先に結論
- 借り換えで得になるかは、金利差より先に、残高と残りの期間で決まる。同じ0.5%の差でも、残高3,000万円・残り25年なら減る利息は約215万円、残高1,500万円・残り10年なら約40万円(当方計算)
- その減る利息から、新しいローンの事務手数料・保証料、抵当権の抹消と設定の登録免許税・司法書士報酬、印紙税、繰上げ完済の手数料を引く。抵当権の設定は借入額の0.4%で見積もっておく
- 借り換えたあとも住宅ローン控除は受けられる。ただし、新しいローンが元のローンを返すためのもので、償還期間が10年以上であることなどが条件。控除の期間は最初に住んだ年から数え、延びない(国税庁 No.1233)
- 借入額を借り換え直前の残高より増やすと、控除の対象額が按分で減る。諸費用を新しいローンに含めるときに起きる
- 団信は入り直し。健康状態によっては入れない。新しいローンの団信が決まるまで、今のローンは返し終えない
- フラット35への借り換えは、借入から1年以上・直近1年の正常な返済などが条件(住宅金融支援機構)
金利の話題が増えると、「借り換えたほうがいいのでは」と考える人が増えます。 借り換えの説明では「金利差が◯%あれば得」という言い方をよく見かけます。ただ、同じ金利差でも、残高と残りの期間しだいで、減る利息は数倍違います。しかも、借り換えには数十万円の費用がかかり、住宅ローン控除と団信の扱いも変わります。
この記事では、借り換えで減る利息と、かかる費用の比べ方を、当サイトの試算で示します。控除と団信、フラット35の借換融資の条件は、国税庁と住宅金融支援機構の資料で確かめました。特定の金融機関やローン商品をすすめるものではありません。
借り換えとは、今のローンを新しいローンで返すこと
借り換えは、今住んでいる家に住み続けたまま、返済中の住宅ローンを全額返し、条件の違う住宅ローンを新しく借りることです(住宅金融支援機構「借換融資の検討」)。
手続きの流れで見ると、お金と登記が次のように動きます。
- 新しい金融機関に申し込み、審査を受ける(収入・健康状態・物件)
- 新しいローンのお金で、今のローンを全額返す(繰上げ完済)
- 今のローンの抵当権を抹消し、新しいローンの抵当権を設定する
家を買ったときと同じように、審査と登記をもう一度やると考えると、費用がかかる理由と、通らないことがある理由が見えてきます。
同じ金融機関で条件を変えられる場合もある
借りている金融機関で、金利の引下げや固定期間の選び直しを相談できる場合があります。抵当権を付け替えないので、登記の費用はかかりません。公表資料には、「単純な金利引下」の手数料を5,500円としている例がありました。扱いは金融機関ごとに違うので、借り換えを考える前に、今の借入先にも聞いておくと比べる材料が増えます。
金利差が同じでも、減る利息は残高と残りの期間で変わる
当サイトで、今の金利を年2.0%と置き、借り換えで金利が0.3%・0.5%・1.0%下がった場合に、返し終わるまでの支払いがどれだけ減るかを計算しました。残りの期間は今と同じにしています。
| 今の残高・残りの期間 | 0.3%下がる | 0.5%下がる | 1.0%下がる |
|---|---|---|---|
| 3,000万円・25年 | 約130万円(月4,336円) | 約215万円(月7,176円) | 約423万円(月14,095円) |
| 3,000万円・15年 | 約74万円(月4,116円) | 約123万円(月6,830円) | 約243万円(月13,504円) |
| 1,500万円・15年 | 約37万円(月2,058円) | 約61万円(月3,415円) | 約122万円(月6,752円) |
| 1,500万円・10年 | 約24万円(月2,006円) | 約40万円(月3,333円) | 約79万円(月6,614円) |
(当方計算。元利均等・毎月払い・ボーナス払いなし。今の金利年2.0%、借り換え後も金利は最後まで変わらないと置いた。括弧内は毎月の返済の差)
同じ0.5%の差でも、約215万円と約40万円では5倍以上違います。利息は「残高×金利×期間」でふくらむので、残高が大きく、残りの期間が長いほど、金利差の効き目が大きくなります。
逆に言えば、返済が進んで残高と残りの期間が小さくなるほど、借り換えで減る利息は小さくなります。借り換えを考えるなら、返済の早い時期ほど効き目が大きいということです。

「金利差が1%あれば得」みたいな目安は、使えないの?

