転職・収入減と住宅ローン|返済が苦しくなる前にできること

転職・収入減と住宅ローン|返済が苦しくなる前にできることのイメージ家と住宅ローン

先に結論

  • 借りる前の転職は、審査で勤続年数を見られます。9割以上の金融機関が審査項目にしています
  • ただし基準は「1年以上」が661機関、「3年以上」が121機関とばらばらです(国土交通省の調査)
  • 借りたあとの転職で返済額は変わりません。変わるのは家計です。年収が2割下がれば、返済負担率は2割増しになります
  • 苦しくなりそうなら、延滞する前に、返済中の金融機関に返済条件の変更を相談します。金融庁は金融機関に、返済猶予などの条件変更に迅速かつ柔軟に対応するよう求めています
  • フラット35には返済方法変更メニュー(期間の延長・一定期間の減額・ボーナス返済の見直し)があり、手数料はかかりません。ただし総返済額は増えることがあります
  • 失業したら雇用保険の基本手当を返済にあてる計算をします。額面の月給の6割前後が目安で、自己都合なら受け取り始めは申込みから1か月以上あとです
  • 住宅ローン控除はその年の12月31日まで住んでいることが条件です。家族ごと転居すると、その年から止まります

転職を考えている、あるいは会社の業績が落ちて収入が減った。家のローンが残っていると、まず浮かぶのは「払えるだろうか」という不安です。

この記事は、「払えなくなった」より手前の話をします。借りる前の転職、借りたあとの転職と収入減、失業したときに、何をどの順番で確かめればよいかを、公的機関の資料で整理しました。

すでに延滞が続いている、家を売ることを考えている、という段階なら、先に住宅ローンが払えなくなったらを読んでください。

  1. 借りる前の転職:審査で見られるのは勤続年数と年収の数え方
    1. 9割以上の金融機関が、勤続年数を見ている
    2. フラット35は、転職後の給与を割り戻して年収にする
    3. 事前審査のあとに転職するなら、先に伝える
  2. 借りたあとの転職:変わるのは返済額ではなく家計
    1. 審査は借りるときのもの
    2. 年収が下がると、返済負担率はこう動く
  3. 収入が減ったら:まず返済中の金融機関に相談する
    1. 金融庁は、条件変更への柔軟な対応を求めている
    2. 延滞する前に相談する理由
  4. フラット35の返済方法変更メニュー
    1. 3つのタイプ
    2. Aタイプ(返済期間の延長など)の条件
    3. Cタイプ(ボーナス返済の見直し)の例
    4. 総返済額は増えることがある
  5. 失業したとき:雇用保険で何か月つなげるか
    1. 基本手当は、額面の月給の6割前後が目安
    2. 受け取り始めは、思ったより遅い
  6. 住宅ローン控除が続く条件:住んでいること
    1. 12月31日まで住んでいれば続く
    2. 転職で引っ越すとき
  7. 相談窓口
  8. 「払えなくなったら」の手前で動く順番
  9. まとめ
  10. 関連記事
  11. よくある質問
    1. 転職したばかりでも住宅ローンは借りられますか?
    2. 借りたあとで転職したら、住宅ローンはどうなりますか?
    3. 返済を待ってもらったり、減らしてもらったりできますか?
    4. 転職で引っ越すと、住宅ローン控除はなくなりますか?

借りる前の転職:審査で見られるのは勤続年数と年収の数え方

9割以上の金融機関が、勤続年数を見ている

国土交通省は、民間金融機関の住宅ローンの審査のやり方を調べて公表しています。令和7年度の調査(令和8年3月公表)では、回答した994機関のうち933機関(93.9%)が勤続年数を審査項目にしています。

その933機関に「具体的な基準」を聞いた結果です(複数回答)。

勤続年数の基準機関の数
1年以上661
3年以上121
2年以上45
その他183

(国土交通省「令和7年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」。令和8年6月の正誤表で修正された後の値)

「1年以上」がもっとも多く、「3年以上」とする機関もあります。 同じ転職直後でも、どこに申し込むかで扱いが変わるということです。

みぞれ
みぞれ

じゃあ、転職して1年たてば大丈夫ってこと?

