先に結論
- 保険金額は、建物を建て直せる額で決めます。 新築なら、土地代を除いた建築価額が目安です(再調達価額・新価)
- 水災補償は、ハザードマップを見てから決めます。 洪水だけでなく、内水氾濫と土砂災害の地図も見ます。水害の被害額のうち、川のはん濫は約6割です
- 水災の保険料は、2023年から市区町村ごとの5区分になりました。 損害保険料率算出機構の参考純率の話で、各社の料率への反映の時期と区分は会社ごとに違います
- 保険期間は最長5年が目安です。 参考純率を適用できる期間が、2021年の届出で10年から5年に短くなりました
- 地震の損害は、地震保険でしか補償されません。 保険金額は火災保険の30〜50%で、建物5,000万円・家財1,000万円が限度です
- 耐震等級3なら、地震保険料は半分です。 払った地震保険料は、所得税で最高5万円の控除になります

住宅ローンの手続きと一緒に、火災保険の見積もりが来たんだけど……。全部おまかせでいいのかな?

金融機関が条件にしているのは、たいてい「火災で建物が燃えたときの補償」までです。水災を付けるか、地震保険をいくらにするかは、自分で決める部分として残ります。
火災保険と地震保険は、補償する災害が分かれている
火災保険は、火災だけの保険ではありません。風災・水災・雪災などの自然災害、建物の水道管などからの水漏れ、盗難まで補償します(損害保険料率算出機構)。どの補償を付けるかは、契約のときに選びます。
一方、地震・噴火・津波による損害は、火災保険では補償されません。 財務省は次のように書いています。
火災保険では、地震を原因とする火災による損害や、地震により延焼・ 拡大した損害は補償されません。
(財務省「地震保険制度の概要」)
| 災害・事故 | 補償する保険 | 決めること |
|---|---|---|
| 火災・落雷・爆発 | 火災保険 | 保険金額 |
| 台風・ひょう・大雪(風災・雹災・雪災) | 火災保険 | 付けるか。標準の補償にしている会社が多い |
| 洪水・内水氾濫・土砂崩れ(水災) | 火災保険 | 付けるか、外すか |
| 建物の水道管などからの水漏れ・盗難 | 火災保険 | 付けるか |
| 地震・噴火・津波による火災・損壊・流失 | 地震保険 | 付けるか、保険金額を30〜50%のどこにするか |
(損害保険料率算出機構「水災料率を細分化します」別紙、金融庁「2024年 保険モニタリングレポート」、財務省「地震保険制度の概要」をもとに当方で整理)
地震保険は、火災保険に付ける形でしか契約できません。 すでに火災保険に入っている人は、契約期間の途中からでも付けられます(財務省)。
建物と家財は、別に保険金額を決める
火災保険・地震保険とも、保険の対象は「建物」と「家財」に分かれます。建物だけに入ると、家具・家電・衣類の損害は補償されません。家財の保険金額は、持っている家財の金額を基準にします(日本損害保険協会 損害保険Q&A 問55)。
保険金額は「再調達価額(新価)」で決める
火災保険の保険金額は、保険の対象となる建物や家財の評価額を基準に決めます。評価の基準は2つあります(日本損害保険協会 損害保険Q&A 問55)。
| 基準 | 中身 |
|---|---|
| 再調達価額(新価) | 同じ構造・用途・規模の建物を、いま建て直す(買い直す)のに要る額 |
| 時価額 | 再調達価額から、年数と使用による消耗分を引いた額 |
時価額で保険金額を決めると、損害額も事故のときの時価で計算されます。保険金だけでは同じ建物を建て直せないことがあります。 そのため、保険金額を再調達価額で決める方法が用意されていて、今はこちらが一般的です(同)。
新築の建物なら、建築価額が再調達価額になります。 土地代は含まれません。土地と建物をまとめて買った場合は、購入価額から土地代を引いて考えます(同)。