表の一番下の行を見てください。1%下がっても約79万円です。ここから費用を引くと、残る額はぐっと小さくなります。目安の数字に、自分の残高と残りの期間を当てはめてから判断したいところです。
借り換えにかかる費用
借り換えの費用は、大きく新しいローンの手数料・保証料、登記の費用、印紙税、今のローンの完済の手数料に分かれます。
| 費用 | 誰に払うか | 金額の決まり方 | 3,000万円を借り換える例 |
|---|---|---|---|
| 新しいローンの事務手数料・保証料 | 金融機関・保証会社 | 金融機関の方式で決まる | 定率2.2%なら66万円。定額3.3万円+保証料(一括、または金利に年0.1〜0.3%上乗せ)の例もある |
| 抵当権の設定の登録免許税 | 国 | 借入額×0.4% | 12万円 |
| 抵当権の抹消の登録免許税 | 国 | 不動産1個につき1,000円 | 土地1筆・建物1棟なら2,000円 |
| 司法書士報酬(設定・抹消) | 司法書士 | 事務所ごとに決める | アンケートの平均で設定42,699円・抹消17,470円(税込) |
| 印紙税(新しいローンの契約書) | 国(収入印紙) | 借入額で決まる | 1,000万円超5,000万円以下なら2万円 |
| 今のローンの繰上げ完済の手数料 | 今の金融機関 | 金融機関と申込方法で決まる | 公表資料では5,500円〜33,000円の例があった |
| 火災保険 | 保険会社 | 新しいローンの条件による | 今の保険を続けられる場合がある |
(登録免許税は登録免許税法 別表第一、印紙税は国税庁 No.7140、司法書士報酬は日本司法書士会連合会「報酬に関するアンケート」2024年3月実施。手数料は金融機関の公表資料を当方で確認。特定の金融機関をすすめるものではありません)
この例で、繰上げ完済の手数料と火災保険を除いて足すと、事務手数料が定率2.2%なら約86万円、定額3.3万円なら約24万円(保証料は別)です。1,500万円を借り換える場合は、同じ置き方で約47万円・約18万円になります。
ローンの事務手数料・保証料の方式と幅は、注文住宅の諸費用はいくら?で家を建てるときの費用として詳しく書いています。借り換えでも同じ考え方です。
抵当権の設定は、0.4%で見積もっておく
家を新築したときの抵当権の設定は、登録免許税が0.1%に軽減されていました。この軽減は、住宅用家屋の新築や取得をするための資金の貸付けで、新築・取得から1年以内に受ける登記に限られています(租税特別措置法第75条)。
借り換えのお金は、家を建てるためではなく今のローンを返すためのもので、多くは取得から1年以上たってから登記します。当サイトの試算では、本則の0.4%(登録免許税法 別表第一)で計算しました。3,000万円なら12万円で、新築のときの0.1%(3万円)の4倍です。実際の税率は、登記を頼む司法書士に確かめてください。
保証料を前払いしていたら、一部が戻る場合がある
今のローンで保証料を最初にまとめて払っていた場合は、完済すると、まだ期間が来ていない分の保証料が戻る場合があります。公表資料では、戻る額から保証会社の手数料(11,000円の例)を差し引く扱いが書かれていました。保証料を金利に上乗せして払っていた場合は、戻る保証料はありません。戻る額は、今の金融機関か保証会社に聞くと分かります。
契約書を電子で交わす場合
金融機関によっては、ローンの契約を電子で交わし、印紙税がかからないと案内しています。印紙税は紙の契約書にかかるもので、どちらになるかは申込先で確かめます。
減る利息から費用を引いて比べる
上の表の「減る利息」から、事務手数料が定率2.2%の場合の費用(3,000万円で約86万円、1,500万円で約47万円)を引くと、次のようになります。
| 今の残高・残りの期間 | 0.3%下がる | 0.5%下がる | 1.0%下がる |
|---|---|---|---|