しぐれ
しぐれ

「何年なら通る」という線はありません。 勤続年数は審査項目の一つで、年収や返済負担率、ほかの借入れと合わせて見られます。

フラット35は、転職後の給与を割り戻して年収にする

フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が組んで出している全期間固定金利のローンです。年収は、原則として申込みの前年の収入を証明する公的書類の金額を使います。

転職したばかりの人には、別の扱いがあります。勤務先に転職後の収入を証明する書類を作ってもらい、支給された月数で割り戻した額を年収とみなします。 申込日からさかのぼって12か月分以上の給与を受けていれば、割り戻さずにその12か月分を年収とします(フラット35 Q&A番号390)。

ここから分かるのは、転職で年収が下がったなら、審査も下がった年収で行われるということです。前の会社の年収で借入額を考えていると、計画が合わなくなります。

勤続年数については、私の実感も書いておきます。私が家づくりの相談窓口で住宅アドバイザーをしていた8年間に見てきた実務では、勤続1年以上かどうかはまったく関係ありませんでした。調査では「1年以上」を挙げる機関がいちばん多いものの、極端にいえば、転職後の給与明細が1か月分あれば、審査の土台には乗ります。ただし、土台に乗るのと通るのは別の話です。上のとおり、年収は転職後の給与で数え直されます。

会社員をやめて独立する場合は、話が変わります。私の実感では、住宅ローンで厳しいのは自営業や会社の経営者の方でした(フリーターの方も厳しいのですが、自営業の方よりはまだよい印象です)。フラット35では、給与収入だけの人以外は、事業所得などを合わせた所得金額で年収を数えます。収入の証明は、前年と前々年の納税証明書(所得金額用)と確定申告書の写しなどです(【フラット35】ご利用条件、融資手続・必要書類)。

事前審査のあとに転職するなら、先に伝える

事前審査に通ったあとでも、本審査は申込みの時点の状況で見直されます。転職・退職・休職は、勤続年数と年収の数え方が変わるので、本審査の前に金融機関に伝えておきます。 手順は住宅ローンの事前審査と本審査に書いています。

借入額は、転職後の手取りの月収から組み立て直します。考え方は「借りられる額」と「返せる額」は違うにあります。

借りたあとの転職:変わるのは返済額ではなく家計

審査は借りるときのもの

住宅ローンの審査は、借りるときに行われます。借りたあとで転職しても、それだけで毎月の返済額が変わるわけではありません。 契約した返済予定のまま続きます。

ただし、金銭消費貸借契約(ローンの契約書)に、勤務先や住所が変わったときの届出の定めが置かれていることがあります。自分の契約書で確かめてください。 勤務先との提携で金利の優遇を受けている場合も、転職後の扱いを金融機関に聞いておきます。

年収が下がると、返済負担率はこう動く

変わるのは家計の側です。たとえば、毎月11万円(年132万円)を返していて、年収が550万円から440万円に下がった場合です。

年収年間返済額返済負担率
転職前550万円132万円24.0%
転職後(2割減)440万円132万円30.0%

(当方で計算。返済負担率=年間返済額÷年収)

年収が2割減ると、返済負担率は2割増し(24%→30%)になります。 審査のときに余裕があった人でも、ここで家計の見え方が変わります。

ボーナスの多い会社から少ない会社に移ると、ボーナス返済が先に重くなります。ボーナス返済を併用している人は、転職先の賞与の見込みと、ボーナス月の返済額を並べてみてください。

