 築年数の上限はなく、見られるのは耐震性です。1982年(昭和57年)1月1日以後の建築なら登記で足り、それより前は耐震の証明書が要ります。この区切りは登録免許税・不動産取得税の軽減でも同じです
  • リフォーム代は、借りれば増改築等の住宅ローン控除(100万円超の工事、10年)、現金でも省エネ・耐震・子育て対応などの工事なら税額控除(1回)が使えます。両方に当たる工事はどちらか1つを選びます
  • 国の補助金(みらいエコ住宅2026のリフォーム、先進的窓リノベ2026)は登録事業者が申請し、交付申請は遅くとも2026年12月31日、予約は11月16日までです。予算で前倒しになります
  • 補助金を受けると、控除の基になる金額から補助金が引かれます
  • 買う前に、インスペクション(建物状況調査)と既存住宅売買瑕疵保険を検討します。瑕疵保険の付保証明書は、古い家の耐震の証明にも使えます

中古住宅を買ってリフォームする計画は、新築よりお金の制度が入り組みます。 住宅ローン控除は「家を買った分」と「リフォームした分」で別の制度です。登記の税や不動産取得税の軽減は築年数で変わり、補助金と控除も互いに影響します。

ここでは、買う前・契約・リフォーム・入居・確定申告の順に、動くお金と使える制度を並べます。 数字と要件は、当サイトで国税庁・財務省・国土交通省・住宅金融支援機構・都道府県の資料にあたって確かめました(2026年10月17日時点)。

中古住宅+リフォームで動く制度の全体像

段階制度要点この記事の節
買う前インスペクション・既存住宅売買瑕疵保険建物の状態を確かめる。瑕疵保険は耐震の証明にもなる買う前に
買うとき登録免許税・不動産取得税の軽減築年数(1982年以後かどうか)と床面積で決まる登記と不動産取得税
借りるとき住宅ローン控除(中古住宅)/フラット35リノベ借入限度額は省エネ性能で変わる。リノベは金利の引下げ住宅ローン控除・リフォーム一体型のローン
リフォーム増改築等の住宅ローン控除/特定改修の税額控除/国の補助金借りるか現金かで使う控除が変わる。補助金は契約前に確認リフォーム代の控除・補助金
入居の翌年確定申告控除は1年目に確定申告が要る順番のチェックリスト

住宅ローン控除の制度全体(控除率0.7%、新築の表、1年目の確定申告)は、住宅ローン控除の借入限度額と控除期間にまとめています。ここでは中古住宅とリフォームに関わるところだけを書きます。

中古住宅の住宅ローン控除:枠は「省エネの証明」と「耐震性」で決まる

中古住宅を住宅ローンで買った場合、2026年(令和8年)から2030年(令和12年)までに入居すると、借入限度額と控除期間は次のとおりです(財務省「令和8年度税制改正の大綱」、国税庁 No.1211-3)。

中古住宅の区分借入限度額子育て世帯等控除期間1年の控除の上限
認定住宅(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅)3,500万円4,500万円13年24.5万円(子育て世帯等31.5万円)
ZEH水準省エネ住宅3,500万円4,500万円13年24.5万円(同31.5万円)
省エネ基準適合住宅2,000万円3,000万円13年14万円(同21万円)
その他の住宅2,000万円—10年14万円

控除額は、年末のローン残高(取得対価の額のほうが少なければその額)×0.7%です。2025年までに入居した中古住宅は、認定住宅等でも3,000万円・10年でした。 2026年以後の入居から、中古の認定住宅等も13年になり、子育て世帯等の上乗せの対象に入りました。

認定住宅等の枠を使うには「証明書」が要る

中古住宅で上の表の上3行を使うには、その性能であることの書類を確定申告に付けます。ZEH水準・省エネ基準適合なら建築士等が発行した「住宅省エネルギー性能証明書」か建設住宅性能評価書の写し、認定長期優良住宅なら認定通知書の写しなどです(国税庁 No.1211-3)。

