返済がきつくなる前に|住宅ローンの返済額を下げる3つの方法(条件変更・期間の延長・借り換え)

返済がきつくなる前に|住宅ローンの返済額を下げる3つの方法(条件変更・期間の延長・借り換え)のイメージ家と住宅ローン

先に結論

  • 住宅ローンの毎月の返済を下げる方法は、条件変更(一定期間の減額・ボーナス返済の見直し)、返済期間の延長、借り換えの3つ
  • 期間の延長は、毎月がいちばん大きく下がるが、総返済は増える。 残高3,000万円・残り25年・金利2.0%で10年延ばすと、毎月27,777円減、総返済約359万円増(当方の試算)
  • 借り換えは、金利が下がれば総返済も減らせる。 ただし費用がかかり、審査がある。 フラット35は直前1年間の正常な返済が条件
  • 条件変更は一時的に苦しい時期に向く。 減額の期間が終わると、返済額はもとより増える
  • どの方法も延滞の前のほうが選べる幅が広い。 相談先は返済中の金融機関
残高3,000万円・残り25年・金利2.0%で、期間の延長や借り換えをしたときに毎月の返済がいくら下がるかの比べ

変動金利の見直しで返済額が上がる、固定期間が終わる、子どもの進学で教育費が増える。返済が苦しくなる理由は、たいてい少し前から見えています。

この記事は、まだ払えているうちに、毎月の返済を下げる方法を比べるためのものです。3つの方法で毎月がいくら下がり、総額がいくら変わるのかを、住宅金融支援機構と金融庁の資料と同じ前提の試算で並べます。すでに延滞している場合や、家を売るかどうかを考える段階の話は住宅ローンが払えなくなったらに、転職や収入減のときの相談の進め方は転職・収入減と住宅ローンにまとめています。特定の金融機関やローン商品をすすめる記事ではありません。

3つの方法を並べる

条件変更(一定期間の減額・ボーナス返済の見直し)返済期間の延長借り換え
どこで返済中の金融機関返済中の金融機関新しく借りる金融機関
毎月の返済決めた期間だけ下がる下がる(大きい)金利が下がれば下がる。期間を延ばせばさらに下がる
総返済増える増える金利差と費用しだいで減ることも増えることもある
費用機構の返済方法変更メニューは手数料不要機構の返済方法変更メニューは手数料不要事務手数料・保証料・登記の費用などがかかる
審査・条件変更後も返済を続けられることの確認同左。完済時の年齢に上限がある新しいローンの審査(収入・返済の実績・健康状態など)
向いている場面苦しいのが数年で終わる苦しさが長く続く今の金利が高く、収入も審査に耐えられる

(住宅金融支援機構の返済方法変更メニュー・借換融資のご利用条件をもとに当サイトで整理)

民間の金融機関の条件変更も、相談はできます。金融庁は令和7年11月27日の要請で、金融機関に次のように求めています。

住宅ローンやその他の個人ローンについて、丁寧な相談対応や顧客の状況、ニーズに応じた返済猶予等の条件変更の迅速かつ柔軟な対応を行い、生活・暮らしの支援に努めること。

(金融庁「金融の円滑化に向けた取組及び事業者支援の徹底について」5.住宅ローン等)

これは金融機関に向けた要請です。変更するかどうか、どんな条件にするかは、相談を受けた金融機関が判断します。 手数料や延長できる年数も、民間の金融機関ではそれぞれ違います。

方法1:条件変更(一定期間の減額・ボーナス返済の見直し)

一定期間だけ、毎月を下げる

住宅金融支援機構の返済方法変更メニューでは、Bタイプ(一定期間、返済額を減額)がこれにあたります。機構は、子どもの進学による教育費や入院による医療費など、一定期間支出の増加が見込まれる場合に、相談した期間内で返済額を減らせると説明しています。

機構が示している例です。

毎月の返済
減額前76,970円
減額期間中(3年間)50,000円
減額期間後81,436円

(住宅金融支援機構「タイプ別返済方法変更メニュー」。融資額2,000万円・金利3.00%・35年返済・返済開始から4年たった時点で適用した例)