しぐれ
しぐれ

内定の前に、「転職後の手取り」と「毎月・ボーナス月の返済額」を1枚に並べてみてください。条件交渉で何を確かめればよいかが見えます。

収入が減ったら:まず返済中の金融機関に相談する

金融庁は、条件変更への柔軟な対応を求めている

金融庁は令和7年11月27日、資金需要の高まる年末・年度末を前に、金融機関の業界団体へ要請を出しました。その中に、住宅ローンについての1項目があります。

住宅ローンやその他の個人ローンについて、丁寧な相談対応や顧客の状況、ニーズに応じた返済猶予等の条件変更の迅速かつ柔軟な対応を行い、生活・暮らしの支援に努めること。

金融庁「金融の円滑化に向けた取組及び事業者支援の徹底について」(令和7年11月27日)「5.住宅ローン等」より。

金融機関を監督するときの指針(中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針)にも、同じ考え方があります。住宅ローン借入者など個々の借り手の状況をきめ細かく把握し、貸付けの条件の変更等に努めているかが、監督で見る点の一つです。

ここで押さえておきたいのは、これは金融機関に向けた要請と監督の着眼点だということです。条件変更をするかどうか、どういう条件にするかは、相談を受けた金融機関が判断します。「相談すれば変えてもらえる」という約束ではありません。

それでも、相談を受けること自体を、金融庁は金融機関の役割として求めています。 遠慮して黙っている理由はありません。

延滞する前に相談する理由

延滞が起きると、信用情報機関に記録が残ります。指定信用情報機関のCICは、保有する情報に「異動(延滞・保証履行・破産)の有無」を挙げています。

延滞が続いたあとの流れ(期限の利益の喪失、保証会社による代位弁済)は、住宅ローンが払えなくなったらに書きました。保証会社が代わりに払ったあとは、個人再生の住宅資金特別条項に6か月の期限がかかります。

相談は、返済日に引き落とせなくなる前に行います。 選べる手が多いのは、延滞が始まる前です。

しぐれ
しぐれ

返済方法の変更には、変更したあとも返済を続けられることが前提になります。延滞が積み上がってからでは、その見込みを示しにくくなります。

フラット35の返済方法変更メニュー

フラット35や旧住宅金融公庫の融資で返している人は、住宅金融支援機構の返済方法変更メニューを使えます。申請するのは機構ではなく、返済中の金融機関(融資を申し込んだ金融機関)です。チラシでは機構の各支店でも相談を受けるとしています。

3つのタイプ

タイプ内容想定している状況手数料
Aタイプ返済期間の延長など離職や病気などで収入が減り、返済が大変になった不要
Bタイプ一定期間、返済額を減らす教育費や医療費などで、しばらく支出が増える不要
Cタイプボーナス返済月の変更、毎月分とボーナス分の内訳変更、ボーナス返済の取り止めボーナス返済が負担になっている不要

(住宅金融支援機構「月々の返済でお困りになったとき」「返済方法変更メニュー」。2026年10月17日時点の公表内容)

タイプは組み合わせられます。ただしAタイプで元金の支払いを一時休止する場合は、Bタイプとは組み合わせられません。

機構は、どのタイプも次の条件をつけています。

返済方法変更のご利用に当たっては返済方法変更中及び変更期間終了後についてご返済の継続が可能であることを確認させていただきます。

住宅金融支援機構「月々の返済でお困りになったとき」より。審査があり、希望どおりにならないこともあります。

Aタイプ(返済期間の延長など)の条件

Aタイプは、次の3つすべてに当てはまる人が対象です。

  1. 離職や病気などの事情で返済が難しくなっている
  2. 下の収入の基準のいずれかに当てはまる
  3. 返済方法を変えれば、今後の返済を続けられる

2つ目の収入の基準は、次の3つです。どれか1つに当てはまれば足ります。

  • 年収が、機構への年間の返済額の4倍以下
  • 月収が、世帯の人数×64,000円以下
  • 住宅ローン(民間の住宅ローンも含む)の返済負担率が下の表の率を超え、かつ収入が20%以上減った
年収300万円未満300万円以上400万円未満400万円以上700万円未満700万円以上
返済負担率30%35%40%45%

