先に結論
- 共働きの住宅ローンは、単独・収入合算(連帯債務型)・収入合算(連帯保証型)・ペアローンの4つ
- 借りられる額は、2人の収入を使う3つ(ペア・連帯債務・連帯保証)で上がる。フラット35の収入合算は、合算する人の年収の全額まで
- 住宅ローン控除を2人とも受けられるのは、ペアローンと連帯債務型。借入限度額が1人ずつにあるので、借入れが多い家ほど差が出る。ただし持分と返済の負担割合をそろえるのが前提で、ずれた分は贈与になりうる
- 団信で消える範囲は組み方で違う。ペアローンは亡くなった人の借入れだけが消え、もう一方は返済を続ける。フラット35の「デュエット」は夫婦の連帯債務のときだけ使える
- ペアローンは契約が2本。印紙税・事務手数料・抵当権の登記がそれぞれにかかる
- 育休・離婚・亡くなったときに家計の誰に何が残るかを、組み方を決める前に並べておく
共働きで家を買うとき、「ペアローンと収入合算、どっちがいいの?」という問いがよく出ます。 答えは、何を優先するかで変わります。借りられる額だけで決めると、控除や団信や離婚のときの扱いで思わぬ差が出ます。
ここでは、住宅金融支援機構の【フラット35】の条件と、国税庁の質疑応答事例を土台に、4つの組み方を5つの項目で比べます。 民間の金融機関の住宅ローンは、商品ごとに扱いが違います。特定の銀行の名前は出さず、確かめる項目として並べます。
4つの組み方を、言葉からそろえる
同じ「収入合算」でも、金融機関によって中身が違います。まず、誰が借りる人(債務者)になるのかで分けます。
| 組み方 | 借りる人 | 契約の本数 | もう1人の立場 |
|---|---|---|---|
| 単独 | 1人 | 1本 | 関わらない |
| 収入合算(連帯債務型) | 2人 | 1本 | 2人とも、借入れの全額を返す義務を負う(連帯債務者) |
| 収入合算(連帯保証型) | 1人 | 1本 | 借りる人が払わないときに払う(連帯保証人) |
| ペアローン | 2人 | 2本 | それぞれが自分の借入れの債務者 |
連帯債務は、民法で次のように決まっています。
債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。
(民法第436条)
つまり連帯債務では、夫婦の間で「夫6・妻4で払う」と決めていても、金融機関はどちらにも全額を請求できます。 連帯保証人は、借りる人(主たる債務者)が払わないときに払う責任を負います(民法第446条)。連帯保証の場合、「先に本人に請求して」と言う権利もありません(同第454条)。
フラット35では「連帯保証型」はありません
フラット35の収入合算は、合算する人が連帯債務者になることが要件です。保証人は要りません。 連帯保証型の収入合算は、民間の金融機関の住宅ローンにある組み方です。扱いの有無と条件は、金融機関ごとに違います。
フラット35にもペアローンがあります。1つの物件に、夫婦・親子・パートナーなどがそれぞれ申し込み、2つの【フラット35】を併せて使う制度です。 取り扱っていない金融機関もあり、2つの借入れは同じ金融機関で申し込む必要があります。
5つの項目で比べると
| 単独 | 収入合算(連帯債務型) | 収入合算(連帯保証型) | ペアローン | |
|---|---|---|---|---|
| ①借りられる額 | 1人の年収で決まる | 2人の年収で決まる(フラット35は合算する人の年収の全額まで) | 2人の年収で決まる(合算できる割合は金融機関ごと) | 2人それぞれの借入れの合計 |