証明できなければ「その他の住宅」として2,000万円・10年です。 売主が書類を持っているか、証明書を取れるかは、買う前に不動産会社に確かめます。

中古住宅で共通の要件

国税庁 No.1211-3 の主な要件

  • 取得の日から6か月以内に住み始める(リフォームが長引くと間に合わなくなる)
  • 床面積(登記事項証明書の面積)が50㎡以上。40㎡以上50㎡未満は、その年の合計所得金額が1,000万円以下の年だけ。40㎡台の認定住宅等に2026年以後に入居した場合は子育て世帯等の上乗せは使えない
  • その年の合計所得金額が2,000万円以下
  • 返済期間10年以上のローン(親族・知人からの借入は対象外)
  • 生計を一にする親族など特別な関係のある人からの取得、贈与による取得でない
  • 耐震性:1982年(昭和57年)1月1日以後に建築された家。それより前の家は、次のどれかで耐震基準に適合すると証明されたもの

1981年(昭和56年)12月31日以前に建築された家で求められる証明は、次の3つのうちどれかです(国税庁 No.1211-3)。

書類発行する人期限
耐震基準適合証明書建築士・指定確認検査機関・登録住宅性能評価機関・住宅瑕疵担保責任保険法人取得の日前2年以内に調査が終わったもの
建設住宅性能評価書の写し(耐震等級1・2・3)登録住宅性能評価機関取得の日前2年以内に評価されたもの
既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約の付保証明書住宅瑕疵担保責任保険法人取得の日前2年以内に締結したもの

「取得の日前」がポイントです。 引渡しを受けてから証明を取ろうとしても、この3つには当たりません。

みぞれ
みぞれ

古い家を買って、住む前に耐震工事をするつもりなんだけど、もう間に合わないの?

しぐれ
しぐれ

別の道があります。取得の日までに耐震改修をする申請をして、住み始める日(取得から6か月以内)までに改修を終えて証明を受けると、「要耐震改修住宅」として控除を受けられます。ただし枠は2,000万円・10年で、認定住宅等の枠は使えません。

要耐震改修住宅の扱いは国税庁 No.1211-5 にあります。耐震改修の工事費を自分で払う場合の税額控除(後で説明する住宅耐震改修特別控除)とは、どちらか1つを選ぶ扱いです(国税庁 No.1222)。

リフォーム代を借りるなら:増改築等の住宅ローン控除

リフォームの費用をローンで払う場合は、家を買った分とは別に、増改築等の住宅ローン控除の要件を見ます(国税庁 No.1211-4)。

増改築等の住宅ローン控除の主な要件

  • 工事費(補助金を引いた額)が100万円を超え、その2分の1以上が自分の住む部分の工事
  • 対象の工事:増築・改築、建築基準法の大規模の修繕・模様替え、マンションの専有部分の床・階段・壁の過半の修繕、居室・台所・浴室・トイレ・洗面所・納戸・玄関・廊下のどれか一室の床か壁の全部の修繕、耐震・バリアフリー・省エネの一定の改修
  • 工事の日から6か月以内に住み始める
  • 工事後の床面積50㎡以上(40㎡台は合計所得金額1,000万円以下の年だけ)、合計所得金額2,000万円以下
  • 返済期間10年以上のローン
  • 自分が所有し、自分が住む家の工事

控除は年末残高(工事費のほうが少なければその額)×0.7%を10年、1年14万円までです。リフォームのローンが500万円で年末残高が500万円なら、1年目は3万5,000円になります。

家の購入分とリフォーム分の両方を借りるとき

中古住宅の購入と入居前のリフォームの両方にローンを使うと、控除の要件を「取得」と「増改築等」の2つで見ることになります。国税庁の住宅借入金等特別控除Q&A(Q10)では、入居の前でも後でも、取得分と増改築等分の控除をそれぞれ計算して合計し、その合計は異なる取得等ごとに決められた控除限度額のうち最も高い額が限度になるとしています。取得と増改築等が同じ年で、計算明細書の同じ欄を使う場合は、1枚の計算明細書で計算します。具体的な数字は、1年目の確定申告の前に住所地の税務署で確かめてください。

現金で払うなら:リフォーム促進税制(特定改修の税額控除)