保険金額が少ないと、損害額どおりに払われない
保険金額が保険価額(損害が起きたときの対象の価額)より少ない契約を「一部保険」といいます。保険法は、この場合の支払いを次のように定めています。
保険金額が保険価額(約定保険価額があるときは、当該約定保険価額)に満たないときは、保険者が行うべき保険給付の額は、当該保険金額の当該保険価額に対する割合をてん補損害額に乗じて得た額とする。
(e-Gov法令検索 保険法第19条)
たとえば保険価額2,000万円の建物に、保険金額1,000万円の契約をしたとします。1,000万円の損害が出ると、この割合で計算した保険金は500万円です。ただし第19条は、契約で別の定めを置ける規定(任意規定)です(日本損害保険協会 問56)。日本損害保険協会は、今売られている商品は、再調達価額で実際の損害額を払う方式(実損払)が主流だとしています(同 問56)。自分の契約がどちらかは、重要事項説明書で確かめます。
逆に、保険価額を超える保険金額(超過保険)にしても、超えた部分の保険金は払われません。契約のときに知らずに超えていた場合は、超過部分を取り消して保険料の返還を求められます(保険法第9条、同 問56)。
住宅ローンを組むと、火災保険は融資の条件になる
フラット35は、返済が終わるまで、借入れの対象の住宅に火災保険(または法律にもとづく火災共済)に入ることを条件にしています。
建物の火災による損害を補償対象としていただきます。
(住宅金融支援機構【フラット35】ご利用条件)
フラット35の火災保険の条件(2026年10月時点)
- 期間:返済終了までの間
- 補償:建物の火災による損害
- 保険金額:借入額以上。借入額が損害保険会社などの基準で出した評価額を超える場合は、評価額
- 保険料:借りる人の負担
- 保険期間と払い方:取扱金融機関によって違う。火災保険金の請求権に質権を設定する場合がある
土地も一緒に借りると、借入額が建物の評価額を上回ることがあります。その場合の保険金額は、評価額でよいことになります。
条件に入っているのは火災だけです。 水災・地震保険を付けるかどうかは、条件の外にあります。民間の金融機関の条件は、申込先で確かめます。火災保険料が諸費用のどこに入るかは、注文住宅の諸費用はいくら?にまとめています。
水災補償は、ハザードマップで考える
水災補償は、建物の場所によってリスクの差が大きい補償です。そのため、契約する人の判断で付けたり外したりできるようになっています(金融庁「2024年 保険モニタリングレポート」)。
水災補償を付けている契約の割合は、年々下がっています。 損害保険料率算出機構の統計では、住宅の火災保険の水災補償付帯率は、全国で2013年度の76.9%でした。2024年度は61.8%です。
水害の約4割は、川のはん濫以外で起きている
損害保険料率算出機構は、火災保険の「水災リスク」を3つに分けて見ています。
| 種類 | 中身 |
|---|---|
| 外水氾濫 | 川があふれる |
| 内水氾濫 | 集中豪雨で下水道などの処理が追いつかず、水があふれる |
| 土砂災害 | 集中豪雨などで土砂が崩れる |
水害の被害額のうち、外水氾濫は56.2%、それ以外が43.8%です。国土交通省の水害統計(2011〜2020年の合計)から、損害保険料率算出機構が作った数字です(同 別紙)。洪水ハザードマップの浸水想定区域の外でも、内水氾濫や土砂災害の被害は起きます。
金融庁の有識者懇談会の報告書は、洪水ハザードマップで浸水深が浅い地域の契約者が、水災補償を付けなくなる傾向を指摘しています。一般に浸水深が50cmを超えると床上浸水になります。それなのに、浸水深0.5〜1.0mの地域で付帯率が下がっていた、という意見が出ています(金融庁、令和4年3月)。

うちは浸水の色が薄い場所なんだけど、それなら外していい?