ここでいう「離職等」には、機構の説明でリストラによる転職・退職・出向による減収、業績悪化による給与・ボーナスの減収、残業が減ったことによる減収が挙げられています。

できることは次のとおりです。

  • 返済期間の延長(最長15年。完済時の年齢の上限は80歳)
  • 現に失業中の人、または収入が20%以上減った人は、加えて元金の支払いを止めて利息だけを払う期間(最長3年)を設けられます

「収入が20%減った」は、前々年と前年で比べます

機構のチラシでは、収入減少割合は(前々年の収入額-前年の収入額)÷前々年の収入額×100で計算します。申請には、本人(連帯債務者を含む)の前年と前々年の公的な収入証明書を出します。

年の途中で転職して収入が下がった場合、その下がり方が「前年の収入」として数字に出るのは翌年です。今年の減収をどう扱うかは、相談の段階で金融機関に聞いてください。

先ほどの例(年間返済132万円、年収550万円→440万円)を、この基準に当ててみます。返済先がすべて機構だとすると、年収440万円は年間返済額の4倍(528万円)以下なので、1つ目の収入基準に当てはまります。 3つ目は、返済負担率30%が年収400万円以上700万円未満の40%を超えないので、当てはまりません。基準はいずれか1つでよいので、収入の基準は満たします(当方の試算。実際の適用は審査で決まります)。

Cタイプ(ボーナス返済の見直し)の例

転職でボーナスが減った人に関係するのがCタイプです。機構が示している計算例を引きます。

融資額2,000万円(毎月分1,400万円・ボーナス分600万円)、金利3.00%、35年返済で、返済開始から4年たった時点で変更した場合です。

毎月の返済ボーナス月の上乗せ
変更前53,879円139,034円
内訳を変更62,707円85,861円
ボーナス返済を取り止め76,964円0円

(住宅金融支援機構「返済方法変更メニュー」の計算例)

ボーナス月の負担を減らすと、毎月の返済が増えます。 月々の家計に余裕があるかを先に確かめてから選びます。

総返済額は増えることがある

機構は、返済方法を変えると総返済額が増えることがあると明記しています。期間を延ばせば毎月の返済は減りますが、利息を払う期間が延びるためです。

チラシには、延長したあとで家計にゆとりができたら、いったん延ばした返済期間を短くして総返済額を抑えられるとも書かれています。延長は一度決めたら終わりではありません。

失業したとき:雇用保険で何か月つなげるか

基本手当は、額面の月給の6割前後が目安

会社を辞めて次が決まっていない期間は、雇用保険の基本手当(いわゆる失業保険)が収入の柱になります。1日あたりの額は、離職前6か月の賃金(賞与を除く)から出した賃金日額の50〜80%(60〜64歳は45〜80%)です。2026年8月1日からの上限は、年齢により7,450円〜9,110円です。

たとえば30〜44歳で、賞与を除く賃金が毎月30万円だった人は、基本手当日額が6,307円です。4週間(28日)分で176,596円、自己都合の90日分で約57万円になります。計算のしかたと上限額の表は失業保険はいくら・いつから・何日分にあります。

受け取り始めは、思ったより遅い

ハローワークに申し込んでから、7日間の待期があります。正当な理由のない自己都合の離職なら、さらに原則1か月の給付制限がかかります(2025年4月1日以降の離職)。その間も返済日は来ます。

辞める前に並べておく数字

  • ☐ 毎月の返済額と、ボーナス月の返済額
  • ☐ 基本手当日額の見込み(離職前6か月の給与明細から)
  • ☐ 所定給付日数(自己都合なら90・120・150日のどれか)
  • ☐ 受け取り始めるまでの期間(待期7日+給付制限)
  • ☐ その間を埋める貯金が何か月分あるか