ローンを使わなくても、省エネ・バリアフリー・耐震・子育て対応などの工事なら、その年の所得税から一定額を引ける制度があります(国税庁 No.1210)。正式には「住宅特定改修特別税額控除」「住宅耐震改修特別控除」といいます。

工事誰が使えるか控除対象限度額期限
省エネ改修(窓の断熱など)誰でも250万円(太陽光発電を含むと350万円)2028年12月31日までの入居
バリアフリー改修50歳以上、要介護・要支援の認定を受けた人、障害者、65歳以上などの親族と同居する人200万円同上
多世帯同居改修誰でも250万円同上
子育て対応改修40歳未満で配偶者がいる人、40歳以上で40歳未満の配偶者がいる人、19歳未満の扶養親族がいる人250万円同上
耐久性向上改修(耐震か省エネと同時)誰でも250万〜600万円(組み合わせで変わる)同上
耐震改修1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家に住む人250万円2028年12月31日までの工事

(国税庁 No.1219・No.1220・No.1222・No.1224・No.1227・No.1228。令和8年4月1日現在法令等)

控除額は次の式で出します。

控除額 = A×10% + B×5%

  • A:その工事の標準的な費用の額(補助金を引いた額)。控除対象限度額まで
  • B:標準的な費用のうち限度額を超えた部分と、あわせて行ったほかのリフォームの費用の合計(標準的な費用の額まで、かつ1,000万円からAを引いた額まで)

「標準的な費用の額」は、実際に払った工事代金ではありません。工事の種類ごとに国が定めた単価に、工事をした面積や箇所数をかけた額で、建築士等が発行する増改築等工事証明書に書かれます。また、どの工事も標準的な費用(補助金を引いた額)が50万円を超えることが要件です(耐震改修は除く)。耐震改修以外は、自分が所有する家で、工事の日から6か月以内に住み始めることも要件です。工事後の床面積は50㎡以上(40㎡台は2026年以後の入居で合計所得金額1,000万円以下の場合)、合計所得金額は2,000万円以下です。

計算例(省エネ改修だけをした場合)

標準的な費用の額が300万円、補助金なしなら、A=250万円、B=50万円です。控除額は25万円+2万5,000円=27万5,000円になります。 同じ工事で補助金を50万円受けると、標準的な費用は250万円として計算し、A=250万円、B=0円で25万円です。 所得税額が控除額より少なければ、引けるのはその年の所得税額までです。

ローン控除と税額控除、どちらを選ぶか

省エネ・バリアフリー・多世帯同居・子育て対応の工事をローンで払い、増改築等の住宅ローン控除の要件も満たす場合は、どちらか1つを選びます。 一度選んで申告すると、あとから選び直せません(国税庁 No.1219・No.1228の注意事項)。

増改築等の住宅ローン控除特定改修の税額控除
ローン返済期間10年以上が要件なくてもよい
工事の範囲増改築・大規模の修繕・一室の床や壁の全部など、広い省エネ・バリアフリー・耐震・子育て対応などの決まった工事
金額の基年末残高(工事費まで)標準的な費用の額
期間10年(1年14万円まで)1回
繰上げ返済の影響残高が減ると控除も減る受けないあとは影響しない
しぐれ
しぐれ

借りた額が小さい・早く返す予定なら、10年の控除は思ったより小さくなります。逆に借入が大きく長く返すなら、ローン控除の合計が大きくなることがあります。年末残高の見込みで10年分を足して、1回の税額控除と比べてから申告してください。

なお耐震改修の税額控除(住宅耐震改修特別控除)は、増改築等の住宅ローン控除と両方を受けられる扱いです(国税庁 No.1222)。要耐震改修住宅として受ける住宅ローン控除(No.1211-5)とは、どちらか1つです。

中古住宅を買った分の住宅ローン控除(No.1211-3)と、現金で払った特定改修の税額控除の関係について、国税庁のタックスアンサーには選択適用の記載がありません。選択の対象として明記されているのは、増改築等の住宅ローン控除だけです。同じ年に両方を申告するときは、税務署で確かめてから出してください。