| ②住宅ローン控除 | 借りた人だけ | 2人とも(持分と負担割合の範囲で) | 主たる債務者だけ | 2人とも(それぞれの借入れと持分の範囲で) |
| ③団信 | 借りた人 | フラット35は1人が入るか、2人で「デュエット」 | 誰が入れるかは金融機関で確かめる | それぞれが自分の借入れに入る。亡くなった人の借入れだけが消える |
| ④契約・登記・手数料 | 1本分 | 1本分 | 1本分 | 2本分(印紙税・事務手数料・抵当権の登記がそれぞれ) |
| ⑤離婚のとき | 名義と借入れは1人 | 2人とも全額の返済義務が残る | 保証人の責任が残る | 2本とも残る。家全体に2つの抵当権 |
ここから、項目ごとに中身を見ていきます。
借りられる額:2人の収入を使えば上限は上がる
フラット35の審査の基準は、総返済負担率(すべての借入れの年間返済額が年収に占める割合)です。年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下です(【フラット35】ご利用条件)。 年収は原則として、申込年の前年の収入を証明する公的な書類の金額です。給与だけの人は給与収入の金額になります。
収入合算の条件は、次のとおりです(【フラット35】収入合算)。
フラット35で収入を合算できる人(4つすべて)
- 申込本人の親・子などの直系親族、または配偶者
- 申込時の年齢が満70歳未満
- 申込本人と同居する
- 連帯債務者になる
収入合算できる金額は、収入合算者の年収の全額までです。
(住宅金融支援機構【フラット35】収入合算)
ただし、合算する人の年収の50%を超えて合算すると、本人と合算する人のうち年齢の高いほうを基準に借入期間の上限が決まります。上限は「80歳-申込時の年齢(1年未満切上げ)」と35年の短いほうです。 夫婦の年齢が近ければ影響は小さく、年上の配偶者の収入を多く合算するほど期間が縮みます。
合算で、上限はどれくらい変わるか
夫の年収500万円、妻の年収400万円の共働きで、フラット35の基準(35%)いっぱいまで借りた場合の上限は、次のとおりです(当方計算)。
| 何の年収で判定するか | 年間返済の上限 | 借入額の上限の目安 |
|---|---|---|
| 夫の年収だけ(単独) | 175万円 | 約3,371万円 |
| 夫+妻の年収の半分(200万円) | 245万円 | 約4,719万円 |
| 夫+妻の年収の全額 | 315万円 | 約6,067万円 |
(金利は2026年10月資金受取分のフラット35〈借入期間21〜35年・融資率9割以下〉で最も多い年3.830%、35年・元利均等・ボーナス返済なし・ほかの借入れなしとして計算。審査で使う金利や計算は金融機関で確かめてください)
上限が上がることと、返せることは別の話です
合算して借りた額は、2人の収入が続く前提の返済額です。育休や時短勤務で片方の収入が減っても、毎月の返済額は変わりません。 年収900万円で6,000万円台を借りると、返済は月26万円台になります。 審査の上限と、家計から出す「返せる額」の違いは、「借りられる額」と「返せる額」は違うに書いています。
ペアローンは、それぞれが自分の借入れの申込人です。フラット35のペアローンでは、申込要件は【フラット35】と同じで、2つの借入れの合計額は建設費・購入価額以下に収まる必要があります。 もう一方の借入れを返済負担率の計算に含めるかどうかは、公表されている概要には書かれていません。申し込む金融機関で確かめてください。

じゃあ、多く借りたいならペアローンか収入合算、ってこと?