3年間は毎月2万6,970円軽くなりますが、そのあとは減額前より4,466円重くなります。 減らした分を、あとで上乗せして返す形だからです。機構は、総返済額も増えると書いています。

ボーナス返済を見直す

ボーナス返済が負担になっているなら、Cタイプ(ボーナス返済の変更)があります。ボーナス返済の月を変える、毎月分とボーナス分の内訳を変える、ボーナス返済をやめる、の3つです。

毎月の返済ボーナス月の上乗せ
変更前53,879円139,034円
内訳を変更62,707円85,861円
ボーナス返済を取り止め76,964円0円

(住宅金融支援機構の例。融資額2,000万円〈毎月分1,400万円・ボーナス分600万円〉・金利3.00%・35年返済・返済開始から4年たった時点)

ボーナス月を軽くすると、毎月が重くなります。 毎月の家計にその余裕があるときの方法です。

みぞれ
みぞれ

一時的に下げてもらって、あとで重くなるなら、意味はあるの?

しぐれ
しぐれ

苦しいのが「子どもが卒業するまで」「育休が終わるまで」のように、終わりが見えているときに意味があります。終わりが見えないなら、次の期間の延長や借り換えと比べてください。

方法2:返済期間を延ばす

毎月はいちばん大きく下がり、総額は増える

期間の延長は、残りの元金をより長い期間で割り直す方法です。例として、残高3,000万円・残り25年・金利2.0%(元利均等・ボーナス返済なし)で計算します。

毎月の返済毎月の差返し終わるまでの総額総額の差
今のまま(残り25年)127,156円—3,814.7万円—
5年延ばす(残り30年)110,886円−16,270円3,991.9万円+約177万円
10年延ばす(残り35年)99,379円−27,777円4,173.9万円+約359万円

(当方の試算。金利は最後まで2.0%と置いた)

毎月の軽さと引き換えに、利息を払う期間が延びます。 住宅金融支援機構も、返済期間の延長について「毎月の返済額は少なくなりますが、返済期間が延びるため総返済額は増えます」と注記し、延長は相談のうえで必要最低限を勧めるとしています。

機構の返済方法変更メニューでの延長

機構のメニューでは、Aタイプ(返済期間の延長など)で、返済期間を最長15年延ばせます。完済時の年齢の上限は80歳です。現に失業中の人や、収入が20%以上減った人は、元金の支払いを止めて利息だけを払う期間(最長3年)も設けられます。

ただしAタイプは、離職や病気などの事情で返済が難しくなっていることと、収入の基準のどれかに当てはまることが条件です。「金利が上がりそうだから」という理由だけでは、Aタイプの対象にならない場合があります。収入の基準の当てはめ方は転職・収入減と住宅ローンに例をつけて書いています。

民間の金融機関で期間を延ばせるか、何年まで延ばせるかは、金融機関ごとに違います。返済中の金融機関に聞いてください。

延ばしたあとで、短くすることもできる

機構のチラシには、延長したあとで家計にゆとりができた場合などには、いったん延長した返済期間を短縮することで総返済額を抑えられる、と書かれています。手元にまとまったお金ができたら、期間短縮型の繰上げ返済で縮める方法もあります(繰上げ返済は「期間短縮」と「返済額軽減」どちら?)。

方法3:借り換える

金利が下がれば、毎月も総額も下がる

借り換えは、今のローンを、別の金融機関の新しいローンで返し終える方法です。新しいローンの金利が今より低ければ、毎月も総額も下がります。 同じ例(残高3,000万円・残り25年・金利2.0%)で、仮に金利が0.5%低い1.5%のローンに借り換えた場合です。

借り換え後の期間毎月の返済毎月の差総額の差(費用を引く前)
今と同じ残り25年119,981円−7,175円−約215万円
30年に延ばす103,536円−23,620円−約87万円
35年に延ばす91,855円−35,301円+約43万円

(当方の試算。金利は最後まで一定と置いた)