退職後は健康保険・年金・住民税の支払い方も変わります。期限の短い順の手続きは退職前後の手続きチェックリストにまとめました。早く再就職が決まった場合の再就職手当は一度きりの一時金なので、毎月の返済の見通しには入れないでください。

失業中の人は、フラット35のAタイプで元金の支払いを止める期間(最長3年)を設けられる対象に入ります。 基本手当で何か月つなげるかが見えた段階で、返済中の金融機関に相談します。

住宅ローン控除が続く条件:住んでいること

12月31日まで住んでいれば続く

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、控除を受ける年の12月31日まで引き続き住んでいることが要件です(国税庁 No.1211-1)。転職しただけなら、住み続けている限り控除は続きます。

転職した年は、年末に勤めている会社で年末調整を受けます。年の途中で辞めて年末に勤め先がないときは年末調整がないので、住宅ローン控除も確定申告で受けます。 手順は退職した年の確定申告に書きました。

収入が下がって所得税が少なくなると、所得税から控除しきれない額が出ます。その分は翌年度の住民税から引かれますが、上限があります(課税総所得金額等の5%、最高9.75万円)。控除額の見通しは住宅ローン控除の借入限度額と控除期間で確かめてください。

転職で引っ越すとき

国税庁 No.1234 は、転勤などで住めなくなった場合の扱いを示しています。

状況控除
本人だけが離れて暮らし、家族が住み続ける(単身赴任など)続けて受けられる(やむを得ない事情が解消したら本人も一緒に住むと認められることが条件)
家族ごと住まなくなった住まなくなった年から受けられない
勤務先からの転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由で家族ごと住まなくなり、届出をしていた再び住んだ年から、残りの控除期間について再び受けられる(期間は延びない)

再適用を受けるには、住まなくなる日までに「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」を家の所在地の税務署に出しておきます。

転職に伴う引っ越しが「転任の命令」に当たるかは、資料に書かれていません

No.1234 の要件は「勤務先からの転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由」です。自分で選んだ転職に伴う引っ越しがこれに当たるかどうかは、国税庁の説明には書かれていません。家族ごと引っ越す前に、税務署に確かめてください。

相談窓口

窓口何を相談するか連絡先
返済中の金融機関返済条件の変更の相談と申込み。まずここ金融機関の住宅ローンの窓口
住宅金融支援機構の支店フラット35・旧公庫の返済方法変更の相談(申請は金融機関)機構の各支店
金融庁 金融サービス利用者相談室金融機関との個別のトラブルについて、論点の整理や他機関の紹介。あっせん・仲介はしない0570-016811(IP電話は03-5251-6811)、平日10時〜17時
消費生活センター(消費者ホットライン)契約や勧誘のトラブル、どこに相談すればよいか分からないとき188。土日祝は国民生活センターにつながる場合がある
法テラス・サポートダイヤル住宅ローン以外の借金もあって整理が必要なときの、法制度と相談先の案内0570-078374(IP電話等は03-6745-5600)、平日9時〜21時・土曜9時〜17時。利用料0円(通話料はかかる)

(各機関の公式ページ。2026年10月17日時点)

法テラスのオペレーターは、個別の法律相談はしません。法制度や相談先を紹介する窓口です。弁護士・司法書士の費用を立て替える制度もあり、収入と資産が一定の基準以下であることが条件です。住宅ローンを払っている人は、収入から一定額を差し引いて判定できます(たとえば4人家族なら月71,000円まで、東京都特別区は92,000円まで)。