上限だけならそうなります。でも、上限まで借りるかどうかは別の話です。次の控除と団信で、組み方の差のほうが大きく出ることがあります。
住宅ローン控除:2人とも受けられるのはペアと連帯債務
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、自分の住宅借入金等の年末残高に0.7%を掛けた額を、自分の所得税(引ききれない分は住民税の一部)から引く制度です。 借入限度額と控除の上限は、控除を受ける人ごとに決まっています。
| 組み方 | 控除を受ける人 | 対象になる借入金 |
|---|---|---|
| 単独(単独名義) | 借りた人 | 借入金の全額 |
| 収入合算(連帯債務型)・共有名義 | 2人とも | 自分の持分の取得のために負担する借入金まで。確定申告に付表が要る |
| 収入合算(連帯債務型)・単独名義 | 名義人 | 原則として借入金の総額(国税庁 質疑応答事例) |
| 収入合算(連帯保証型) | 主たる債務者 | 主たる債務者の借入金 |
| ペアローン・共有名義 | 2人とも | それぞれの借入金。ただし自分の持分の取得対価まで |
連帯保証人は借入れの債務者ではありません。保証人の責任は、借りた人が払わないときに払う責任です(民法第446条)。 国税庁の説明は、控除を受ける人が自分の住宅借入金等を持っていることを前提にしています。このため、連帯保証人は控除の対象になる借入金を持たないことになります。
借入れが多い家ほど、2人で受ける差が出る
例として、ZEH水準省エネ住宅を新築し、令和8年に入居した世帯で考えます。子育て世帯等の上乗せがない場合、借入限度額は1人3,500万円、1年目の控除の上限は1人24.5万円です(国税庁 No.1211-1。控除限度額24.5万円=3,500万円×0.7%)。
取得対価5,000万円、頭金なしで5,000万円を借りた場合の、1年目の控除の上限です(当方計算)。
| 組み方 | 控除の対象 | 1年目の上限 |
|---|---|---|
| 夫の単独(夫の単独名義) | 3,500万円(限度額で頭打ち) | 24.5万円 |
| ペアローン 夫3,000万円・妻2,000万円(持分も3:2) | 夫3,000万円+妻2,000万円 | 21万円+14万円=35万円 |
| 連帯債務 負担割合3:2(持分も3:2) | 同上 | 35万円 |
| 連帯保証型(夫が主たる債務者・夫の単独名義) | 3,500万円 | 24.5万円 |
(年末残高は返すほど減るので、2年目以降の控除は下がります。2人分を受けられるのは、それぞれの所得税と住民税から引ききれる場合です)
引ききれない分は、消えます
控除できるのは、その人の所得税の額までです。引ききれない分は翌年度の住民税から引けますが、前年分の所得税の課税総所得金額等の5%(97,500円が限度)までです(総務省「個人住民税の住宅ローン控除」)。 育休中に受け取る育児休業給付は非課税なので、育休で給与が減った年は所得税が小さくなります。その人の名義の控除が引ききれず、消える部分が出ることがあります。
持分と負担割合がずれると、贈与になりうる
共有の場合、控除の計算に使う取得対価は家屋全体の取得対価×自分の持分です(国税庁 質疑応答事例「共有住宅の取得対価の額」)。 自分の借入れが自分の持分の取得対価を超えると、超えた分は控除の対象になりません。
国税庁の質疑応答事例には、夫婦2分の1ずつの共有で、借入金4,000万円を夫6・妻4で負担する連帯債務の例があります。夫が負担する2,400万円のうち、控除の対象は自分の持分の取得に充てる2,000万円までです。残りの400万円は、夫が妻の持分のために負担した分になります。 この事例には、次の注があります。
(注) 連帯債務の負担割合は、所得金額等に応じて合理的に定める必要があり、夫が妻に代わって負担する借入金は、夫から妻に対する贈与となります(昭34.6.16直資58「共かせぎ夫婦の間における住宅資金等の贈与の取扱について」)。
(国税庁 質疑応答事例「共有の家屋を連帯債務により取得した場合の借入金の額の計算」)
この事例は連帯債務ですが、単独のローンで共有名義にする場合も、借りた人がもう1人の持分の分まで返す形になる点は同じです。 持分は、それぞれが出すお金(頭金+自分が負担する借入れ)の割合に合わせるのが基本です。持分は登記のときに決まるので、ローンの組み方と同時に決めておきます。
共有名義の確定申告で書類がどう増えるか、どこでつまずくかは、住宅ローン控除1年目の確定申告の「共有名義・ペアローン・連帯債務」に書いています。
団信:誰に万一があったら、いくら消えるか
団信(団体信用生命保険)は、加入した人が亡くなったときなどに、残りのローンを保険金で返す保険です。組み方によって、誰が入れて、何が消えるかが変わります。
フラット35の新機構団信では、連帯債務の夫婦は、どちらか1人が入るか、2人で「デュエット」(ペア連生団信)に入るかを選べます。 デュエットなら、どちらかに万一があったとき、住宅の持分や返済割合にかかわらず、以後のフラット35の返済が不要になります。戸籍上の夫婦のほか、婚約関係・内縁関係・同性パートナーの関係にある人も使えます。
| 組み方(フラット35) | 夫に万一があったとき | 妻に万一があったとき |
|---|---|---|
| 連帯債務・夫だけが団信 | 残りの返済が不要 | ローンはそのまま残る |
| 連帯債務・デュエット | 残りの返済が不要 | 残りの返済が不要 |
| ペアローン・それぞれ団信 | 夫の借入れが消える。妻は自分の借入れを返し続ける | 妻の借入れが消える。夫は自分の借入れを返し続ける |
ペアローンでは、2つの借入れそれぞれに別々に団信を申し込みます。片方だけ3大疾病付にすることも、片方だけ入ることもできます。ただし、デュエットには条件があります。
※ペア連生団信は、2つの融資のうち、夫婦等を連帯債務とするお申込みがある場合に限り加入申込みが可能です。
(住宅金融支援機構【フラット35】ペアローンの概要)
デュエットは、フラット35の金利に年0.18%上乗せされます(2026年10月資金受取分の金利情報の注記)。新3大疾病付機構団信では、デュエットは使えません。

ペアローンなら、2人とも団信に入るから安心だよね?