| 3,000万円・25年 | +約44万円 | +約129万円 | +約337万円 |
| 3,000万円・15年 | −約12万円 | +約37万円 | +約157万円 |
| 1,500万円・15年 | −約10万円 | +約14万円 | +約74万円 |
| 1,500万円・10年 | −約23万円 | −約7万円 | +約32万円 |
(当方計算。繰上げ完済の手数料・火災保険・戻る保証料は入れていない。将来の支払いを今の価値に割り引いていない)
残高1,500万円・残り10年では、0.5%下がっても費用のほうが大きくなりました。一方、残高3,000万円・残り25年なら、0.3%の差でも費用を上回ります。
事務手数料が定額で、保証料を金利に上乗せする方式なら、最初の費用は小さくなります。そのかわり、上乗せ後の金利で比べます。たとえば借り換え後の金利が1.5%でも、保証料の上乗せが年0.2%なら、実際は1.7%(0.3%下がる列)として計算します。
自分の数字で計算する手順
借り換えの比べ方
- 今のローンの残高・金利・残りの期間を、返済予定表で確かめる
- 借り換え後の金利を、保証料や団信の上乗せを含めた形で出す。残りの期間は、まず今と同じにする
- 今のローンと借り換え後で、残りの総返済額を出す。差が「減る利息」
- 費用を全部足す(事務手数料・保証料、登録免許税、司法書士報酬、印紙税、繰上げ完済の手数料、必要なら火災保険・物件検査の手数料)
- 戻る保証料があれば足し戻し、「減る利息−費用」を出す
- 住宅ローン控除への影響(次の節)を確かめる
- 「費用÷毎月の返済の差」で、何か月で費用を取り戻せるかも見る
手順7は、途中で家を売る・繰上げ返済するといった予定がある人ほど効きます。3,000万円・残り25年・0.5%下がる例なら、費用約86万円÷月7,176円で約120か月、10年で取り戻す計算です。定額型で費用が約24万円なら、約33か月です。
住宅金融支援機構も、借り換えを考えるときは総返済額や毎月の返済額だけでなく、諸費用を含めた総費用で考えるよう案内しています(「借換融資の検討」)。総返済額は、金融機関や機構のローンシミュレーションでも出せます。
残りの期間を延ばすと、毎月は減っても総額は増えることがある
借り換えのときに返済期間を延ばすと、毎月の返済は大きく下がります。ただ、それは金利が下がった効果ではなく、返す期間が延びた効果です。利息を払う期間が延びるので、総返済額は増える場合があります。比べるときは、まず残りの期間を今と同じにして計算します。
借り換えたあとの住宅ローン控除
住宅ローン控除の対象は、本来、住宅の新築や取得などのために直接必要な借入金です。借り換えの新しいローンは、元のローンを消すための借入金なので、原則として対象になりません(国税庁 No.1233)。
ただし、次の要件をすべて満たせば、借り換えたあとも控除を受けられます。
(1) 新しい住宅ローン等が当初の住宅ローン等の返済のためのものであることが明らかであること。
(2) 新しい住宅ローン等が10年以上の償還期間であることなど住宅借入金等特別控除の対象となる要件に当てはまること。
(国税庁 タックスアンサー No.1233「住宅ローン等の借換えをしたとき」令和8年4月1日現在法令等)
控除の年数については、こう書かれています。
なお、住宅借入金等特別控除を受けることができる年数は、居住の用に供した年から一定期間であり、住宅ローン等の借換えによって延長されることはありません。
(同)
つまり、控除の期間(13年など)と借入限度額は、最初に住んだ年で決まったままです。借り換えた年から数え直すことはありません。控除額が年末残高の0.7%であることなど、制度の基本は住宅ローン控除の借入限度額と控除期間にまとめています。
一度借り換えたローンを、もう一度借り換える場合も、新しいローンが要件を満たしていれば控除は続きます(国税庁 質疑応答事例「借換えをした住宅借入金について再度借換えをした場合」)。