色が薄い、は「0.5m未満」の場合と「0.5〜3m」の場合で意味が全然違います。凡例の数字まで読んでください。それと、洪水の地図に色がなくても、内水と土砂災害の地図は別にあります。
ハザードマップの見方:4つの手順
水災補償を決める前に見るもの
- 重ねるハザードマップで住所を入れる。 国土交通省・国土地理院の「ハザードマップポータルサイト」で、洪水・内水・土砂災害・高潮・津波のリスク情報を地図に重ねて見られます
- わがまちハザードマップから、市区町村のハザードマップを開く。 市町村が法令にもとづいて作ったマップにつながります。浸水深の凡例、内水(雨水出水)のマップがあるかを確かめます
- 土砂災害の区域に入っていないかを見る。 外水だけでなく、内水氾濫と土砂災害も水災に入ります
- 水災等地を見る。 損害保険料率算出機構の「水災等地検索」で、市区町村が1〜5等地のどれかが分かります
津波は、水災ではなく地震保険の範囲です。 地震が原因で起きた浸水や地すべりも、水災ではなく地震保険で補償されます(国民生活センター『国民生活』2023年6月号)。津波の地図に色がある場所は、地震保険の要否として考えます。
土地を買うとき、重要事項説明で地図が示される
2020年8月28日から、宅地建物取引業者は、土地や建物の売買の重要事項説明で、水防法にもとづく水害(洪水・雨水出水・高潮)ハザードマップ上の物件の位置を示すことが義務になりました(国土交通省)。浸水想定区域の外でも位置を示し、「水害のリスクがない」と誤解させないよう配慮することとされています(同 Q&A)。 注文住宅の建物の請負契約は、この説明の対象ではありません。 土地を持っている人は、自分で地図を確かめます。
水災の保険金が払われる条件も見る
水災補償を付けても、損害の程度が一定の条件を満たさないと保険金は払われません。国民生活センターの『国民生活』(2023年6月号)は、多くの約款が次のように定めていると説明しています。
- 床上浸水:浸水の深さを問わず、損害額が補償される
- 床上浸水に至らない場合:地盤面から45cmを超える浸水で損害が出ると補償される
- 床上浸水を伴わない土砂災害・落石など:建物に保険価額の30%以上の損害が出ることが条件。2,000万円の住宅なら600万円以上
条件は商品によって違います。見積もりのときに、約款か重要事項説明書の「水災」の欄で確かめます。
外すかどうかは、3つの材料で決める
水災補償を外すかどうかは、次の3つを並べて決めます。
- ハザードマップの結果:洪水・内水・土砂災害のどれかに色があるか。浸水深は50cmを超えるか
- 水災の損害を自分で払えるか:住宅が全壊した世帯などに支給される被災者生活再建支援金は、最大300万円です(単身世帯は4分の3。国民生活センター)。住宅ローンを返しながら建て直す費用は、これでは足りません
- 保険料の差:同じ条件で「水災あり」「水災なし」の2通りの見積もりを取り、差額を見る

見積もりを2通りもらうと、水災の分にいくら払っているのかがはっきりします。差額と、地図で見た浸水深を並べると、決めやすくなります。
2023年から、水災の料率が市区町村ごとに5区分になった
損害保険料率算出機構は、2023年6月21日に火災保険参考純率の改定を金融庁長官に届け出ました。6月28日に、法律の規定に適合しているとの通知を受けています。内容は2つです。
- 住宅総合保険の参考純率を、全国平均で13.0%引き上げる
- 全国一律だった水災の料率を、地域のリスクに応じて5区分に分ける
水災料率の細分化(参考純率)
- 地域の単位:建物がある市区町村
- 区分:保険料がもっとも安い「1等地」から、もっとも高い「5等地」までの5区分
- 較差:もっとも高い地域は、もっとも安い地域の約1.2倍(火災・風災・水災などの補償を合わせた保険料で。激変緩和の措置あり)
- 細分化しなかった場合との比較:1等地は平均で約6%低く、5等地は平均で約9%高い水準
(損害保険料率算出機構「火災保険参考純率改定のご案内」(2023年6月)、同 別紙)
等地は、外水氾濫だけでなく内水氾濫や土砂災害も含めて評価しています。そのため、洪水ハザードマップなどのリスク情報とは一致しない場合があります(損害保険料率算出機構「水災等地検索」)。また、1等地は「ほかの市区町村より相対的にリスクが低い」という意味です。どの等地でも水害は起きています(同 別紙)。
参考純率は、保険料そのものではない
参考純率は、保険料のうち保険金に充てる部分(純保険料率)の参考値です。保険会社は、そのまま使う、修正して使う、使わずに独自に出す、のどれでも選べます。事業の経費に充てる部分(付加保険料率)は、各社が独自に出します(損害保険料率算出機構)。