ここから借り換えの費用を引きます。住宅ローンの借り換えはいつ考える?の試算では、事務手数料が借入額の2.2%の場合、3,000万円で費用は約86万円でした。

  • 期間を変えない借り換えなら、約215万円減から約86万円を引いても、約129万円少なくなる
  • 期間を30年に延ばす借り換えは、毎月は大きく下がるが、総額の減りはほぼ費用で消える
  • 35年に延ばす借り換えは、毎月はいちばん下がるが、総額は費用を入れて約129万円増える

3つの方法のうち、「毎月を下げる」と「総額を減らす」を両立できるのは借り換えだけです。ただし期間を延ばすほど、総額の減りは小さくなります。

審査があるから、払えるうちに考える

借り換えは、新しいローンの審査を通らないとできません。フラット35の借換融資を例にすると、ご利用条件に次のようなものがあります。

フラット35の借換融資の主な条件

  • 申込時の年齢が満70歳未満(親子リレー返済を除く)
  • 年収に占めるすべての借入れの年間返済額の割合(総返済負担率)が、年収400万円未満は30%以下、400万円以上は35%以下
  • 今のローンを借りた日から1年以上たち、申込日の前日までの1年間、正常に返済している
  • 借入期間の上限は、「80歳−申込時の年齢」「40年−今のローンを借りてからの年数」「35年」のうち最も短い年数
  • 団体信用生命保険(団信)は入り直し。今のローンの団信の保障は、借り換えで終わる

(住宅金融支援機構【フラット35】借換融資のご利用条件。2026年10月24日時点)

延滞が起きると「直前1年間の正常な返済」を満たせなくなり、収入が減ると返済負担率の基準に届かなくなります。借り換えは、まだ払えていて、収入も落ちていないうちにしか選べない方法です。

借り換えたあとの住宅ローン控除は、新しいローンが元のローンを返すためのものであることなどが条件で、控除の期間は延びません(国税庁 タックスアンサーNo.1233)。費用の内訳、控除の条件、団信の入り直しは住宅ローンの借り換えはいつ考える?にまとめています。

組み合わせて、上がり方をならす

方法は組み合わせられます。住宅金融支援機構は、Aタイプ(期間の延長)・Bタイプ(一定期間の減額)・Cタイプ(ボーナス返済の見直し)を同時に組み合わせられるとしています(Aタイプで元金の支払いを一時休止する場合は、Bタイプとは組み合わせられません)。

機構が示している組み合わせの例に、金利が上がる時期を想定したものがあります。

毎月の返済
1〜10年目(金利2.00%)66,252円
11年目から、何もしない場合(金利4.00%)82,506円
11〜13年目、Bタイプで3年間減額74,123円
減額が終わったあと(Aタイプなし)84,330円
減額が終わったあと(Aタイプで1年延長、36年返済)82,048円

(住宅金融支援機構の例。融資額2,000万円・当初10年は金利2.00%、11年目以降4.00%・35年返済・返済開始から10年たった時点で適用)

機構は、収入が減り、子どもの教育費も増えているところに、11年目からの金利で返済額が上がる場面を想定しています。減額で上がり方を半分ほどに抑え、期間の延長で減額が終わったあとの上がり方も抑える、という組み合わせです。

手元にお金があるなら、もうひとつの方法

貯金があるなら、返済額軽減型の繰上げ返済でも毎月の返済は下がります。借入先の審査は要らず、総額も減ります。ただし手元のお金は減り、戻ってきません。

当サイトの試算(残高2,000万円・金利1.5%・残り20年)では、200万円を返済額軽減型で繰上げると、毎月の返済は9,651円下がりました。くわしくは繰上げ返済は「期間短縮」と「返済額軽減」どちら?にあります。

どれを選ぶかの目安

苦しい理由と続く期間まず比べる方法
ボーナスが減った・なくなったボーナス返済の見直し
教育費や医療費などで、数年だけ支出が増える一定期間の減額(終わったあとの返済額も確かめる)
収入が下がったまま戻らない期間の延長(必要最低限の年数で)
金利が上がった・上がる予定で、収入は落ちていない借り換え(費用と審査)、手元のお金があれば返済額軽減型の繰上げ
完済時の年齢が高く、延長の余地がない返済中の金融機関に、組み合わせを含めて相談