残りの期間が10年を切っていたら注意
要件の(2)にあるとおり、新しいローンの償還期間が10年以上であることが必要です。今のローンの残りが8年で、新しいローンも8年で組むと、控除の要件に当てはまりません。
この場合、控除を続けるために期間を10年以上に延ばすと、そのぶん利息を払う期間も延びます。延ばして増える利息と、残りの控除の額を、両方並べて比べます。
借入額を増やすと、控除の対象額が按分で減る
借り換え後の年末残高は、次のように計算します(国税庁 No.1233)。
| 場合 | 控除の対象になる年末残高 |
|---|---|
| 新しいローンの借入額 ≦ 借り換え直前の残高 | 新しいローンの年末残高 |
| 新しいローンの借入額 > 借り換え直前の残高 | 新しいローンの年末残高 × 借り換え直前の残高 ÷ 新しいローンの借入額 |
借入額が借り換え直前の残高を上回るのは、たとえば借り換えの諸費用を新しいローンに含めた場合です。
たとえば借り換え直前の残高が2,900万円で、諸費用を含めて3,000万円を借り、その年末の残高が2,950万円だったとします。控除の対象は2,950万円×2,900万円÷3,000万円=約2,852万円です。控除率0.7%なら、1年あたり約6,900円、控除が少なくなる計算です(当方計算)。
諸費用を現金で払えるなら、控除の面ではそのほうが有利です。手元に残す現金との兼ね合いで決めます。
金利が下がると、控除もわずかに減る
金利が下がると、毎月の返済のうち元金に回る分が増え、年末残高が少し早く減ります。そのぶん控除もわずかに減ります。3,000万円・残り25年で2.0%から1.5%に下げた試算では、5年後の残高の差は約27万円、控除の差はその年で約1,900円でした(当方計算)。減る利息にくらべると小さい差です。
借り換えた年の手続き
借り換えた年からは、年末調整に使う証明書の送られ方や、年末残高の書き方が変わる場合があります。借り換え先の金融機関の対応によって違うので、住宅ローン控除の年末調整(2年目以降)の「途中で借入先が調書方式に移った場合」の項と、よくある質問で確かめてください。
団信は入り直しになる
団信(団体信用生命保険。返済中に亡くなったときなどに、ローンの残りが保険金で返される保険)は、ローンごとに付く保険です。今のローンを返し終えると、今の団信の保障も終わります。
フラット35の借換融資の条件には、こう書かれています。
借換対象となる住宅ローンについて団体信用生命保険に加入している場合、その保障は住宅ローンの借換えにより終了します。
(住宅金融支援機構【フラット35】「借換融資のご利用条件」)
新しいローンで団信に入るときは、あらためて健康状態を告知して申し込みます。借りたときより健康状態が変わっていると、入れない場合や、保障の範囲が狭いものしか選べない場合があります。
新しい団信が決まる前に、今のローンを返し終えない
フラット35は、健康上の理由などで団信に入らない場合でも借り換えられます。一方、当サイトで公表資料を見た民間の金融機関の住宅ローンには、指定の団信に入れることを申込みの条件にしているものがありました。団信に入れずに借り換えると、返済中に万一があったとき、ローンがそのまま残ります。新しいローンの団信の審査が通ってから、今のローンを返す順番にします。
団信の保障の範囲や、生命保険との重なりは、団信に入ったら、生命保険はいくら減らせるかで詳しく書いています。借り換えで団信の種類が変わるなら、生命保険の見直しもあわせて考えます。
フラット35に借り換えるときの条件
住宅金融支援機構は、フラット35の借換融資の条件を公表しています。民間の金融機関の住宅ローンからも、フラット35や機構の住宅ローンからも借り換えられます。
フラット35の借換融資のおもな条件(2026年10月時点)
- 時期:住宅を取得したときのローンの借入日から、借換融資の申込日まで1年以上たっていて、申込日の前日までの1年間、正常に返済していること