だから、等地の区分や地域の単位、保険料の差は、契約する保険会社で違います。 金融庁は2024年7月のレポートで、細分化された水災料率は「各損害保険会社により順次、適用されていく見込み」と書いています。いつから自社の料率に入れたかは会社ごとで、公的な資料に一律の開始日はありません。見積もりの書類で、所在地の水災の区分がどう扱われているかを確かめます。
保険期間は、最長5年が目安になった
損害保険料率算出機構は、2021年5月の届出で、参考純率の適用期間を短くしました。
これに対応するため、火災保険の参考純率が適用できる期間(現行:最長 10 年)を最長5年とします。
(損害保険料率算出機構「火災保険参考純率改定のご案内」2021年5月)
理由は、自然災害のリスクが将来にわたって大きく変わると見込まれ、長期のリスク評価が難しくなったためです(同)。
法律で5年が上限と決まったわけではありません。 2024年度に始まった住宅の火災保険の新契約を保険期間別に見ると、次のとおりです。
| 保険期間 | 新契約の件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 1年 | 2,977,714件 | 23.3% |
| 2年 | 2,018,379件 | 15.8% |
| 3年 | 274,984件 | 2.2% |
| 5年 | 7,279,636件 | 57.0% |
| 10年 | 136,209件 | 1.1% |
| 合計(そのほかを含む) | 12,766,984件 | 100% |
(損害保険料率算出機構「2025年度 火災保険・地震保険の概況」第5表。割合は当方計算)
35年の住宅ローンを5年契約でつなぐと、返済中に6回の更新を迎えます。 更新のたびに、そのときの料率で保険料が決まります。予算は、初回の保険料だけで組まないようにします。
更新は、補償を見直す機会でもあります。水災補償を外していた人は、そのときのハザードマップを見直します。家財の保険金額は、家族構成の変化で増減します(日本損害保険協会 問56)。
地震保険の仕組みと保険金額
地震保険は、地震・噴火・津波による火災・損壊・埋没・流失の損害を補償する保険です。対象は、住まいとして使う建物と家財です(財務省)。
地震保険の決まり(財務省「地震保険制度の概要」)
- 保険金額:火災保険の保険金額の30〜50%の範囲で決める
- 限度:建物は5,000万円、家財は1,000万円
- 対象外:1個または1組30万円を超える貴金属・宝石・骨とう、現金、有価証券、自動車など
- 保険期間:1年(短期)と、2〜5年(長期)
- 払われない主な場合:地震などの発生日の翌日から10日を過ぎて生じた損害、地震のときの紛失・盗難など
たとえば建物の火災保険の保険金額が2,500万円なら、地震保険は750万〜1,250万円の範囲で決めます。建て直す額の全部は出ません。 地震保険は、地震などによる被災者の生活の安定に役立つことを目的とした制度です(財務省)。
保険金は、損害の程度で4段階
支払いは、実際の修理費ではなく、損害の程度の区分で決まります(2017年1月1日以降に始まった契約)。
| 区分 | 建物の基準(どちらか) | 支払額 |
|---|---|---|
| 全損 | 主要構造部の損害が時価額の50%以上/焼失・流失した床面積が70%以上 | 保険金額の100%(時価額が限度) |
| 大半損 | 同 40%以上50%未満/同 50%以上70%未満 | 保険金額の60%(時価額の60%が限度) |
| 小半損 | 同 20%以上40%未満/同 20%以上50%未満 | 保険金額の30%(時価額の30%が限度) |
| 一部損 | 同 3%以上20%未満/床上浸水か地盤面から45cmを超える浸水 | 保険金額の5%(時価額の5%が限度) |
(財務省「地震保険制度の概要」。家財は家財全体の時価額に対する損害額の割合で、80%以上・60%以上・30%以上・10%以上の区分)
地震保険は、民間の保険会社が負う責任のうち一定額を超える巨額の部分を、政府が再保険する仕組みです。1回の地震などで払われる保険金の総額の限度は12兆円です(財務省)。
損害保険料率算出機構によると、その年度に契約された住宅の火災保険のうち地震保険を付けた割合(地震保険付帯率)は、2025年度に全国で70.8%でした。
地震保険料は、所在地・構造・割引で決まる
地震保険料は、建物の構造と所在地で決まります。財務省が公表している基本料率は、保険金額1,000万円あたり1年で7,300円〜41,100円です(2022年10月1日以降に始まる契約)。
| 都道府県の例 | イ構造(主に鉄骨・コンクリート造など) | ロ構造(主に木造) |
|---|---|---|
| 北海道 | 7,300円 | 11,200円 |