入っていても、消えるのは亡くなった人の借入れだけです。残された人は、自分の借入れを1人の収入で返していくことになります。
団信の保障と生命保険の重なり、デュエットの上乗せが毎月の返済でいくらになるかは、団信に入ったら、生命保険はいくら減らせるかで計算しています。
登記・諸費用:ペアローンは契約が2本
フラット35のペアローンの注意事項には、ローン契約が個別に必要になるため、それぞれに抵当権設定の登記費用や事務手数料等がかかると書かれています。 フラット35の収入合算のページは、収入合算が向く人の1つに「事務手数料などを節約したい方」を挙げています。
| 費用 | 1本(単独・収入合算) | 2本(ペアローン) |
|---|---|---|
| 金銭消費貸借契約書の印紙税 | 1通分 | 2通分 |
| 抵当権の設定登記 | 1件 | 2件 |
| 融資の事務手数料 | 1回分 | 2回分 |
| 返済口座 | 1つ | 2つ |
借入れ5,000万円で、具体的な額を比べます。
- 印紙税:書面の金銭消費貸借契約書は、1千万円超5千万円以下で1通2万円です(国税庁 No.7140)。5,000万円1本なら2万円、3,000万円と2,000万円の2本なら2万円+2万円で4万円
- 登録免許税:抵当権の設定登記の税額は、債権金額(借入額)に税率を掛けて出します(登録免許税法 別表第一)。住宅用家屋の軽減税率は0.1%(令和9年3月31日まで。床面積50㎡以上などの要件あり。国税庁 No.7191)。1本でも2本でも、借入額の合計が同じなら税額の合計は5万円で同じです
- 事務手数料・司法書士の報酬:金融機関や司法書士ごとに違います。ペアローンで2件分になる費用を、見積もりで確かめてください
2本でも、物件検査は1回分
フラット35のペアローンでは、物件検査の適合証明書は2つの融資について1通で差し支えないとされています。
所有権の保存登記(家の名義の登記)は、共有にするかどうかで決まります。ローンの組み方とは別の話です。 諸費用全体の一覧と見積もり方は、注文住宅の諸費用はいくら?にまとめています。
育休・離婚・亡くなったとき
組み方の差がいちばん出るのは、借りたあとに家計の形が変わったときです。
育休・時短で、片方の収入が減ったとき
どの組み方でも、毎月の返済額は収入に合わせて減りません。 ペアローンは2本の返済口座が分かれています。収入が減った人の口座に、もう一方からお金を移す場面が出ます。連帯債務も、2人の収入を合わせた前提の返済額です。
控除の面では、住宅ローン控除の節で書いたとおり、育休の年は所得税が小さくなり、その人の控除が引ききれないことがあります。 フラット35の年収は原則として申込年の前年の収入で見ます。育休中や育休明けに申し込む場合に、どの時点の収入で審査するかは、金融機関で確かめてください。
育休中の家計がどう動くか(給付は非課税、社会保険料の免除、翌年の住民税)は、夫婦で同時に1年育休を取ったに書いています。
離婚したとき
離婚しても、金融機関との借入れの契約は変わりません。 夫婦の間で「家に住む人が払う」と決めても、それは2人の間の約束です。
- 連帯債務:2人とも、金融機関から全額を請求される立場のままです(民法第436条)
- 連帯保証:保証人の責任が残ります
- ペアローン:2本の借入れがそのまま残ります。フラット35のペアローンでは、家と敷地の全体に、2つの借入れそれぞれの抵当権が同じ順位で設定されています。片方が出ていっても、その人の借入れの抵当権は家全体にかかったままです
さらに、フラット35のペアローンの注意事項には、次の一文があります。
一方のお客さまが返済を怠ったときなど、債務について一括返済を求められることとなった場合は、もう一方のお客さまも、ご自身の債務について一括返済を求められることになります。