- 年齢:申込時に満70歳未満(親子リレー返済を使う場合を除く)
- 返済の負担:すべての借入れの年間返済額が、年収400万円未満なら30%以下、400万円以上なら35%以下
- 借入額:100万円以上1億2,000万円以下で、「借り換えるローンの残高」と「機構の担保評価額の200%」の低いほうまで。印紙税・融資手数料・登記の費用・司法書士報酬・物件検査手数料・繰上げ完済の手数料と経過利息・火災保険料などを含められる
- 借入期間:「80歳−申込時の年齢」「40年−住宅を取得したときのローンの経過期間」「35年」のうち、最も短い年数まで(長期優良住宅などは40年・35年の部分が50年)
- 金利:全期間固定。融資率9割以下の金利が適用される
- 物件:機構の技術基準に適合していること(適合証明書で確かめ、物件検査手数料がかかる)。床面積は一戸建てで50㎡以上
- 費用:保証料と繰上返済手数料は不要。融資手数料は取扱金融機関ごとに違う
(住宅金融支援機構【フラット35】「借換融資のご利用条件」から要約)
借入期間の上限は、これまで返した年数のぶん短くなります。たとえば住宅を取得したときのローンを借りてから8年たっていれば、上限は32年です(「80歳−申込時の年齢」がそれより長い場合)。
借入額に諸費用を含めると、前の節の按分の計算が当てはまります。諸費用を含めて借りるかどうかは、控除への影響も見て決めます。
いつ考えるか:金利差より先に確かめる5つのこと
ここまでをまとめると、借り換えを考える時期は、金利の動きよりも自分のローンと家計の状態で決まります。
借り換えを考える前に確かめること
- 残高と残りの期間は、まだ大きいか。返済の早い時期ほど、同じ金利差で減る利息が大きい
- 費用を引いても残るか。登録免許税は0.4%で見積もる。事務手数料の方式で費用は数十万円変わる
- 住宅ローン控除は続くか。新しいローンの償還期間は10年以上か。借入額を残高より増やさないか
- 団信に入れるか。健康状態が変わっていないか。新しい団信が決まってから今のローンを返す
- 審査に通る状態か。転職直後・収入が減った・ほかの借入れが増えたときは、借りたときより条件が厳しくなる
5つ目の審査は、家を買ったときと同じように、収入と返済の負担で見られます。返済の負担の考え方は住宅ローンは「借りられる額」と「返せる額」が違うに書いています。

固定金利の期間が終わるときは、そのまま次の金利に移る前に、借り換えと今の金融機関での選び直しを並べて比べる機会になります。期間が終わる数か月前に、返済予定表を出しておくと動きやすくなります。
変動から固定へ移る借り換えは、別の比べ方になる
金利が上がる局面では、金利を下げるためではなく、変動金利から固定金利に移して返済額を固定するための借り換えを考える人もいます。この場合、借り換えた直後は金利が上がることも多く、この記事の「減る利息」の計算では比べられません。変動金利が上がった場合に返済がいくら増えるかは、住宅ローンの金利が上がったら返済はいくら増える?で計算できます。
客先で借り換えの相談を受けたときの注意
住宅会社や金融機関の担当の方が、引き渡し後のお客様から借り換えの相談を受けたときに確かめてほしいことです。
借り換えの話をする前に
- 金利差だけで「得です」と言っていないか。残高・残りの期間と、費用の総額を並べたか
- 抵当権の設定の登録免許税を、新築のときの0.1%で見積もっていないか
- 控除の期間が延びると説明していないか。控除の期間は最初に住んだ年から数える
- 諸費用を借入れに含めると、控除の対象額が按分で減ることを伝えたか
- 団信の入り直しと、健康状態によっては入れないことを伝えたか
まとめ
- 借り換えで減る利息は、金利差より先に、残高と残りの期間で決まる。同じ0.5%でも約215万円と約40万円の差が出た(当方計算)
- 費用は、事務手数料・保証料、抵当権の抹消と設定の登録免許税(設定は0.4%で見積もる)と司法書士報酬、印紙税、繰上げ完済の手数料。3,000万円で約24万〜86万円の例