国の補助金:みらいエコ住宅2026と先進的窓リノベ2026

2026年度は「住宅省エネ2026キャンペーン」として、リフォームには次の事業が使えます。事業の全体と給湯器の補助は住宅の省エネ関連補助金にまとめています。

みらいエコ住宅2026(リフォーム)先進的窓リノベ2026
対象の住宅2016年(平成28年)12月31日以前に新築された住宅(登記事項証明書で確認)既存住宅
対象の工事開口部・躯体の断熱、エコ住宅設備、子育て対応・防災性向上・バリアフリー改修など。1つの居室で決められた断熱工事をすることが条件窓のガラス交換・内窓・外窓交換、窓と同じ契約のドア交換
上限〜1991年(平成3年)の住宅:100万円または50万円/1992〜2016年の住宅:80万円または40万円(工事の基準で変わる)1戸100万円
下限1回の申請で5万円以上5万円以上
世帯の条件なしなし
期間2025年11月28日以降の着手。交付申請は遅くとも2026年12月31日、予約は遅くとも11月16日2025年11月28日〜遅くとも2026年12月31日の着手

(みらいエコ住宅2026事業 事業概要、先進的窓リノベ2026事業 対象要件の詳細。2026年10月17日時点)

中古住宅のリフォームで補助金を使うときの注意

  • 申請するのは、事業に登録したリフォーム会社などの事業者です。契約する会社が登録しているかを、見積もりの段階で確かめます
  • 窓リノベは、工事請負契約より前に工事に着手すると対象外です
  • どの事業も予算上限に達した時点で受付が終わります。 2026年10月17日時点の申請額の割合は、みらいエコ住宅のリフォームが10%、窓リノベが30%、給湯省エネが51%でした(住宅省エネ2026キャンペーン公式サイト)
  • 国費が入った自治体の補助制度とは併用できません

これから中古住宅を探し始める場合、引渡しとリフォームが2027年にずれ込むことがあります。2027年に着手する工事で使える国の事業は、この記事の時点では決まっていません。来年度予算の中で示されるので、工事の時期が見えたら公式サイトで確かめてください。

補助金と控除は互いに影響します。 住宅ローン控除の基になる取得対価や工事費、特定改修の税額控除の基になる標準的な費用からは、補助金の額を引きます(国税庁 No.1211-3・No.1211-4・No.1219)。確定申告では、補助金の決定通知書などで金額を示します。

リフォーム一体型のローン:フラット35リノベ

住宅金融支援機構の【フラット35】リノベは、中古住宅の購入とあわせて一定のリフォームをすると、フラット35の金利を当初5年間引き下げる制度です。自分でリフォームをする「リフォーム一体タイプ」と、事業者がリフォームした家を買う「買取再販タイプ」があります。

金利Aプラン金利Bプラン
引下げ当初5年間 年1.0%当初5年間 年0.5%
工事後の住宅次のどれかを満たし、その性能に関する工事をしたもの:断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級6以上、断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上、耐震等級2以上、免震建築物、高齢者等配慮対策等級3以上、長期優良住宅、劣化対策等級3かつ維持管理対策等級2以上断熱材の追加、開口部の交換、手すりの設置、屋根・外壁の塗装・防水、壁紙の交換などのどれかの工事
共通インスペクション・瑕疵保険の付保・住宅履歴情報の保存・30年以上の維持保全計画のどれかの措置同じ

(住宅金融支援機構【フラット35】リノベ、住宅の条件。2026年10月17日時点)

機構の試算例では、借入3,000万円・35年・金利2.50%の場合、総返済額の差はAプランで約167万円、Bプランで約83万円です。当サイトで同じ条件を計算し直し、毎月の返済額(当初5年91,855円、6年目以降105,163円など)が一致することを確かめました。

リフォーム一体タイプの資金は、工事が終わってから出る

  • フラット35リノベの資金を受け取れるのは、リフォーム工事が終わり、適合証明の検査を通ったあとです。中古住宅の代金の決済やリフォーム代の分割払いに先にお金が要るときは、取扱金融機関のつなぎ融資を使います(利息と手数料が別にかかります)
  • 工事後に技術基準に適合しないと、リノベの資金は受け取れません
  • リフォーム一体タイプを扱う金融機関は限られます
  • 予算があり、達する見込みになると受付が終わります(終了の3週間前までに告知)
  • 【フラット35】S・維持保全型とは併用できません