(住宅金融支援機構【フラット35】ペアローン)
ペアローンは「2本の別々のローン」ですが、片方の延滞が、もう片方に及ぶつくりです。
借入れの名義を1人にまとめる、借り換える、売却するといった組み直しは、金融機関との手続きになります。条件は金融機関ごとに違います。
税の面では、国税庁の質疑応答事例に参考になる例があります。共有・連帯債務で買った家について、離婚の財産分与で相手の持分を取得し、新たな借入れで元の連帯債務を返した例です。
追加取得したマンションの持分について、併せて住宅借入金等特別控除の適用を受けることができます。
(国税庁 質疑応答事例「共有持分を追加取得した場合の住宅借入金等特別控除」)
その年は年末調整では受けられず、確定申告が要ります。生計を一にする親族からの取得は対象外という注もあります。
亡くなったとき
団信の節の表のとおり、団信で消えるのは団信に入っていた人の借入れです。 団信で返済されない借入れは残ります。亡くなった人の借入れは、相続人が引き継ぐ対象になります(民法第896条)。

「2人とも団信に入っている」と「どちらに何があってもローンが消える」は、同じではありません。組み方ごとに、表の空欄を自分の家で埋めてみてください。
民間の金融機関で確かめること
民間の金融機関の住宅ローンは、ペアローン・収入合算の扱いが商品ごとに違います。フラット35の条件をそのまま当てはめず、次の項目を借入先で確かめます。
申し込む前に確かめる項目
- 収入合算は連帯債務型か、連帯保証型か。両方あるなら、どちらを選べるか
- 合算できるのは相手の年収の何割までか。パート・契約社員・育休中の収入は合算の対象になるか
- ペアローンで、相手の借入れを自分の返済負担率に含めて審査するか
- 団信に2人とも入れるか。連帯債務で2人を保障する団信はあるか、その費用(金利の上乗せ)はいくらか
- ペアローンの事務手数料・保証料・登記の費用は、2本でそれぞれいくらか
- 片方が延滞したとき、もう一方の借入れにどう影響するか
- 育休中・育休明けに申し込む場合、どの時点の収入で審査するか
- 将来、借入れを1人の名義にまとめたいとき、どんな手続きと条件になるか
金融機関に聞くときは、「ペアローンと収入合算、どっちがいいですか」ではなく、この項目を1つずつ聞くほうが、答えが比べられる形で返ってきます。
営業担当がお客様と確かめておくこと
住宅会社の営業担当の方が、資金計画の段階で確かめておくと、あとで手戻りが少ない項目です。
資金計画の段階で
- 2人の収入を使うか、使うならどの組み方か(「収入合算」だけでは型が分からない)
- 持分の割合を、頭金と借入れの負担割合から決めたか。登記の前に決まる
- 育休・時短の予定があるか。あるなら、その間の返済と控除がどうなるかを話したか
- 団信で誰に何があったら、いくら残るかを、お客様が答えられるか
- 審査の上限ではなく、家計から出した返せる額で借入額を決めたか
まとめ
- 共働きの組み方は、単独・収入合算(連帯債務型/連帯保証型)・ペアローンの4つ。フラット35の収入合算は連帯債務型だけ
- 借りられる額は、2人の収入を使うほど上がる。上がった分は、2人の収入が続く前提の返済になる
- 住宅ローン控除を2人とも受けられるのは、ペアローンと連帯債務型。借入限度額は1人ずつ。持分と負担割合をそろえ、ずれた分は贈与になりうる
- 団信で消えるのは、入っていた人の借入れだけ。デュエットは夫婦の連帯債務のときだけ
- ペアローンは契約が2本。印紙税・事務手数料・抵当権の登記がそれぞれにかかる。登録免許税の合計は借入額が同じなら変わらない
- 離婚しても借入れの契約は変わらない。ペアローンは片方の延滞がもう片方に及ぶ