- 「減る利息−費用」で比べる。期間を延ばすと毎月は減るが、総額は増えることがある
- 借り換えたあとも、新しいローンが元のローンを返すためのもので償還期間10年以上などの要件を満たせば、控除は続く。期間は最初に住んだ年から数え、延びない
- 借入額を借り換え直前の残高より増やすと、控除の対象額は按分で減る
- 団信は入り直し。新しい団信が決まってから今のローンを返す
- フラット35への借り換えは、借入から1年以上・直近1年の正常な返済などが条件
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出典
- 国税庁 タックスアンサーNo.1233「住宅ローン等の借換えをしたとき」
- 国税庁 質疑応答事例「借入金等を借り換えた場合」
- 国税庁 質疑応答事例「借換えをした住宅借入金について再度借換えをした場合」
- 国税庁「租税特別措置法関係通達(申告所得税関係)第41条」41-16
- e-Gov法令検索「登録免許税法」別表第一
- e-Gov法令検索「租税特別措置法」第75条
- 国税庁 タックスアンサーNo.7191「登録免許税の税額表」
- 国税庁 タックスアンサーNo.7140「印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」
- 日本司法書士会連合会「報酬アンケート結果(2024年3月実施)」
- 住宅金融支援機構【フラット35】「借換融資のご利用条件」
- 住宅金融支援機構【フラット35】「借換融資の検討」
本記事は2026年10月17日時点で公表されている法令と資料に基づいています。金利・手数料・保証料・団信の条件は金融機関によって異なります。試算は当サイトが置いた条件での計算で、実際の返済額を示すものではありません。ローンの条件は申し込む金融機関の窓口で、住宅ローン控除の扱いは所管の税務署で、登記の費用は依頼する司法書士にご確認ください。
よくある質問
住宅ローンの借り換えは、金利差が何%あれば得になりますか?
金利差だけでは決まりません。当サイトの試算では、同じ0.5%の差でも、残高3,000万円・残り25年なら減る利息は約215万円、残高1,500万円・残り10年なら約40万円でした。そこから登録免許税・司法書士報酬・事務手数料などの費用を引いて比べます。
借り換えたあとも、住宅ローン控除は受けられますか?
受けられます。ただし、新しいローンが当初のローンを返すためのものだと明らかで、新しいローンの償還期間が10年以上であるなど、控除の要件を満たす場合です(国税庁タックスアンサーNo.1233)。控除の期間は最初に住んだ年から数え、借り換えで延びることはありません。
借り換えで借入額を増やすと、控除はどうなりますか?
新しいローンの借入額が借り換え直前の残高を上回ると、控除の対象になる年末残高は「新しいローンの年末残高×借り換え直前の残高÷新しいローンの借入額」に減らして計算します(国税庁タックスアンサーNo.1233)。諸費用を新しいローンに含めた場合も、この計算になります。
借り換えるとき、団信はどうなりますか?
今の団信の保障は、元のローンを返し終えた時点で終わります。新しいローンでは、あらためて健康状態を告知して申し込みます。告知の内容によっては入れない場合があります。フラット35は団信に入らなくても借り換えられますが、民間の金融機関には、指定の団信に入れることを申込みの条件にしているところがあります。
フラット35に借り換えるための条件は何ですか?
住宅を取得したときのローンの借入日から1年以上たっていて、申込日の前日までの1年間、正常に返済していることなどが条件です。借入額は借り換えるローンの残高(諸費用を含められる)と、機構の担保評価額の200%の低いほうまで、借入期間は「80歳−申込時の年齢」「40年−これまでの経過期間」「35年」のうち最も短い年数までです(住宅金融支援機構)。