| 宮城県・愛知県・大阪府 | 11,600円 | 19,500円 |
| 埼玉県 | 26,500円 | 41,100円 |
| 千葉県・東京都・神奈川県・静岡県 | 27,500円 | 41,100円 |
(財務省「地震保険の基本料率」から抜粋。保険金額1,000万円あたり保険期間1年)
木造でも、耐火建築物・準耐火建築物・省令準耐火建物などに当たる場合は「イ構造」になります(同)。建築会社に、構造区分の根拠になる書類を出してもらえるかを確かめます。
耐震等級3なら半分になる
| 割引 | 条件 | 割引率 |
|---|---|---|
| 免震建築物割引 | 住宅品確法にもとづく免震建築物 | 50% |
| 耐震等級割引 | 耐震等級3 | 50% |
| 耐震等級割引 | 耐震等級2 | 30% |
| 耐震等級割引 | 耐震等級1 | 10% |
| 耐震診断割引 | 耐震診断・耐震改修で、1981年6月1日施行の耐震基準を満たす | 10% |
| 建築年割引 | 1981年6月1日以降に新築された建物 | 10% |
(財務省「地震保険制度の概要」。割引は重ねて使えない)
割引を受けるには、等級を確かめられる書類を保険会社に出します。耐震等級と、ほかの制度(住宅ローン控除・フラット35Sなど)との関係は、省エネ基準とZEH水準で住宅ローン控除はどう違う?断熱・耐震の等級とお金に書いています。
長期契約は、長期係数をかける
2〜5年の長期契約の保険料は、1年分の保険料に長期係数をかけて出します。
| 期間 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 |
|---|---|---|---|---|
| 長期係数 | 1.90 | 2.85 | 3.75 | 4.70 |
(財務省「地震保険制度の概要」)
基本料率で、1年分を出してみる
建物の地震保険の保険金額を1,250万円(火災保険2,500万円の50%)にした場合です。割引と基本料率だけで計算しています。
| 所在地・構造 | 割引なし | 耐震等級3(50%割引) | 耐震等級3・5年契約 |
|---|---|---|---|
| 東京都・ロ構造 | 51,375円 | 25,688円 | 120,731円(1年あたり24,146円) |
| 東京都・イ構造 | 34,375円 | 17,188円 | 80,781円(1年あたり16,156円) |
| 北海道・ロ構造 | 14,000円 | 7,000円 | 32,900円(1年あたり6,580円) |
(当方計算。基本料率×1.25×割引×長期係数。家財の地震保険は入れていない。実際の保険料は、保険会社の見積もりで確かめる)
同じ保険金額でも、所在地と構造と耐震等級で、1年分が7倍以上違います。 東京都のロ構造で耐震等級がない場合と、等級3の場合の差は、1年で約2.6万円です。
地震保険料控除:払った地震保険料は所得控除になる
その年に払った地震保険料は、所得税の地震保険料控除の対象です(国税庁 No.1145)。
| 年間の地震保険料 | 控除額(所得税) |
|---|---|
| 5万円以下 | 払った全額 |
| 5万円超 | 一律5万円 |
(国税庁 タックスアンサー No.1145、令和8年4月1日現在法令等)
住民税では、最高2万5千円が控除されます(財務省)。対象は「地震等損害部分」の保険料で、火災保険だけの部分の保険料は入りません。
会社員は、勤務先の年末調整で、保険会社から届く控除証明書を付けて申告します。年末調整に間に合わなかった分は、確定申告で受けられます。入居した年の手続きの順番は新築の引き渡し後1年のお金のカレンダーに、申告書の書き方は保険料控除申告書の記入例にあります。
長期契約で一括払いしたとき
地震保険を5年分まとめて払った場合、各年分の控除の対象になる額は、保険会社から届く控除証明書で確かめます。証明書の金額をそのまま申告書に写します。
決める順番のチェックリスト
火災保険・地震保険を決める順番
- ☐ 融資の条件を確かめる(火災保険の期間・保険金額・質権設定の有無)
- ☐ 建物の保険金額を、土地代を除いた建築価額で決める(再調達価額)
- ☐ 家財の保険金額を決める
- ☐ 重ねるハザードマップと市区町村のハザードマップで、洪水・内水・土砂災害を見る
- ☐ 水災等地検索で、市区町村の等地を見る
- ☐ 「水災あり」「水災なし」の2通りで見積もりを取り、差額を見る
- ☐ 地震保険の保険金額を、火災保険の30〜50%のどこにするか決める
- ☐ 構造区分(イ・ロ)と、耐震等級を証明する書類を建築会社に確かめる
- ☐ 保険期間(1〜5年)と、更新の時期を家計の予定に書き込む
- ☐ 地震保険料控除の証明書を、年末調整か確定申告で出す