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- 注文住宅の諸費用はいくら?土地あり・土地なし別の一覧
出典
- 住宅金融支援機構【フラット35】ご利用条件
- 住宅金融支援機構【フラット35】収入合算
- 住宅金融支援機構【フラット35】ペアローン
- 住宅金融支援機構【フラット35】ペアローンの概要(2026年4月1日現在)
- 住宅金融支援機構【フラット35】よくある質問(Q&A番号377 共有の名義)
- 住宅金融支援機構【フラット35】新機構団信の加入要件・保障内容
- 住宅金融支援機構【フラット35】団信 ご加入の手続・ご注意点
- 住宅金融支援機構【フラット35】最新の金利情報(2026年10月資金受取分)
- 国税庁 タックスアンサーNo.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
- 国税庁 タックスアンサーNo.1225 住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等
- 国税庁 質疑応答事例「共有住宅の取得対価の額」
- 国税庁 質疑応答事例「共有の家屋を連帯債務により取得した場合の借入金の額の計算」
- 国税庁 質疑応答事例「連帯債務により家屋を取得し単独所有とした場合の借入金の額の計算」
- 国税庁 質疑応答事例「共有持分を追加取得した場合の住宅借入金等特別控除」
- 総務省「個人住民税の住宅ローン控除がうけられる場合があります」
- 国税庁 タックスアンサーNo.7191 登録免許税の税額表
- 国税庁 タックスアンサーNo.7140 印紙税額の一覧表(その1)
- e-Gov法令検索「登録免許税法」(別表第一 一(五))
- e-Gov法令検索「民法」(第436条・第446条・第454条・第896条)
本記事は2026年10月16日時点で公表されている内容に基づいています。住宅ローン控除の借入限度額、登録免許税・印紙税の軽減は、2026年12月の令和9年度税制改正大綱で見直される可能性があります。フラット35の金利は毎月変わります。民間金融機関の住宅ローンの条件は商品ごとに違います。個別の借入れ・税の判断は、借入先の金融機関・税務署にご確認ください。
よくある質問
ペアローンと収入合算は、どちらが多く借りられますか?
収入合算もペアローンも、2人の収入を使って借りるので、単独より上限は上がります。どちらが多いかは、金融機関が合算を年収の何割まで認めるか、ペアローンで相手の借入れを返済負担率に含めるかで変わります。フラット35の収入合算は、合算する人の年収の全額まで合算できます。
住宅ローン控除を夫婦2人とも受けられるのはどの組み方ですか?
ペアローンと、収入合算のうち連帯債務型です。どちらも、それぞれが家の持分を持ち、自分が負担する借入金について控除を受けます。収入合算の連帯保証型は、保証人は借入れの債務者ではないため、控除を受けるのは主たる債務者だけです。
ペアローンで夫婦どちらかが亡くなったら、ローンは全部なくなりますか?
なくなるのは、亡くなった人の借入れのうち、その人が団信に入っていた分だけです。もう一方の人は、自分の借入れを返し続けます。フラット35では、夫婦の連帯債務で「デュエット」に入ると、どちらかに万一があったときに以後の返済が不要になります。
離婚したら、ペアローンや連帯債務はどうなりますか?
離婚しても、金融機関との借入れの契約はそのまま続きます。夫婦の間で「どちらが払う」と決めても、連帯債務者は金融機関から全額の返済を求められる立場のままです。借入れの組み直しは、金融機関との手続きになります。