金融庁の相談室は、多重債務の相談窓口として、財務局・都道府県・市区町村・法テラス・弁護士会などを案内しています。

「払えなくなったら」の手前で動く順番

順番

  1. 数字を並べる … 転職後(または失業中)の手取り、毎月とボーナス月の返済額、貯金で何か月もつか
  2. 延滞する前に、返済中の金融機関に相談する … 返済期間の延長、一定期間の減額、ボーナス返済の見直し。フラット35なら返済方法変更メニュー(手数料不要)
  3. 失業したら、雇用保険の手続きを急ぐ … 待期と給付制限のぶん、受け取り始めは遅れる
  4. 引っ越すなら、住宅ローン控除の扱いを先に確かめる … 家族ごと転居する前に、届出の要否を税務署に
  5. 住宅ローン以外の借金もあるなら、法テラスや弁護士・司法書士に … 個人再生の住宅資金特別条項の話は住宅ローンが払えなくなったらへ

1を飛ばすと、2の相談で何を頼めばよいかが決まりません。 毎月を減らしたいのか、ボーナス月だけを減らしたいのか、何年続く減収なのか。それが分かっているほど、金融機関も変更の形を提案しやすくなります。

私は、転職や減収のときにいちばん避けたいのは「黙って様子を見る」ことだと考えています。制度はどれも、延滞の前に動いた人のほうが選べる幅が広いつくりになっているからです。

しぐれ
しぐれ

返済額と新しい手取りを並べるだけなら、今夜できます。数字にすれば、不安は相談の材料になります。

まとめ

  • 借りる前の転職:勤続年数は93.9%の金融機関が審査項目。基準は1年以上661・3年以上121・2年以上45・その他183(令和8年6月の正誤表の修正後)
  • フラット35は、転職後の給与を支給月数で割り戻して年収とみなす。下がった年収で審査される
  • 借りたあとの転職で返済額は変わらない。年収が2割減れば返済負担率は2割増し
  • 金融庁は金融機関に、住宅ローンの返済猶予などの条件変更に迅速かつ柔軟に対応するよう求めている。ただし判断するのは金融機関
  • フラット35の返済方法変更メニューはA(期間延長など)・B(一定期間の減額)・C(ボーナス返済の見直し)、手数料不要。延長は最長15年・完済時80歳まで、失業中や20%以上の減収なら元金の据置き最長3年。総返済額は増えることがある
  • 失業したら、基本手当は額面の月給の6割前後。自己都合は待期7日+原則1か月たってから
  • 住宅ローン控除は12月31日まで住んでいること。単身赴任なら続き、家族ごと転居すると止まる
  • 相談は、延滞する前に、返済中の金融機関へ

出典

数値と窓口の情報は2026年10月17日時点の公表内容です。返済条件の変更ができるかどうかと、その条件は金融機関が個別に判断します。返済の相談は返済中の金融機関へ、住宅ローン控除は税務署へ、雇用保険はハローワークへご確認ください。

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よくある質問

転職したばかりでも住宅ローンは借りられますか?

金融機関によります。国土交通省の調査では、勤続年数を審査項目にしている933機関のうち「1年以上」を挙げたのが661、「3年以上」が121で、基準は機関ごとに違います。フラット35では、転職後の給与を支給された月数で割り戻して年収とみなす扱いがあります。

借りたあとで転職したら、住宅ローンはどうなりますか?

審査は借りるときのものなので、転職したことだけで返済額は変わりません。変わるのは家計の側で、年収が下がれば返済負担率が上がります。返済が重くなりそうなら、延滞する前に返済中の金融機関に条件変更を相談します。

返済を待ってもらったり、減らしてもらったりできますか?

相談はできます。住宅金融支援機構には返済期間の延長、一定期間の減額、ボーナス返済の見直しのメニューがあり、手数料はかかりません。ただし変更後も返済を続けられることが確かめられ、総返済額は増えることがあります。民間の金融機関の扱いは金融機関ごとです。

転職で引っ越すと、住宅ローン控除はなくなりますか?

その年の12月31日まで住んでいることが要件です。家族が住み続ける単身赴任なら続けられます。家族ごと住まなくなると、その年から控除は受けられません。勤務先からの転任の命令などで住まなくなった場合は、届出をしておけば、戻ったあと残りの期間について再び受けられます。