(当サイトの整理。実際に使えるかどうかは金融機関が判断する)

しぐれ
しぐれ

迷ったら、「苦しいのはいつまでか」を先に決めてください。終わりが見えていれば一時的な減額、見えなければ期間の延長か借り換え、と分けると話が早くなります。

相談の前にそろえる数字

返済中の金融機関に相談するときは、次の数字を手元に置いておくと、提案を受けやすくなります。

相談の前に手元に置くもの

  • 返済予定表と、今の残高・金利・残りの期間(年末残高等証明書や返済のお知らせでも分かる)
  • 金利の型と、次に返済額が変わる時期(変動の見直し、固定期間の終わり)。いつから増えるかは変動金利が上がったら返済はいつから増える?や10年固定が終わるときで確かめられる
  • 毎月の手取りと、返済に回せる上限の額
  • 苦しいのがいつまで続くか(子どもの卒業、育休の終わり、昇給の見込みなど)
  • 完済時の年齢
  • 機構のメニューを使う場合は、本人(連帯債務者を含む)の前年と前々年の公的な収入証明書(機構のチラシで提出書類とされている)

住宅金融支援機構は、返済方法の変更にあたって、変更中と変更期間が終わったあとも返済を続けられることを確かめるとしています。審査があり、希望どおりにならないこともあります。延滞が積み上がってからでは、その見込みを示しにくくなります。

相談先は、返済中の金融機関です。フラット35や旧住宅金融公庫の融資も、申請は返済中の金融機関(融資を申し込んだ金融機関)で行い、機構の各支店でも相談を受けています。金融機関との個別のトラブルで困ったときは、金融庁の金融サービス利用者相談室が論点の整理や他の機関の案内をしています(あっせん・仲介はしません)。窓口の電話番号と受付時間は転職・収入減と住宅ローンの「相談窓口」に一覧があります。

まとめ

  • 毎月の返済を下げる方法は、条件変更(一定期間の減額・ボーナス返済の見直し)、期間の延長、借り換えの3つ。手元にお金があれば返済額軽減型の繰上げも
  • 期間の延長は毎月がいちばん大きく下がるが、総額は増える。残高3,000万円・残り25年・2.0%で10年延ばすと、毎月27,777円減・総額約359万円増(試算)
  • 一定期間の減額は、期間が終わると返済額がもとより増える。苦しい時期の終わりが見えているときの方法
  • 借り換えは、金利が下がれば毎月も総額も下げられる。ただし費用と審査があり、期間を延ばすほど総額の減りは小さい
  • 機構の返済方法変更メニューは手数料不要で、組み合わせられる。期間の延長は最長15年・完済時80歳まで
  • どの方法も、延滞の前のほうが選べる幅が広い。相談先は返済中の金融機関

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よくある質問

住宅ローンの返済額を下げるには、どんな方法がありますか?

返済中の金融機関に相談する条件変更(一定期間の減額、ボーナス返済の見直し)、返済期間の延長、ほかの金融機関への借り換えの3つです。手元にお金があれば、返済額軽減型の繰上げ返済で毎月を下げる方法もあります。

返済期間を延ばすと、総返済額はどうなりますか?

増えます。当サイトの試算では、残高3,000万円・残り25年・金利2.0%の場合、期間を10年延ばすと毎月の返済は27,777円下がり、総返済は約359万円増えました。住宅金融支援機構も、期間の延長で総返済額は増えると説明しています。

延滞してから条件変更を相談すると、どうなりますか?

相談はできますが、選べる幅は狭くなります。住宅金融支援機構は、変更中と変更期間が終わったあとも返済を続けられることを確かめるとしています。借り換えも、フラット35の場合は直前1年間の正常な返済が条件です。返済日に引き落とせなくなる前に相談するのが基本です。

相談はどこにすればよいですか?

返済中の金融機関です。フラット35や旧住宅金融公庫の融資も、申請は返済中の金融機関(融資を申し込んだ金融機関)で行います。金融庁は金融機関に、住宅ローンの返済猶予などの条件変更に迅速かつ柔軟に対応するよう求めています。