つなぎ融資が要る理由とお金の流れは、お金の流れはどう違うかで説明しています。借入額そのものは、借りられる額と返せる額の返済負担率から逆算してください。

登記と不動産取得税:中古は「築年数」で軽減が変わる

登録免許税:建物の移転登記は0.3%

中古住宅の建物の所有権移転登記は、本則2%のところ、住宅用家屋なら0.3%です(国税庁 No.7191。2027年3月31日までの登記)。住宅ローンの抵当権設定登記は0.1%です。

軽減を受けるには、市区町村の「住宅用家屋証明書」を登記の申請書に付けます。中古住宅で証明を受ける要件は次のとおりです(目黒区「住宅用家屋証明 要件」、国土交通省の特例措置の案内)。

中古住宅で登録免許税の軽減を受ける要件

  • 自分が住む家で、床面積50㎡以上
  • 取得後1年以内に移転登記をする
  • 1982年(昭和57年)1月1日以後に建築された家。それより前の家は、耐震基準適合証明書・建設住宅性能評価書(耐震等級1以上)・既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書のどれか

建物の評価額が600万円なら、0.3%で1万8,000円です。軽減がなければ2%で12万円になります。土地の移転登記(1.5%)や司法書士の報酬などは、諸費用の一覧にまとめています。

不動産取得税:控除額は建てられた時期で決まる

中古住宅の不動産取得税は、新築の「1,200万円控除」とは違い、その家が新築された時期で建物の評価額から引ける額が決まります(神奈川県「中古の場合の軽減措置」)。

新築された時期建物の評価額から引ける額
1982年(昭和57年)1月1日〜1985年6月30日420万円
1985年7月1日〜1989年(平成元年)3月31日450万円
1989年4月1日〜1997年(平成9年)3月31日1,000万円
1997年4月1日以降1,200万円

要件は、自分が住む家で床面積40㎡以上240㎡以下(2026年3月31日以前の取得は50㎡以上)であることです。1981年(昭和56年)12月31日以前に新築された家は、取得の日前2年以内の耐震の証明があれば、新築の時期に応じて100万〜420万円を引けます。証明がない古い家でも、取得してから住むまでに耐震改修をして、取得から6か月以内に証明書を出して住み始めれば、税額から3万〜12万6,000円が減額されます。

税率は住宅が3%(2027年3月31日までの取得)です。たとえば1986年に新築された家で、建物の評価額が600万円なら、(600万円−450万円)×3%=4万5,000円です。2006年に新築された家で評価額500万円なら、1,200万円を引くと0円になり、課税されません。

中古住宅の軽減は「申告」で受ける

中古住宅の軽減は、証明書類を付けて特例適用の申告書を都道府県税事務所に出すことで受けます(神奈川県)。東京都は取得から30日以内の申告を求めています(登記を申請した場合は原則不要)。期限と書類は都道府県で違うので、家のある都道府県で確かめてください。

土地の減額(4万5,000円か、1㎡あたりの価格×床面積の2倍〈200㎡まで〉×3%の多いほう)は中古住宅の敷地にもあり、住宅の取得の前後1年以内に土地を取得したことが要件です。計算のしかたと、通知が届く時期・延滞金は不動産取得税の通知が来たらで詳しく書いています(新築の記事ですが、土地の減額と手続きは同じ形です)。

買う前に:インスペクション(建物状況調査)と既存住宅売買瑕疵保険

宅建業法で義務なのは「説明」まで

インスペクション(建物状況調査)は、建物の構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防ぐ部分の状態を、国の講習を修了した建築士が調べるものです(宅地建物取引業法34条の2、同施行規則15条の8)。

宅地建物取引業法で不動産会社に義務づけられているのは、次の3つです。調査をすること自体は義務ではありません。

場面不動産会社がすること根拠
媒介契約契約の書面に、建物状況調査をする人のあっせんに関する事項を書く宅建業法34条の2第1項4号
重要事項説明建物状況調査を実施しているかどうかと、結果の概要を説明する(実施後1年以内のもの。鉄筋コンクリート造などの共同住宅等は2年以内)35条1項6号の2、施行規則16条の2の2
売買契約契約の書面に、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項を書く37条1項2号の2