保険料の総額は、更新のたびに変わります。最初に決めた補償の中身を書き残しておくと、5年後の更新で見直すときに迷いません。
まとめ
- 火災保険の保険金額は、再調達価額(新価)で決める。新築なら土地代を除いた建築価額が目安
- フラット35が条件にしているのは、建物の火災の補償・借入額以上(評価額が上限)・返済終了まで。水災と地震は自分で決める
- 水災補償は、洪水・内水・土砂災害の3つの地図を見てから決める。水害被害額の約4割は、川のはん濫以外
- 水災の料率は、参考純率で市区町村ごとの5区分になった(2023年6月届出)。各社への反映は会社ごと
- 参考純率を適用できる期間は最長5年。2024年度の住宅の新契約の57%が5年契約
- 地震保険は火災保険の30〜50%、建物5,000万円・家財1,000万円が限度。耐震等級3・免震は50%割引
- 地震保険料は所得税で最高5万円、住民税で最高2万5千円の控除
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出典
- 財務省「地震保険制度の概要」
- 財務省「地震保険の基本料率(令和4年10月1日以降保険始期の地震保険契約)」
- 国税庁 タックスアンサー No.1145 地震保険料控除
- 損害保険料率算出機構「火災保険参考純率改定のご案内」(2023年6月)
- 損害保険料率算出機構「住宅向け火災保険参考純率の水災料率を細分化します」(2023年6月、別紙)
- 損害保険料率算出機構「火災保険参考純率改定のご案内」(2021年5月)
- 損害保険料率算出機構「水災等地検索」
- 損害保険料率算出機構「火災保険 水災補償付帯率」
- 損害保険料率算出機構「2025年度地震保険付帯率」(2026年8月25日)
- 損害保険料率算出機構「2025年度 火災保険・地震保険の概況」
- 金融庁「火災保険水災料率に関する有識者懇談会 報告書」(令和4年3月31日)
- 金融庁「2024年 保険モニタリングレポート」
- 住宅金融支援機構【フラット35】ご利用条件
- 国土交通省・国土地理院「ハザードマップポータルサイト(重ねるハザードマップ・わがまちハザードマップ)」
- 国土交通省「不動産取引時において、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明を義務化」
- 国土交通省「宅地建物取引業法施行規則の一部改正(水害リスク情報の重要事項説明への追加)に関するQ&A」
- 国民生活センター『国民生活』2023年6月号「水害で被災したときの公的支援と保険請求時の注意点」
- 日本損害保険協会 損害保険Q&A 問55「火災保険の保険金額はどのように設定すればよいのですか」
- 日本損害保険協会 損害保険Q&A 問56(一部保険・超過保険)
- e-Gov法令検索 保険法(第9条・第19条)
本記事は2026年10月17日時点で公表されている内容に基づいています。火災保険の補償の範囲・保険料・保険期間・水災の区分は、保険会社と商品ごとに違います。融資の条件は金融機関で確かめてください。個別の判断は、契約先の保険会社・代理店、借入先の金融機関、税金は税務署にご確認ください。
よくある質問
新築の火災保険の保険金額は、いくらにすればいいですか?
建物は、同じ建物を建て直すのに要る額(再調達価額・新価)を基準にします。新築なら、土地代を除いた建築価額が目安です。保険金額が保険価額より少ないと、損害額どおりに支払われない場合があります(保険法第19条)。
水災補償は外してもいいですか?
決める材料は、ハザードマップの結果、水災で受けた損害を自分で払えるか、水災補償の有無で変わる保険料の差の3つです。外水氾濫(川のはん濫)は水害被害額の約6割で、残りは内水氾濫や土砂災害などです。洪水の浸水想定区域の外でも、内水と土砂災害の地図を確かめてから決めます。
火災保険の保険期間は、何年までですか?
損害保険料率算出機構は、2021年の届出で、参考純率を適用できる期間を最長10年から最長5年にしました。2024年度に始まった住宅の火災保険の新契約では、5年が約57%、10年は約1%でした。何年で契約できるかは保険会社ごとに違います。
地震保険の保険金額はいくらまでですか?
火災保険の保険金額の30〜50%の範囲で決めます。建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度です(財務省)。地震による火災や津波の損害は、火災保険では補償されません。
地震保険料控除はいくらですか?
その年に払った地震保険料が5万円以下なら全額、5万円を超えると一律5万円が、所得税の所得控除になります(国税庁No.1145)。住民税は最高2万5千円です(財務省)。火災保険の部分の保険料は対象になりません。