重要事項説明では、建築確認の書類・検査済証・調査の報告書・建設住宅性能評価書など、設計図書や点検記録の保存の状況も説明の対象です(35条1項6号の2ロ)。リフォームの見積もりや耐震の証明に使う書類なので、どれが残っているかを聞いておくと、後の手続きが楽になります。

既存住宅売買瑕疵保険:検査と保証がセット

既存住宅売買瑕疵保険は、専門の建築士の検査に合格した中古住宅に、保証をつける保険です(国土交通省)。後で構造や雨漏りの欠陥が見つかると、補修費用などの保険金が事業者に支払われ、事業者が倒産しているときは買主に支払われます。

種類誰が保証するか保険期間保険金額
宅建業者販売タイプ売主の宅建業者2年・5年500万円・1,000万円
個人間売買タイプ(検査事業者保証型)検査事業者1年・2年・5年500万円・1,000万円
個人間売買タイプ(仲介事業者保証型)仲介事業者1年・2年・5年200万円・500万円・1,000万円

(国土交通省「保険商品」。対象は構造・防水部分。設備も対象にする特約がある)

保険を引き受けるのは、国土交通大臣が指定した5つの住宅瑕疵担保責任保険法人です。加入している住宅や、検査をする事業者は、国交省のサイトから「登録事業者等の検索サイト」で探せます。

みぞれ
みぞれ

瑕疵保険って、壊れたときのための保険だよね?お金の制度と関係あるの?

しぐれ
しぐれ

あります。取得の日前2年以内に結んだ瑕疵保険の付保証明書は、1981年以前に建てられた家の「耐震基準を満たす証明」として認められています。 住宅ローン控除、登録免許税、不動産取得税のどれにも使えます。古い家を検討するなら、引渡しの前に加入できるかを不動産会社に聞いてください。

契約前から入居まで:順番のチェックリスト

買う前・契約前

  • ☐ 建築された年(1982年1月1日以後か)と床面積を登記事項証明書で確かめた
  • ☐ 1981年以前の家なら、耐震基準適合証明書・建設住宅性能評価書・瑕疵保険の付保証明書のどれを引渡し前に取るかを決めた
  • ☐ 省エネ・長期優良の証明書類が売主にあるか聞いた(住宅ローン控除の枠が変わる)
  • ☐ インスペクションのあっせんの有無と、重要事項説明での結果の概要を確かめた
  • ☐ リフォーム会社が補助金の事業に登録しているかを確かめた
  • ☐ ローンを買う分だけにするか、リフォーム分も借りるか(フラット35リノベを含む)と、つなぎ融資の要否を金融機関に聞いた

リフォーム・入居

  • ☐ 窓リノベなどは、工事請負契約のあとに着手している
  • ☐ 取得の日(増改築は工事の日)から6か月以内に住み始める日程になっている
  • ☐ 税額控除を使う工事は、建築士等に増改築等工事証明書を出してもらう
  • ☐ 登記のときに住宅用家屋証明書を付けた(取得後1年以内)
  • ☐ 不動産取得税の軽減の申告書を、都道府県の期限までに出した

入居の翌年

  • ☐ 住宅ローン控除・リフォームの税額控除は、1年目に確定申告をする
  • ☐ 補助金を受けた額を差し引いて計算し、決定通知書などを用意した
  • ☐ ローン控除と税額控除の両方に当たる工事は、どちらを選ぶかを決めた

1年目の確定申告の書類と手順は、住宅ローン控除1年目の確定申告にまとめています。中古住宅で増える書類は、耐震の証明(1981年以前の家)と、認定住宅等の証明書です。

2026年12月の税制改正大綱で動くところ

ここに書いた制度のうち、次のものは期限が近いか、見直しが要望されています。12月に公表される令和9年度税制改正大綱で、延長や変更が決まります。決まる前の内容は本文に書いていません。

  • 登録免許税の住宅用家屋の軽減(移転登記0.3%など)は2027年3月31日まで。国土交通省は令和9年度税制改正要望で、2年延長と、床面積要件を50㎡から40㎡へ緩めることを要望しています(まだ決まっていません)
  • 不動産取得税の住宅の税率3%と、宅地の課税標準を2分の1にする特例も2027年3月31日まで
  • 耐震改修・特定改修の税額控除は、令和8年度改正で期限が2028年12月31日まで延びました。標準的な工事費用の額は、2027年1月1日以後の工事・入居の分から実績を踏まえて見直すと、令和8年度の大綱に書かれています。見直し後の単価は、この記事の時点では確かめていません(財務省「令和8年度税制改正の大綱」、国税庁 No.1219・No.1222)

大綱が出たら、この記事の表を直します。

まとめ

  • 中古住宅の住宅ローン控除は、2026年以後の入居で認定住宅・ZEH水準3,500万円・13年、省エネ基準適合2,000万円・13年、その他2,000万円・10年(子育て世帯等は上乗せ)。認定住宅等の枠には証明書が要る
  • 耐震性の区切りは1982年1月1日。それより前の家は、取得の日前2年以内の耐震の証明が要る。この区切りは登録免許税・不動産取得税でも同じ
  • リフォーム代は、借りれば増改築等の住宅ローン控除(100万円超・10年・年14万円まで)、現金でも決まった工事なら税額控除(1回)。両方に当たる工事はどちらか1つ
  • 補助金(みらいエコ住宅2026のリフォーム、窓リノベ)は登録事業者が申請。交付申請は遅くとも2026年12月31日、予約は11月16日。補助金の額は控除の基から引く
  • フラット35リノベは当初5年間の金利引下げ。資金は工事完了後に出るので、つなぎ融資の要否を確かめる
  • 建物の移転登記は0.3%、不動産取得税は新築された時期で控除額が決まる。どちらも申請・申告で受ける
  • インスペクションは「説明」が義務で、調査そのものは任意。瑕疵保険の付保証明書は耐震の証明にもなる

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出典

本記事は2026年10月17日時点で公表されている内容に基づいています。補助金の申請額の割合は2026年10月17日時点の概算値です。控除の要件の判定は所轄の税務署、登録免許税は法務局、不動産取得税は都道府県税事務所、補助金は各事業の事務局にご確認ください。

よくある質問

中古住宅でも住宅ローン控除は使えますか?

使えます。2026年以後に入居する場合、借入限度額は認定住宅・ZEH水準省エネ住宅が3,500万円(子育て世帯等は4,500万円)・控除期間13年、省エネ基準適合住宅が2,000万円(同3,000万円)・13年、それ以外の中古住宅が2,000万円・10年です。認定住宅等の枠を使うには、その性能の証明書が要ります。

築40年以上の家は住宅ローン控除の対象外ですか?

築年数の上限はありません。要件は耐震性で、1982年(昭和57年)1月1日以後に建築された家なら登記事項証明書で足ります。それより前の家は、取得の日前2年以内の耐震基準適合証明書・建設住宅性能評価書(耐震等級1以上)・既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書のどれかが要ります。入居までに耐震改修をして証明を受ける方法もあり、その場合は2,000万円・10年の枠になります。

リフォーム代はローンで払うのと現金で払うのと、どちらが税金で有利ですか?

人によって違います。ローンなら増改築等の住宅ローン控除(工事費100万円超、年末残高×0.7%を10年、年14万円まで)、現金でも省エネ・耐震・バリアフリー・子育て対応などの工事なら住宅特定改修特別税額控除(標準的な費用の10%などを1回)が使えます。両方の要件を満たす工事は、どちらか1つを選びます。

補助金をもらうと、控除は減りますか?

減ります。住宅ローン控除の基になる取得対価や工事費用、リフォームの税額控除の基になる標準的な費用からは、国や自治体の補助金の額を差し引きます。

インスペクション(建物状況調査)は義務ですか?

調査そのものは義務ではありません。宅地建物取引業法で義務になっているのは、不動産会社が媒介契約の書面に調査者のあっせんの有無を書くこと、重要事項説明で調査の実施の有無と結果の概要を説明すること(実施後1年以内のもの。鉄筋コンクリート造などの共同住宅等は2年)、契約の書面に構造の状況について当事者の双方が確認した事項を書くことです。